シャロ、目覚める
サブタイトルの《Duologue》はスパロボ第二次OGで付けられた
リム専用戦闘BGM。デュオローグ、意味は《対話》
誰と、誰の対話なのか?
side シャルロット
何かがおかしい。ボクは自分のすぐ傍にもう一人のボクを感じている、それでいて自分自身をどこか遠くから眺めているような・・・。不思議な感覚・・・、どちらのボクも明らかに自分自身な自覚があるんだ。
何、これ・・・?どうなってるの?あれ、体が動かない!?
「(落ち着いてシャルロット)」
え、何!?ボク勝手に喋ってる!?
「(はじめましてもう一人の【あたし】、あたしはリアナよ、長い付き合いになるかどうかはわかんないけど、よろしくね!)」
ボクの考えてること分かるの?リアナ?え?本来のブランのパイロット、クリアーナ・リムスカヤさん!?
「(厳密に言うと違うわ、あたしは本来のリアナとは別の存在、雪華から《シュンパティア》のこと少しは教わったでしょ?クリアーナ・リムスカヤの二つの魂、覚えてる?あたしはシュンパティアによって呼び寄せられたもう一つの魂、シャルロット、あなたの【メリオルエッセ】よ。何の因果なのかわかんないけど、あたしが呼ばれた。クリスと共にあったリアナと、今ここにいるあたし、【リアナ】は別のようだし。ホントは今ここにいるあたしの名前が【リアナ】なのかどうかも定かじゃないけど、今は定義上そう呼ばせてもらうわね)」
・・・・ええ?どういうことー!?ボクって二重人格だったの!?
「(違うー!覚えてないの!?雪華から説明あったでしょ!ファブラ・フォレースで発掘された本当のシュンパティアと違って、雪華が作ったコレはシステムだけコピーした量産品でしょ!本来なら鍵とならないはずの疑似シュンパティアだったはずなのに、なぜか【門】が開いちゃってね。よほどあたしたちの相性が良いのか、よほど雪華の腕が良いのか・・・)」
・・・つまり、偶然の産物。でも鍵として稼働してるってことは、ボクもそのうちメリオルエッセ化しちゃうってこと?
「(正直言ってその辺はあたしには分からないわ、この世界にはファブラ・フォレースは存在しないんでしょ?だったら一時的なものかもしれないわね・・・、ただ・・・)」
んんん??
「(なんだか、すごく、《懐かしい》感じがするの。そんなに長い間離れ離れになってたわけじゃないのに・・・。まぁ、今はこの状況をどうにかしないといけないわね!シャルロット、少しの間だけこの体、借りるわよ!)」
ちょ!ひょわあーーー!!!
ボク今回はずっとこんな役回りになってないかなー!?
side 鈴
「・・・シャル・・ロット・・・?」
おかしい、シャルロットの一人称は《ボク》だったはずだ。今、《あたし》って言わなかった?
私は抱えられたままの体勢でシャルロットの顔を見上げる。頭部バイザー越しだけどそこに違和感を覚えた。
今までと何かが違う。何が違う?表情?
いや、そうじゃない!彼女の瞳は宝石のように綺麗な紫色だったはずだ。それがなんで、銀色になっているの?それに瞳孔が開いてる!
「あんた、その瞳の色・・・それにそのしゃべり方・・・」
「今はそんなこと言ってる場合じゃないわ、目の前の人形をどうにかしなきゃ!」
そうだった!私のIS《甲龍》はSE切れで展開できない状態だったわね・・・。このままじゃお荷物確定、シャルロットの技量は見てたけど、生身の私を抱えたままじゃまともに動けるとは思えない。
侵入者のほうに目を向けると、赤いISがこっちに向かって突撃してきたのが見えた。
「鈴、喋ってると舌噛むわよ。しっかりとあたしにしがみ付いてて、大丈夫、あんな玩具には絶対に負けないから!織斑君!予定通りいくわよ!赤いのはあたしが引き付けるから、青いのは任せた!」
「っ!?りょ、了解!気を付けてな!」
「さあ、さっさと行きなさい!鈴、あたしたちも行くわよ!」
「ちょ!?わぷっ!」
もにゅん
そんな音が聞こえたのか聞こえなかったのか、そんなことは解らない、ただ、そういう表現がぴったりだったわ・・・。
私の顔は柔らかい、とってもやわらか~~い2つの肉饅に埋もれている。そう、シャルロットの豊満なバストだ。
ぽよ、ぽよ・・・
私は恐る恐るシャルロットの凶器に触れる。圧倒的な戦力差を痛感した、これは、よいものだ・・・。それを理解した瞬間、私は完全敗北した気分だった。
何コレ・・・?これが、幸せの、象徴・・・。
私を抱きしめて上下左右に動き回っているシャルロット、それに釣られるように私の体もガクンガクンと揺れ動いてる。
ISを纏っているシャルロットに抱きしめられているおかげで背中が割と痛い。でも顔だけはISスーツ越しの抜群のクッション性のおかげでふにゅふにゅと固定されているのよ・・・。
なんなの・・・コレ・・・・
「本当に、なんなの・・・・・・?」
私のつぶやきすら抜群のクッション性によって吸収されてるわね・・・。これが、いわゆるおっぱいと言うものか・・・。
私はやるせない気持ちになりながらされるがままに体を振り回され続けた。
side 一夏
「くっ!しつこいなコイツ!?射撃の精密さはオルコットさん並だぜ!このままじゃピットにたどり着けねえ・・!」
どうする、考えろ俺!
射撃の瞬間、ほんの一瞬だけタメがある。おかげで回避はギリギリだが可能だ、だけど意外と連射が効いてる!赤いほうを見ると、両手に持った盾の中心から迸るでかいエネルギーブレードを繰り出して攻撃している。
背中にあったヘンテコな円盤はBT兵器のように動き回って、円形に陣形を作りこれもまたエネルギーシールドのようになって飛び回っている。それを
先ほどの更識さんとのバトルの損傷はそのままなので見た目はかなり痛々しい、でも確実にピットに近づいている、すげえ技量だなほんとに・・・!
「俺も負けてらんねえ、けどめちゃくちゃ強い!」
あのエネルギー砲、零落白夜で斬り払えるけれどSEの消費量と釣り合わない!はっきり言って避けるしか手段が取れない!くそっ!これじゃあジリ貧だ!あと20秒ほどで教員部隊が突入してくる予定だが、このままじゃあ持たない!
「ッ!?」
それに焦った俺は思わぬ操縦ミスをしてしまった。アリーナの壁との距離感を誤りウイングスラスターをぶつけてしまう。
がくんっ!と体勢を崩し、地面が目前に迫る。
「やばっ、くおおお!」
ギリギリで体勢を整えて着地をする、慌てて目線を上げて青いISが視界に入った時にはすでにロックオンされていた。
やばい、避けれない!
ガガガァァアン!!
エネルギー砲を今にも撃ち出す瞬間だった青いISが咄嗟に背後に飛びのき、突如真横から飛来した複数のエネルギー弾を回避した。
エネルギー弾が炸裂し、壁に撃ち付けられる轟音と共に3mほどもある大きさの水上バイクのような何かが俺の傍に来た。よく見るとブランシュネージュが使ってた両腕の銃器が各部位に備え付けられてる。
「なんだ、コレ?」
「(織斑君、死にたくなければ意識を集中させなさい!あたしが援護するから今のうちにピットへ!)」
コア・ネットワークのプライベートチャンネルが繋がれ、シャルロットさんの声が頭に響く。即座に水上バイクのようなものが反転し、青いISに向かって攻撃を繰り出す。それはものすごい速度で動き、凄まじい弾幕を張り出した。
「す、すげえ・・・、よし!これの援護があればピットにたどり着ける!ありがとうシャルロットさん!」
「(お礼はいいから、ピットの中に雪華と簪がいるから指示に従って!)」
シャルロットさんの動く姿がハイパーセンサー越しの視界に映る、赤いISの怒涛の連続攻撃を捌きながら俺のほうにBT兵器のように援護を寄越してるのか!?俺はレベルの違いを痛感した、とてもじゃないがちょっとやそっと特訓を重ねても追い付ける気がしない・・・。
(これがトップクラスのIS操縦者・・・千冬ねえの頂はとんでもない高みにあるってことか・・・・!)
side リアナ&シャルロット
よし、これで鈴も織斑君も避難の目処がついた!あたしは予め鈴に、【ピットが近づいた時に鈴を放り投げるから空中でISを展開するように】、と伝えてある。
鈴の甲龍はSEが尽きているけど展開するだけなら出来る、指一本動かせないだろうけどね!要は落下したときに衝撃さえ吸収できればそれでいいのよ!おかげでメリクリウスの連撃を回避しながら鈴を安全にピットに放り込むことができたわ。プライベートチャンネルで鈴の叫びと呪詛が聞こえたけれど細かい事は気にしてらんない。
(とほほ・・・、後で鈴に謝らなきゃ・・・)
「命あっての物種、って日本のコトワザで言うんでしょ?だったらそれでいいじゃない。あたしだってシャルロットの体を預かってるんだからそこまで面倒見切れないわ」
(それはそうだけど~・・・、って今度は織斑君のほうがジリ貧になってるよ!?)
ああもう、世話が焼けるわね!それに40秒って言ってた教員部隊が突入して来ないんだけど、どうしたのよ!
(そういえば突入して来ないね、ちょっと雪華につないでみる!)
そっちはシャルロットに任せるわね、こっちはあたしがなんとかする!ホログラム・ウィンドゥの画面にはブランシュネージュの状態が刻一刻と悪化していくのが見て取れる。
背部ウイングスラスター損傷、脚部アーマー中破・・・全体の推力はすでに60%を切ってる。装甲も20%が破損、シールドバリアも残り40%程度、このままじゃ厳しいわね。
あたしは賭けに出ることにした。
「ブランシュネージュの全権を由良川シャルロットに移行、・・・レース・アルカーナ、リミッター・・・カット!シュンパティア・・・SCファンクション、アクティブ!」
ブランシュネージュにかけられているリミッターを自力で解除するために一時的に雪華から管理権を移す、本来このリミッターは雪華にしか解除はできない、それはシュンパティアの仕組みを理解してるのが雪華だけだから。
でもあたしは違う、【シュンパティアから生まれた存在】であるあたしなら、管理者権限を一時的に移し替えることくらい可能なの!
「来て!アルスノーヴァ!」
拡張領域から
あたしは青い機体【ヴァイエイト】にじわりと追い詰められている織斑君を援護するためにアルスノーヴァの火力を集中させる。初撃は回避されたものの、思惑通りアルスノーヴァの火力に押されたヴァイエイトは、後退しながらこちらにビームキャノンを向けてくる。
あたしは強引に隙をこじ開けて退路を確保する、その間に織斑君はピットに退避が完了し、このフィールドにはあたしと2機のMSだけが残った。
メリクリウスとヴァイエイト。中身はヒイロとトロワ。同時に相手するのは無謀そのものだけど・・・。
「お人形さん相手に、あたしが負けるわけにはいかないのよ!」
side 雪華
「どうなってるの!?」
私は目まぐるしく変化する戦況に頭がショート寸前になってます!泣きたいほどに手が足りない、かんちゃんのIS《エール・シュヴァリアー》の修理はほぼ完了し、リミッターの解除に掛かる。
ピットからは鈴がゴロゴロと転がるように放り込まれて来て壁に激突している
「にゃああああああああ!!」
と絶叫しながらだったので、一瞬びくっ!となっちゃって手元が狂いかけたんだよ!ISを解除してぶつぶつと呪詛を吐き出している鈴にちょっと引きながらも懸命にエールのリミッターを解いていく。
「・・・よし、これでいける!かんちゃん、準備OKだよ!いつでも!」
「ありがと雪華!いくらシャルロットでもあの2機を相手するのは無理すぎる・・!すぐに、」
かんちゃんがピットから出ようとすると、続けて織斑さんが飛び込んできました。咄嗟に回避したかんちゃんの横をすり抜けるように、未だ壁に激突したままの体勢の鈴の元へ・・・。慌ててISを解除する織斑さん、でも慣性の法則っていうものがあって・・・。
ゴスッ!
あ、勢い余って激突した・・・。背後の気配に気づいた鈴が振り返って頭を上げたせいでお互いに頭突きをしてものすごい音がしました!
「「~~~~~~~~~~~~!!!」」
激突した二人は頭を押さえて悶絶、のたうち回っています・・・うん、すごく痛そう。
「と、とにかく私は行ってくるから!」
あ!かんちゃん逃げないで!・・・ああ、いっちゃった。
この微妙な空気の中取り残された私は気を取り直して戦況分析と指示を続けます。そういえば、シャロがなんだか様子がおかしい?それに教員部隊はどうなったのでしょう・・・?
(雪華!教員部隊のほうはどうなってるの?ブランの機体状況からしてそう長くはもたないよ!)
シャロからプライベートチャンネルが繋がれます。私は管制室に確認を入れるべく、グループチャンネルに加えて状況を確認します。
(山田先生、突入するはずの教員部隊が現れません!応答をお願いします!)
(ええ!?ちょ、ちょっと待ってください、今確認を・・・・、・・・え?ゆ、由良川さん!)
何か胸騒ぎがします・・・一体何なのでしょう・・・?
(教員部隊が全滅!?そんなことが・・・!?織斑先生!カメラの映像を・・・!)
なんですって?全滅・・・?まだ突入していないのに?侵入してきた敵はメリクリウスとヴァイエイトだけじゃない!?
リアナ:シャルロットの体に乗り移ったもう一つの魂、シュンパティアによって植え付けられた存在、別世界のリアナとは似て非なるものらしい
メリオルエッセ:Melior Esse、名前はラテン語で「上位の存在」という意味。本来それぞれが人の記憶から読み取った「恐怖を想起させる性質」を有している。
瞳の色:スパロボでは緑>灰銀と変化する
もにゅん:シャルロットは柔らかく、豊満であった
鈴のショック:ちっぱい同盟が慰めてくれるはず
織斑君の実力:一線級には未だ遠く及ばず
アルスノーヴァ:ウェポン・ボックス・ハンガー。ブランシュネージュの火力の全て
教員部隊:いつのまにか退場させられてる
敵:スパロボによくある援軍援軍さらに援軍