IS 《神器の少女》   作:ピヨえもん

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評価がついている・・・・だと・・・・?
しかも思わぬ高評価・・・ゴクリ


あまりに予想外すぎて震える






20 白式vs甲龍

 

2回戦 1組vs2組 第三アリーナ

 

side 一夏

 

 1試合目は4組の更識さんが勝利を収めた。同じ1年とは思えないほどの二人の戦いに、俺は闘志に火が付いたようだ。

 

 これから始まる俺と鈴との対戦に向けて気合は十分だぜ!

 

 

「よし、次は俺の番だな!行ってくるぜ箒!」

 

「ああ、行ってこい一夏!絶対に勝つんだぞ!」

 

「おう、由良川さんたちが作ってくれた特訓メニューの成果見せてやるぜ!」

 

 

 由良川さんに修理された白式は以前よりもさらに輝くような装甲になり、純白というよりはもはや白金のようなカラーになった。あれだけボロボロになったっていうのに僅か2日で元通りにするなんてすごい技術力だな・・・。

 そしてお詫びとして指と腕回りの可動域を2%向上させたらしい、これは本当にありがたい。修理が終わって受け渡しのときにチェックしたけれどたった2%で見違えるような取り回しの良さになった、これでより一層ブレードが振るいやすくなったぜ!

 

 フィールドに出るとほぼ同時に反対側から鈴も飛び出てきた、これが鈴のIS《甲龍》か・・・。

 

 機体カラーは黒と赤みの強いピンク?それともピンクっぽい赤なのか?それと肩の所に、棘のようなものが付いた球体のアンロックユニットが浮いている、あまり機動力は感じない反面、力強さを感じるな・・・。

 両手に持ってる青龍刀、近接戦闘型か?いや、決めつけはダメだ、常に観察を怠らないことが大事だ。射撃武器を警戒しつつ接近戦に持ち込む、そして分が悪いと判断したら機動力を活かして一撃離脱、常にこちらの手札は伏せたままキープだ、主導権は渡しちゃいけない。

 

 ・・・・よし!

 

「待たせたな鈴!さあ、始めようぜ!」

 

「ふふん!私は代表候補生の中では新参者だけど、IS触って2週間のルーキーには負けてらんないのよ!さあ、かかってらっしゃい!中国代表候補生《凰 鈴音》、行くわよ!!」

 

 

 〔----続いてクラス対抗戦2回戦、始め!〕

 

 

 試合開始のアナウンスと同時に鈴が突っ込んでくる、俺は特訓の内容を反芻しながら雪片弐型を半身に構える。やっぱ鈴は近接型か!逃げながら撃たれるよりよほど良いぜ!

 

 

「はあぁぁぁあああ!」

 

 

 鈴は両手に持った青龍刀を交互に振って斬撃を加えてくる、俺もブレードで応戦しつつ鈴の正面に入らないように細かく位置調節をする。

 

 

「甘いぜ鈴!この程度の斬撃で俺は斬れないって!な!」

 

 

 俺は先日の由良川さんとの闘いで得た経験が活きているのか、鈴の斬撃の軌道が見えている!この程度の速さなら十分に捌ききれる、これなら接近戦では俺に分がある!

 

 

「っらああ!」

 

 

 ズガアッ!!

 

 よっしゃ!ファーストアタックもらったぜ!

 

 

 俺はISの試合で初めて一撃を入れた、情けない話だがオルコットさんにも由良川さんにも一撃も入れれずに完敗している。二人に比べたら鈴の動きは十分に予測の範囲内だ、特訓の成果も出てる、主導権はこっちにある!

 

 

「ぐっ!?・・・やるじゃない一夏!アンタほんとにISに触れて2週間なわけ?素人の動きじゃないわよ!」

 

「俺は今でも素人だよ!だけどこの一週間、文字通り血のにじむような特訓を重ねてきたんだ!だからそう簡単に負けるわけにはいかねえ!!」

 

 

 俺は零落白夜を温存しつつ、鈴の隙を伺いながらブレードを打ち込む、鈴は片手では俺の打ち込みを受けきれないのか、2本の青龍刀の柄尻を連結させて双刃にして両手で対応してきた。だけど鈴の手数が減ったことにより完全に主導権は俺のほうに渡った!

 

 

「いける!今日こそは俺が勝ってみせるぜぇ!!」

 

 

 連続で鈴にブレードを振るい、確実に小さく鋭く攻撃を当てていく。苦しそうな鈴の表情を見れば解る、接近戦では鈴に勝ち目は無い!

 

 

「このっ!!・・・私だってねぇ、代表候補生として負けるわけにはいかないのよおォ!!!」

 

 

 ガシャッ!

 

 

 鈴の叫びと共に甲龍の肩部に浮いていた球体ユニットがスライドした。スライドした球体自体に変化はない、砲門が開いたというわけでもないな・・・、なんだ?何をしてくるつもりだ?

 

 俺は何が来てもいいように鈴の挙動を観察しつつ攻撃を加えていく。

 

 

「これでも、食らええぇえ!!」

 

 

 

 ガガアァン!!

 

 

「がっ!?」

 

 

 突如なにかがぶつかったような2つの衝撃と共に俺は吹っ飛ばされた!20m程後退したところでブレーキをかけて踏みとどまる。

 

 

「ぐっ・・・、今のは何だ!?」

 

「どうよ一夏!これが中国の第三世代兵器【龍砲】よ!試合はまだこれからなんだからね!見えない砲撃をアンタに避けきれるかしら?」

 

「【龍砲】だって!?うおおおおおおお!?」

 

 

 次々に何かが俺に向かって殺到してくる!俺は回避に専念するため全力で逃げ回る、上下左右にフェイントを入れながら。鈴は俺を引き剥がすことには成功したようだがランダムな機動に狙いを定めることが出来ずにいるのか、今のところ最初の2発しか被弾はない、だけどこれは厄介だな・・・。

 

 ハイパーセンサーで観察はしているけど、どうやら砲撃の瞬間も軌道もまったく視覚出来ない。せめて砲塔さえあれば着弾地点の割り出しができるんだが・・・。鈴はフィールドほぼ中央から動かず【龍砲】を撃ちだしてくる、だが背後に回っても見えない弾丸が飛んでくるせいでまったく近づけない!

 

 【龍砲】は全方位に撃てるのか、なんて厄介な・・・。

 

 見えない砲塔と見えない砲撃、そんなのどうしろって・・・、いや、先日のジェニオンの攻撃もほとんど見えなかったな、あれは見えないほど速い攻撃だったからだ。でも今の鈴の砲撃は違う、見えないほど速いのではなく明らかに《透明な弾丸》か何かだ。

 

 そういえば特訓メニュー渡してくれた時に由良川さん言ってたな、

 

 『見えない攻撃と見えないほど速い攻撃は似ているようで違います、分類は同じ《見えない攻撃》ですが・・・、まず見えない攻撃というのは【知覚できない】という一点に尽きます。知覚と知覚の連続にある一瞬のブランクを突く、これは単純な話、不意打ちの一種です』

 

 

 見えない攻撃、まさに今のがそうじゃねーか!じゃあ対処法は?たしか・・・。

 

 

 『例えば斬撃が見えない、砲撃が見えない、理由は簡単です。透明な剣で斬りつけられたら?透明な弾丸で撃たれたら?見えるはずのものでも死角からなら見えない攻撃です。暗闇に溶け込む忍者の黒装束もそうですね、そこにいるのが分かってなければ見えない。では見えない攻撃を《見る》ためにはどうするか、これも単純な話なんです』

 

 『敵の攻撃に色を付ける、もしくは敵の攻撃のルートを制限する、あるいはISにはハイパーセンサーの他にサーモグラフィーやナイトビジョン機能もありますからそれを利用してもいいですよね。例えば家庭で使われるガスです、これも無色透明な気体だったわけですが、色を付けてガス漏れを防げるようになりましたね。透明なブレードとかならペイント弾を撃ち込んでもいいですね、ISには拡張領域がありますからそういった補助的な兵装を収納しておくのも意外とアリなんですよ!』

 

 

 なるほど、攻撃に色を付ける・・・・。でもどうやって色を付ける?俺の白式には拡張領域なんてまったくないぞ?いや考えろ、何かあるはずだ。

 

 何度目かの【龍砲】を身を捻って回避する、地面に叩きつけられた透明な弾丸が土煙を巻き上げる。一気に視界が悪くなったな・・・これなら狙いをつけられないか?いや、ハイパーセンサーのおかげで相手がどこにいるかは分かってしまう、くそっ!

 

 

 ん・・・・・?これは、まさか・・・・、いや、そういうことか!

 

 

「見つけたぜ、龍砲の攻略法!」

 

 

 


 

side 鈴

 

「このっ!ちょこまかとすばしっこい!どういう訓練を受ければ2週間でこんな動きが出来るってのよ!?」

 

 私は細かく動き回る一夏に狙いを定めきれず、甘い照準のままで龍砲を撃ちこんでいく。だけど頻繁に軌道を変えてくるせいで最初の2発以外に直撃はない。

 

 龍砲は空間に圧力を掛けて生み出した砲身から放たれる衝撃砲が正体だ。射角の制限がなく見えないうえ、燃費も良くて使いやすいのだが・・・威力はそこまで高くはない。お互いのSE残量は私が残り4割、一夏がまだ8割近く残っている。接近戦では分が悪い以上、龍砲の使い方が私の勝利のカギだ。だけどさすがにお互いの近接武器の間合いで龍砲を撃つのは無理がある。見えないというだけで、砲身自体は存在するため、接近戦では両腕に搭載された小型のものしか使えない。あれではほとんどSEを削ることなどできない威力で、牽制程度にしかならない。

 

 

「まずいわね、いくら燃費がいいって言っても龍砲だって無制限に撃てるわけじゃあ・・・・、え?」

 

 

 一夏のやつ、急に地面スレスレをぐるぐると旋回し始めた?スラスターに巻き上げられた土煙で一気に視界が悪くなってきた、でもハイパーセンサーがあれば視界の悪さくらい!

 

 

「そんな程度で見えなくなるとでも!?甘いわよ一夏ァ!!」

 

 

 再度、龍砲を形成して照準を合わせる、一夏は土煙をあげるために地面に降り立ち動きが単調になっている、これはチャンスね!

 

 

「そこ!・・・えっ!?」

 

 

 ぐにゃり、と土煙の中で形成された砲身が姿を現す、龍砲の正体は【圧縮された空気】だ、それはつまり。

 

 

「!?し、しまった!最初からこれが狙いで!?」

 

 

 土煙の舞う空間を圧縮すれば、龍砲の姿は固められた土煙によって形作られる。そして撃ちだされる弾丸も全部見えるように・・・!

 

 

「これで見えたぜ!もらったあァァァ!!!」

 

 

 はっ、と気づいた時には一夏の姿は目の前に来ていた。これは【瞬時加速】!?こんな技まで習得してたの!?

 さらに一夏が手に持っているブレードは姿を変えている、これって、千冬さんがモンド・グロッソを制した【零落白夜】じゃないの!

 

 やられた!奥の手を2つもここまで温存していたなんて・・・!完全に私の上を行かれた現実に負けを認めるしかない。悔しいわね・・・必死に努力して代表候補生になったっていうのに、一夏はこんな短期間で私よりも強くなってたなんて。

 

 

「ほんと、あんたってば・・・すごいわねぇ」

 

 

 今までの斬撃より遥かに鋭い零落白夜の一撃をまともに食らって私の甲龍はSEが尽きた。ISが解除されて自由落下を始める・・・

 

 がしっ!

 

 一夏は私の腕を掴んで引っ張り、腰に手をまわして担ぎ上げた、こ、これって・・・・////

 

 

「うがーー!!お米様だっこじゃないのよーーーー!!!!」

 

 

 ぞんざいに扱うなーー!!!こういう時はお姫様だっこでしょうがーー!!

 

 

「なんだよそれ!?このままじゃ鈴は地面に激突するだろ?きちんと着地するまで面倒みてやるよ!親友だからな!」

 

 

 白い歯を見せてニカ!っと爽やかに笑う一夏(おバカ)、ああ、もう・・・こいつは・・・中学のときと何も変わってないじゃないの・・・・はぁ。

 

 

「まぁ、ありがと。しょうがないから面倒みさせてあげるわ、感謝しなさいよね?」

 

「ははっ、なんで感謝しなきゃいけねーんだよ。ほら、着いたぞー、鈴」

 

「ん、ありがと。まったく、アンタほんと強くなったわねー。一体どんな鍛え方したのよ?」

 

「ああ、まあ・・・・あれは地獄だったな・・・・」

 

 

 すっごい遠い目をしてるわね、千冬さんかしら・・・・?下手に押すとトラウマスイッチになってそうね。

 

 

「ま、後でいいわよ。決勝戦、がんばりなさいよね!簪は私なんかよりずっと強いわよ!」

 

「おう!まあ、更識さんが強いのは見てたからな、はっきり言って別格だ。今の俺じゃあ恐らく勝てないだろうな、でも格上相手にどこまでやれるのか全力でぶつかってみるさ!」

 

 

 一夏と試合後の握手をしてピットに戻ろうとしたその時だった。

 

 

 

 

 ドガアァァァァァァァァァアアアン!!!!

 

 

 

 何かがアリーナ上空からシールドバリアーを突き破って地面に降り立ったのは。

 慌てて振り返ると、そこには見たこともない青と赤の2機の全身装甲のIS(フルスキン)が居たのよ

 

 




特訓後の一夏:まるで精神と時の部屋のような濃密さ

甲龍:中国の第三世代型IS、左右二振りの【双天牙月】と空間を圧縮して放つ衝撃砲【龍砲】を大小2門ずつ備えた機体、低燃費で継戦能力に優れる反面これといった決め手に欠ける

鈴の実力:1年で代表候補生に上り詰めただけあって決して弱くはないが、トップクラスとは言い難い現状

ハイパーセンサー:これだけ高性能なら見えない砲弾でも見えるはずなんだけどね・・・

お米様だっこ:米俵を担ぎ上げるように、ロマンもなにもない

爽やか一夏:イケメンスマイル

乱入者:原作通りだがタイミングと中身が大きく違っている

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