佐倉蜜柑の兄は運命に抗う   作:こむぎ子

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生まれて初めて小説を書こうと投稿しました。
お付き合いいただければ幸いです。




プロローグ

 

 

 

 なんかゆらゆら揺れている。朦朧としている意識の中で、まるでゆりかごに乗せられてる感覚に寝ぼけ感覚ながらも驚く。でも目をあけたくない。ざくざく。音が聞こえる。なんの音だっけ。聞いたことある音のはずなのに思い出せない。考えることも面倒になってきた。ゆらゆら。ざくざく。もう一度眠ってしまおうか。そう思った途端に、身体に圧迫感を感じた。ちょっと苦しい。やめてくれ。

 

「みかん……みかん…………」

 

 誰の声だろうか。私の名前ではない。でも私を呼んでいるかのように耳元から声を感じる。誰だろう。目をあけたくなったけど力が入らない。ゆらゆら。ざくざく。あぁ、思い出した。

 

「らいむ……っ」

 

 これは確か雪を踏みしめる音だ。

 

 暗転。

 

 

 

 

「4才の誕生日おめでとう」

 

 お年玉がプレゼントじゃ、と干支が描かれたぽち袋を渡された。自分の意思関係なくありがと、といって小さな手でぽち袋を受け取った。待って。4才?4才って誰のこと言ってんの。間違っても自分のことじゃないよね。二十歳過ぎたもういい大人だっての。そして間違っても4才の子を産んだ覚えもない。

 

「ほれ、蜜柑も」

 

 みかん?そこで自分の隣に小さい女の子がいたことに気付いた。じーちゃん!ありがとう!と元気な声が響く。このツインテールの女の子、見覚えがある気がする。しかも蜜柑という名前。でもあまりにも小さい。

 

「新年明けましておめでとう。今年もよろしゅうな」

 

 

 

 暗転。

 

 

 

 桜がひらひら舞っている。ぞろぞろとまっすぐに歩く大人と子供。みんなおめかししているようだ。ここはどこだろう。

 

「らいむ!はやく行かんと遅れるで!」

 

 ぐいぐいと右手を引っ張られる。さっきの女の子だ。でもさっきよりも大きい、気がする。やっぱりこのツインテールの女の子、どっからどう見ても。

 

「一年生のみんなー!集合写真撮るから急いで集まってね!」

「あぁ!もう始まっとるよぉ、じぃちゃん待っとるから急がんと!」

 

『××年、小学校入学おめでとう!』

 

 学園アリスの主人公にしてヒロイン、佐倉蜜柑だった。

 

 

 

 

 こうして私は何の前触れも無く、完結した「漫画」の世界にいた。自分の手を見る、とても小さい。私は本来成人済みのはずで、こんな事はありえない。記憶は久しぶりの休日に「学園アリス」を読んだ記憶で途切れている。

 小学生の頃からハマり完結まで追いかけた好きな漫画だ。完結したらリアルでのことが忙しくもあり、すっかり遠のいていた。だから実家にあるこの漫画を一気読みして休日を満喫していたのだ。

 これは夢でも見ているのだろうか?

 

 

 誰か助けてください。

 

 

 

 

 

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