稚拙な文章&表現で至らないことばかりですが
それでもよいという方は生温かく見守ってくださると幸いです。
00 プロローグ
side:トライア
〔12月24日 月:スコートラボ〕
《・・・・警告、敵MS部隊第3防衛ライン突破。最終防衛ライン損耗率7%、基地主要電源12%喪失》
ああもう、せっかくのクリスマスイヴだってのにさ、さっきからうるさいねぇ・・・そんなことは解ってるのさ。元よりこの基地であの数のMS部隊をどうにかできるなんざ思っちゃいないさね・・・。私にできることなんざ精々が時間稼ぎ、それに本気で迎撃するわけにもいかないし
めんどくさいったらないね、せめて呼びかけでもしてきたらどうだい!
「セツコ、そっちの進捗はどうだい?」
「トライア博士、エレベーター稼働まであと2分です!こっちは予定通りに行きそうです、博士も早くを避難してください!」
ハハッ。私がここにいないとアンタが反逆罪で捕まるだろうに、ったく、連邦の上層部も平和になったとたん腐りやがる・・・伝統かねぇ?
このラボに対しても警告一つ無しに攻撃してくるなんてさ、問答無用で【あの子】を手に入れようとするなんてのはさすがに予想外さ・・・
「-----せ!、博士!!」
「ああ、なんだい?セツコ、【あの子】に私からのプレゼント、渡しといてよ・・・私はもう会えないだろうから、さ」
「そんな!こんなことで博士を失うわけには!」
「セツコ、このラボにアンタは最初から居なかった、【あの子】も当然居なかった。バルゴラを使わずに脱出したのもそのためだ。私がラボにある無人機を使わないのも抵抗の意思はないことを示すためだ、まぁ、迎撃システムは攻撃されたから作動してるけどね」
《----敵軍、最終防衛ライン突破。迎撃システムダウン》
「おっと、連邦軍は迎撃システムを突破したみたいだね・・・セツコ、通信切るよ。見られてまずいデータなんざ最初からないがいろいろ強引に家探しされるだろうからねえ」
「・・・・わかりました。博士、ありがとうございます。【この子】は、必ず守ります。どうか、お元気で・・・」
「ああ、伝えといて欲しいことが・・・、いや、やっぱりいいや。未練が残る・・・だからこれで、さようなら。だ」
通信を切ってやり取りのデータを消去する、【あの子】は最初から研究をしていない、するつもりがなかった。存在そのものが異例中の異例だ、研究なんざしてたら絶対に目を付けられるのがわかっていた。【あの子】は極めて善性の存在だ、Z-BLUEのみんなにもとても愛されてたし自他ともに認めるひねくれ者の私でさえ素直に愛情を注いできた。
「トライアお母さん・・・・・・か、私がお母さんと呼ばれる日が来るとはねぇ」
あの子のことを想うと笑みがこぼれる。その笑みを隠すように私はいつものおコンさんの仮面をそっと被った。
さて、コーヒーでも淹れてお客さんをお待ちしましょうかね
side:セツコ
〔地球近海:天柱ゲート次元エレベーター〕
「・・・・・はい、確かに・・・【伝え】ます」
最後、博士の言葉は言葉にならなかった。それでも私には、博士の心の内が・・確かに伝わった。
私は、私の腕の中で眠る【この子】の、【セツカ】の幼児特有の細く、柔らかい髪を撫でかわいらしいおでこにそっと口付ける。この宇宙全てであり、太極に至った至高の存在、シンカの果て。なのにこの子はまるでよく晴れた日のお日様のように、とても明るく純粋で、無垢で、素直で愛らしい
「セツカ・・・トライアお母さんは、ああ見えてあなたのことをとてもとても、愛していたのよ」
トライア博士の不器用な愛情表現を思い浮かべ、思わず独り言ちる
私は今、光柱の次元エレベーターを使って逃亡しなければならない。理由は【セツカ】、この小さな体にこの宇宙の全てが詰まっているせいだ。
アカシックレコード・・・かつてアサキムが、それに触れたことにより【無限獄】に囚われたアサキムはそれにより死なない、死ねない存在となってしまった。そして彼は自身の存在を消し去るためにスフィアの力を欲した、自分が、死ぬために。
だけども連邦はあろうことか、【セツカ】の持つ太極の能力とアカシックレコードを我が物にしようと博士のラボを襲撃した・・・
「せめてバルゴラが使えるなら・・・、いえ、それでもこの子を守りながらでは・・」
愛機のバルゴラは私の存在がばれてしまうため脱出には使えなかった・・・仕方なく資材運搬につかっていたザクをこっそりと部隊に紛れ込ませて離脱したのだけれど、出力が無さ過ぎて移動に時間がかかりすぎてしまった。
「・・・よし、次元エレベーター稼働。行先は「セツコ!上方7時方向から戦艦の主砲!」----ッ!!」
ザクのレーダー範囲の外から多数のビームが飛来、とっさにスラスターを噴かせて回避を図る、ギリギリ間に合った・・・けど!
「そんな!?中立地帯のエレベーター付近で戦闘行為を・・・くっ!」
「サラミス級4隻!エンドラ級2隻!射撃次々くるよ!離脱して!」
嫌な気配を感じ取ったのか目を覚ました【セツカ】がどこか遠くを見ているような両目を見開いて警告する。その瞳は仄かに光を放っている、黒の英知に記憶されているNT能力によるものだ、【セツカ】が連邦に狙われている理由の一つだ。
「ダメ!エレベーターに被弾していく!?これじゃあ稼働が・・うっ!!」
左脚に被弾、体勢が崩れる!
「操縦性が悪いッ!全弾は回避できない!」
本来このザクⅡの動力はヘリウム3を使った核融合炉だ、だけどこの作業用ザクは安全性を優先されてバッテリー式のものに組み替えられている。本来のザクにすら遠く及ばない宇宙空間での運動性の無さに私は舌打ちする、必死になって回避を続ける私の行動を嘲笑うかのように今度は私たちの背後の宇宙空間がぐにゃりと歪む。
「セツコ、背後に歪み!!!---この感じ!?まさか、このタイミングでクロスゲート!!?」
なっ!?----まずい!
弾幕の中身動きが取れないザクが突如発生したクロスゲートに引きずり込まれる、全力でスラスターとバーニアを噴かせても離脱ができない!このままでは----!?
「セツコ!」
吸い込まれるように戦艦の主砲がザクを襲う、頭部メインカメラが吹き飛ばされる、続けざまに右腰付近に被弾、コックピット内部も破裂する
「「きゃあああああああああああ!!!!」」
咄嗟に【セツカ】を抱き寄せ庇うけれど、全身がバラバラになりそうな衝撃と背中に焼けるような痛み。そして操作不能に陥ったザクはゲートに吸い込まれて行く・・・
不意に何かに体をふわりと包まれたような気がした、暗い宇宙の闇の中で、仄かに暖かく、優しい風に頬を撫でられているような・・・
たしかに私はそれを薄れゆく意識の中で感じた----
(セツカ・・・ごめんね・・・愛してる、私たちの愛しい娘・・・)
そして、クロスゲートに飲まれた私はそこで意識を手放した。
〔20XX年 12月24日 地球:日本・東京 由良川邸〕
ここ由良川邸では家族揃ってクリスマスパーティーの最中だった。世界で3指に入る大企業《由良川グループ》、その会長の大邸宅だ
この邸宅には当主の
大黒柱は将秀なのだが、彼らの生活は孫娘のシャルロットが中心にある。彼女の誕生日とクリスマスだけは、どんなに忙しくても家族みんなで祝うというバカっぷり、文字通り《目に入れても痛くない》を体現している者たちだ
家族全員でチキンを頬張り、シャンパンを飲み、ケーキを食べる。そして宴もたけなわ、シャルロットにみんなからプレゼントを渡し終え家族のパーティーは大盛況で終了した
その後、後片付けを終え将彰とクリスはプレゼントを抱えながら、シャルロットを連れて彼女の部屋に戻る。そしてシャルロットを寝かしつけながら父親の将彰が問いかけた
「シャルロット、サンタさんには何をお願いしたんだい?」
由良川家ではサンタさんへのプレゼントは家族からのものとは別に用意している。子供の夢を壊さないためと、家族からの愛情も同時に送るためだ。
「えっとね、簪と刀奈ちゃんや本音と虚ちゃんみたいに姉妹が羨ましくて・・だからね、ボク妹が欲しいってお願いしたんだ!」
にっこりと天使の笑顔で教えてくれるシャルロット。それを受け、母のクリスは夫の袖をちょんと摘まむ、その視線は照れてはいるがまんざらでもなさそうだ。
「そうか~。サンタさんならきっと、シャルロットのお願い叶えてくれるよ、うん」
愛娘の頭を撫でて部屋を出る、妻は嬉しそうに夫の腕に抱きつく
「うふふっ!シャルロットも言ってますし、パパ、がんばりましょうね♪」
出会った頃とちっとも変わらない少女っぽい仕草で甘える妻にそっとキスをして頷く
ズズゥ・・・ン
すると地面が揺れ、決して遠くはない場所で何か重量のあるものが地面に落ちる音がした。顔を上げて将彰とクリスは庭に出る。
由良川邸の庭は枯山水を模した日本庭園だ、そこから自家用車含めて10台ほど駐車できるガレージにつながっている。
そこには見たこともないくすんだベージュ色の大型のロボットらしき物の残骸が転がっていた。見た限りそれはボロボロで至る所の装甲が割れて剥がれている、かろうじて胴体と左腕が残っているだけで右腕は半ばでひしゃげて千切れ、下半身は腰付近から下は無くケーブルが露出し煙が出ている。本来あるべきパーツが存在していないがそれでも7.8メートルはあるサイズ
「な・・・なんだこれ・・・・ISとも違う、なぜこんなものが・・・」
将彰は混乱した、隣を見れば妻のクリスも顔を青くして立ち尽くしている。少しして、後ろから両親がやってきた
「なんだこれは・・・、ロボット、なのか?」
「父さん、わかりません。周囲の状況を見るに、空から降ってきたようですが・・・、地面を見てもそれほどの高さから落ちてきたわけではない、と思います・・・」
その残骸は、まるでいきなりその場に現れたかのような状態であった。本来ある程度の高さからこれだけの重量物が地面に落ちれば周囲は大きく崩れる。だが、その残骸の周囲はそのままに、まるでそこに置いてあった物がバランスを崩して倒れた程度の印象だ。
だが彼らの驚きはそれだけではなかった
バシュウゥ・・・
腹部の一部が開き、その中から血だらけの女性を必死で担ぎ出す少女が出てきたからだ
「女の子!?人が、乗ってたのか!?」
将彰はとっさに少女に駆け寄り、血だらけの女性を支えた。気づいたクリスとリタも慌てて駆け寄る。
「えぐっ、ヒクッ・・、どなたか、存じま゛ぜんが、お願いじまず・・たす、けてくだざい。・・・・、ツコお母さんを、助けて・・・ぐす、うえぇ・・・・」
その少女は泣きながら訴えてきた。この血だらけの女性を【お母さん】と呼んでいる、ぱっと見ただけでもわかるほどの重傷だ、早くしないと命に関わるだろう。
「救急車、呼んでくる!母さん、クリス!その子を頼む!」
「私は更識に連絡を入れてくる、どうやら普通じゃない、いろいろ話し合いしないといけないな」
将彰は救急車を呼びに、将秀はお向かいの更識家に面会に向かった
「大丈夫!あなたのお母さんは絶対に助けるからね!」
リタは少女を抱き寄せて頭を撫でて宥める、少女は縋り付くようにリタに抱き着き泣きじゃくる
「ごめんなさい・・・迷惑かけて、ごめん、なさい・・・何でもするから、お母さんを助けて・・」
そこで極度の疲労からなのか、糸が切れたように少女は意識を失った
きゅっ、と締め付けられるような思いだった。こんな幼い子供が、自らの母親と呼ぶ女性が重傷を負っているというのに、不安で仕方ないだろうに、心配で張り裂けそうだろうに・・・
それでも自身のことではなく、母の命と、見ず知らずの他人に迷惑を掛けたことを謝っている。リタは神に祈った、祈らずにいられなかった
どうかこの親子をお救いください、と。
説明が足りない感じなのであとがきにて補足を足しておきます
トライア博士:トライア・スコート(24)金髪ボブカットの天才美女、マイルドな篠ノ之束。おコンさん仮面なるキツネのお面を装備。リ・ブラスタTの開発者
セツコ:セツコ・オハラ(20)バルゴラ・グローリーSのパイロット、スパロボZの主役級。いろいろと不幸な目にばかり合う可哀そうな美人さん。Z内ではシン・アスカとの絡みがとても多い。
連邦:地球連邦、みんなご存知?ガンダムといえば連邦。腐敗といえば連邦。裏切者といえば連邦。
Z-BLUE:スパロボZの自軍部隊名、各作品のエースがずらりと在籍してるために必ず使ってもらえない一流パイロットが出てくる始末。
次元エレベーター:スパロボZの世界観、多元世界を行き来するエレベーター。
アサキム:アサキム・ドーウィン。不老不死となってしまった緑川ボイスのイケメン。黒いサイバスターのような機体シュロウガに乗ってる
アカシック・レコード:スパロボの世界観に登場する万物の電子図書館みたいな物、全ての世界の全ての事象が記憶されている
ザク:正式名称はザクⅡ、みんな大好きなザク。MSといえばザク、ガンダムといえばザク。
サラミス級:ガンダムに出る戦艦の名前、とくに出番もない
エンドラ級:上に同じ
黒の英知:スパロボZの世界観に登場、過去から未来全ての知を集めたもので太極の欠片。これに触れると限りない英知を手に入れることが出来る。
NT能力:ニュータイプな力、ガンダムシリーズの定番。覚醒バナージ並
クロスゲート:スパロボOGに登場する、制御不能でいつでもどこでも勝手に動き出すはた迷惑な転移門、だいたいとんでもない結果を生む
由良川グループ:改変されたIS原作の中にねじ込まれた優良企業。平安貴族出身の当主が何の因果か商才に恵まれ代を重ねるたびに成長していった。ISに関連する企業も所有しているが篠ノ之博士の意思を尊重して本来あるべき宇宙開発につかっている。
将秀:現、由良川家当主、年齢60代のロマンスグレーのおじいさん。イギリス留学時代に妻のリタと女王陛下主催のパーティーで知り合い恋に落ちた。
妻のリタ:将秀の妻、50代。イギリス貴族出身。金髪で碧眼の美人さん。緩い縦ロールな髪型
将彰:将秀の次男、30代。優れた商才と人当たりの良い性格で人望がある。フランスの支社に勤務していた際に現地の学生だったクリスティナと知り合い結婚する。子煩悩
クリス:フランス人、20歳のとき大学に通っていたが現地に来ていた将彰と恋に落ちて学生結婚し、シャルロットを出産する。金髪で紫の瞳の可愛い女性。シャルロットとそっくり。