デビルサマナー 須賀京太郎   作:マグナなんてなかったんや

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いつもより本話何時もより長いです。


『暗躍する者たち』

 瀧黒寺の異変破壊の同日。

 京太郎が姿を現していたのは新橋駅だ。その理由は彼が寝泊まりをしているホテルがこの近辺にあるためである。

 咲たちと京太郎の泊まる宿泊地が異なっているがその理由は単純で、彼女たちの宿泊施設ではマッカが対応していないためだ。

 

 ちなみにマッカに対応している宿泊施設は基本的にヤタガラスと繋がっている。

 一般サマナーからすればあまり関係のない話だが、ダークサマナーと呼ばれる存在からすれば居場所が把握される危険性があるため注意される。

 ダークサマナーとは悪魔の力を悪用する者たち全般を指す言葉だ。

 中にはヤタガラスを挑発するためにわざわざ泊まる猛者も居るがそんな変わり者はそう居ない。

 

 京太郎はホテルへ戻る途中にケーキでも購入しようと考えていた。

 朝から叩き起こされた脳が糖分を欲しているのもあるが、仲魔や練習中の部活仲間のためでもある。

 プライベート用のスマホで近くのケーキ屋を検索していた時、懐にいれていたCOMPが震えた。

 一旦スマホをしまい、COMPを取り出すと画面には熊倉トシの名前が表示されていた。

 何の用だろうと京太郎は一瞬考えたが、彼女が京太郎に連絡してくる件と言えば先日の地震か日程決めの件のどちらかだと考え、清澄と宮守の試合日を思い出しながら電話に出た。

 

 

「京太郎です。熊倉さんですか?」

『須賀くんかい? よかった、通じてくれたか……!』

「熊倉さん?」

 

 電話越しに感じる安堵と焦りにただ事ではないと京太郎は身構えた。

 

『いきなりで申し訳ないが今から言う場所に発生した異界に来てくれないかい? その異界に囚われてしまったんだ』

「囚われたって大丈夫ですか?」

『なんとか結界を張って持ちこたえてるけど札も残り少なくてね、悪魔も集まってくるし……急いでくれると助かるよ』

「分かりました。どちらに行けばいいですか? 俺は今新橋駅近くです」

『新橋か。案外近いね……築地市場方面へ来てくれるかい? 座標は送るよ』

 

 通話が切れ、送られてきたショートメールにはとある地点の座標データが添付されていた。

 京太郎はタクシーを捕まえると、座標の近くまで移動した。

 

 *** ***

 

 異界の入り口前まで来た京太郎は装備を整えてから仲魔を呼び出してから異界に突入した。

 

「エストマ効くかな?」

「んー。使ってみるね」

 

 イシュタルがエストマを使用した。

 エストマは悪魔の出現を抑える魔法だが、出現した悪魔を消去する力はない。

 基本的に悪魔たちは下剋上を狙い相手がどんなに強くとも向かってくる。

 エストマはそんな悪魔たちの闘争本能を抑えることが出来る魔法と言えるが、当然格上の悪魔に影響はない。

 

「それじゃ急ごう」

 

 異界を駆ける京太郎たちの目に入った悪魔は地霊ティターンや邪神バフォメットといった悪魔たちだ。

 それらは京太郎も長野で見たことのある悪魔たちであり、撃破したこともある。

 つまり、ここの異界は京太郎たちのレベルよりも低い悪魔が出現する異界の証明だ。

 

 エストマで近づいてこないとはいえ、進路をふさぐ悪魔は居る。

 そんな悪魔たちを刀で、魔法で消し去りながら進む京太郎たちの前に複数の悪魔が何かに群がっているのが見えた。

 悪魔がその何かに剣を振り下ろそうとしたとき、悪魔の顔が炎で燃えた。

 

「悪魔たちと戦ってる? あれはアギか?」

 

 京太郎は仲魔たちに指示を出し全力で悪魔たちが群がる場所まで向かうのだった。

 

 *** ***

 

 京太郎が現場に到着する少し前の話だ。

 結界を張り悪魔の悪意からその場に居た全員を守っているのは熊倉トシだ。

 熊倉トシの実力であれば自分の身を守るだけなら、目の前に居る悪魔のどんな攻撃を受けたところで彼女の結界はびくともしなかったはずだ。

 問題は彼女が守ろうとする人の数が11人と多く、それだけ広範囲の結界を維持しなければならなかった。

 つまり結界を維持するトシの体力が少しずつ少しずつ削られている。

 さらに時間が経つにつれ悪魔が増え、増えた悪魔がトシの結界を一心不乱に攻撃し続けた。

 結果、頑張って耐えていたがついに体力の限界が訪れ彼女の結界が壊された。

 

「あんたたち早く逃げな!」

 

 破壊された結界の影響で吹き飛ばされながらトシが叫んだ。

 

「先生!」

 

 宮守の女の子たちが結界が壊され弾き飛ばされたトシの元へ向かう。

 打ち所が悪かったのか意識を失った彼女を長身の少女が背負いながら悪魔たちから逃げようとする。

 

 その近くでティターンに剣を振り下ろされそうになっている少女の姿があった。

 自身を殺そうとする殺気に体が竦み動けない彼女の前に立ちふさがったのは妹の松実玄だ。

 

「お姉ちゃんは私が守るんだ!」

 

 体が震え、心が恐怖に支配されてもなお姉のために妹は立ち向かう。

 それでも『戦う』という選択ができない玄に運命は微笑まない。

 

 だから。

 

 涙を流し、体が震え、それでもなお自分を守ろうと奮い立つ妹の後ろ姿を見て、目の前の敵に立ち向かうことを選択した姉の松実宥に運命の女神は微笑んだ。

 

「玄ちゃんから離れて!」

 

 玄の前に立った宥は、普段から考えられないほどの強い感情と意志がこもった言葉と共に手カバンを悪魔に向かって振るった。

 少女の力に手カバン。それでも戦うことを選択した宥は、自らの内から湧き上がる力を無自覚ながら解き放った。

 

「ゴォォォ!!??」

 

 威力は低くアギ。

 けれどそれが顔面に直撃すれば悪魔とてたまったものではない。

 剣を落とし顔の炎を振り払うために暴れるティターンの腕が宥の体に直撃し、玄とぶつかり共に吹き飛ばされた。

 

「宥さん! 玄さん!」

 

 姉妹の危機にポニーテールの少女が叫ぶも倒れて動けない少女たちにはどうすることも出来ない。

 炎を掻き消したティターンが、自らを傷つけた宥を睨みつけ今度こそとどめを刺すために剣を手に持った。

 

 一歩ずつ近づいてくる死の足音にせめて妹だけはと玄を抱きしめる。

 ぶぉんと音を立てて振り上げられた剣が宥の視界に入った。

 

「くろ、ちゃ……」

 

 ゆっくりと振り下ろされてくる剣を邪魔したのは圧倒的なまでの水量だった。

 

「ぐ、ヴぉ!?」

 

 水に囚われたティターンは慌てて抜け出そうとする。

 しかしそれは叶わない。まず地霊の持っていた剣が砕け次に地霊の体が圧縮されていく。

 

 何が起きているのか全く把握できない宥は突然妹とは違う人肌を感じて、最後に彼女が見た物は。

 

 輝かんばかりの光だった。

 

 *** ***

 

 アクアダインの一撃で消滅したティターンを見ながら、京太郎は抱えた少女たちをパンフレットで見た阿知賀の面々の元に連れて行った。

 宥と玄を横たえた京太郎は気絶している二人の様子を確認するが、宥の腕が折れているぐらいで玄には傷がない。

 二人とも痛みと恐怖で気絶したのだろうと結論付けた京太郎は懐から石のようなものを取り出した。

 

「君は一体……」

 

 前髪が特徴的な身長の高い女性が驚きと困惑に支配されている中、京太郎は取り出した石を女性に渡した。

 

「話はあと。これをその人たちの傍に置いておいてください」

「え、いや、でも」

 

 困惑する女性の代わりに石を受け取ったのはツインテールの少女だ。

 

「……これ、置いておけばいいのよね?」

 

 多少びくつきながらも受け取った石を少女は宥たちの体の上に置いた。

 

 京太郎が渡したのは悪魔が好んでほしがる魔石というアイテムだ。

 これは使用することで多少の怪我を癒すことも出来る力がある。

 

 京太郎は周りを確認すると破壊神アスラが宮守高校の面々とトシの近くに居る悪魔たちを駆逐していた。

 

 アスラの形相に悲鳴を上げる彼女たちの元まで向かった京太郎は声をかけた。

 

「俺は須賀京太郎と言います。さっき熊倉さんと話していたのは俺です。こいつは俺の仲魔ですから心配しないでください」

「須賀って確かに先生が電話してた……大丈夫なの?」

 

 その大丈夫には色々な意味が込められてるんだろうなと内心苦笑いしながら、京太郎は魔石を取り出し抱えられているトシの上に置いた。

 

「それを置いておけば大丈夫です。あとはすぐに済みます」

 

 彼女たちから離れた京太郎の両腕から多量の電撃が放たれる。

 マハジオダインと呼ばれる全体上級魔法が辺り一面の悪魔たちを薙ぎ払い、ドミニオンのメギドが蹂躙する。

 残った少量の悪魔は京太郎が抜刀した名もなき刀の錆となり、仲魔たちの振るう力によって全滅した。

 

 その場に居たすべての悪魔が全滅したことを確認した京太郎は、イシュタルにエストマの再使用を命じながらも一息ついた。

 

「先生、大丈夫ー?」

「大丈夫さ。ありがとうね、豊音」

 

 トシの声が聞こえたため彼女たちの方に振り向いた京太郎は、弱弱しくだがそれでもしっかりと歩いているトシを見てホッとした。

 

「熊倉さん。大丈夫っすか?」

「あぁ、すまないね。助かったよ」

 

 COMPでステータスを確認すると、体力よりも魔力が減っていることに気づいた。

 京太郎はバッグからチャクラポットを取り出すと熊倉に手渡した。

 

「ありがたいけど良いのかい? 結構貴重だよ?」

「問題ないっすよ。グレイトチャクラとかまだあるので」

「そうかい。それじゃありがたく」

 

 熊倉がチャクラポットで回復している間にこの場に居る面子を確認する。

 この場に居るのは12人。

 熊倉トシ率いる宮守高校の5人と、衣が応援すると言っていた阿知賀高校の5人と彼女らを率いている女性の一人だ。

 その中で京太郎が注目したのは見るからに冷静なツーサイドアップの少女だ。

 責任感が強いのかもしれないが、自分のことで精いっぱいな他の子たちに比べて大分冷静に見える。

 

 それから暫くの間京太郎たちはこの場にとどまった。

 本来はすぐにでも異界から脱出するために動かなければならないが、今は宥と玄が倒れており男手がない現状運ぶのも大変だ。

 仲魔を使えばいいという考えもあるが、自分たちを襲ってきた悪魔と同じ存在が友人を抱えて運ぶことを許しはしないだろう。

 この状況で行くか留まるか悩んだ京太郎だが、幸いエストマもあるし休憩した方が良いとトシが提案したことで、ここに留まることにしたのだ。

 

 辺りに敵対する悪魔が居ないにもかかわらず空気が重く感じるのは、仲魔たちもしくは京太郎自身を彼女たちが怖がっているためだ。

 幾ら自分たちを助けてくれたとしても、自分たちの命を脅かした存在を軽く屠る人間と化け物が傍に居れば怖いのは当然だ。

 そんな空気を打ち破るかのように、仲魔たちと警戒をしていた京太郎に声をかけてきたのはポニーテールの少女だ。

 

「あの、ありがとう!」

「気にするなよ。感謝するなら熊倉さんにだ。あの人が居なきゃ俺はここに居ないんだし」

「そんなことないよ。ほら、私たちを助けてくれたから。それに、君が来てくれなかったら宥さんたちだって。でも凄かったんだよ、化け物相手に立ち向かったんだ」

「……化け物に立ち向かった?」

「うん!」

 

 少女の言葉で京太郎はあの時出ていた炎が覚醒した少女によって生じたものだと気づいた。

 今すぐにでも確認したかったが、目の前の少女を気遣って冷静な態度に努めた。

 

「そっか……」

「うん。でも二人とも本当に大丈夫なの?」

 

 普通の人間相手になら十分すぎるほどの回復力を持つ魔石を使用しているため安心だが、丁度いいタイミングだと京太郎はCOMPを見た。 

 COMPで二人を対象にアナライズした。

 松実玄は問題ないのだが、少女の言うとおり松実宥のステータスには玄とは違い『アギ』の二文字が記載されている。

 

「これで体調とか確認できるんだけどやっぱ大丈夫だ。今は少し眠ってるだけだって」

「ほんと? よかったー」

 

 少女がホッと胸をなでおろしたとき、京太郎に「あのさ」と声をかけてきた女性が居た。

 

「私は赤土晴絵。この子は鷺森灼。よろしくね」

 

 女性の後ろにはショートカットの少女がおり、小さく頭を下げた。

 

 晴絵が挨拶をしたとき、ポニーテールの少女が「あ」と声をあげた。

 

「そっか。自己紹介してなかった。私は高鴨穏乃。で、こっちのは親友の新子憧って言うんだ」

「こっちゆーな。新子憧よ、よろしくね」

 

 ツーサイドアップの少女が京太郎から少し離れながら言った。

 穏乃曰く、あまり男子には慣れていないのが原因らしい。

 それを知った京太郎は「そっか」と一言だけ言った後に「須賀京太郎です」と自身の名を語った。

 

「あーごほん。でさ、君には私たちを助けてくれて感謝はしてるんだけど一つだけ教えてくれる?」

「なんですか?」

「君が水と雷を操っているように見えた。で、同じように宥も炎を出してた気がするんだ」

 

 あの状況で自分はともかく宥のことをよく見てたなと感心しながら問いかける。

 

「……俺が出したって可能性は?」

「ないな。やるならもっと強い炎を出せるというか、水を当ててるでしょ?」

「ははは……正解。なんというか、よく見てましたね」

「体は動かなかったけど大事な教え子だよ。みんな無事かそりゃ辺りを確認するよ。怖くて体は動かなかったけどさ……」

 

 大人の自分が動けなかったことを彼女は悔やんでいるのだろう。

 京太郎は晴絵にかける言葉もなく、宥のことについてどう説明しようかと悩み始めた。

 

「宥って言ったかい? あの子もその子と同じで戦う力に覚醒した異能者なんだよ」

 

 そんな京太郎に手を差し伸べたのは熊倉トシだ。

 彼女も自分の教え子を連れて京太郎たちに近づいてきた。

 

「異能者? オカルト使いではなく?」

「オカルト能力で戦えるかい? 根源は同じかもしれないが出力が全く違うんだ」

 

 オカルト能力を把握していてそんなに驚くことなのかと京太郎は首をかしげた。

 彼からすればオカルト能力と異能の違いはあまり分からない。

 

「異能に覚醒する条件はいくつかあるけど、重要なのは戦う意思を持つことさ。話は聞いたよ、その子は妹さんを守るために戦おうとしたんだね」

「なら私も戦えれば覚醒できるんですか?」

 

 晴絵からすれば教え子たちを守る力を得れるならと欲っしているのだろう。

 だがトシは彼女の目をじっと見て首を振った。

 

「なぜ!」

「できるのかい? 自分の命を軽々しく屠るやつ相手に立ち向かうなんてさ」

「……この子たちのためなら、今度こそは」

「命の話だ。今度なんてないよ。実際さっき動けなかったろ? 言葉で言うのは簡単だが実際行動するのは難しいんだよ」

「それは……」

 

 晴絵は口をつぐんで黙った。

 実際のところ覚醒できると知っていても死ぬ可能性があるのに立ち向かえるものは限りなく少ない。

 

「それであの子はどうなるんですか? もしかして須賀くんみたいに戦うことになるんですか?」

「勘違いしないでくれよ。選択権は本人にある。日常を選択しても問題はないよ、能力を封印とかはするけれどね」

「そうですか……。あれ? でも君は?」

「俺は自分の意思で戦うことを選択しているので気にしないでください」

「そういうことさ。安心しな」

 

 日常に帰れると聞いて胸をなでおろした晴絵と阿知賀の面々は喜び合っていた。

 

「そういえばなんで阿知賀と宮守が一緒に行動してるんですか? もしかして前から知り合いだったり?」

「私と晴絵はそうだね。でも一緒に行動するようになったのはたまたまなんだよ」

「たまたま?」

「この子たちは東京に来るのが初めてでね。好奇心が疼いて練習に身が入らないから、夕方まで東京観光をすることになったんだがそのとき私が晴絵を見かけて声をかけたのさ」

 

 そうして阿知賀と宮守は行動を共にするようになった。

 彼女たちが出会ったのは午前11時頃で、昼の時間にはなったが人も多いし少し時間を遅らせてからご飯を食べよう。なんて会話をしていたらしい。

 

「そんな時だったよ。突然二人組の男女が私たちの前に現れてね『殺しはしない。我らの役に立ってもらうだけだ。なに、心配することはない。君たちは天国より素晴らしい光景を見るだけだ』と言ったんだ」

「天国より……?」

「言葉の意味はよく分からないけど、女の方が持っていたのさ。ドリーカドモンを」

「ドリーカドモン……またっすか」

「またって言うと?」

「四天王の結界の要に異界が発生してたんですけど、そこもドリーカドモンがありました」

「偶然……とは軽々しく言えないね」

 

 二人とも少しの間考え込んだが、当然答えは出ずトシは思考を諦めて話しかけに来た目的を果たすことにした。

 

「本当は別日に紹介するつもりだったんだけどね。私からお願いしようとしていた依頼の関係者でもあるこの子たちのことを紹介するよ」

 

 一歩横にずれて一番前に居たのは白い髪でなにやらぼーっとしている少女だ。

 

「小瀬川白望だ。頼りなく見えるけど麻雀の腕はとてもいい」

「よろしく……」

 

 次に前に出てきたのは衣並みに低い身長を持つ子だ。

 

「鹿倉胡桃だ。子ども扱いすると怒るから気を付けるんだよ」

「よろしくね」

 

 胡桃は胸を張って挨拶をした後だるがって動きが鈍い白望を後ろから押して下がっていく。

 

 トシの言葉に思い出したのはやはり衣だ。

 身長が低く歳相応に扱われないのがやはり気に食わないのだろう。

 衣との付き合いで経験があるためこの子が一番付き合いやすいかもしれないと京太郎は結論付けた。

 

「エイスリン・ウィッシュアートだ。ニュージーランドからの留学生でね、あまり言葉がうまくないから絵でコミュニケーションをとるんだ」

 

 京太郎よりも淡い金髪と耳にマジックペンを持っているのが印象的な彼女は、一生懸命イラストボードに絵を描き京太郎に見せた。

 ボードには頭を下げる人の絵が描かれており、彼女も同じように頭を下げた。

 

「よろしくおねがいします。絵、すごくうまいっすね」

 

 京太郎が挨拶と共に絵について述べると、エイスリンはボードのイラストを描き換えて再び見せた。

 ボードには頬を紅くして照れるエイスリンが描かれており、彼女は絵と同様頬を紅く染めていた。

 

「で、これがうちの部長の臼沢塞だ。地味かもしれないがオカルト使いにとってはこの子が一番厄介かもね」

「……先生、試合に勝ち進むとこの人の学校と試合することになるんだけど?」

 

 おかっぱに団子頭が特徴の彼女はトシをジト目で見ていた。

 

「二回戦ですっけ? 流石に言わないですって。というかどう伝えろと? いつの間に知り合ったんだー! って怒られちゃいますって」

「あはは。なら信じようかな、それと今日はありがとう」

 

 手をひらひらと振って塞は下がった。

 

 京太郎は彼女が副将だと知っている。

 オカルト使いにとって厄介ということは阻害系なのだろうが、彼女の対戦相手はデジタルマシーンこと原村和である。

 生粋のデジタルウーマンが相手になることが分かっているため、彼女の力は清澄には意味がないだろう。

 

「それで最後に姉帯豊音。一度見たら忘れないかもね」

「よろしくねー」

「俺より身長高い女性見たの二人目ですけどこれだけ離れてるのは初めてっすね」

 

 一人目は井上純である。

 衣が純と京太郎どっちが身長高いんだ? と疑問を提示し春の身体測定での結果京太郎の方が身長が低いことが発覚した。

 

 ちなみに豊音だが、京太郎にじっと見られるのが恥ずかしいのか帽子を深くかぶって照れている。

 純がカッコいい系だとするなら、豊音は大型犬だがカワイイと形容するのが正しいか。

 

「依頼内容についてはまた今度話すよ。今日、明日とかでどうにかなる問題じゃないからね」

「分かりました」

 

 そこで話を区切ったとき、女の子の声で「う、ん……」と聞こえた。

 声の発生源を探すと、身動ぎしている玄から発せられていることが分かる。

 

 京太郎とトシたちは離れた場所で彼女のことを見守っていると、目を覚ました玄が小さな欠伸をしながら起き上った。

 

「はわぁ……。あれ、皆なんでここに?」

「ここにじゃないわよ! よかった……本当に無事だった」

 

 憧が大声を上げた後に安心したのか座り込んだ。

 事態が把握できていないのか首をかしげていた玄だったが、悪魔たちに襲われたことを思い出したのか跳ねるように立ち上がると「お姉ちゃん!」と叫んだ。

 

「お姉ちゃん! お姉ちゃんは!?」

 

 その取り乱しようは普通じゃないが、肉親が死にかけていたのを知っていれば当然の反応か。

 隣で姉が眠っていることを知った玄は必死にゆすって起こそうとする。

 

「待ちなさいって! 無理に起こそうとしない方が良いわよ!」

「でもおねえちゃーん……」

 

 玄の涙が宥の頬を伝って流れたとき、宥が目を開けて「くろちゃん?」と呼んだ。

 

「お姉ちゃん!」

 

 「よかったよー」と抱きしめながら泣く玄を愛おしそうに抱きしめ返しながら、宥は周りを見回した。

 

「え、っと。私死んじゃいそうになって、水が来てそれから光が……」

「どこも痛い場所はないかい?」

「は、い。んと少し腕が痛い……?」

「『魔石』じゃ回復力が足りなかったのかしらね?」

「」

 

 『魔石』と言ったのは憧だ。

 京太郎はそれを聞き逃さなかったが、懐から魔石をもう一つ取り出して宥に手渡した。

 

「わっ、あったかぁい」

「それを痛む場所の近くにやってください。そうすれば治るはずです」

「えっ、あ。男の子?」

 

 少しだけビクッとした宥を庇ったのは玄だ。

 宥は子供のころの記憶から男子を少し苦手としており、玄もその時のことを覚えている。

 そのため突如現れた男から姉を守ろうとする妹の形になるのは当然だった。

 

「安心しなさい。私たちを救ったのはその子さ」

 

 トシの言葉を聞いた二人は顔を見合わせてから周りに問いかけた。

 

「え?」

「本当に?」

 

 この場に居る京太郎以外の全員が頷いた。

 それから慌てたように頭を下げて謝ったのは玄だ。

 

「あのごめんなさい!」

 

 京太郎は「頭をあげてください」と言った。京太郎からすればかなり居心地悪い状況だ。

 

「知らない男が居たら警戒するのは当然ですって。それに新子さんみたいに男が苦手って感じがしますし守ろうとするのは当然ですって」

 

 いい気はしないけれど、だからといってそれを責めるような性格ではなかった。

 もう少し知った仲であれば冗談交じりに責めるような口調でおどけたかもしれないが、彼女たちとはまだそんな仲ではない。

 

「それより歩けそうですか? 早くここから出ないと不意の事故はあるもんですから」

 

 京太郎が思い出すのは悪魔から不意を突かれて胴体を真っ二つにされた時だ。

 リカームがあったから無事だったものの、油断すればどんなに強くてもあっという間に死に向かう世界だと身を持って経験していた。

 

 京太郎の言葉を受けた時、宥に渡した魔石もその力を失い粉々になった。

 

「あっ、これごめんなさい!」

「気にしないでください。消耗品なんで。それにいっぱいあるんで大丈夫っすよ」

 

 京太郎は両手いっぱいの魔石を見せた。

 悪魔との交渉で渡したりするため魔石のストックは十分に持っている。

 それから宥と玄の二人は受けて数歩、歩いたりぴょんぴょん跳ねたりしたが大丈夫と答えた。

 

 ただ一つだけ異常があったとすれば宥が「暑い」と言いながらマフラーを外したことだろう。

 

「うぇ!?」

 

 と驚いたのは玄だ。

 マフラーだけでなく手袋も取ると「ふぅ」と言いながらぱたぱたと仰ぎ始めた。

 驚いているのは阿知賀のメンバーもだ。

 マフラーと手袋をつけていても十分厚着のため、暑くても当然だろうと考えた京太郎は彼女たちに問いかけた。

 

「だ、だって宥さんいつも厚着してるし暑いなんて言わないのに……」

「うん。びっくりしたわ……」

 

 面々がぽかんと口を開けて驚いている中、トシが言う。

 

「覚醒して炎の力が強まったせいかね?」

「そんなことってあるんですか?」

「さてね。オカルト能力が体調にまで及んでいたんだ、覚醒してデメリットが消えていってるのかもしれないね。あとで検査もしようか」

「なら早いこと異界からでないと、ですね。それじゃ行きますか」

 

 京太郎を先頭に全員が異界を歩く。

 後退ではなく前進を選んだのはトシたちが居た場所が異界の深奥に近い場所だからだ。

 イシュタルのエストマがある以上、悪魔たちが京太郎に近づくことは稀でありこの異界の悪魔たちなら異界の主が居たとしても京太郎とその仲魔なら即時に撃破できると考えたためである。

 危険な選択ではあったが、実際道中の悪魔たちは京太郎たちに攻撃を仕掛けてくることはなく、異界の主も予定通り撃破することが出来た。

 それから発見したドリーカドモンを破壊し京太郎たちは現世へと帰ることに成功した。

 

 *** ***

 

 異界の破壊により現世へと帰還した面々は安堵の表情を浮かべていた。

 これから覚醒してしまった宥や彼女たちに色々と説明をする必要があるため少々忙しい。

 けれどそれはヤタガラスの職員や自分の仕事だとトシは言い、京太郎はここで解放されることになった。

 報酬については明日の朝に京太郎へ送る予定だとも付け加えた。

 

 京太郎がこの場を離れ、トシが電話を手に取りヤタガラスへ連絡を取ろうとした時だ。

 甲高い女の声が辺りに良く響いた。

 

「話が違うじゃないか……! 今帝都に居るサマナーで厄介なのはライドウと霧島神社の巫女ぐらいだって言ってたじゃないか!」

「誰だ!」

 

 刀を構え京太郎が前に躍り出た。

 

「……こいつだね。私たちを異界へと追いやったのは」

 

 と言ったのはトシである。彼女は女を睨みつけながら思い出したと言って言葉を続ける。

 

「思い出したよ、こいつ山縣組の幹部じゃないか。」

「山縣組……?」

「暴力団だよ」

「ぼ、暴力団……? 女の人が?」

 

 「意外と暴力団に属する女は多いんだ」と言うトシの言葉を受けた京太郎だがいまいち実感が湧かない。

 自分を知っていたことが嬉しいのか、若干機嫌をよくした女が言う。

 

「へぇ。あたしを知ってるなんて結構物知りだね、ばーさん」

「歳をとるといらないことも色々と覚えてしまうものだからねぇ」

「……言ってくれんな。痛い目を見たいか? って言いたいところだけどその前にそこのバケモンがあたしを殺すか」

 

 さっきとは一転して機嫌が悪くなった女が見ているのは須賀京太郎である。

 

「さて。一応名乗らせてもらおうか。あたしは山縣組の安西ミカだ。よろしくな、にーちゃん」

「どうも。でも、こっちは名乗る名なんてないぞ」

「おやおや、嫌われちゃったわね。それじゃ」

「まて」

 

 女の動きを止めたのはその後ろからやってきた黒人の男だ。

 男は左手に持った銃で肩をとんとんと叩きながらミカの前まで移動した。

 

 

「アニキ……」

「兄貴と呼ぶな。お前とは仕事の関係に過ぎん」

「で、でもよぉ……あんたほどの男はもうこっちの業界でもいやしないぜ?」

「関係ない。黙ってろ」

 

 男が銃を持った腕を振るいミカの首に打ち込まれた。

 鉄の塊が叩き込まれたとき骨が折れた時にでる鈍い音が辺りに響いた。

 容易に一人の人間の命を奪ったことに京太郎とトシ以外の面々が小さな悲鳴を上げた。

 

 女を殺した男は懐から宝石を取り出すとミカの上に置いた。

 地返しの玉が光り、女の体が光に包まれた。

 

 蘇生された女を確認し満足した男が京太郎に話しかけた。

 

「さて静かになったな。少年、取引だ」

「取引……?」

「そいつらをこっちに渡せ。そうすれば命だけは助けてやる」

 

 上から目線の言葉だ。

 男から感じる『アマエコロモ』以上の圧力を身に受けながら京太郎が言葉を返した。

 

「断る。と言ったら?」

「こうなるだけだ」

 

 男が銃を突き出しトリガーを引いた瞬間京太郎が駈け出した。

 放たれた銃弾を刀で床や壁のコンクリートにめり込むように弾きながら距離を詰めた後に刀を振るった。

 

「ほぉ」

 

 刀が男の首に、銃が京太郎のこめかみに突き付けられている。

 男はニヤリと笑いながら銃を引いた。

 

「何のつもりだよ。それならこのまま……」

「斬るか? だが後ろの女たちに俺の首がねじ曲がる様を見せることになるぞ?」

「……チッ」

 

 京太郎は一歩で元の場所に戻るもそのまま刀を抜き身に出している。

 

「異界での戦いぶりも見せてもらったが、良いぞお前。今の帝都にはライドウと霧島の巫女たちしか楽しめんと思っていたがなかなか面白い。小僧、名は?」

「須賀京太郎だよ」

「須賀……?」

 

 男は思い当たることがあるのか、少し首を傾げ、笑った。

 

「クックック……龍門渕で起きたアレを止めたサマナーがお前か! てっきり萩原良一が解決したと思っていたが俺の目も節穴だったか」

「龍門渕が流した話に嘘はないから。確かに俺はハギヨシさんから手助けを受けたし。あとは運が良かった」

「なるほどなるほど。天海市の件をフィネガンに取られてからつまらん事柄ばかりだったが、なるほど運が俺に巡ってきたようだ」

 

 男は高笑いをあげるとミカを背負い踵を返した。

 

「気が変わった。そのガキどもは見逃してやる。今日はこの良い気分のまま帰って一杯飲みたいんでな」

 

 完全に消えた圧力に面を喰らいながら京太郎が叫んだ。

 

「まて! お前らは何が目的だ」

「目的か。一言では言えんな……。なんせ関わっている人間の立場が違いすぎてな。あぁ、そうだ」

 

 男はミカを無造作に投げ捨てると京太郎に笑いかけた。

 

「お前、まだ人を殺したことがないな? だからみね打ちを選択したんだろう?」

 

 図星だった。

 みね打ちを選択したのは無意識に人の命を奪うことに躊躇したせいだ。

 

「ふん、それはつまらんな。どれ、ひとつお前をステップアップさせてやろう」

 

 男が姿を消したと思った瞬間、その両腕には母親と思わしき女と子供が連れられていた。

 親子は何が起きたのか分かっていない様子でただ狼狽えるばかりで、男に投げ捨てられたときようやく悲鳴を上げた。

 男は一歩後ろに下がり銃を弄った。

 

「ただの銃じゃないのか」

「……まさか、GUMPかい?」

 

 GUMPとは銃にCOMPの機能を取り付けた代物だ。

 中々にトリッキーな代物で使い手は少ないが、好んで使う者が居るのは確かだ。

 

 京太郎たちは母子が男のそばに居るため動くことが出来ない。 

 男はそんな彼らを嘲笑うかように言った。

 

「悪魔召喚プログラム起動」

 

 男が呼び出したのは何の変哲もないスライムだ。

 サマナーからの指示を受けていないので、親子の近くに居るのに襲い掛かる様子はない。

 

 一体何をしようとしているのか京太郎は分からず困惑し、理解したのは熊倉トシただ一人だった。

 

「まさか! 須賀くん、あの男を止めるんだよ!」

 

 慌てるように言うトシの言葉に京太郎は「え?」と声をあげ「遅い」と男が言った瞬間それは起きた。

 

 母子とスライムが光に包まれる。

 その光を京太郎はどこかで見覚えがあり、思い出したときには背筋に汗が流れた。

 

「まさか……」

「あぁ……」

 

 京太郎はその光景を信じられず、トシが口を手に当ててこれから起きる現実に体を震わせた。

 

「先生、須賀くん。何が始まるんですか!?」

 

 顔を引きつらせる二人に叫ぶように問いかける塞の言葉に二人は答えない。

 

 もう何もかも遅かった。

 

「悪魔合体プログラム。実行」

 

 男の低い声が辺りに響いた。

 

 悪魔合体により新たな悪魔が生まれ落ちるのはこれまでの描写通りだ。

 しかし、こう思ったことはないだろうか。悪魔と人を合体させることはできないか、と。

 率直に言えば可能である。

 人と悪魔の合体は結果から言えば二つに分かたれる。

 一つは強い意志と才能を持った人間が悪魔と合体することで悪魔の力を持った人が生まれる。

 また同様に強い意志を持った人間が、相性の良い悪魔と合体することでも同じ結果が得られる。

 こうして誕生するのは悪魔人間と呼ばれる強力な力を持った存在だ。

 では、そのどちらも持たない者が合体すればどうなるか? その結果が京太郎たちの前に生まれ落ちようとしていた。

 

 悪魔合体の光が収まり、スライムと母子が居た場所には新たに生まれ落ちた異形の生命がある。

 

 スライムに合体した母子の上半身が生え出ている。

 肉体はもはや肉ではなくスライムの様になっているのに、母は嘆きの声をあげ、子は親を求める泣き声をあげている。

 

 その光景を見て激高した京太郎は男に向かって駈け出した。

 

「きさまぁ!!」

「ほぅら、お前の相手はこっちだ」

「ぐっ!?」

 

 無残な姿になった母子スライムが京太郎の前に躍り出た。

 京太郎はそれに攻撃できず刀を引っ込めると離れた。

 

「お前はぁ!」

「良い顔になったな。このゲオルクの名を覚えておけよ」

 

 はははは! と今度こそ笑いながら、ミカを背負ってゲオルクは去って行った。

 この場に残ったのは京太郎たちだけだ。

 

 ハンドガンをゲオルクに向かって突きつけるも、射線上に母子スライムが立ちふさがる。

 震える声で京太郎がトシに問いかけた。

 

「この人たちを助けることは……?」

「……無理だ。コーヒーにミルクは淹れるかい? 混ぜるのは簡単だが分けるのは難しいんだ。それと同じだよ」

「……そうですか」

 

 トシは銃を持つ手を優しく握り降ろすとこう言った。

 

「あんたがやる必要はないよ。ここは私が……」

「……いえ」

 

 トシを押しのけ京太郎が前に出た。

 

「様子なんて見た俺が悪かったんだ。これは俺がやらなきゃいけないことだ」

 

 京太郎の腕からこれまでにないほどの魔力が集まっていく。

 一瞬で、苦しむことの無いように自らの持つ全力で電撃魔法を打ち込むためだ。

 

「ジオダイン」

 

 晴天の青空に一筋の雷が落ちた。

 

 *** ***

 

 誰も口を開くことはなく、東京国際フォーラムまで京太郎たちは来ていた。

 裏の事情を軽く知っている宮守はともかく、阿知賀のメンバーに鶴賀の桃子たちと同様選択をさせなければいけないからだ。

 

 ならなぜ国際フォーラムまで来たのかと言えば、事情を説明するためにヤタガラスの人間と待ち合わせ場所を決める際に選んだ場所がここだった。

 

 母子スライムを屠った京太郎に誰も話しかけることは出来ず、ヤタガラスが来るのを待っている時に、巫女服を着た少女が黒猫と学生の少年を連れて京太郎の元へ現れた。

 

「須賀京太郎さんですよね?」

 

 肩で息をしながら現れた巫女、京太郎は知らないが石戸霞は縋るような眼で京太郎を見ていた。

 

「あ、あの?」

 

 何がなんだか分からない京太郎は問いかけるが、霞は体を震わせるばかりで答えない。

 京太郎が助けを求め少年に声を掛けようとしたとき、霞が口を開いた。

 

「小蒔ちゃんが……」

「小蒔?」

「姫様が居なくなったんです! お願いします、私たちに手を貸してくれませんか?」

 

 霞の言葉に京太郎が思い出したのはゲオルクである。

 ゲオルクの目的は宮守と阿知賀の面々だった。細かい事情は不明だがあの男の仲間が拉致したのだと京太郎は確信を持っていた。

 自らの手で殺した母子のことを思い浮かべ、力強く拳を握った京太郎は深く頷いた。

 




登場人物が多くなると文字数が多くなるやつ。
今後も長くなる場合投稿間隔あく気がします。


それと感想の返信で儀典女神転生要素はないと言ったがありゃ嘘でした。ごめんなさい。
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