わたくしが黒のアサシンですわ。   作:六導

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第3話 仕込み

side黒のキャスター

 

早朝、工房のドアを叩く音がした。

その時の僕は工房で来るべき大戦に備えてゴーレムに何か違う機能をつけようと思案していた時に彼女が僕を訪ねてきた。

「マスターか、なら入ってきたまえ」

こんな朝早くから来るのはおそらくマスターだろうとこの時の僕はそう思っていた。

「申し訳ありませんけど私、アサシンですわ。入ってもよろしいでしょうか?」

驚いた。まず、最初にそう思った。

彼女のようなドレスを纏う階級の人物は僕のような土の匂いがする者の所には寄り付かないと思っていたからだ。

「少しキャスターさんに作っていただきたいモノがありましてその相談に参ったしだいですわ」

作って欲しいもの?

何だろうか?と少し興味があったので僕はアサシンを工房へと入れてテーブル越しに話をする。

「どういった品かな?生憎だが僕は君に似合う高価な装飾品は作れそうにないが」

「あらあら、私のことをそんな風に見ていただいていたなんて嬉しいのですけれど今回は武器を少し作っていただきたくて」

武器?

なぜ、それを僕に頼るのだろうか。

僕たちサーヴァントには武器になりえる宝具があるはずだが

「ええ、キャスターは疑問に思われたのでしょうけど残念ながら私の宝具は直接的な攻撃性能はないものなんですの。まぁ、護身程度には銃も扱えますけど、これだけでは心許ないでしょ?だからキャスターである貴方に代わりになるモノを作っていただけないかと思いまして」

「ふむ、例えばどのようなモノだろうか?あまり凝ったモノは僕は作れないのだが」

「そうですわねぇ〜」

アサシンは悩むような仕草をしつつ僕の工房を少し見回してから

「爆弾なんてどうでしょうか?それならゴーレムに組み込むなりして作っているのでは?」

「ふむ、爆弾か。なるほど。それなら作れないこともないし、それを僕のゴーレムに組み込んでおけばそれなりの破壊力になるかもしれないな」

アサシンの意見はいいアイディアだった。

確かにサーヴァント相手ではいくらゴーレムを数多く揃えても討ち取ることは出来ないだろう。しかしそこに爆弾による火力と破壊力が加われば・・・あるいは

「あら、いいですの?こんな素人の意見なんかで」

「いや、いい。たまにはそう言った意見も悪くない。早速、次回のゴーレム作成分からは爆弾を取り付けたモノも鋳造しておくか。そしてその過程で出来たモノを君に譲ろう」

「あら、それは嬉しいですわ。ではよろしくお願いしますね」

アサシンが嬉しそうに返事をしたところで再びドアを叩く音がした。

「先生!今朝、先生が欲しがっていたゴーレムの材料の一部が届きました!」

それを聞いたアサシンは僕の方に笑みを浮かべながら

「あらあら、先生ですか。マスターに好かれているのですねキャスターは」

と言い残してアサシンは霊体化して消えた。

「まったく、人という者はよく分からないな」

この僕が先生か。

 

 

sideカウレス

 

俺は今、城の外に出ていた。

目的はバーサーカーの宝具の威力を知るためだ。

宝具の内容はマスターである俺は知ってはいるがどのような威力があるのかは実際に見てみないと分からないのでこうしているのだが

「よし、これでいいか。フラン」

ロシェに頼んで数体のゴーレムを貰いそれを並べ終えてから俺は一緒に外に出ていたバーサーカーを呼ぶがあからさまに俺を無視をしてくる。

バーサーカーが何に怒っているのかは分かっている。

「ああ、昨日は悪かった。お前の許可も取らずに真名を明かしちまった」

と何とか俺の謝罪が通じたらしくバーサーカーは俺の指示通り宝具を使用してくれた。

その破壊は凄まじく、驚いた俺はその場で尻餅をついてしまった。

その時だった。

俺の背後から

 

「バ〜ン!」

 

と俺の背中を妙に甘い声で囁きながら指で突いてくる感触が伝わった。

「カウレスさん、今はもう聖杯大戦が始まっていますのよ。そんな風に油断していると簡単に"殺されて"しまいますわよ」

死ぬではなく殺すという言葉に俺は全身の血の気が引いていくのを感じた。

「ウウウゥ・・」

マスターである俺の危機を感じたのかバーサーカーが物凄いスピードでこちらに向かってきた。

「あら、バーサーカーさん、そんなに怒らないで下さいまし。私はただ他の方々とお知り合いになっておこうかと思いまして」

とアサシンは両手を上げて降参のポーズを取りながら離れる。

しかしバーサーカーの威圧を平然と受けてなおその顔は余裕の笑みを浮かべている。

「バーサーカー抑えてくれ。確かにアサシンの言う通り俺が気を抜いてた。こんな広い所に一人で立ってたら敵の攻撃のマトだったかもしれない」

バーサーカーはどこか納得がいかないと思いつつも武器を下げてくれたがその顔は不服だと言わんばかりだ。

そして目はアサシンをしっかりと見据えている。

「まぁ、カウレスさん。扱いが難しいバーサーカーをこうも制御しているなんて凄いですねぇ〜」

アサシンの言葉が世辞や社交辞令的なモノなのは分かっている。

それを感じ、言葉に出そうとすることろで俺はその言葉を呑み冷静に俺は言葉を交わす。

「で、アサシン何か用があったのか?」

そんな俺の感情を知ってか知らずかアサシンはとぼけたように答える。

「いえいえ。大きな音がしたので見に来たのが本当のところですわ。まぁお話もしたかったのですけれど、それはまたの機会に取っておきましょうか」

と言い残すとアサシンは霊体化して消えた。

アサシンが消えたことで辺りの緊張感が消え、俺は盛大にため息をついてから

「結局、アイツは何がしたかったんだ?」

「ウウ...」

と俺のボヤキにバーサーカーは首をかしげるだけだった。

 

 

side 狂三

 

「フフフ、キヒヒヒ」

私は今とても気分がいいですわ。

昨日の内に私の宝具。刻々帝で私の分身を作り出し、今日会ったキャスターとバーサーカーとカウレスさんの影に私の分身を潜り込ませることが出来ましたわ。

キャスターさんはお話の最中にカウレスさん達はバーサーカーさんの宝具の爆発の煙に紛れて上手く潜り込ませることができた。

だが、後の面々セイバー・ランサー・アーチャー組はおそらく無理だろう。

あの三騎は隙がなさそうですし、まぁマスターの方ならと思いますがサーヴァントの方が違和感や私達の視線に気付きそうですわ。

今は辞めておきましょうか。

「さて、私のマスターの方と辺りの偵察は分身に任せて私は分身を増やしつつ午後からライダーさんの所にも行きましょうか」

結局、午後から私はライダーさんを見つけることができませんでしたわ。

どれだけ行動力がありますのあの方は、別の意味でライダーさんは厄介ですわね。

 

 

その日の夕方、私の分身がおそらくマスターとサーヴァントと思われる二人組を発見したと報告があった。

なぜそう思ったのかは私のマスターに見せてもらったユグドミレニア側の魔術師のリストにはいない魔術師と思われる男がユグドミレニアの領内に入ってきたこと。

そして私の分身の気配遮断に僅かだが察知かもしくは感でこちらを何度か振り向く少女の存在だ。

私の分身の気配遮断と単独行動は全て本体である私と同じだ。

まぁ能力や身体能力が劣化してしまうがそれでも何度もこちらの存在を感じ取れるのならそれはもう人間業ではないと思う。

ならばと私はマスターにこのことを報告するのだった。

 

 

 

 




今のところは高評価ですね。
これを維持できるかどうかですね。σ(^_^;)

狂三ちゃんの分身は能力などは本体よりも弱く
しかし、気配遮断と単独行動は本体と同じと設定させていただきました。
あと多分セイバーの直感なら何とかくアサシンにも気づけるかなと思ってこうしました。
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