デビルサマナー 須賀京太郎   作:マグナなんてなかったんや

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感想、誤字脱字報告いつもありがとうございます。

いつもこれぐらいの文字数にしたいけどキリがいいとこまで書くとどうしても長くなるのが悩みどころ。


『2日目 罪を認める者、逃げる者』

「急いでいるところごめんなさいね。声をかけても気づいてくれなさそうだったから」

「いえ、警戒はしましたけど当てるつもりがないのは分かりましたから」

 

 廃墟で日陰となっている場所に京太郎は老婆と向かい合って座っていた。

 机と椅子は少々傷ついているが使用できる状態は維持しており、本来は向かいにあるカフェの備品なのだろう。

 老婆と一緒に居た執事風の青年は奇麗なカップにコーヒーと紅茶をそれぞれ注ぐ。

 コーヒーは京太郎。紅茶は老婆のために注いだものだ。

 

「どうぞ」

 

 砂糖二個とミルクを少しコーヒーに入れる。その後青年は砂糖を一つだけ取ると老婆の紅茶に入れた。

 何も言わずとも砂糖を何個、ミルクをどれぐらい入れるのか知っているぐらいの仲なのだと見て取れた。

 

「夏だけれど太陽が少し隠れているおかげで少し涼しいぐらいね。私みたいな年寄りには少し寒く感じるからあたたかい方が丁度いいわ」

「俺は少し熱く感じるけどコーヒーや紅茶はホットじゃないと飲めないんですよね。なんか違和感があるって言うか、夏に飲むなら炭酸の方が好きだからかもしれないですけど」

「身体を動かして火照った状態の炭酸ジュースが美味しいのは私も分かります」

「あら意外。そうだったの? 私が見てる前で炭酸系の飲み物を飲んでいるの見たことないけれど」

「慶弔様の前で身体を動かすことは少ないですから。普段なら緑茶とかのほうが好きですし」

「渋いわねぇ。誰に似ちゃったのかしらねぇ?」

「一人しか居ないので言わせないでください」

 

 仲がいいのだなと思いながら京太郎はコーヒーを飲んだ。

 自分でコーヒーを淹れるとすごく不味くなるのだが、青年が淹れたコーヒーはすごくおいしく感じた。

 

「あぁ、ごめんなさいね。のけ者にされたら居心地悪くなるわね。改めて初めまして。私は葛葉慶弔。ヤタガラスの幹部として籍を置いている者よ」

「私は永望と申します。以後お見知りおきを、須賀くん」

「はい。お願いします」

 

 挨拶のために頭を下げる京太郎の様子を見て二人は確信していた。

 ヤタガラスは裏切った形になっている自分たちの情報を彼に伝えていない。

 その最も大きな理由が裏切り者を作ったということを外部の人間に伝えたくないという組織によくあるプライドだと悟ったのと同時に、自分たちが彼や他の人間に危害を加えないと判断したことを察した。

 実際二人に京太郎を襲う意思はない。彼を呼び止めたのは偶々通りかかった噂になっている少年と会話してみたかったのと、情報共有に加え念のためが含まれる。

 

「……お二人も天使を調べていると? そんな話聞いてないけれど」

「私たちの立ち位置は幹部。本来なら現場に来るべき人間ではないのですから当然ね。2人ですけど個人行動しているのと同じですもの」

「なるほど、まぁ上の人が何しているか聞かされても困りますけど」

 

 クスリと笑い、そうなと老婆は返した。

 

「ですが天使やメシア教を調べているのはヤタガラスだけでなく、今回の事件の主犯たちも同様の様です。須賀くんは彼らの目的をご存じで?」

「覚醒者を増やして国を護る人を増やす、ですよね」

「はい。つまり彼らにとっても天使たちの行動は予想外なのです。私たちは彼らと少し話をしたのですがむしろ計画の邪魔になると考えているようです」

「それなら今この時においては多少の協力はできると?」

「えぇ。とはいえ神代小蒔さんの解放はできませんから結界の解除はされません。ですがゲオルグを始めとしたダークサマナーとガイア教徒、それにヤクザたちも情報収集に動いているようです」

「……なら見つけたからって殴り掛からない方がいいのかな」

「それに離脱者が出ないとも限りません」

「は? この状況で裏切ると? そんな馬鹿な」

 

 口を開けてポカンとする京太郎を見て素直な少年だと二人はほほ笑んだ。

 

「今回の件を企てた者たち。即ちゴトウと彼の意思に共感した者たちであれば別ですが、下の者たちであればどうでしょう? 全員が全員この帝都に住む一千万を超える人間に危害を加えて正気でいられると思いますか?」

「それも覚悟してのことでしょう?」

「金魚の糞と言う言葉もあります。あの人が言うことは正しい、だからついていこう。学校でも似たようなことはありませんでしたか?」

「そりゃあるけど、人の命がかかってるんですよ? そんな馬鹿な」

「人は愚かです。そんな馬鹿な、は良くある話です」

「はー……」

「とにかく可能性です。ですがその時は受け入れてあげてください。その後どうするかはヤタガラスに投げて構いませんが、貴方が手を下すのは少々不味いでしょうからね」

「……そうします。でもないと思う。うん、そう願いたいけど」

 

 コーヒーに追加で砂糖を二個入れてグイっと一気飲みした。

 砂糖の甘ったるい感じが今の気分を晴れさせてくれると考えた。

 

「おかわりはどうします?」

「……いただきます」

 

 カップを永望の近くにおいてため息をついた。

 今でもそんな人間が居るのかと考えてぐるぐるしている。気分は晴れなかった。

 

「話を変えましょうか。須賀くんは渋谷区から来たのかしら?」

「……はい。そこでちょっとありまして、まとめ役って話の目黒区の教会へ行こうと思っています」

「それはどうしてかしら?」

 

 京太郎は2人に渋谷区で起きたことを話した。

 渋谷区に住む人々がメシア教徒になっていること。

 祈りを捧げ聖歌を歌う際に共通言語を用いていること。

 現状を憂う神父がおり協力関係を結んだこと。

 天使の召喚に神父曰く、手助けという事象が関係していること。

 京太郎が知った情報をすべてを語った。

 

「色々と気にはなる話はあるけれど」

「共通言語で歌うですか。洗脳でもして無理やり歌えるようにしているのでしょうか?」

「洗脳と言えばえっと」

 

 京太郎はガントレットからCOMPを外し、写真を映すと2人に見せた。

 

「あら、可愛い子たち。須賀くんの意中の子が居たりして?」

「……慶弔様」

「冗談よ。それでこの子たちがどうしたのかしら?」

「中心に映っているのがヤタガラスで保護している大勢の一般人のうちの一人である獅子原爽です。そしてほか四人は彼女の部活仲間なんです」

「見たことがあると思ったら麻雀の全国大会に出場している少女たちですね」

「はい。昨日、東京が封鎖される少し前に俺は彼女たちが口論している姿を見ました。どうも爽さん以外信心深くなっていて大会さえどうでもいいって感じで」

「おかしいわね。……こんなことになってしまったけれど頑張ってきたのでしょう?」

「それを捨てるなんておかしいのは確かですね。実際に見なければ確定はできませんが洗脳に近い何かはされているのでしょう」

「それで京太郎ちゃんは目黒区に?」

「教会側の手伝いとして働いている可能性があるので、まとめ役のところに行けば情報があるのではないかと助言を受けました」

「可能性はありそうね……。永望」

「分かりました。こちらでも調べておきます」

 

 ありがとうございます。とお礼を言ってあと何か伝えるべきかと考えれば手助けの件かと思い浮かぶ。

 

「それでその女の子たちとは関係はあまりないんですが」

「えぇ」

「天使たちが増えている理由は手助けをしてもらうことで喚んでいるからと言う話です」

「手助け、ね」

「なんとも、どのようにも取れる言い方ですね……」

「それなら聖歌も絡んでいる可能性はあるわね。手助けがなにかは分からないけど悪魔も、天使も、神も。結局召喚するために必要なのはマグネタイトだもの」

「最初は例のドリーカドモンが関与しているのかとも思ったんですけど、それなら手助けなんていらないかなって」

 

 異界を生成することが可能なほどの容量があるならば誰の手助けがなくてもある程度強力な悪魔を召喚することは可能である。

 

「それは当たりだと思うわ」

「でも聖歌が関与ってどういうことですか?」

「生体マグネタイトは人々の生命力であると同時に感情、もしくは欲望の塊でもあるわ。唯一神に向けられた信仰心を力として天使を呼んでいる可能性はあると思うの」

「しかしそれで得られるマグネタイトは少ないのです。効率的な方法もありますがその方法を取った場合メシア教自体が疑われ洗脳に影響が出るやもしれません」

 

 疑心の眼は一度芽吹くとまるで伝染病のように広がる。

 長い年月組織として動いてきたメシア教がそんなことを知らないはずはない。

 

「それに祈りと歌の時はともかくそれ以外は洗脳されているようには見えなかった気もするし……」

「そう、願いたいものですね」

「ただ……」

 

 慶弔は顎に手を当てて何やら考え込んでいたのだが、結論が出たのか声を出した。

 

「メシア教が大きな動きを見せている区画は大きく分けて四つあるの。一つは京太郎ちゃんが先ほどまで居た渋谷区。もう一つはこれから向かう目黒区。目黒区はおかしくないわね、まとめ役って話だもの」

「残るは品川区と足立区の二つで、他にも細々と動いているようです。そちらは人道支援として時にはヤタガラスと協力する様子も見せてますが、この四区はそうではありません」

「……四つの区で十分ってことですかね?」

「もしくはまとめることが出来たのはその四区のみであるという可能性ですね。これ以上は調べなければ分かりませんが」

「いやーな予感が間違ってないのは良く分かりました! あとはこの情報をヤタガラスに知らせておかないと……」

 

 そう言って机の上に置かれていたCOMPを手に持って電話しようとしたが、慶弔がそれを止めた。

 

「私たちがそれはしておくよ。足を止めておいてなんだけど急いだほうが良さそうだものね」

「……分かりました」

 

 カップに残ったコーヒーを一気に飲み干すと、送還していたドミニオンの再召喚を行った。

 

「気を付けてね」

「ご武運をお祈りしています」

「はい。コーヒーごちそうさまでしたっ」

 

 足をぐっと曲げると一気に飛び上がり数十メートルはあるビルの屋上に移動した。

 二人はそれを見送ると、永望は先ほどの情報を取りまとめ電子データとして大沼秋一郎のもつCOMPに直接送った。

 それを確認した大沼からの怒涛の連絡攻撃は軽く無視しつつ慶弔のために、紅茶を淹れ彼自身も椅子に座った。

 

「少し思想が過激になっていたけれどこれで大丈夫ね」

「この状況ですからそれも仕方がないでしょう。いえ、私たちにそれを言う権利はないのでしょうが」

「分かっているわ。それでも願わずにはいられないのよ。少しでも犠牲者は少ない方がいい……例え一億を救うために一千万を犠牲にする話だとしてもよ」

 

 先ほどまで自分と会話していた金髪の少年を思い出しながら紅茶を飲んだ。

 彼女の眼の前に居た少年も彼女からすれば自分たちの犠牲者の一人であることを彼女は知っていた。

 ゲオルグが嬉しそうに語っているものだから何となく調べてそして知った。

 今回の事件を起こさなければ彼はもう少し普通の人間としての一面を保てていたという事実を。

 

 慶弔たちが居なくても、いつかきっと今回の事件は発生していた。

 ドリーカドモンから始まり慶弔たちの協力など様々な要因が重なって計画が早まり、今回のタイミングになっただけなのである。

 慶弔たちが協力しなくても蛇の様な執念でゴトウは準備を整え、キーとなる神代小蒔が東京へとやってきたタイミングで事件は起きたことだろう。

 

 犠牲者が少しでも出ないように。

 なんて実行者の一人である自分が言えた台詞ではないなと思いながら2人は太陽を見る。

 

 ――少女はまだ頑張っている。

 

*** ***

 

「うげぇぇぇ!!!!」

 

 低く野太い声が京太郎たちの耳に届いた。

 京太郎が視線を向けるとそこに居たのは二十人以上の男女だ。

 夏だからラフな格好で、腕には刺青が刻まれているガラの悪い男を始めとして、女たちも厚化粧が原因で少し離れているにもかかわらず化粧の臭いが京太郎にまで届いた。

 

「こいつら」

 

 刀を引き抜き臨戦態勢をとる。

 目の前のヤクザたちは負けるような相手ではないが、倒すべき相手ではあるが先ほどした会話を思い出していきなり襲いかかる真似はしなかった。

 

「お、女に手を上げる気かい!?」

「てめぇ、俺たちを犠牲にして自分たちは助かろうってか!?」

「わ、私たちはこいつらに連れてこられただけなんだよ!! ねぇ、いいだろう? 助けてくれたら……」

 

 自身の身体を使って京太郎に取り入ろうとした女の目の前に電撃が落ちた。

 前髪が少し焦げ、腰が向けたのか尻もちをつく。

 

「そういうのは勘弁」

「……昔、痛い目をみたからな」

「うるさいよ!! マリンカリンのせいだから……死んでもいないからノーカンだノーカン!!」

 

 茶化すなとドミニオンに言って。

 

「天使たちのことを調べてるなら見逃そうと思ったけど違うみたいだ。でもどうせ良からぬことを企んでいるんだろう? ならここで仕留めてやる」

「ひ、人を簡単に殺してなんとも思わねーのか!」

 

 その言葉を聞いた京太郎は笑いが込み上げてきていた。なぜならその言葉は。

 

「……悪魔も人も変わらないな」

 

 ――悪魔を殺して平気なの?

 

 命乞いのために幾度も問いかけられたその言葉に、最初は面食らったが既に答えは出している。

 

「お前たちが言えた言葉じゃないだろ」

 

 男と女とか気にならない。

 既にサキュバスを始めとした女悪魔だって殺しているのだから。

 人も悪魔も殺すべき相手は変わらない。それだけだった。

 

 マハジオダインで一思いに、痛みさえ感じない様に消滅させると決めた時だ。

 

「待ってくれ! 何も企んでいない。逃げてきたんだ! 企んでいるとしたら助かりたい――それだけだ!」

「……はぁ?」

 

 魔力が霧散した。

 一瞬何を言っているか理解できず混乱し、ドミニオンに肩を叩かれて漸く理解した。

 

 それでもなお、こいつらは何を言っているんだと真顔になった。

 

 間抜けな表情をしている今だとヤクザは思ったのだろう、彼は思いのたけをぶつけてくる。

 

「ついていけなくなったんだ! 最初は力がある奴が決める世界になるって聞いて喜んだが、こんなことになるなんて思わなかったんだ! 数百人、数千人、数万人どころかそれ以上の人が死ぬなんて思わねーよ!」

「そ、そうだ! 俺たちはただあの人についていけば全部上手く良くって思って、それなのに俺達まで命を掛けなきゃいけなくて、力は手に入れたがそれだけだ! 戦い続けるなんて出来るわけがねぇ!!」

 

 混乱していた頭が冷静になると同時に、なんて自分勝手なんだと思った。

 先ほどまでとは別の、怒りの感情が湧いてきてそのまま感情のままに動こうとした時だ。

 

「サマナー」

 

 京太郎を止めたのはドミニオンだった。

 

「止めるな。こんな状況に至るのに加担しておいて、責任さえ放棄して『助けてくれ』なんて許せるわけないだろ」

「同感だが老婆に言われたのを忘れたか。ヤタガラスに投げろと」

「……でもさ!」

「感情の元に力を振るうのは時には正しい。それで救えたものは確かに合った。だが、時と場合を考えねばそれはただの暴力でガイアの者たちと変わりはしない」

「ぐっ……」

「力は確かに秩序の一つだ。しかし、それだけではないだろう?」

「あーー!!! もう……」

 

 肩を落として思い出したのは慶弔たちとの会話だ。

 『そんな馬鹿な』が本当に、それもすぐに起きるとは思っていなかった。

 八つ当たりの様に京太郎から発せられる電撃は、決して誰にも当たることはなくコントロールされているのは分かった。

 数分後刀を収めCOMPを手にした京太郎はヤタガラスへと連絡を取ることにしたのだった。

 

 京太郎が矛を収めたのを見てヤクザたちは安堵し、助かったことを皆で喜び合っていた。

 しかしドミニオンが睨みつけてきているのに気づき、彼らは静まった。

 京太郎に気を鎮めるように促したが、ドミニオンが怒っていない訳ではなくむしろ怒っている。

 

 電話を終えて京太郎の零した「一貫して行動しようとするフリンたちの方がマシだ」と言うヤクザたちと比較した言葉にドミニオンが何を思ったのかは分からない。

 

 数十分後。

 ヤクザたちの回収に現れたヤタガラスの退魔士の一人である少年が、京太郎にヤタガラスが下した決断を伝えた。

 

「まず前提として彼らが他の避難者、いえ被害者たちと同等の扱いとはしません。そして、我々は人手が足りないのです。ですので猫の手になって貰おうかと思っています」

「前者は聞けて良かったと思いました。けど後者はどうすんですか? 人の言うこと聞きますかね?」

「はい。ですので私たちは彼らの命を『出来る限り』保証します。あとは鞭ですね」

「鞭?」

「飴と鞭の事ですよ。飴とは先ほど言った通り命に関する話。鞭とは彼らには命を掛けてもらうことです。なに、死んでも生き返らせます。最後まで命があれば同じでしょう?」

 

 地返しの玉を始めとして蘇生魔法が無くても生き返らせることのできる道具は数多くある。

 流石に上位悪魔に燃やされたり凍らされて粉々に砕かれると蘇生も難しいが、自分より少し強い相手からその様な攻撃はされても結果はそれに至らない。

 

「彼らの監視には退魔士がつきます。未覚醒の者も居る様ですが、そこは担当の退魔士次第ですね。もしかしたら覚醒させるかもしれません」

「なんともまぁ……」

「本来であれば彼らの罪は万死に値します。それが助かる可能性を示されて、仕事の補助もされるのですからむしろ幸せでは?」

「それは、うん……」

「そもそも逃げ出してきた理由の一つが、罪の意識が芽生えたからです。ならば贖罪の機会を与えれば彼らも少しは気が晴れるでしょう。……それでも少しですが」

 

 罪と罰。罪なき一般人が数多く亡くなった原因を作った時点で死刑は確実のはずなのに、生き残る可能性を与えるのだから優しいと言えるかもしれない。

 

「でもそれ話したんですか?」

「いえ、我々が語ったのは『贖罪として人手不足解消のために働いてもらう。その代わりできうる限り命の保証はしよう』とそれだけですね」

「細かい内容は聞いてきたんですか?」

「いえ、すごく喜んでいらっしゃいましたよ?」

「……なんだかね」

 

 金魚の糞の様についていき、結果逃げた先の結末がこれである。

 話を聞く余裕さえないと言うことかもしれないが、学んでいない。

 

「では私たちはこれで去ることにします」

「はい。お疲れ様でした、ありがとうございます」

「いえ、こちらこそ。頑張ってくださいね、須賀さん」

 

 そうして黒衣の装束をまとった退魔士たちはヤクザを連れて立ち去った。

 ゴトウたちがヤクザたちが逃げることを良しとしたのかは不明だが、ヤタガラスは決して許しはしないだろう。

 生きながら地獄の責め苦を味わうかのように贖罪することになるのだろうが、これも一つの因果応報か。

 何とも言いようのない気分になりため息をついた京太郎は瓦礫の上に腰を掛け、ドミニオンは労わる様に肩を叩いた。





2日目はこっからが本番。

それと感想でやりすぎて省いた部分いつか書けたらと返しましたが、その話ではなく、最もこれはしたらあかんと判断して方向修正した部分書こうかなと思います。
なのでちょっと変わりますがどこの話かはお楽しみに。
ただ現在の話の流れだと微妙に矛盾が起きるのでその話の前書きに注意文として流れが違う部分は書きますね。

ただどこに挟むか悩みますね。一番上に区切って入れとくのがいいんだろうか

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