IS 《神器の少女》   作:ピヨえもん

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青と赤の2機・・・

一体、何クリウスと何エイトなんだ・・・?


おや?シャルロットの様子が・・・?


21 乱入者

side 一夏

 

「なんだアレ?ISなのか?」

 

 俺は鈴との対戦に勝利してピットに戻ろうとしていたところ、突然アリーナの天井からものすごい爆音が聞こえた。

 

 と思ったら、アリーナ中央付近に見たこともない赤と青の2機のISが降り立ってた。

 2機とも俺たちが乗っているISより二回りほど大きなサイズで7~8メートルはあるんじゃないかって大きさだ。派手な色合いだな、しかも全身装甲で頭部は単眼の大きなカメラアイ・・・・ISっていうよりロボット?

 

 赤いほうはアレだ、カミナリ様みたいな、背中にデンデン太鼓背負ってる。青いほうは・・・・なんだあの巨大な砲は?背中に背負ったタンクみたいなものにケーブルで接続されてるな。

 

「IS・・・、なのか?どうみてもロボだろあれ?」

 

「暢気なこと言ってる場合じゃないわよ一夏、どうみても厄ネタよアレ。世界中の国家から干渉を受けない完全中立であるIS学園のアリーナに、天井ぶち破って乱入してくるヤツなんて普通であるはずないじゃない!」

 

「そ、それもそうだな!いやでも・・・何で?わざわざIS学園にちょっかい掛けてくるんだ?」

 

「そんなことは知らないわよっ!一つだけ言えることは、アイツラはIS学園にとって敵だってことよ・・・!」

 

 


 

 

 第三アリーナ管制室

 

side 千冬

 

 

「くっ!緊急事態か!・・・山田先生、館内放送を!避難指示をしてくれ!」

 

「は、はい!」

 

 

 管制室からの館内放送で生徒たちに避難を促す、生徒会は独自で動いているのか、すでに素早く動き出している、こちらも動き出さなければ・・・。

 

 

「織斑、凰!聞こえるか?ピットに戻れ!侵入者は教員のIS部隊で鎮圧する!・・・ああ、そうだ。凰の甲龍はSE切れだから織斑が連れていけ、いいか、決して刺激するなよ!」

 

 

 私は一夏にコア・ネットワーク経由で避難を指示する、釘を刺しておかねばアイツのことだから、自分が時間稼ぎをするなどと言い出しかねん。通信を切り、改めてアリーナ内フィールド中央に居座る2機のISを見やる。

 

 1組と2組の対戦が終了した直後、突如アリーナの天井シールドバリアを突き破りフィールドに乱入した2機のIS。

 

 青い機体は背中に大きな円形のボンベのようなユニットを背負い、それにケーブルで接続された大型の砲を両手で保持している。赤い機体は背中に円盤型の平べったい何かが連結していて、両手に小型のバックラーのようなものを持っている。どちらも全身が機械としかいいようがない、あきらかにISというよりロボットの形状、そして頭部の大きな一つ目の赤いカメラアイ・・・・・。

 

 

「なんだ、こいつらは?IS、なのか?どう見ても人型ロボットにしか見えないのだが。」

 

「わ・・・わかりません、少なくともIS学園アリーナの天井シールドを破って来るなんて、普通のISには不可能です!」

 

「アリーナのシールドは軍用ISの攻撃でもびくともしない強度と耐久力を持つ、それをああもあっさりと・・・、あの青いほうが持っている大型砲だろう、あんなものを食らったらISを装備していてもひとたまりもない。」

 

 

 私は教員IS部隊にコア・ネットワークで通信をする、あの2機をどうにか排除しなくては。

 

 

 〔各員に告ぐ、赤いほうを【α】、青いほうを【β】と呼称する。装備からしてαが前衛、βは後衛だと予想できる。特にβの大型砲には注意してくれ、アリーナのシールドを突き破るようなものを食らえばどうなるかわからん。無茶な注文だと思うが、出来る限り観客席に銃口を向けさせないように立ち回ってくれ。まずは生徒の避難が最優先だ、決して無理はしないでくれ、注意を逸らすだけでいい。それとαの背中に搭載されている連結した円盤状の兵装にも気を付けてくれ、どんなものか予想がつかん!生徒たちも大事だが、教員部隊(みんな)も同じだ!危険を感じたらすぐさま退避してくれ、それでは各員、健闘を祈る!〕

 

 

「それと、アーリィ!聞こえているか?お前も参加してくれ、訓練用の打鉄しかないがお前の実力は教員最強だからな!」

 

 

 私は同期で学園の職員となったアリーシャ・ジョセスターフに通信を繋ぐ。彼女は今年からIS学園の保健室で働いている。アーリィなら実力は私と同等、この管制室にいる真耶を除けば教員にアーリィとまともに戦えるものなど居ない。

 

 

「聞こえてるヨ、チフユ。そういうと思ってすでに向かってるサ!ただ専用機じゃないからネ、あんまり期待しないでおくれヨ♪」

 

「すまんアーリィ、生徒の避難誘導が終わったら私も現場に急行する、どうにも嫌な予感がするんでな・・・。」

 

「私とチフユの仲じゃないのサ、ただ、医療スタッフとして待機してたからね、少し時間かかるサ。」

 

「わかった、突入部隊にもそう伝えておく、ではアーリィ、頼む!」

 

「了解!」

 

 

 とりあえず打てる手は打たねばな。

 

 


 

side 雪華

 

 

 なんで・・・・・、なんであの2機がここに・・・・・・?《この世界》にアレは存在してるはずがないのに・・・。

 

 

「雪華!あれってまさか他の世界の!?」

 

「え・・・・、あ、うん!赤いのが【メリクリウス】、青いのが【ヴァイエイト】!どっちもMSだよ!」

 

 予想だにしていなかった展開に思わず呆けていたら、試合後のメンテナンス中のシャロが声を掛けてきました。おかげで意識がはっきりしました、急いで織斑先生に伝えないと!

 

「シャロ、かんちゃん。よく聞いて!あの2機が私の知ってるやつなら、今この学園で対抗できるのは私を含めて5人だけなの!」

 

「5人?・・・雪華と、お姉ちゃんと・・・、まさか残り3人ってわたしたち(私、シャルロット、セシリア)?」

 

「え?織斑先生とかアリーシャ先生は?それに山田先生、実力なら私たちよりもずっと上じゃないの?」

 

 私はふるふる、と首を振ります。確かに操縦者としての能力なら先生たちのほうが上でしょう、ですけど問題なのは。

 

 

「実力は問題じゃないの、あれがISなら先生たちでも処理できるけど、あれがもし、【MSの性能そのまま】だったら・・・。今この世界のISの装備じゃあ破壊できないの、セシリーのライフルなら・・・いけるかもしれないけれど。それにアレは本来、知り合いが乗ってた機体・・・といってもテスターなんだけど、その戦闘データが使われたモビルドール(無人機)だと思う、大きさから見て確実にパイロットは乗ってないはず。アレはMSだから、15m~17mくらいのサイズが本来の姿なんだけど、それより半分ほどになってるし。それより、パイロットデータがとっても厄介なの、超一流だから!」

 

 

 アレがモビルドールなら、確実にヒイロさんとトロワさんの戦闘データを搭載してるはずです。織斑先生やアリーシャ先生も強いですが、場数が段違いすぎます。彼らのデータ通りなら、IS学園の教員が乗る打鉄やラファールでは撃墜されるだけです!

 

 

「織斑先生、応答お願いします!」

 

「なんだ由良川!今立て込んでいる、後にできるか!?」

 

「ダメです!聞いてください、アレが《私の知っているもの》なら教員の皆さんに犠牲が出てしまいます!赤いほうが【メリクリウス】、近接戦闘型MSで最強の盾をコンセプトに作成されたものです!材質は【ガンダニゥム合金】という宇宙で精製される特殊合金でその強度はこの地球上のどの材質より優れています、生半可な武装ではまったくダメージを与えられません!両手に持っている盾は【クラッシュシールド】と言って、これも同じ合金製です。そして実体武器でもエネルギーに対しても極めて高い防御性能を持ったものです!中央から発生する高出力のビームソードも展開できます、これはISのSBを文字通り溶かすほどの威力です!そして背中にある兵装が【プラネイトディフェンサー】といって10基のAI制御型電気フィールド発生装置です。少数でも機能しますが、複数連結して展開することによりさらに強力な防御性能となります!そしてそれは防御だけでなく攻撃にも転用できますので注意してください!」

 

「な、なんだと!?アレは由良川の居た世界の兵器だというのか!青いほうはどうなんだ!?」

 

「青いほうは【ヴァイエイト】、こちらは最強の矛として作成されたもので材質は同じガンダニゥム、両手で保持しているビームキャノン一丁だけの武装ですが、威力のほどはお察しの通り、アリーナのシールドを楽に貫通するほどのものです!そして背中に搭載している円盤型のタンクはジェネレーターになっていて、弾切れには期待しないでください!ギリギリまで大型化したビームキャノンですが、機動性も十二分に確保されているので決して固定砲台ではありません!」

 

「・・・呆れてものも言えない、くそっ!わかった!出来るだけ回避に専念するように伝える!」

 

「お願いします!私はあの2機が本来のMSかどうかデータを見てみますので、何か分かったらまた連絡します!」

 

「わかった、頼んだ由良川、感謝するぞ!」

 

 

 通信を切り、私はアリーナに居座る2機のMSのデータをアカシックレコードからサルベージしにかかります。

 

 ・・・・・あれ?何か違和感が?

 

 2機の・・・・・もびるすぅつ?

 

 

 よくよく考えてみたら、なぜMS?ここは宇宙じゃなくて地球、つまり重力下。そんな場所で、《宇宙空間での運用を前提とした設計》をされたMSを、わざわざサイズダウンしてまで投下する理由は?しかもメリクリウスとヴァイエイト、確かにどちらも強力な機体です、ですがそんなものを作る技術力があるのなら、なぜその2機を?同じ無人機ならビルゴを作ったほうがよほど良いですよね・・・?

 

 

「・・・なんでメリクリウスとヴァイエイトなんだろう?ゲートが開いた痕跡はないですし、この世界で作られたのは間違いはない。じゃあなんでもっと強力な機体、あるいは地上での運用を想定した機体じゃないの?ビルゴIVやGN-X IV、クラウダといった量産型の傑作機と呼ばれるMSがあるのに?それに無人機である理由は?ISと違って男女関係無く操縦できるものですし、多少の練度の差なんてものともしない高性能な機体なんてそれこそ山のように存在します・・・・」

 

「ああ!危ない!」

 

 

 え・・・?私が違和感の原因を探っていると、突如かんちゃんの叫び声が聞こえた。ふと顔を上げてフィールド内を映しているモニターに目をやると、件のヴァイエイトがビームキャノンを白式に向けて構えている姿があったんです。

 

 


 

side シャルロット

 

 ボクは修理も済んでいないブランシュネージュを身に纏ってピットを飛び出した。幸い動かすだけのエネルギーに関してはレース・アルカーナのおかげで自然に回復しているから、最大速度で白式に向かって突撃する。

 

 

「・・・間に合ってぇぇぇぇぇえええええ!!!」

 

 

 アリーナのシールドを貫通するようなビームを食らったら、たとえISを身に纏っていても致命傷は免れない。それだけじゃない、白式、織斑君の傍には鈴がいるんだ!今の鈴は甲龍を展開できない生身の姿、そんなときにあんな大出力のビームなんて余波だけで死んでしまう!

 

 ボクはブランシュネージュが持つ限界のスピードで白式の前に飛び出し、二人を抱えて離脱する。鈴はISスーツを着ているけれど生身だから可能な限り優しく、でもできるだけ素早く逃げる。

 

 

「・・・・間に、合ったあァ!」

 

 

 離脱直後に二人が居た場所が文字通り(・・・・)消し飛んだ。

 

 あ、危なかった・・・!でも今度はピットと反対方向に着地しちゃったよ。どうしよう、せめて鈴だけでも避難させないと・・・。

 

 

「ぶはっ!あ、ありがとシャルロット、助かったわ・・・」

 

「どういたしまして、でもゴメン、考えなしに突貫したからピットが反対方向なんだ・・・、織斑君、二手に分かれて離脱しよう。ボクは鈴を抱えて時計回り、織斑君は反対方向に。」

 

「分かった、でも大丈夫か?シャルロットさん、修理まだだったんだろ?あいつら躊躇なくぶっ放してきたぜ?」

 

「ボクは大丈夫、エネルギーは回復してるから。それに無茶でも鈴だけは守らないと。赤いのが前衛、青いのが後衛、どっちの攻撃も当たれば問答無用の一撃必殺、OK?」

 

「まじかよ、冗談きついぜ・・・、でもやるしかないんだな!分かった、OKだ」

 

 

 なかなか頼もしい返事だね!さあブラン、もうひとがんばりだよ!覚悟を決めて離脱準備にかかると雪華からコア・ネットワークのプライベートチャンネルが繋がれた。

 

 

「(シャロ、今かんちゃんを全速で復帰させるからそれまで耐えて、私のNT能力とシュンパティアを共振させて未来予測するから慌てずに感じ取って!それとあの2機、やっぱり無人機(モビルドール)だよ、データはメリクリウスが【ヒイロ・ユイ】、ヴァイエイトが【トロワ・バートン】のもの、どっちもシミュレーターで戦ったことあるよね、ウイングゼロやヘビーアームズよりはやりやすいはずだよ)」

 

「(わかった、雪華、勝算はどれくらいありそう?)」

 

「(・・・かんちゃん一人だと4割、リミッター解除したら9割)」

 

「(わお、なかなか高いじゃない。何分後?)」

 

「(90秒待って、ただ・・・およそ40秒後に教員IS部隊が突入してくるよ、乱戦になるから注意して!)」

 

「(・・・まぁ、仕方ないよね。わかった、出来るだけ頑張ってみる。)」

 

 

 ボクは通信を切ってシュンパティアに意識を集中させる。頭も、体も、心もブランと一体化し、一つに溶ける。

 

 雪華の特別、ブランシュネージュに搭載されたシュンパティア。シュンパティアに組み込まれている鍵、破滅の導き手(メリオルエッセ)の魂。

 

 

 

 ボクはブラン

 

 

 

 ブランはリアナ

 

 

 

 リアナはボク

 

 

 

 ボクは・・・リアナ

 

 

 

 

 

 

 

 

 あたし(・・・)の名は・・・・・クリアーナ・リムスカヤ

 

 

 

 

「さあ、行くわよ(・・・・)!」

 

 

 




赤い機体:メリクリウス、新機動戦記ガンダムWのMS。5人のマッドな爺さんたちがよってたかって組み上げた最強の盾、パイロットデータはヒイロ・ユイ

青い機体:ヴァイエイト、新機動戦記ガンダムWのMS.5人のマッドな爺さんたちがよってたかって組み上げた最強の矛、パイロットデータはトロワ・バートン

IS学園:いかなる国家にも干渉されないと謳っているが原作では干渉されまくりである

アリーシャ:保健室の主となった、元々ガチレズのアーリィには女子校の保険医は天職だったらしい

ガンダニゥム:本来の名称は「ルナチタニウム合金」、設定資料の紛失によってガンダムZから意味合いが変わったらしい

セシリーのライフル:メリクリウスの「プラネイトディフェンサー」は指向性の高い一点集中型のレーザーならフィールドを貫通してそのまま本体を攻撃できる

ヴァイエイトのビームキャノン:ウイングガンダムのバスターライフルを強化したもので、当然威力は並外れて高く、3発しか撃てないバスターライフルの欠点も克服している

雪華の違和感:2機のMSは共に宇宙用であり、重力のある地上では飛べないし「プラネイトディフェンサー」も100%稼働できない

ビルゴ:メリクリウスとヴァイエイトを合体させた性能の量産機、アニメではこれが猛威を振るう

ビルゴⅣ:新機動戦記ガンダムW Frozen Teardropに登場、スパロボには未登場、クラウダやGN-X IVと並ぶガンダム最強の量産機の候補の一つに挙げられている。

クラウダ:機動新世紀ガンダムXに登場、重装甲かつ高機動力、量より質を求めて作られた。実弾火器では傷一つ付かず、入念な対ビームコーティング処理により対ビーム性にも優れ、ガンダムタイプのビームの直撃ですら問題にしない鉄壁ぶりに攻撃力も備えた量産機

GN-X IV:劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-に登場。ジンクスと読む、地球連邦軍の擬似太陽炉搭載型モビルスーツ。コーラサワー君が乗っているのが作者は大好き。量産機では別格の性能と言える

ヒイロ・ユイ:ガンダムWの主人公の一人、緑川ボイス。タンクトップ+スパッツ姿の無表情キャラ、名台詞がいっぱいある。

トロワ・バートン:ガンダムWの主人公の一人、中原茂ボイス。クールで無表情、スパロボではヒイロと一緒に行動することが多い。稲中卓球部の井沢(ジョーもどき)ひろみに似てるとか言うな!


あたしの名は・・・:おや?シャルロットの様子が・・・?

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