IS 《神器の少女》   作:ピヨえもん

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難産でした・・・。
何度も何度もプロットを練り直して修正を加えて気が付けば2週間経過していた

誠に・・・面目ないっ!


追記:改行が多くて逆に読みにくいとの指摘がありましたので全体を修正してみました。技術的なアドバイスは大変ありがたいのでどんどん指摘してください!ありがとうございます!


26 氷の幻想

IS学園 避難用シェルター 近海上空

 

side 刀奈

 

 シェルター上空から戦いながら移動し続けて気が付いたら海上まで、ダメージは通っているはずなのに機体サイズも相まって分厚い装甲に阻まれてなかなか破壊ができないのよ。

 

 

「なかなか硬いわねぇ」

 

「ええ、ですが・・・倒せないことはありませんわね」

 

 

 ダイオンの装甲材質は【オリハルコニウム】って言うらしいわ。魔装機が存在する世界、【ラ・ギアス】でのみ産出される希少な金属・・・希少すぎて、量産機であるダイオンには違う金属と組み合わせた合金として利用しているみたいだけれど。更識としては是非とも取り扱ってみたい所だけれど、今はそれよりも目の前の脅威を排除するほうが先よね。

 

 

「くひっ!ひははハハハハハハ!!」

 

 

 ああもう、さっきから気色悪い笑い声をあげるわね!せめて広域マイク切りなさいよ!一体どんなツラ下げてるのかしら、思いっきり蹴り飛ばしてやりたいわ!

 

 右手の掌に搭載してるレールガンの威力は大きいからと、集中的に狙ったおかげですでに破壊済み。同時に右腕の大型クローも破壊できて一石二鳥だったわ♪おかげでダイオンに残された武装は無いため、左腕で魔法陣のようなものを描き精霊の力を行使するしかなくなってるの。巻き起こされる竜巻はなかなかの威力だけれど、隙が大きいし狙いも分かりやすい。

 

 そんな状態で私たち二人を倒せると思っているのかしら?あとは動けない程度に破壊して、中に居るパイロットを引きずり出してやるわ!

 

 

「(二人とも、お待たせしました!お怪我はありませんか?)」

 

 

 あら、雪華ちゃんから通信が入ったわね、でももう決着着いちゃうけれど・・・?

 

 

「(二人とも怪我はないわ♪大丈夫よ雪華ちゃん、思っていたより時間はかかったけどそろそろ終わるわよ?)」

 

「(ええ、わたくしも刀奈さんもほぼ被弾無しですわよ?)」

 

 

 ダイオンは威力は高いけれど、動作が大きいせいで攻撃のモーションを見てからでも十分回避が間に合うの。セシリアちゃん程の腕があれば一切の被弾無く戦うことは訳ないわね♪

 

 

「(ああ、よかった・・・。お二人とも、後は任せてください。後は・・・私が、始末をつけます!)」

 

 

 え?今雪華ちゃんは何て言った?始末をつける(・・・・・)?それって、もしかして・・・。

 

 

「(雪華ちゃん、それって・・・、相手のパイロットをどうするつもり?)」

 

「(・・・・・・・・・・)」

 

 

 ・・・沈黙は肯定の証、さてどうしたものかしら。参ったわね、まさか雪華ちゃんがそんなつもりだったなんて・・・これはおねーさん、放っては置けないわ。

 

 

「(雪華さん?どうなさいました?)」

 

「セシリアちゃん、ちょっと大きいの仕掛けるわ。 アレ、少しの間だけ相手しててもらえる?」

 

「え?ええ、かまいませんわ。」

 

 

 ファービュラリスの持つ【氷】の特性を最大限に顕現させる攻撃、あまりに威力が高いせいでISの試合では使用禁止を雪華ちゃんに言い渡されているんだけど・・・。今は緊急事態だし、相手はISじゃないし、殺人鬼なんていう凶悪犯罪者だし、いいわよねー?

 

 

「(雪華ちゃん、アイツの始末は私に任せてもらえる?)」

 

「(刀奈ちゃん!?)」

 

「(ごめんね雪華ちゃん、こういうことは私の・・・、いいえ、更識の仕事よ。悪いけれどこればかりは雪華ちゃんの言うことでも聞けないわね♪)」

 

 

 雪華ちゃんのことだから、私たちのことを案じて自分でやろうとしたのでしょうね。でもそれは違う、今の雪華ちゃんは私たちと同じ(・・・・・・)この世界の住人なのよ。だから雪華ちゃん、たまにはお姉さんに甘えなさい♪

 

 

「(大丈夫よ雪華ちゃん、遅かれ早かれ更識の家に産まれた以上は避けて通れない道なの、気を使ってくれてありがとう、それと・・・IS学園最強の実力、見せてあげるわ!)」

 

 

 神経を研ぎ澄まし、ISのコアの声に耳を傾ける。

 

  

 - 我が凍気から逃れること叶わぬ -

 

 

 シュンパティアの囁くような声が確かに聞こえた気がした。レース・アルカーナの出力が上がり、ファービュラリスの全身から冷気が吹き出す。ISの操縦者保護機能がなければ生身の自身が耐えきれない絶対零度。周囲の大気を、風を、空を凍てつかせる、元々のファービュラリスのパイロットである女性。

 

 グラキエース()の名、そのものの機体性能。

 

 メリオルエッセは人の記憶から読み取った【恐怖を想起させる性質】を有している。彼女の司る恐怖の性質は、「文明の喪失」もしくはラドクリフ教授由来の「南極そのもの」。

 

 全てを凍てつかせる力!

 

 

「この学園にちょっかい掛けた事、地獄で後悔しなさい!」

 

 

  - お前を抗い得ぬ氷獄(ひょうごく)へと(いざな)おう -

 

 

小氷(しょうひょう)の刃たちよ、我らが敵を討て!」

 

 

 背部ユニットから射出された氷の欠片、小氷の小人、瞬く間に空を覆いつくす小さな小さな氷の刃。さあ、行きなさい・・・!

 

 

  - 「「パルウス・アキエース!」」 -

 

 

 

 さあ殺人鬼さん、ここは地獄の一丁目よ!

 

 


 

side 雪華

 

 いけない!刀奈ちゃんは私が到着する前に決着をつけるつもりです・・・!いくら更識の家、日本の【暗部】組織の家系だからってそんなのダメです、相手が凶悪な殺人鬼であろうと、免罪符になんてならないんです!刀奈ちゃんは誰も殺してはいけない!

 

 

「この距離・・・、ジェニオンだと間に合わない・・・!」

 

 

 どうすれば・・・、シュロウガは学園内で使うわけには・・・。

 

 

 ぞくり

 

 

 背筋を撫でるような冷気を感じる。こんな距離まで、ISの操縦者保護機能を通しても感じ取れるほどの・・・。

 

 

「まさか・・・」

 

 

 ファービュラリスが持つ氷の能力、その最大顕現。こんなものを使えば絶対防御の無い魔装機ではひとたまりもないはず・・・。刀奈ちゃんは本気だ、パイロットごとダイオンを破壊するつもりです。

 

 

「ダメ!刀奈ちゃんダメだよ!」

 

 

 その時、ジェニオンのコア・ネットワークに秘匿通信が繋がれました。相手は不明、ですがコア・ネットワークに介入できる通信技術など・・・?

 

 

「(そんなに慌てるな、後は俺達に任せろ)」

 

 

 不審に思いながら回線を繋ぐと、そこから聞こえてきたのは聞き覚えのある、とても懐かしい、そしてとても頼もしい人達の声(・・・・・・・・)でした。

 

 

 

 

 

 

「狙撃は俺が引き受ける、ハロ(・・)がいねえからな、制御はアンタ(・・・)に任せるぜ。それとこの機体、未完成なんだから無茶して破壊するんじゃねぇぞ?軍資金カツカツなんだからよ。釘、刺しとくからな?」

 

「・・・承知した、だがあえて言わせてもらおう。望むところだ、と!」

 

「何言ってんだ!?お前絶対無茶するつもりだろ!誰が苦労すると思ってるんだ!?ここでも貧乏クジとか冗談じゃねーぞ!!おい、ちゃんと返事しろ!!」

 

「私が・・・私たちが・・・!ガンダムだ(・・・・・)!!」

 

「なにガンギマリになってんだ!?」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・アハハハ」

 

 

 賑やかなやり取りの後に秘匿通信が切られる。私は頬を伝う涙を拭いもせずに上空を見上げ、手を伸ばす。

 

 ずっと、ずっと遥か上空、空の彼方。

 

 ハイパーセンサーでもやっと捉えられるほどの遠い場所・・・。

 

 とても頼りになる彼の異名の由来。

 

 成層圏の彼方を・・・。

 

 

 


 

side 千冬

 

 

「そこをどいてくれないか?生徒の救援に向かわねばならん!」

 

 

 ダメ元だが言ってみる価値はある、相手に戦うつもりが無いのならなおさらだ。今のこの状況は訳が分からないが・・・とにかく侵入者を排除せねば!

 

 

「と、言われましてもねぇ・・・。私たちもあなた方を足止めするよう言われていまして」

 

「うむ、お前たちを事が済むまでここから動かすわけにはいかん」

 

 

 私たちの足止め・・・、先ほども言っていたがどういうことだ?敵対者であるなら足止めする理由もわかる、だが・・・。

 

 

「お前たちは私たちの敵ではないと言っていたが、なぜ足止めをする?その理由次第では力ずくでも押し通るぞ!」

 

 

 勝てる闘いだとは到底思えないが、それでも生徒を危険に晒し続けて黙っていられる私ではない!

 

 

「ふむ、儂らがお主らを足止めしている理由か。どう説明したものか・・・・よし、ゼオルート、任せたぞ」

 

「マスター・・・、丸投げはよくありませんよ?〔デンワダヨー、デンワダヨー〕・・・おや?」

 

 

 その時場違いな電子音声が響いた、これは通信機の着信音か?幼女の声に聞こえたが・・・彼はそういう趣味なのか?

 

 

「はいもしもし、ああ、貴女でしたかレナード(・・・・)・・・ええ、ええ・・・。わかりましたよ」

 

 

 ゼオルートと呼ばれた男は通話していたスマホを格納庫の床に置き、何かのボタンを押した。すると驚いたことに、スマホからホログラムが浮かび上がり一人の少女の姿を映し出した・・・。馬鹿な、まだどこの企業もこのような技術の実用化には至っていないはずだ!

 

 レナードと呼ばれた少女は年の頃は一夏と同じくらい、身長はそれほど高くは無く、華奢な体格といえるがアッシュブロンドの長髪と端正な顔立ちの美少女と言えるだろう。

 この少女と彼らにどんな繋がりがある・・・?

 

 

「マスター、ゼオルート。ご苦労様。それと初めまして、ミス・織斑、ミス・ジョセスターフ」

 

 

 ホログラムの少女は日本式のお辞儀をした、外見はまったくの西洋系なせいか違和感がとてつもない。

 

 

「レナード、どうしました?何か想定外の出来事がありましたか?」

 

「ああ、想定外というか、想定内なんだけどちょっとまずい事になったというか・・・黒いIS、パールファングのほうは翡翠の乙女が撃退したよ。逃げられたけれどね。それとシェルターのほうに魔装機が1機、ミス・更識とミス・オルコットが戦ってる、だけどさすがに機体性能は凄いね、魔装機をものともせずに押し込んでる」

 

 

 先程から彼らの言っていた翡翠の乙女とは・・・由良川のことか?ならばコイツらは別世界の住人ということになるが・・・

 

 

「魔装機・・・、私がこの世界にいるから覚悟はしてましたが、そうですか・・・機体は?」

 

「量産機のダイオン、コア・ネットワークにハッキングして彼女たちの通信を聞いてたけど、パイロットはキミもよく知っているルビッカ・ハッキネンだと言っていた」

 

「ルビッカ!?ヤツもまたこの世界に・・・!」

 

 

 ISのコア・ネットワークをハッキングだと!?一体コイツは何者なんだ・・・・。それに聞き覚えの無い名前、ルビッカ・・・?ダイオン・・・?一体何が起きてる・・・!

 

 

「すまん、私にも分かるように説明を頼む」

 

「ああ、それは失礼。でもまだあなたに説明をするわけにはいきません。そうですね・・・、事が終わり、次のゴールデンウィークにでも会談の場を設けましょう。私たちの事もいろいろと込み入った事情があるので・・・ただ一言、我々はIS学園に対して敵対するつもりは毛頭ありません、とだけ」

 

 

 レナードと呼ばれた少女が言う、確かに彼らから敵対の意思は感じられない。それに我々を騙そうとしている雰囲気はない、私の勘だが信用はできる。

 

 

「それとミス・織斑、ルビッカの方にはすでに我々の仲間が向かっています。翡翠の乙女の方にも連絡は行っていますのでご安心ください。今、我々が保有する戦力のほぼ全てと言っても過言ではない戦闘力の持ち主ですよ」

 

 

 ・・・・は?まて、戦力のほぼ全て(・・・・)?今目の前にいるこの二人以上だとでも言うのか・・・?

 

 私はとても間抜けな表情をしていたのだと思う、私とアーリィを威圧感だけで制圧できる猛者を上回る戦闘力など信じられんぞ・・・。

 

 

「ああ、もちろん生身じゃないですよ。あなたの目の前にいるお二人は正真正銘の最強ですから♪」

 

 

 安心していいのか分からん!

 

 


 

side セシリア

 

 急激に冷え込んできましたわね・・・?ISは操縦者保護機能というものがありますのに・・・。宇宙のような過酷な環境においても活動できるよう開発されているISは、操縦者をありとあらゆる危険から身を守ることができます。高温、低温、乾燥、気圧、水圧、シールドエネルギーがある限り安全は確保され続けます。

 

 

「これは・・・気温が!?」

 

 

 ホログラムディスプレイに表示されている気温は・・・-240℃!?一体何が起きていますの!?

 

 

「お待たせしたわねセシリアちゃん、その場所から離れてね!」

 

「え・・・?ええ!?」

 

 

 空を見上げると一面に氷の刃が・・・!そしてそれが一斉にダイオンに向かって殺到する。

 

 

「ひゃああああああ!!」

 

 

 わたくしは慌てて脱出を試みます、ですがわたくしを、ブルーティアーズを避けるように氷の刃たちはまるで自分の意思で動いているかのように・・・。

 

 

「BT兵器ですの?この数を・・・?」

 

 

 まるでわたくしのミサイル型ティアーズのように、次々にダイオンにぶつかって凍らせていく・・・。瞬く間に大型の魔装機は氷漬けとなり、巨大な、学園のアリーナほどの大きさの氷の塊の中に封じられてしまいましたわ・・・。

 

 

「あの一瞬で、これほどの・・・・これが雪華さんの作ったファービュラリスの能力・・・」

 

コンゲラティオー(氷結)!」

 

 

 刀奈さんは上空から両腕の武装を突き出します、今度はそちらのほうに数十メートルはあるかという巨大な氷の刃が・・・!

 

 

 - さあ、氷壊せよ。冷たき暗闇の中で! -

 

 

 今、誰かの声がわたくしの頭の中に流れ込んだような・・・?ファービュラリスが腕を振り上げ、造り出した氷刃をダイオンに向けて・・・。

 

 

 

 

「ロックオン・ストラトス、狙い撃つぜ!!」

 

 

「え?」

 

 

 トドメを刺そうとダイオンに放たれた氷刃を、どこからか飛来したとてつもない高出力のビームが撃ち抜きました。撃ち抜かれた氷刃は粉々に砕け散り、キラキラと空中に舞い上がり幻想的な美しさを演出しています・・・。

 

 

「今のは、誰ですの?」

 

 

 突如回線に割って入った見知らぬ男性の声に戸惑いを隠せないわたくしたち。何処のどなたかは存じませんが、なぜ邪魔を・・・?

 

 

「初めましてお嬢さん(フロイライン)方、俺は【ロックオン・ストラトス】、成層圏の向こう側まで狙い撃つ男だ、そして・・・」

 

「自己紹介している場合ではないが、あえて言わせてもらおう・・・グラハム・エーカーであると!」

 

 

 本当に何ですの!?

 ハイパーセンサーでようやく確認できる距離に、小さな小さな影が一つ・・・視覚情報によればその機体はおよそ20m未満、MSでしょうか?機体のサイズよりも遥かに巨大な大型銃を携行していますわ、パイロットへの負担軽減のためにハイパーセンサーの感度は必要最小限に設定されています。それでやっと姿を捉えられる超長距離・・・、こんな距離で狙撃を・・・!?

 

 

「どちら様か知らないけれど、どうして邪魔したのかしら?事と次第によっては、ただじゃ済まさないわよ?」

 

 

 トドメを邪魔された刀奈さんはハイパーセンサーが指し示す方角を睨みつけながら言い放ちます。ちょっと不機嫌な声音ですわね・・・、表情は安堵してるようにも見えますが。

 

 

「今は説明をしている場合ではないな、そこの魔装機を始末するのが先だ。だが翡翠の乙女が悲しむ、君に殺しをさせるわけにはいかない」

 

 

 翡翠の乙女・・・?それって、雪華さんのことですの?

 

 

「え・・・?なんで、どうして・・・?」

 

 

 刀奈さんも気付いたのでしょう、その声は震えています。

 

 

「そしてその始末は、このグラハム・エーカーが引き受けた・・・!」

 

「どうせ二人で1機を動かしてるわけだからな、ついでに俺も付き合ってやる、いくぜ?」

 

 

 

  「「【TRANS-AM(トランザム)】!!」」

 

 


 

side 刀奈

 

 ハイパーセンサーが示す距離は40kmを超えている、非常識なまでの性能を有しているISですらその移動にはある程度の時間はかかるわ。それなのに・・・・赤い粒子を身に纏った【ガンダム】は、ほんの数秒でファービュラリスが造り出した氷山にたどり着いた。雪華ちゃんに見せてもらったことのある【トランザムシステム】が生み出す人知を超えた速度・・・ISのハイパーセンサーがあっても捉えられない動き・・・。瞬く間に氷山となったダイオンは無数のビームに撃ち抜かれ、サーベルに切り刻まれ、先程撃ち抜かれたコンゲラティオーの刃のようにキラキラと氷の欠片となって空中に舞い散っていった・・・。

 

 私は更識の家に産まれた者として、次代の楯無を継ぐ者として、覚悟は決めていたはずだというのに、さっきまで偉そうに雪華ちゃんを制して自分で始末をするって言っていたのに・・・。粉々に散っていったダイオンを、まるで別の世界の出来事のようにぼんやりと眺めている私。自分の手を汚さなかったという安堵感と、もし自分でソレをしていたら?という恐怖感が一気にのしかかり、体は震え、声は出ず、涙が次々に流れ落ちていく。

 

 

「・・・私がやるって、言ってたのに・・ね。なんて情けないのかしら・・・、雪華ちゃん、ごめんね・・・ごめんね・・・・」

 

「刀奈さん・・・」

 

 

 ISを部分解除したセシリアちゃんに抱きしめられる、私は誰に憚ることなくその胸に顔を埋めて泣いてしまった・・・。

 

 


 

「こちらロックオン、ターゲットの破壊に成功した、これより帰還する。そっちの進捗はどうだ?」

 

「ご苦労様ニール、グラハム。アリーナのMS2機と魔装機の方はね、おおよそアタリがついたよ。黒いISのほうはまだ分からないね・・・、どこかの国家が関与してるのは間違いないんだけど」

 

「めんどくさい事になりそうだな、こっちの世界も。まぁ、どう考えてもあっちの世界よりヤバイ奴らが多そうだしなぁ」

 

「まぁね、僕たちがここに居ることが何よりの証拠だね。翡翠の乙女、今は由良川雪華ちゃん、彼女の存在がどう影響を与えるか・・・今は僕にも予想がつかないよ」

 

「死んでまで貧乏くじから逃れられない俺の運の無さを呪いたいぜ・・・」

 

 


 

side 雪華

 

 ダイオンは間一髪でニール(・・・)お兄さんたちが割って入って破壊してくれました。刀奈ちゃんは誰も殺さずに済んだ安堵感とかが襲い掛かってきて、セシリーに抱き着いて大泣きしちゃっています・・・。私がIS学園に戻って来た時には全てが終わった後でした。

 

 

「よかった・・・ほんとに・・・ありがとう、ニールお兄ちゃん、グラハムお兄ちゃん・・・」

 

「俺達の【社長】から伝言だ、今度のGWに会いに行くってよ。まぁ、うちは通常の手法だと明らかにアポ取れない規模の弱小企業だからな、直接会うしかないよな」

 

 

 ゴールデンウィークですか、これだけの事件が起きてますから事後処理が間に合うか微妙な・・・ま、また残業ですか~?《ムンクの叫びの気持ちになるですよー》、どこかのキグルミアイドルの声が聞こえたような気がしました。

 

 

「残業、ガンバリマス・・・ガンバリマス・・・」

 

 

 そう、私はガンバリマスロボ・・・。

 

 

「・・・おい?大丈夫か?」

 

「大丈夫デス、問題ナイデス・・・」

 

 

 これ、どこかで聞いたことのある状態ですよ・・・。

 

 ああ、あれです・・・。デスマーチってやつだ~・・・アハハ~・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・きゅぅ」

 

 

 




オリハルコニウム:オリハルコニウム(Orihalconium)とは、ラ・ギアスのトロイア州のみで採掘することの出来る希少な金属。モース硬度にして12.5という非常に高い強度に加えて弾力性も兼ね備え、魔術との相性も良い。

ラ・ギアス:魔装機神シリーズの舞台、地球内部の空洞に存在する設定となった。ただし、一般的な地球空洞説の「地球の内部は中空になっており、凹面部分に地底世界が存在。地上と地底を結ぶ大穴を通じて行き来が可能」という設定とは異なり、ゴムボールほどのサイズの空間の中に存在する四次元的・五次元的に歪曲された異世界…要するに異次元世界として設定されている。

ハロ:ソレスタルビーイングが所有するサポートメカ。情報収集やメカニック等の補助作業を担当している。機密保持のため人員が最小限に抑えられているソレスタルビーイング、特にチームプトレマイオスにとってはなくてはならない存在。また、これまでのハロと違い蓋を足としたものではない立派な足が付いているのも特徴。

貧乏くじ:スパロボZには【貧乏クジ同盟】なる不穏なものが存在する。条件があり、

1 ムッツリ系の相方がいる
2 本人の意志とは関係なく、その相方のフォローに奔走させられている
3 張り詰めてばかりでなく、適当に気が抜ける
4 元祖貧乏クジのクロウと相性がいい
5 一部を除き、似た雰囲気の声をしている
といったところ。同じ性質を持っている人物がいればメンバーが即座にセンサーよろしく感知して同盟に勧誘、引きずり込む。何だかんだ言って、同盟員同士は腐れ縁にも似た深い絆で結ばれている。

ガンダム:俺達がガンダムとはいったい・・・うごごご

レナード:フルメタルパニックシリーズのキャラ、レナード・テスタロッサ。秘密組織アマルガムの幹部。コードネーム「ミスタ・Ag(シルバー)」、フルメタ界の篠ノ之束。本来は男性なのだが・・・?

ロックオン・ストラトス:ガンダム00のキャラ、ガンダムマイスター。死亡した双子の兄、ニール・ディランディのほう。こっちでも苦労人属性。

グラハム・エーカー:ガンダム00のキャラ、ミスターブシドー。いろいろスパロボ世界で揉まれたせいかさらにはっちゃけた性格になってしまってる。


狙撃した機体:ガンダムデュナメスをレナードが一からリメイクしたもの。建造資金がカツカツなために運用には繊細な注意が必要である。コックピットは複座になっていてロックオンがハロの代わりに火器管制制御を行う。

TRANS-AM:トランザム。機動戦士ガンダム00に登場する、GNドライヴで稼動するモビルスーツが有する機能。「TRANS Active Max System」を略して「TRANS-AM」と綴る。


社長:レナードを代表にとある会社を経営しているらしい、ただ活動資金はカツカツ。

キグルミアイドル:JSアイドルN・Iちゃん(9)

ガンバリマスロボ:JKアイドルU・Sちゃん(17)

大丈夫だ、問題ない:大丈夫だ、問題ない(No problem. Everything's fine.)は、エルシャダイPV中のイーノックのセリフ。

デスマーチ:死の行進、連日の残業・徹夜・休日出勤当たり前、それでももしかしたら間に合わないんじゃね?
というそれはもう過酷極まりない状況のこと。



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