ちょっと春は仕事が立て込んでいるせいで投稿は週1が限度ですが
できるだけ頑張って書き溜めていこうと思います
今回IS学園アリーナの設定は独自のものです、
原作とは違う部分もあるでしょうが目を瞑っていただけると幸いです
クラス対抗戦当日 一回戦 3組vs4組 第三アリーナ
side 一夏
「・・・・・すげぇ・・・・・・・・。」
他に言葉が出ない、それほどの凄まじい光景が眼前に広がっていた。俺は次の試合で2組代表の鈴と対戦するために第三アリーナのピットで待機中で、備え付けられているモニターで幼馴染の箒と共に試合の経過を見守っている。俺が戦ったオルコットさんたちも凄かったが、目の前で激戦を繰り広げる3組と4組の代表の凄さはそれを上回っている。
背中に蝶のような大型のウイングスラスターを供えたオレンジ色のISは3組代表《由良川シャルロット》、そして青と白の2色で右腕に剣のような武器、左腕に盾を持った騎士のようなISが4組代表《更識簪》。
どちらも制作者は
今のところ4組の更識さんが試合を優勢に進めてはいる、だがそれはこの第三アリーナという会場の特殊性によるものが大きいと思う。第三アリーナは立方体の形状をしていてそれぞれの距離が200mしかない、しかもコーナーが存在するため追い詰められれば逃げる場所がない。
それに俺が使わせてもらってた第二アリーナは半径400mの円形ドーム型だ、それと比べれば第三アリーナは俄然狭く感じる。これでは加速力に優れた機体ほど性能を生かしきれないだろう。現にコーナー間の距離をほんの一瞬で詰めてしまえるほどのスピードを誇るブランシュネージュがとても動き辛そうだ。
「これはキツイな、更識さんの体捌き、それにコーナーワークが飛びぬけて上手い。由良川さんが逃げる先もコントロールされてる・・・。しかもブランシュネージュは射撃しか出来ないせいで反撃するにも狙いがつけにくそうだ」
それでもよくやっていると思う、ほとんど相手の方を見ずに牽制射撃を繰り返している。いくらハイパーセンサーで全方位を見れるといっても俺だったら対応できる気がしない・・・。いや、俺は射撃センスからっきしだからなー・・・前に少しやってみたけど止まったままでも全く当てられなかった。
「・・・だがこれではジリ貧もいいところだ、由良川姉はこのままでは落ちるぞ。単純に機体性能の差が表れているのではないのか?」
隣に座っている箒が言う。傍から見ればそう見えるのも分かる、射撃しかできないブランシュネージュは言うなればブレード一本しかない俺の白式と同じだ。そしてエール・シュヴァリアーは遠近両用のバランス型、しかも盾も装備して機動力もある・・・得意距離は違うがオルコットさんのブルー・ティアーズに近いのか?
更識さんは離れれば右腕の剣からエネルギー弾による射撃と両肩にある砲で進路を塞ぎ、間合いを詰め、そして接近したらエネルギーブレードを振るう。由良川さんは近づかれたら両腕の拡散エネルギー砲で最短距離を潰し、絶妙な機動で抜け出し、いつの間にか拡張領域の武器とスイッチした両腕で出力の高いエネルギー砲を現場に置いていく。先ほどからそれの繰り返しだが圧倒的に手数が違う、更識さんが盾を持っているせいで拡散型の砲では多少当ててもびくともしないし、なによりエネルギーブレードのリーチが異様に長い、それに実体剣ではない分重量がないのだろう。パワーアシスト機能があるとはいえ小柄な更識さんがISの3倍以上も長さのあるブレードを軽々振るう姿、取り回しの良さも俺の雪片弐型と比べたら上に見える。
いや、これは・・・
「なるほど、更識さんのISを見ててわかった、オルコットさんのブルー・ティアーズは遠近両用じゃないのか・・・あれは《接近戦も出来る射撃特化型》だ。更識さんのエール・シュヴァリアーは格闘重視だけど射撃も出来る万能型だからコンセプトが違うな、どっちかっていうと由良川さんのブランシュネージュにシールドを装備させたもののほうが近いんじゃないか?」
「ふむ、だがブランシュネージュのほうはBT兵器がないぞ?それにあの有線式の・・・インコム?と言ったか、見てる限りああいう特殊な武装もない単純な射撃型だ」
「それなんだよなぁ・・・、あの
なんか隠し玉があるのか?いやでもそんな余裕あるような表情に見えないし・・・、少なくともこのままだと更識さんの勝利はほぼ間違いないだろう。
side シャルロット
「さすが簪!強すぎてもう笑えてくるよォ・・・・!くうううう!」
ボクは必死に距離を取りながらひたすらナン・ドゥで簪のSEを削りに行く。割とちくちくと削ってて簪のSEは残り7割程、逆にボクはもう半分切っててここから逆転はかなり厳しい。
それにこの狭すぎるフィールドのせいで機動に気を使いすぎて集中できないよ、シミュレーター限定だけど、ボクと簪の対戦成績はほぼ互角、ただしそれは
こういう限定された狭い空間では簪に一度も勝てていない、ボクが得意としているのは広い野戦フィールド、障害物が多かったり市街地戦や閉鎖空間ではブランシュネージュの特性が生かせない。
簪のエールはこういう時は本当に厄介だ、サイファー・ソードの使い勝手の良さが憎らしい!雪華ともっとよく相談してISの方向性決めれば良かったんだけど・・・今更だよね。ブランに掛けられているリミッターは雪華にしか解除はできない。当然エールのほうにもリミッターは掛かっているから性能的には互角なんだけれど、元々のコンセプトの違いが明暗を分けてしまってる。
「もう嫌になっちゃうな~・・・!簪、ちょっとは手加減してよ~!」
ボクはとりあえずプライベートチャンネルで簪に泣きつく、まぁ返事なんてわかり切ってるんだけどね!
「真剣勝負、手加減なんて一切しないから・・・!それに勝てばご褒美が、ある!」
そう、ボクたちはお互いに《ご褒美》が懸かっている、勝ったほうに雪華が新装備を作ってくれるんだ!
「せめて第六アリーナだったなら・・・!運が無さすぎるよ~~~~!」
第六アリーナはIS競技の中でも人気イベントであるキャノンボール・ファストを行うためのものだ、この第三アリーナのような狭い場所ではなくてIS学園の数あるアリーナで最大規模、あれくらい広い空間ならボクのブランシュネージュも十分に性能を発揮できるんだけど・・・。
「泣き言言わない、大人しく私に斬られて」
そんな無茶言わないでよ~!悪の道に堕ちた
あれ?それじゃあこの場合、少女漫画みたいな展開というよりは、虚ちゃんの本棚の参考書の影に隠れてた・・・あの薄くて高い本に書いてあったような・・・。
【くっ・・・!殺しなさい!】
ていうヤツのほうが近いんじゃあ・・・・・?つまりそれって・・・・・あれれぇ・・・・・?
つまりボク、大ピンチ!?
「・・・・・きぃぃいやあぁぁぁあ~~~~~~~~!お・か・さ・れ・る~~~~~!?」
「!?・・・ひ、人聞きの悪い事言わないで!なんでそうなるの!?」
「ボクのこと乱暴するシチュエーションだよねこれって!?虚ちゃんの本棚にあったあの薄い本みたいに!」
「な!?わわ私はそんなことしなあ~~~~~い!!」
顔を一瞬で真っ赤に沸騰させた簪、ひょっとして虚ちゃんの本棚のラインナップって結構周知の事実なの!?ていうかさっきまでより簪の攻めが激しくなってるーーー!!!
「藪蛇つついたー!?イヤー!!!」
「逃がさない!くたばれえぇー!!!」
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・・・そしてこの試合はそのまま削りあいが続いて結局ボクは負けてしまいましたとさ・・・。
なんて締まらない終わり方なんだー!?
side 刀奈
「何をやっているのかしら・・・?簪ちゃんてば急に顔を真っ赤にして、一気に熾烈な攻めになったわね。一体どんな会話をしてたのかしら・・・?」
なんか気になるわね、後で教えてもらおうっと♪試合は簪ちゃんがSEを半分以上残して勝利、第三アリーナの狭い空間だとやっぱりブランシュネージュは活かせないわねぇ。リミッター外して《アルスノーヴァ》を展開したところでなおの事フィールドは狭くなるだけよね。
雪華ちゃんは別格として、セシリアちゃんのティアーズでもリミッター外したエールには勝てないだろうし・・・、そうなると私の《ファービュラリス》くらいかしら、今対抗できるISは?
ふふふっ♪お姉ちゃん嬉しいわ、引っ込み思案だった簪ちゃんだけどISに乗ってるときは別人のように覇気に満ちてて。実力も申し分ないレベルで急成長してるし、これは次代の楯無をどっちが継ぐかわからなくなってきたわね!
「もっと強くなって簪ちゃん・・・!お姉ちゃんもがんばるからね!」
side 鈴
「二人とも凄いわね・・・、私よりもずっと強い!これは負けてられないわね。だけど私は目の前の一夏とのバトルに集中しなきゃ!」
先日雪華と知り合って友達になった、そして雪華の家族や友達とも仲良くなれた。
そしてシャルロットと簪の壮絶なバトルをピットで見学してた私は現在の実力差を痛感した。でもそれがどうした!むしろ俄然やる気が出てきたわ!元よりISに乗り始めて1年未満の私が他の専用機持ちより実力で劣るのは判ってる、だけど強くなりたいっていう気持ちは誰にも負けるわけにはいかないわ!私ってほんとに負けず嫌いだわ、こんなにも楽しくなってる。
「ふふっ、
私は待機状態の
対抗戦のカード:3組4組が実質一年最強なので初戦で潰しあってくれないとストーリーが・・・
ブランシュネージュ:スパロボでも射撃武器しかない機体、戦闘描写で分身しているが機体の特殊能力に分身がない理不尽、その代わりビームコートがある
エール・シュヴァリアー:サイファー・ソードが鬼畜仕様の剣撃戦闘型、こちらは分身能力を備えている代わりビームコートがない
ご褒美:当然他にも・・・むふふ
キャノンボール・ファスト:原作のIS学園イベントは満足に完遂されたことがない
簪の持ってるマンガの展開:王道を征く悪の組織に追われるお姫様を颯爽と助け出す正義のヒーローもの
虚ちゃんの薄くて高い本:百合百合しいエロ同人、たんまりとある
くっ殺:艦これが題材、親子のような金髪の美幼女×金髪の美女モノ。虚ちゃんの性癖がばれる
簪×シャルロット:原作だとまったく絡みがない二人だが・・・?
虚ちゃんの秘密:当然のごとくつつぬけらしい
鈴ちゃん:原作通り相棒はあのIS、今のところ特に強化はされていないが