デビルサマナー 須賀京太郎 作:マグナなんてなかったんや
少しでも楽しんでもらえれば幸いです。
パラケルススからの依頼と、悪魔合体を行うために京太郎は邪教の館に姿を表した。
彼から受けた依頼に基づいて京太郎が目の前の少女に聞かせている話は、京太郎がこれまで生きてきた人生についての話だ。
とは言っても特別なことはなにもない。
京太郎が覚えている最初のことから、当時好きだったヒーロー物の特撮の話や、幼稚園の頃に行った演劇の話といった代わり映えしない普通の思い出を語って聞かせていた。
これでいいのかと問いかけた京太郎だったが、パラケルススは「だがそれがいい!」と言い譲らなかった。
30分ほど少女に話を聞かせた京太郎はそこで一区切りを付けた。
15年間生きてきたとはいえ幼少期の頃の記憶も薄れており、話すことが思いつかないのも相まった結果だったが、パラケルススからも最初から話しすぎるのは良くないと言われ許可は得ている。
思い出しながら語っていた京太郎だが思ったよりも昔の記憶を覚えてないので、アルバムでも見て思い出そうと決めた。
「昨日の今日とまではいかないがすぐに悪魔を用意するとは流石だね。どうだい? はじめての共同依頼は新鮮だったかな? おかしいと彼女たちに言われたとは思うけどね」
机の上の書類に目を通しながら言ったのはパラケルススだ。
京太郎は「そうですね」と言うと。
「なんかサマナーのイメージが変わったっていうか、いや、俺自身がサマナーと言われてたから俺が普通なんだと思ってただけなんだけど」
「少なくとも普通ではないと認識できたのは良いことだよ。言われてわかっただろ? 君の戦い方は他の人達からすると自殺行為に等しいんだ」
その言葉に頷いた。彼は昨日行った透華からのはじめての依頼について思い出していた。
はじまりは二日前。長針と短針が交わり日付が変わる少し前の時間に訪れた着信音からはじまる。
*** ***
「異界の共同攻略ですか?」
『えぇ。とはいえ第一目的は違いますの。これからあなたに依頼をお願いしていくと、今回の依頼のように私の仲間たちと共同で依頼をこなしていただくときがあるとおもいますわ。今回はその時のための顔合わせが第一目的ですわ。それと私たちの実績作りを兼ねてですわね』
「明日……うん。大丈夫です。元々異界には行こうと思っていたのでちょうどいいですね。ただ悪魔との交渉もしてもいいですか?」
『悪魔に対する対処はお任せいたします。そうですわね、放課後に清澄高校へ私たちが迎えに参りますわ。それから現地へ向かいましょう』
現地までの足になってくれるのは京太郎としても助かる。だが本当に良いのか問いかけると。
『構いません。今回向かう異界は清澄高校方面ですから』
「……分かりました。お願いします」
こうして透華の仲間たちと異界を攻略することになったのだが『清澄高校』での合流について、京太郎はとても後悔することになる。
さて、ここで問いかけたい。学校でも会社の前でも良いが、高級外車が止まっていてその前にタキシードをピシッと決めたイケメン執事が立っていればどう思うか。
少なくとも何事かと注目を集めるのではないだろうか。
京太郎のクラスでも同様であり、授業終了少し前に校門前に止まった車に気づいたクラスメイトがざわつき授業終了が少し遅れた。
当然それに京太郎も気づいており、二つのカバンを持ち駆け出した。
京太郎は急いで校門前に居るハギヨシのところまで行くと、ハギヨシと挨拶を交わしてから車に乗り込んだ。
高級でふわふわな座席にドギマギするよりも、京太郎はホッとする気持ちでいっぱいだった。
友人の変わった行動に周りの方が慌てることがあるが、京太郎の心境がまさにそれだ。
「大丈夫須賀くん?」
「え、えぇまぁ……。えっと」
車に乗っているのは京太郎を含めて五人。
一人は当然京太郎、もうひとりは運転手を努めているハギヨシ。あとは顔に星マークを付けた少女に、京太郎をも超える身長を持つ少女、それとメガネを付けた少女の三人だ。
「ごめんね。ホントは少し離れた場所に車停めたほうがって思ったんだけど、派手に目立つように! って透華が」
「いえいえ。驚いたのはホントですけど、うん」
「男なんだ細かいことを気にしないってのは良いことだと思うぜ……っと、挨拶がまだだったな。井上純だ、よろしくな」
「沢村智紀。よろしく」
「ぼくは国広一っていうんだ。よろしくね」
「俺は須賀京太郎です。よろしくおねがいします」
自己紹介こそしたが、京太郎は三人のことを一方的に知っていた。
直接会話をしたことがあるわけじゃない。選手控室で画面越しに見て、大会後に直接見かけたことがあるだけだ。
透華も含めるが顔を見かけることはあってもこうして会話をすることはないだろう。そう思っていた面々と会話をしていることに京太郎は違和感を覚えた。
「そうだ。ついたらすぐに異界にいくからここで用意できることはしておいたほうが良いよ」
「そうなんですね、分かりました」
京太郎は学習カバンではなく、京太郎の装備が格納されたカバンを開いた。
一見するとそこに格納されているものはベストとズボンぐらいだが実際は違う。
ベストとズボンは一見すると普通の服だが対悪魔対策が施された術式が刻まれており高い防御力を誇る。
更にカバンにも仕掛けは存在する。京太郎がカバンに手をかざすと京太郎の魔力とマグネタイトに反応したカバンが底を開いた。
そこに格納されているガントレット、ハンドガン、そして短刀を取り出すと身に着けた。
「須賀くんは近距離戦をこなすサマナーなんだね」
「えぇ、まぁ」
京太郎は他の三人の装備を見た。
一は短刀というよりもナイフを持ちサブマシンガンを装備している。
純はショットガンとナックルダスター。
智紀はライフルを持っているが近接武器は装備していない。その代わりノートパソコンをその手に持っている。
「上から羽織るタイプの装備かよ。そっちのが便利だよな」
「武具屋に行ったときに学生だと話したらこっちのがいいと教えてくれたんです」
「へぇ、良い店を知ってるんだな。こういう仕事だとぼったくりも多いらしくてさ。オレたちゃ龍門渕だからあんま関係ないんだけどよ」
「やっぱりそうなんだ……」
京太郎が行った店はパラケルススから教えられた店である。
とあるバーのマスターに合言葉を伝えることで入店できるその店の店主は、おのぼりさんとなっていた京太郎に親身となり相談を受けてくれた。どうもパラケルススからの紹介だというのが効いたらしい。
そうして世間話をしつつ京太郎たちがたどり着いたのは廃ビルの前だった。
「ここって確かニュースで……」
車から出てきた京太郎が思い出していたのは今から半年前に起きたガス爆発事件だ。
そこで起きた事件での死傷者は軽く100人を超え、ビルは原型こそ残っているが建て直されることはなく放置されたという。
「異界が出来た原因はそれですね」
「それ、ですか?」
「ここで死んだ人たちの霊が成仏することなく残り無念の感情から悪霊として現世に残り続けたのでしょう。結果、悪魔たちを引き寄せ異界となりました」
「そうなんですね。なんか悲しい話だ」
京太郎たち四人は異界の入口前に立った。
一たちが悪魔を召喚したのを見て京太郎も同様に仲魔を召喚した。
異界攻略のための作戦は次のような手はずとなっている。
まず純と智紀が異界へ潜り情報を収集し、帰還した二人の情報を元に一と京太郎が異界の主を撃破し異界を破壊する。
異界へ潜った二人を見送った京太郎は、こんなものなのかと思っていた。
実際情報を収集した後に異界を攻略するほうが安全で、前情報無しで異界は攻略するものではないと理解できるが、その辺りを知りようがない京太郎は真偽をフケイに問いかけた。
「ふむ。確かにこの方法がええじゃろ。前もって異界の情報を得た上で、情報の真偽を確かめ、確認後に本隊が突入し攻略する。情報は命じゃから確認するのも大切じゃしな」
「死んだら意味がないもんな」
「そうじゃの。じゃがそれが最も正しいわけではないぞ。良いかサマナー。これからサマナーは自身とあの嬢ちゃんとでギャップを感じるはずじゃ。その後サマナーが何を思いどう選択するのか、それはサマナー次第じゃが覚えておけ。わしらは今のサマナーじゃからこそ付き従っておる……のう?」
フケイはピクシーとカブソに視線を向けると二体とも頷いた。
順調に行けば、この異界攻略でカブソとはお別れになる。
このメンバーで居れる最後の時を京太郎は決して忘れることはないだろう。
「いてっ」
髪の毛を思いっきり引っ張ったピクシーを京太郎は睨みつけるも、ピクシーは一切悪びれることなく。
「笑っていつもどおり行こうよ!」
と言い京太郎はその言葉を聞いて微笑むと「そうだな」と答えた。
そんな京太郎たちを見て驚いていたのは京太郎と同じく待機をしている一だ。
一と彼女の仲魔である悪魔たちは決して仲がいいわけではない。それも当然で彼女にとって悪魔とはともに戦う友ではなく部下でしかないからだ。
だがそれは一だけではない。純であっても智紀であっても同様であり、彼女たちは自分たちの師であるハギヨシからもそう教えられた。
それから一時間半後、ハギヨシの用意したお茶で休憩を取っていた京太郎たちの前に純たちが帰還した。
「おかえり! 異界はどうだった?」
「事前情報通りだな。レベルは大体10前後だ。国広くんにはちときついかもしれないが、そこの京太郎がいれば大丈夫だろ。確か今はレベル13だったよな」
「そっか。なら大丈夫って自信を持っては言えないけど行けそうかな」
「という訳だ。頼むぜ、京太郎。異界を二つ破壊したって実力を見せてくれよ」
「その前に情報を共有するからCOMPを渡してほしい」
京太郎はCOMPを智紀に渡した。
彼女は京太郎のCOMPとノートパソコンを繋げるとマップ及び悪魔の情報を送信した。
「これでいい。二人共気をつけて」
純、智紀、ハギヨシに見送られながら京太郎は、初めて他者と共に異界へと潜るのだった。
*** ***
廃ビルの異界へと潜り込んだ京太郎と一は辺りを警戒しつつ前へと進んだ。
まずレベルの高い京太郎たちが前線に立ちその後ろに一たちが付いていく事になった。
純と智紀たちが異界の情報を収集してきたおかげで京太郎たちは迷いなく最深部へと向かい歩いていく。ところどころに赤い血が存在するのは純たちが戦い怪我をした跡なのだろう。
その赤い血が残ったある地点に悪魔の群れが居た。
目的は純たちの流した赤い血に残るマグネタイトである。それを求め悪魔たちが集っていた。
「ねぇ須賀くん」
悪魔の群れの様子を見ながら一が言った。
「もしよければ君の戦い方を見せてくれないかな」
「別にいいですよ」
これが一の目的の一つである京太郎の戦いを見るというものだ。
透華の指示というのもあるが、力をつけるというのは彼女自身の意志によるものだ。全ては自身の主である透華のために。
「ピクシー、カブソ、フケイ」
京太郎は仲魔である三体に声をかけた。
三体の悪魔が頷いたのを見た瞬間、京太郎は仲間たちともに駆け出した。
「へ?」
そんな京太郎の動きを驚きの表情で見ていた彼女を置き去りにして。
京太郎は前情報を得ることの恩恵をこの初戦で強く感じることになる。
「マハジオ!」
右腕から発せられた拡散する電撃が群れを作っていた悪魔たちに向かって一斉に襲いかかる。
この場に居た悪魔はチャグリン、フーリガン、ポルターガイスト、カハクである。
この内チャグリン、ポルターガイストは電撃属性に弱いという特徴を持っている。だがフーリガンは電撃属性に強くカハクはそのどちらでもないのだが、全体的に見ても電撃属性が有効な場面である。
そして、電撃属性が効かないということが分かっていれば、対策を取ることも可能ということだ。
「へっ! こんなもんがどうしたってんだぁ!」
チャグリンたちがマグネタイトの光に還っていく中で、耐性を持っていたフーリガンが京太郎へと拳銃を向け発砲する。
発砲音を聞いた京太郎は右腕に持った短刀で自身に向かってくる弾丸の軌道を変え避けた。
フーリガンの攻撃の隙を突いたのはフケイである。
フケイの放ったザンがフーリガンの腕を吹き飛ばし、ピクシーのアギがフーリガンの体を燃やす。
「ぐぉぉぉぉぉぉ!!!」
燃え盛るフーリガンの断末魔が響き渡る中カブソのザンがカハクを切り裂いた。
これまでの京太郎たちであれば耐性が分からず攻撃する相手が違えば戦闘は長引いたかもしれない。そうなれば至る結果も違ったはずだ。
だが少なくとも今回の戦いは京太郎たちの圧勝で終わりを告げた。
そして残ったフーリガンに短刀を向けた京太郎だったが。
「へ、へへ。待ってくれよ」
手に持った銃とナイフを床に置き手を上げた。
「降参だ。逃しちゃくんねーか?」
「俺は今仲魔を強くするために仲魔を集めてる。そのために仲魔になってくれるなら命は助ける」
「悪魔合体ってわけかい? 正直なサマナーさんだねぇ。へへ、いいぜ。このまま逃げてもいつかまた同じことになる。ならこうして散るよりも悪魔合体で新生すればそいつの中で生き続けられるってなもんよ……。外道フーリガンだ短い間になるがついていかせてもらうぜ、旦那」
京太郎は契約したフーリガンをCOMPに帰還させた。
今の仲魔たちのようにフーリガンがともに戦うことはないと判断したからというのもあるが、はじめての依頼で慣れぬ仲魔と共に戦い依頼が失敗するのを京太郎は避けた。
「こんなもんだな」
一息ついた京太郎たちは自身も含めた仲魔たちのパラメータを確認した。
多少の傷こそあるものの、大怪我を負ったものは誰も居ない。そのことにホッとした京太郎は後ろの一に声をかけた。
「終わりましたけどこれでいいですか?」
「お……」
プルプルと体を震わせながら一が力強く叫んだ。
「終わりましたじゃないよ! 危ないでしょう!? なんでサマナーが悪魔よりも前線に立って戦ってるのさ! ていうか全然仲魔たちに指示出してないんだけど!」
「え?」
「これじゃ命が幾つあっても足りないし全然参考にならない……」
一の様子に困惑しつつ京太郎は問いかける。
「えーと、ごめんなさい? えっと、どうするのがサマナーなんだ?」
「サマナーはあくまで召喚者。戦いはするけど基本は悪魔任せだよ」
「は? それで仲魔っておかしくないか」
「おかしくないよ。仲魔に指示を出して勝利に導くそれがサマナーなんだ」
京太郎は言葉にならなかった。
京太郎にとって仲魔たちとはその言葉通り戦友なのである。命をかけた戦いの中で背中を任せられる頼りになる奴ら。それが京太郎にとっての仲魔だ。だからこそ彼は仲魔たちと共に命をかけて前線で戦っている。
それに仲魔にだけ戦いを任せるのは不義理ではないかと京太郎は思う。
困惑する京太郎に声をかけたのはフケイだった。
「言ったはずじゃサマナー。全てはぬしの選択次第。慣例に従うも従わぬもぬし次第よ」
「……なら、俺はこのままでいい。このままがいい。それを選択する」
「そうか。ふっ、では行こうぞザマナー。何時も通りにの」
「そういうわけです。これが俺の戦い方です。参考にならなくてごめんなさい」
「ううん。こっちこそごめんね。逆にこんな戦い方もあるんだって教えられたよ」
それから京太郎と一は共に異界を攻略し異界の主を撃破することに成功する。
この戦いにより京太郎はレベル15となり、一のレベルは変動しなかった。
*** ***
「なるほど。良いのではないか? 自身と他者を比較するのは重要だ」
京太郎の話を聞いて笑いながら答えたのはパラケルススだ。
彼は京太郎の話を楽しそうに聞きそう言った。
「でもなんで俺は強くなって国広さんは成長しなかったんでしょう?」
疑問を口にした京太郎だがその答えを一たちは答えなかった。正しくは答えなかったのではなく、答えられなかったのだ。
だがパラケルススはその答えを簡単に口にした。
「それは当然のことだ。分からないか? 彼女たちは確かにサマナーで、仲魔たちに指示を出しているが戦っていない。だが君は戦っている。この差だよ。どんなに輝かしい力であっても鍛えなければ鈍る。だが君のように命をかけて直接戦うものは鍛えられ、輝きを増していく……君の仲魔も思っているだろうが私は君のその輝かしい光を失ってほしくないと思うのだよ」
「……俺みたいな戦い方をしてる人他にいるんですか?」
「居るさ。古くから続く家の人間は家の仕来りから直接戦うことも多い。例えばそう、ヤタガラスの葛葉ライドウなんかもそうだ」
「葛葉ライドウ……」
京太郎は自身の心に刻みつけるかのようにその名を口にした。
「まっ、彼に会わない人生のほうがよっぽど幸せさ。さて、それじゃ行うとしようか。悪魔合体を」
パラケルススの言葉に従い、京太郎は悪魔合体を行う仲魔たちを召喚した。
まずはフケイを対象とした合体である。
ガラスに入ったフケイと外道フーリガンがマグネタイトの光に分割され新たな存在として生まれ変わる。
誕生するのは邪龍トウビョウ。攻撃よりも戦闘補助及び敵への阻害を行うことを目的とした仲魔である。
「トウビョウ? こういうのはおかしいがフケイのままか?」
「うむ。間違いなくわしのままじゃ。少しは力を取り戻せたようじゃ、コンゴトモヨロシクじゃな」
「……あのさ、お茶は飲めるとは思うけど味わえる?」
瓢箪に多くの蛇の頭が生えている姿を持つトウビョウの姿を見て京太郎は問いかけた。
フケイ……いやトウビョウは少し考え込んだ後に答えた。
「帰宅したら試してみるが、駄目なら早期の合体を求む」
「ハハ。わかったよ、とりあえずよろしく」
そしてついに別れの時が来た。
カブソ。京太郎が初めて戦ったあの日からずっと共にやってきた大切な仲魔だ。
「今日までありがとな」
「おらもここまでよくしてもらえるとは思ってなかっただよ」
「最初は命乞いから始まった関係だもんな。俺もびっくりだ」
最初の出会いから今日までの日々を振り返りながら京太郎はカブソの背中をポンポンと叩いていた。
「もう、いいな」
パラケルススの言葉に京太郎とカブソは頷いた。
「主さん。姿も心も変わるだけど、おらはずっと主さんの味方だよ」
「うん。今日までありがとう。そして、これからもよろしくな」
今回は通常行われる二身合体ではなく三身合体が行われる。
まず一体目の悪魔は当然のごとくカブソ、二体目を地霊カハク、三体目を天女アプサラスとし合体を行う。
カハクは先日の廃ビルで仲魔とした悪魔でありアプサラスはその前日に咲と一緒に帰ったあの日に仲魔にした悪魔だ。
フケイの時と同様、ガラス状のカプセルに入ったカブソがマグネタイトの光へと分解し三つの光が交わり生まれるは新たなるもう一体の仲魔。
「ヒーホー! おいらの名前はジャックフロストだホー! コレカラモヨロシクダホー、『主さん』」
そう言って手を上げる妖精ジャックフロストの言葉からカブソを感じて、京太郎はうれしく感じつつ。
「よろしくな! ジャックフロスト」
背中をポンポンと叩きながら挨拶を交わした。
これから進化するであろうピクシー、新たなる仲魔の妖精ジャックフロスト、邪龍トウビョウ。
もっと強くなることを決意して彼らを引き連れ京太郎は邪教の館をあとにした。
次回の更新は明日か明後日になるかと思います。
京太郎と一の能力成長の差については、前線で戦い続けるメガテン主人公とそうではない一般サマナーでは違いが出て当然という話です。
なので強くなりたければ京太郎のように仲魔と前線で戦えばいいですが、普通はその前に死んで生き残った人が強くなります。