IS 《神器の少女》   作:ピヨえもん

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お  ま  た  せ  ★


え?待ってないって?アハハハハ。



ソンナー…。



41 静かな怒り

 

   宇宙 火星軌道上  『ウユダーロ級制圧砲艦』ブリッジ

 

 

「どうやら始まったみたいだね」

 

 

 ブリッジ内に据え付けられた豪華な椅子に座り大型モニターを眺める青年が呟く。

 年の頃は20歳前後だろうか、肩口まで伸ばしたやや癖のある緑髪が特徴的な美青年である。

 

 この1200mを軽く凌駕する大型戦艦である『ウユダーロ級制圧砲艦』の艦内では、それほどのサイズであるにも関わらずクルーの姿がまるで見当たらない。

 それは最小の人員で最大の効率を出すというコンセプトの元に設計建造されたために、ほぼ全てのシステム管理をAIに置き換えているためだ。

 

 そんな人気のない艦内でこの青年が一人大型モニターを眺めている。

 

 モニターに移されている映像はIS学園で行われているタッグトーナメントのものだ。

 ただ不思議なことに、その映像はどうにも視点がおかしい。あきらかに備え付けられたものからの映像ではなく、まるで人間の目が見ている風景のように常に変化を続けている。

 

 

「ヴァルキリートレースシステムか。まあ現在の地球の技術力ではこの辺りが限界かな。確かにISは様々な用途に転用可能な理想的な機体ではあるけど、いかんせん出力が小さすぎてダメだね。しかも数が少なすぎる」

 

 

 目まぐるしく移り変わる風景の中で、必死にこのモニター視点から逃げ惑う赤と白の機体。

 恐怖と疲労、そして苛立ちがありありと見て取れる必死の形相の少女の姿。

 身に纏う機体、ラファール・リヴァイヴは損傷がひどく、またモニター視点の左右から凄まじい速度で通り抜けるブレードによって少女の手持ち武装が破壊される。

 

 

ゴモウドッカ(・・・・・・)様。大気圏まであと10分で到達致します』

 

 

 ゴモウドッカと呼ばれた緑髪の青年が座る椅子に備え付けられている小型端末から空間投影ディスプレイが浮かび上がる。

 桃色の美しい髪と独特のファッションセンスが垣間見えるセクシーな宇宙服に身を包んだイラドーヤだ。おっとりと間延びしたような口調は鳴りを潜め、完全に上司に対する言葉遣いだ。

 彼女は亡国機業の傭兵部隊『ゴライクンル』の指揮官として暗躍しているが、しかしそれは建前上のものに過ぎず、実際はゴモウドッカの部下の一人。

 亡国機業においてゴモウドッカの存在は認知されておらず完全に秘匿されているため、イラドーヤが命令系統の一番上に君臨しているが、彼女はあくまでもゴモウドッカの部下だ、決して指揮官ではないため自身の独断で物事を進めるような事はしない。

 

 

「女権団はまだまだ使い道があるからね、丁重に遊んでやってくれ。ただ彼らはそろそろ切り時だろう。アレは諸刃の剣だからね、折を見て片付けておかないとまずい」

 

『随分と警戒されているようですが、それほどの者たちなのでしょうか?』

 

「…彼らはね、僕たちとは違う次元軸からの転移者だ。この世界ともまた違う、我々の母星と比肩するほどの文明を持つ世界だろうね。切り離された因果律の一部を本能で追い求めているようだが、その因果律の鎖から解き放たれた時に我々が大怪我をしかねない」

 

 

 ゲイツやブラッドリーなどの人格破綻者は変わらないだろう。ギンガナムやガウルン、またシロッコといった理性的な面を持つ者もまだ利を示せば忠誠はともかく利害関係での使い道はあるかもしれない。

 

 しかしザウパーやアズラエル、そしてクルーゼなどは欠けた因果律を取り戻した時にどう転ぶかまるで分からない。

 

 

「僕は分の悪い賭けは好きじゃないんだ。やるなら確実に勝てる見込みがある時だけだ。特にクルーゼみたいな劇薬は一番苦手だね、それにもし敵に回った時は一番厄介だ」

 

『それなら当初の予定通り、エーデル・ベルナル共々…でしょうか?』

 

「ああ、今後の計画のためにもそれが一番手早く済みそうだね。今回の作戦で我々が求めているアレ(・・)の所在が確定するだろうから」

 

 

 ゴモウドッカと呼ばれる青年が空間投影ディスプレイから目線を外し、別のディスプレイに移された地図の映像を見つめる。

 一枚はかつてIS唯一の暴走爆発事件を起こした《モスクワの深い霧(グストーイ・トゥマン・モスクヴェ)》の爆心地を示す地図と、もう一枚は不思議な翡翠色の光のラインが収束するIS学園の地図があった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

    日本近海 太平洋上

 

 

「……時間か」

 

 

 亡国機業が所有する空母上。その両舷2基のカタパルトから次々に飛び出してゆく機体を眺めながら仮面の男が小さく呟く。

 パイロットスーツに身を包む彼は、集中して何かを考えているように操縦席に座り腕を組んでいる。しかしその表情は仮面に遮られ窺うことは出来ない。

 

 彼らに下りた今回の作戦。

 それは日本にあるIS学園にて本日行われるタッグトーナメントへ乱入し、学園側のIS部隊を引き付ける陽動。本命は彼らとは別の部隊によってIS学園の地下にあるシステム中枢施設を占拠すること。

 

 そしてアリーナで本日起きるであろう事件を引き金に、現在世界中を締め付けている女性権利団体を弱体化させる。まず彼らが偽装した女性権利団体としてIS学園で暴れる事によって言い逃れ出来ない状況に追いやり、ばら蒔いた機動兵器によって虐げられてきた男たちによる武力衝突を世界中で起こさせる。

 亡国機業は戦争を裏で操る死の商人だ。限界ギリギリのストレスとパワーバランスで保たれているこの世界で、一つの大きな波紋を与えてやれば後は坂道を転げ落ちるように崩壊が始まるだろう。

 

 

 ただ乱入し殲滅する作戦ならばいい。それ自体の難易度は非常に低く、彼らにとっては造作もないことだと自負している。

 しかし今回の作戦内容は殲滅ではなく陽動(・・)。彼らに指示を下したイラドーヤはIS学園(・・・・)に甚大な被害を与えることを良しとしていないのだ。

 そのため今、シートに座り瞑想していた仮面の男の頭の中では、どうやってこの作戦を完遂し、そして無事生き延びる事が出来るかを真剣に考えざるを得なくなっている。

 

 まずIS学園は東京湾からモノレールのみで繋がっている人工島だ。空路も滑走路がないため使えず、そして海路も港がないため接岸出来ない。

 侵入するにはモノレールを使う他無く、また高低差がない土台型の地形のため、いざという時に身を隠す場所もない。

 

 重力下でも通常飛行できる機体ならば、なんとか作戦終了後に離脱出来るだろう。

 しかし大半のメンバーが搭乗する機体はそれが出来ない。また日本には自衛隊の存在があり、そのレーダー範囲の都合上、現在移動手段として使用している空母はECS(電磁迷彩システム)を搭載していても容易に近づくことが出来ない。

 そのため飛行の出来ないMSやASなどは簡易サブ・フライトシステムを装備し、使い捨てで揚陸せざるを得ない。本隊が学園の占領をするまでの戦線維持ならばまだしも、ただの陽動であるならば当然退路の確保が必須。

 しかし与えられた戦力は彼らが搭乗する機体の他は無人の『レストレイル』がわずか30機のみ。移動手段である空母は彼らが出撃した後はすぐに戦域を離脱する予定のために頼りには出来ない。

 

 今回の作戦、それは文字通り地獄への片道切符となる可能性が高い。

 

 仮面の男が駆る機体はまだいい、自身の能力もまたそれに耐えうると自信をもって言える。

 だがそれでも、彼は今回の作戦成功率は半々と見ている。楽観的にみてもだ。

 

 彼らの基準を以てして相当の手練れであると断言できるマリリン・キャットが、学園生徒の駆るIS相手に防戦一方となって撃退されたという報告。

 そしてアリーナに乱入した女性権利団体が(けしか)けた2機のモビルドールを完膚なきまでに破壊し、さらに亡国とは別勢力の所属不明の機体を撃退。彼らが欠陥兵器だと侮っていたISで、だ。

 

 そしてあの事件以降、学園の防衛戦力がそのままになっているとは考え辛い。強化されているとみるのが当然だ。

 それらに加えて彼らの大半は宇宙で運用するのが前提の機体に乗っているため、重力下での戦闘では大幅な性能低下を余儀なくされる。

 

 

「それらを相手に6時間、それが我々に与えられた戦線維持の時間。その間援護もなく補給もなく、引くこともできず、ただ付かず離れず耐えるだけの任務か…」

 

 

 突入部隊の損害を度外視している、明らかにこの作戦は囮だ。地下システム中枢施設の占拠というのも建前だろう。だが本命が何か、それは彼らには分からない。イラドーヤ・クジューアの言葉を額面通りに受け取るならば、亡国機業は今回の作戦で女性権利団体と手を切ると取れる。しかし実際はどうだろうか?常に掴みどころのないあの女の言葉など誰が信じれると言うのだろうか?

 彼らが6時間耐えきったところでそこで作戦が終了し、無事に帰還できるという保証すらどこにもない。

 

 

「私すらも捨て石か。…フフフ、あの女狐。何を考えているかは知らんが随分と足元を見る。…しかし私の欠損した『何か』を取り戻すにはそれを知っているヤツらに従う他は無い、か」

 

 

 亡国機業の傭兵集団『ゴライクンル』

 

 その居候扱いに彼らのプライドは著しく傷つけられるが、それでも彼らは不満を抱えながらも従っているのはなぜか。それは其々が『欠損した記憶』を抱えているせいだ。

 それはこの世界そのものが本来内包しているはずの因子の不足、そして彼ら異世界の住人の魂を構成する因果律の鎖の欠損。中途半端なクロスゲート・パラダイム・システムの発動による不完全な世界の再生が原因だ。

 それにより不完全な形で産み落とされた彼らは、本来の人格や記憶を構成するはずだった大部分のピースを失ったまま生きている。彼ら自身が何者であるのか、そしてそれを取り戻すために渋々従っている。

 それほどに彼らはその欠損した自分自身を追い求めている。分が悪い条件でも、それを吞んでしまうほどに。

 

 仮面の男(クルーゼ)は瞑っていた目を開け、コックピット内を全天周囲モニターに切り替える。いよいよ出撃の時間だ、すでに全員がIS学園に向かって飛び立っている。先行しているガウルン達のAS部隊はECSがあるのですでに学園の敷地に入り込んでいるだろう。

 引くことの出来ない地獄へと踏み入れるためのカタパルトの先に見えるのは東京湾に浮かぶ浮島(フロート)、そこに続くどこまでも透き通った、雲一つない鮮やかな青空だ。

 

 余りにも自分たちが直面している現実と剥離した美しい光景。しかし彼はすぐさまそれを意識の外へと追いやる。覚悟を決め、引き結んだ口を開き管制室に告げる。

 

 

 

 

「……ラウ・ル・クルーゼだ!プロヴィデンス!出るぞお!!!」

 

 

 

 

 彼らは死地へと向かう。ただ、忘れて久しい本当の自分自身を取り戻すために…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    IS学園アリーナ 東側フィールド

 

 

side 一夏

 

 

 空…空が…見える…。青くて、それに高いな…。

 

 あれ…俺、なんで空を見上げているんだっけ…?わからねえ、意識が朦朧としてる…。

 薄っすらとしか目が開けられない、口の中もカラカラだ…。

 

 

「ぅ…ぁ…」

 

 

 上手く声が出せねえ…、体も重い、なんか覆いかぶさってる…?黒い、髪の毛…?

 

 

『―――!――――――!!』

 

 

 なんだろ…?なんか聞こえる?頭の中に直接流れ込んでくるような…。

 まだ、頭がぼーっとしてるな…。寝ぼけてるのかな俺…?

 

 

「――り――ら君!―――の――さ―!!」

 

 

 確か…、タッグトーナメントやってたんだよな…?あれ…?俺、試合に勝ったんだっけ…?

 いや、違うだろ…。こんな外で転がってるなんて…、どう考えても…。

 

 外で…転がって…?

 

 あれ…?俺達負けたんだっけ…?

 確か、そうだ…!鷹月さんを撃破した後、ネーナとやりあってる箒を挟撃して…。

 そう、そうだよ…。で、あと少しってところまで追い詰めたんだ。

 

 そしたら森の中から獣みたいな咆哮が…。

 

 

「お―――――君!――――ください!篠―――さん!!」

 

 

 この声、鷹月さん…?

 俺を呼んでる…のか…?

 

 頭が痛ぇ…、靄がかかったみたいな感じだ…。

 くそっ…、体が重い…。そうだ、試合…。

 

 

「うぐ…、つつつ…、ケホッケホッ!!」

 

「お、織斑君!大丈夫ですか!?」

 

「鷹月さん……?だい…じょうぶ…とは言い切れねえかな…。何が起きたんだ、これ…。試合は…?」

 

 

 俺に覆いかぶさってる柔らかい感触…。なんだこれ…?

 

 黒い髪?柔らかい感触?

 

 

 …徐々に記憶が蘇ってくる。

 そうだ、確かあの後、咆哮に意識を向けたら森の中から黒い閃光が走ったんだ…。

 ハイパーセンサーですらそういう風にしか見えないほど馬鹿げたスピードだったから、それがISだって自覚した時には一番近い場所にいたネーナが吹っ飛ばされた後だったんだ。

 ギリギリ呼び出したシールドで防いだみたいだったけど、体勢が不十分でシールドごと遠くまで…。

 

 それに呆気にとられてたら、今度は俺に襲い掛かってきて…。

 そうだ、それで咄嗟に雪片で受け止めようとしたけど、とんでもない力で弾き飛ばされて…。

 

 

「…そうだ、雪片!」

 

 

 雪片弐型が手元に無かった。あの黒いISに弾き飛ばされたときにどこか遠くに落ちてしまったのだろうか。

 慌てて起き上がろうとすると、俺に覆い被さっていた何かがずるりと動く。

 何だったんだろうと思ってソレを見た途端、俺の全身から血の気が引いていった。

 

 

「ほう…き…?」

 

 

 俺を守るように覆い被さっていたのは対戦相手の箒だった。だけど長くて綺麗な黒髪は乱れ、いつものリボンで結んでいたポニーテールではなくなっている。

 纏っていた打鉄はボロボロになり、すでに装甲と呼べるものは無く、周囲に残骸の金属片がいくつか散らばっている程度。

 

 そして箒のISスーツの背中は大きく切り裂かれたように破れ、真っ赤な血で染まっていた…。

 

 

「箒!し、しっかりしろ!!」

 

「ちょ、織斑君!篠ノ之さん大怪我してるんですから無暗に動かしちゃダメですよ!」

 

 

 慌てて起き上がる。だけど全身を蝕むような痛みが襲ってきて上手く起き上がれない。

 

 そうだ、雪片が弾き飛ばされた後、あの黒い泥みたいなヤツとの間に箒が割って入って戦い始めたんだ。

 でも一合打ち合っただけであっという間に《葵》が破壊されて、丸腰の箒が黒いISに斬られそうに…。

 

 

「…俺の、所為なのか…?俺があの時…」

 

 

 箒が斬られるって頭で理解する前に、咄嗟に庇うように前に飛び出したんだ。

 そしたら、逆に後ろに引っ張られるように箒が体勢を入れ替えてきて…。

 

 

 スローモーションみたいにあの時の記憶が蘇る。

 

 

 箒に抱きつかれるように庇われて、黒いISに箒が背中を斬られたんだ…。俺の、目の前で。俺を、守るために。

 

 守ろうとした箒に逆に守られて、箒と共に森の中に墜落していった。

 墜落した衝撃で俺の白式は背部ウイングユニットが大破し、シールドバリアにも大ダメージを負っていた。だが斬られた箒はシールドエネルギーが僅かしかなかったはずだ、そんな打鉄ではひとたまりも…。

 

 

 

   「いち…か…。無事、…か…?……よかっ……た」

 

 

 墜ちていく最中に、そう言って儚く微笑む箒の顔が、あの一連の出来事の記憶がフラッシュバックする。

 

 箒の頬を撫でる俺の手が震える。

 動揺して考えが纏まらない。如何すればいいのか、まるで思い浮かばない…。

 俺は…、なんて無力なんだ…。小さな頃からずっと千冬ねえに守られて、今度は箒に守られて…。

 ずっと、守られてばかりだ。俺は、みんなを守るって、決めたのに。

 

 そうだよ、今目の前で傷付いて倒れている箒の行動こそが、守るって事なんだよ…。

 痛かっただろうに、怖かっただろうに、なんで、なんでそこまでして俺を。

 

 こんなにも情けない俺を、守ってくれたんだ?

 

 俺が、箒を守らないといけなかったのに…!

 

 

『織斑君!篠ノ之さんは無事ですか!?返事をしてください!!』

 

 

 コア・ネットワークを通じた山田先生の通信が直接頭の中に響いて我に返る。突然だったからパニックになっていた頭を殴られたように感じた。

 だけどそれが逆に良かったのか、靄がかかっていたような意識が覚醒した。

 

 慌てて箒の呼吸と脈を確かめた。

 大丈夫、ちゃんと呼吸はある。

 それにとくん、とくんと静かだが確かに一定間隔の脈拍を感じ取りとりあえず安堵する。

 

 ISの搭乗者保護機能のおかげか?なんとか命を繋いでいる箒の状態を山田先生に伝えて指示を待つ。

 目の前でへたり込んでいる鷹月さんにも箒の現状を伝えて落ち着かせる。今にも泣きそうな真っ青な顔だ。

 

 

 すると何か金属がぶつかり合うような音が上空から聞こえてきた。

 見上げてみれば、ネーナのラファールが箒を斬った黒いISに追い立てられている様子がハイパーセンサーによって映し出された。

 

 

「ネーナ!?」

 

 

 必死に逃げ惑うネーナのラファールを嘲笑うかのように、黒いISが異様なまでの瞬時加速で距離を詰め、ブレードで斬りつける。

 シールドを呼び出し、苦悶の表情でそれを防ぎ、またアサルトライフルで引き撃ちしながら大きくアリーナを回り込むように逃げる。

 だが明らかに実力差が違いすぎる。このままではネーナが落とされるのもそう先の話じゃない。

 

 今まで気付かなかった、黒いISが右手に持っているブレード。

 唯一、俺の記憶に焼き付いている最も思い入れのあるISの唯一にして最強の武器。

 

 あれは雪片だ、間違いない。

 そしてそれを持っている黒いIS…、あれはかつて世界を制した千冬ねえの…。

 

 

「暮…桜…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   IS学園アリーナ 西側フィールド

 

 

「くっ!しつこいよ!!」

 

 

 すでに試合終了し障害物が消えている西側アリーナ、その中でオレンジと白の鮮やかなカラーの美しいISが、まるで黒い泥のようなもので出来た全身装甲のISに襲われている。

 

 試合終了後、シャルロットが気を失っていた3人を起こしてピットに戻ろうとした時、対戦相手のティナ・ハミルトンが先程まで纏っていたラファールがドロリと黒い泥のような何かに覆われた。

 

 何が起きたのか混乱する4人だったが、あれよあれよという間に装甲の隙間から滲み出てきたソレに覆われていく。

 危険を察知したシャルロットは3人を回収し、黒い泥に飲み込まれたラファールから大きく距離をとる。

 

 ISは操縦者がなければ動かないとされている。

 しかし目の前で姿が変わっていくラファールだったモノは、たしかに操縦者なしで動き出していた。

 コア・ネットワークを介した山田真耶からの通信によれば、反対側、東側アリーナでも鷹月静寂が搭乗していた打鉄が同じように搭乗者を吐き出し、黒い泥のようなものに覆われて姿を変えて暴れているらしい。

 

 シャルロットは3人を下ろし、ピットに向かって脱出するように指示。

 そして姿を変えていくラファールに向かっていく。

 

 しかしソレは獣のような咆哮を発したかと思った直後、シャルロットに向かって爆発的な速度で突っ込んできたのだ。

 ラファール・リヴァイヴの加速力では到底出せないような勢いでブランシュネージュに肉薄する黒いIS。

 

 慌てて回避しようにも、元から接近戦に難があるブランシュネージュに加え、背後には生身の簪達。せめて3人が無事に離脱しないことにはシャルロットはまともに戦うことが出来ない。

 受け止めるように黒いISにぶつかり、レース・アルカーナの出力をリミッターぎりぎりのところまで上げる。

 

 しかしそれでもパワー負けをしたブランシュネージュだったが、勢いを受け流すように進行方向をずらして黒いISの勢いを削ぐ。

 

 そしてシャルロットは変異し終えた黒いIS、その姿を見てギョッとする。

 

 それはかつて、世界一の座を賭けてモンド・グロッソにて空前の死闘を繰り広げたイタリアの名機、《テンペスタ》の姿をしていたのだから…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   東側フィールド

 

 

「ぐううう!!!」

 

 

 凄まじい斬撃の連続に次々と武装やシールドを破壊される。

 ネーナ・トリニティはオーストラリアの代表候補生だ。それなりに様々な先達の試合映像やデータには目を通しているし、すぐに襲い掛かってきた機体がかつて世界最強(ブリュンヒルデ)と呼ばれた女性の愛機である暮桜と同じ姿をしている事にも気づいていた。

 彼女に黒い暮桜の相手などするつもりは無いので最初から逃げの一手なのだが、根本的な技術と機体性能の違いからそれをすることが出来ず、瞬く間に愛機のラファールが大破させられる羽目になっている。

 

 

「冗談じゃないったら…!こんなのどうやって倒すのよ!?」

 

 

 コア・ネットワーク通信によって目の前の黒い暮桜はパイロットがいない無人機であるとの情報がもたらされているが、今のネーナにとってそんな情報は正直どうだっていい、それより早く援軍をよこせと怒鳴りつけたい気分だろう。

 さっきから気が遠くなるほどの長時間逃げ回っている気がするが、実際には僅か1分にも満たない時間しか経過していない。それほど濃密な、ギリギリの命のやり取りをしているのだろう、すでにネーナの呼吸は荒く、疲労によりガンガンと頭が割れるように響いている。

 

 ちらりと残りのシールドエネルギーを確認する。

 予想以上に減りが早いといった表情を浮かべ、舌打ちをし、再び全力で離脱を図る。

 どれほど森の地形を利用しようともまったく引き剥がせず、かといって単純な推力すら負けているのはどういう事なのか。

 ラファール・リヴァイヴは第二世代型とはいえ後期型だ、下手をすれば初期の第三世代型よりも部分的に上回る性能を有していることもある。

 対して暮桜は第一世代型だ、明らかに比べるべくもない性能差があって然るべきで、それにも関わらず単純な推力ですら勝てていないのはショックが大きすぎる。

 

 それは模造品とはいえ世界最強(ブリュンヒルデ)のデータを流用したシステムを使っているせいなのだが、今の切羽詰まったネーナでは素直にその事実を認められるような状態に無い。

 また明らかにスポーツの範疇を超えた攻撃を受け続けていたからか、嘗て自身が生まれ変わる前に体験していた戦争の記憶が無意識化に呼び起こされているようだ。おかげで脳を侵食するかのような身に覚えのない(・・・・・・・)はずの自分自身の経験により頭痛を覚えている。

 そのため自分以外の何者かが上書きされるような強烈な違和感と、自分が自分でなくなりそうな嫌悪感が一斉に襲い掛かっているような状況だ。

 

 今すぐにここから逃げ出して大声で泣き叫びまわりたい。

 

 このままでは目の前の黒い暮桜によって殺されるのが先か、それとも自分の内側から自分を食い破ってくる何かによって気が狂うのが先かといった淵に立たされているのだ。

 

 

「こんなとこで…!まだ何も…、叶えてないよ…!」

 

 

 諦めかけたその時、今にもシールドエネルギーが尽きそうなほどに追い詰められたネーナを稲妻のような袈裟斬りで斬りかかろうとした黒い暮桜に向かって、数本のビームが走り抜けた。

 操縦者がいれば、そのGだけで内臓が損傷しかねない急激なブレーキからの斜め後方へのバレルロールでそれを回避し、大きく距離を取る黒い暮桜。それに対してアリーナの端から銃を構えビームを次々に撃つ黒と金の不思議な着ぐるみ。

 ネーナは千載一遇のチャンスとばかりに戦域の離脱を図り、無事に黒い暮桜からの逃走に成功する。

 

 

「随分とまぁ、舐めた真似してくれるじゃナイのサァ…」

 

 

 顔も見えない、体系すら分からない、そもそも中身が女性なのかどうかも…。

 そんな着ぐるみがオープンチャンネルで沸々と滲み出る怒りの台詞を口走る。

 

 新たな殲滅目標を設定し、雪片を構える黒い暮桜。

 しかしアリーナの端で銃を構えて居たはずの着ぐるみISに、いつのまにか雪片を構える右腕を掴まれ捻り上げられていた。

 確かにさっきまで遠くに居たはずだ、しかも瞬時加速(イグニッションブースト)などを使ったような痕跡が全くない。

 システムが状況を把握しようとしたが、着ぐるみISにその拘束を外された瞬間、今度は黒い暮桜は反対側のアリーナのシールドに叩きつけられていた。

 

 システムには頭部、胴部分に打撃を受けたと思しき損傷が確認されている。

 

 また次の瞬間には今度は天井に叩きつけられている。

 いつの間にか黒い暮桜のシールドエネルギーは残り僅かとなり、頭部が無残にも千切れかけている。とんでもない威力の攻撃を頭部に受けたのだろうか?

 

 黒い暮桜はプログラミングされたシステムであるにも関わらず、着ぐるみISの異様なまでの恐ろしさに次の行動が取れないでいた。

 次々に吐き出される《対処不能》というエラーの文字。第二回モンド・グロッソでの織斑千冬のデータを流用し、なおかつ感情などもたないVTシステムであるのに、そのAIが全ての戦闘パターンが通用しないとの結論を導き出す異常事態。

 

 

「ああでも、無人なら《スレイプニール(黒いボン太くん)》の武装を試すのに丁度いいや…。でもダメだねェ、ちょ~っと怒りを通り超して醒めてきたみたいだネ。…手加減できそうにないよ」

 

 

 ゆらり、と着ぐるみ(スレイプニール)の姿がブレた。確かに黒い暮桜のセンサーはそう感じ取った。

 しかし次の瞬間には右腕装甲が千切れていた。明後日の方向に飛んで行った右腕が、唯一の武装である雪片諸共ぐずりと崩れてゆく。

 

 この一瞬に何が起きたのかVTシステムは理解することが出来なかった。

 ただ一つだけ、結論が出たことがあった。

 

 この機体には決して勝てない、と。

 

 しかし導き出された結論に対しての行動パターンなど設定されておらず、VTシステムは相変わらずエラーを吐き出し続けている。

 

 

「仮にもサ、チフユを真似したのなら…」

 

 

 目の前にいるスレイプニールと呼ばれたこの機体はまるで隙だらけなように見える。

 事実、戦闘態勢にすら入らず右手にいつの間にか呼び出していた赤い刀身を持つ剣をユラユラと弄んでいるだけだ。

 しかしそれを目の当たりにしても黒い暮桜は動き出すことが出来なかった。それは生身の人間とは一線を画す性能を発揮できるAIの、AI故の限界だった。

 

 しかしそんなことで彼女の怒りは収まることは無い。

 大事な学園のイベントを台無しにされ、大事な誇りを自分のコピーに穢され、大事な生徒をそれらに傷付けられ、そして…。

 

 

 

 

 アリーシャ・ジョセスターフが最も愛している織斑千冬を愚弄された。

 

 

 

 

 

 

 

「チフユを騙るならどんな逆境でも絶対に屈するんじゃナイのサァ!!!」

 

 

 

 

 シールドバリアに包まれた装甲をまるで豆腐のように斬り刻む。実体剣としては雪片ですらありえない切れ味。

 

 M V S(メーザーヴァイヴレーションソード)

 

 今までのISの常識を覆す驚異的な威力の武装。高周波振動させた刃で両断するため、既存の兵器とは一線を画す攻撃力を誇る。

 操縦者がいれば絶対にそれを使うことなどなかっただろう、しかしVTシステムを十全に活かすために無人機にしたのが裏目に出た。

 

 まさか世界最強のデータを使った最強のISを、それ以上の操縦者と機体によって蹂躙されるなど誰が予想できようか。

 

 あっさりとISコア以外を破壊され尽くした黒い暮桜は、コールタールのようなもので構成されていたパーツをグズグズに融かし、消えていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   西側フィールド

 

 

「いい加減に離れてよッ!!」

 

 

 ブランシュネージュは接近戦に難がある、というのは搭載している武装が射撃武器オンリーであるためだが、シャルロット自身の格闘戦能力は決して低いものではない。

 武器を換装して戦うブランシュネージュは、元々W・B・H(ウェポン・ボックス・ハンガー)である《アルスノーヴァ》に予め搭載する武装を装着し、それをイメージ・インターフェースを用いて入れ替えることによって汎用性を持たせることが出来る機体だ。

 

 しかし格闘より射撃が性に合っているシャルロットは、その初期装備(プリセット)を射撃武器のみに絞ってしまったがために、最大の利点である汎用性を失ってしまっていた。

 特に今回のトーナメントがタッグ形式であったことも災いしたと言っていい。前衛を簪のエール・シュヴァリアーに任せることで、ブランシュネージュは射撃のみの組み合わせが最適解になっていたから。

 

 そもそも連戦すること自体が想定されていないのだから仕方がない。装備そのものは拡張領域(パス・スロット)にインストールされているのだが、リミッターが外れなければ全てただのデータにしか過ぎない。

 シャルロットは歯噛みしながら目の前の黒いテンペスタをなんとか引き剥がそうとアリーナを縦横無尽に動き回る。

 

 しかし無人であるはずの黒いテンペスタは明らかに自分より操縦技術が上だ、シャルロットだって生半可な腕前ではないが、それでも今目の前で自分に襲い掛かっている機体のほうが上であると感じている。

 

 

「まさかこれって、パイロットのデータまでアリーシャ先生と同じってわけ!?そんなの反則じゃないか!」 

 

 

 このままではまずいと感じる。何とかして距離を取らなければジリ貧もいいところだろう。

 シャルロットは焦る。そして焦りはミスを生む。代表候補生程度が相手であれば絶対に目立たない、ほんの小さな小さなミスが所々に見受けられるようになり、そしてそれが原因で黒いテンペスタの攻撃を避けきれなくなってきている。

 

 少しずつシールドエネルギーを削られる。じわり、じわりと終わりが近づく。

 だからこそシャルロットは思う。前回の無人機アリーナ襲撃事件の折、自身の身に起きた別人格の覚醒。

 彼女であればこの窮地を脱することが出来るのではないかという淡い希望。

 

 そもそもあの時現れたクリアーナ・リムスカヤとは一体何者なのか。

 

 明らかにIS搭乗者として研鑽を積んだ自分よりも優れた操縦技術、そしてブラックボックス化しているISコアにアクセスし軽々とリミッターを解除し、ブランシュネージュで最も繊細な動きが要求されるWBH(アルスノーヴァ)を完璧に使いこなしていた。

 それは自分であって自分ではない不思議な感覚。夢と現実が薄い膜一枚隔てた状態で重なり合っているような、奇妙な非現実感。

 

 

(でもあの日以来リアナさんは出てきていないし、あれって夢だったのかな…?)

 

 

 シャルロットは不思議に思う。自分は何故あの日起きた現象を雪華に伝えなかったのか。

 逆に今頃になってそれに気付いた。なぜ今までそれを忘れていたのか、ということ。

 あの日、気を失って医務室に運ばれた日。目が覚めた時には自分に何が起こったのかということを忘れていた。今の今までそれに対して何の疑問も持たなかった。

 

 忘れていたということすら忘れていた(・・・・・)のだ。

 

 

(どういうこと…?ひょっとしてボク、この年でボケちゃったのかな??頭打ってたりしたっけ?そんな事無かったはずなんだけどな…)

 

 

 頭ではそんな事を考えながらも体に染みついたISの操作はそう簡単に彼女に敗北を与えはせず、致命的な攻撃は全て回避している。

 

 黒いテンペスタに生身の操縦者がいれば間違いなく舌打ちしていただろう、それほどにギリギリの状況で耐えきっている。

 すでにアリーナの観客席に居た観客達はIS学園側の教師陣により避難誘導を開始している。モニターはすでに映像が切られ、客席とフィールドを分けるシールドバリアは黒いドーム状のものとなり内部で何が起きているのかは確認できなくなっている。

 そして秘匿通信(プライベート・チャンネル)にて管制室の山田真耶からすでに鎮圧部隊が突入したことを告げられた。

 

 

「でもこのままじゃ持たない…!せめて距離を取らないと!」

 

 

 シャルロットの必死の機動に対して複数のスラスターを小刻みに噴かし、まるで雷光のような複雑な動きで追いすがる黒いテンペスタ。

 パイロットの有無によって可能な動作の範囲に差が出るために、シャルロットは自身のG負荷限界まで速度を上げても、それ以上の負荷がかかるであろう速度で追い回され引き剥がすことが不可能になってしまっている。

 

 両腕から伸びるブレード状の爪を振り回しブランシュネージュのシールドエネルギーを削る黒いテンペスタだが、真っ向勝負とは違い、逃げる相手には速度を乗せても大ダメージはなかなか与えられない。

 

 しかしその僅かな時間がシャルロットに幸運を齎した。

 

 流星のような一筋の煌きを残し、轟音と共にシャルロットの眼前から真横に吹き飛ばされた黒いテンペスタ。

 そして代わりに立ちはだかる1機のISの姿。長い黒髪を無造作に束ね、狼を思わせる鋭い眼光。

 

 

 世界最強(ブリュンヒルデ)・織斑千冬。

 

 

「ふん…。アーリィのデータを流用したVTシステムか。小賢しい真似をする。だが…試運転にはちょうどいい」

 

 

 それは黄色いラインが控えめに流れる鮮やかな藤色の装甲だった。どこか優美な、それでいて力強さを感じる。打鉄とはまた形状の違う花弁のような美しい肩部シールドが背部に伸び、その内部に大型ブースターが設置されている。

 軽量な腕部の装甲とは裏腹に脚部装甲が重厚で複数のアポジモーターが設置されている様子がわかり、スカートアーマー状に展開された腰部アンロックユニットから柄のように飛び出たパーツから、それが鞘の役目を果たしているのが分かる。だが刀身を収めるには短すぎるその形状から、それがエネルギーブレードなのだとシャルロットは推察した。

 独特の細見なシルエット、そして機動性を重視した造りと薄い装甲、そして拡張領域内は不明だがパッと見てわかるのは腰に差したエネルギーブレードのみ。

 

 

 それは彼女の代名詞となった暮桜とはタイプが似ているがどこか違う、しかし彼女のためだけに特別に改修を施された専用機。

 

 

 

「さあ行くぞ、『天之尾羽張(アメノオハバリ)』よ!!」

 

 




ウユダーロ級:大気圏外から地球を砲撃できる主砲を持つ恒星間国家『共和連合』が誇る大型砲撃艦。OGシリーズに登場する異星人連合ゾヴォークの武力の象徴のひとつ。

ゴモウドッカ:スパロボOGMDが初登場、ゴモウドッカ・ゴライクンル。ゴライクンルの元締めに近しい人物とされる。パイロットとしてはシュウ・シラカワと同等の能力を持つなど非常に強い。

イラドーヤ:普段はぽやぽやしているお姉さんだが、上司に対してはきっちりしている。

欠けた因果律:キャラクターを構成する様々なものが欠落しているためそれぞれ別人と思われる程度に何かが足りない。

2枚の地図:スパロボZシリーズを最後までプレイしていれば何となく察することができるはず・・?

ラウ・ル・クルーゼ:大元となる《アル・ダ・フラガ》という因子が存在しないため、彼の人格を構成する一番大きな人類に対しての憎悪という部分が欠落している。

プロヴィデンス:重力下で肝心のドラグーンやビームがどれほど効力を発揮するのか、原作はともかくスパロボにはあまり影響なかったような気がします…。

箒:球審のピヨ井により無念の退場処分。次の試合には出られない。

ネーナ:コテンパンにやられた。トラウマ刻みそう。

アーリィ先生:アーリィ先生愛と怒りと悲しみのスーパーモード。エナジーウイングを使ったゲッター機動はハイパーセンサーでも見切れない。

スレイプニール:黒いボン太くん改め、可能性の獣5号機スレイプニール。ちなみに山田先生の可能性の獣4号機はフレスベルグという名前。

ビームライフル:ジャスティスガンダムの武装、MA-M20 ルプス・ビームライフルのこと。

MVS:ランスロットアルビオンの武装、メーザーバイブレーションソードのこと。

天之尾羽張:日本神話に登場する神であり、十束の剣の別名ともいう。束さんと雪華が暮桜、白式、紅椿のデータを纏めて打鉄を改良した機体。武装は第四世代兵器のエネルギーブレード《天羽々斬》。零落白夜と同じだが、レイピアのように細く長い刃に錬成されているためエネルギー効率が桁外れに良い。





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