〔20XX年 夏 地球:日本 東京 由良川邸敷地内〕
side シャルロット
ボクは今、猛烈に呆れている。なぜって?そんなの決まってるよ!
ISのコアは世界で467個しかないんだよ、世界中が自分たちの保有するコアを1個でもいいから増やしたいって、必死になって篠ノ之博士を捜索して引き込もうとしてるのに、そんな超超超超!貴重なコアを3個も!3個もだよ!?孫の我儘にはいどうぞ♪ってできる普通!?それを問いただしたら「はっはっは!なあに、シャルロットたちがうち会社の公式テストパイロットとして在籍すればいいんだよ、なにもお前たちにプレゼントしたわけじゃあないよ」って。
ボクは自分のお祖父ちゃんながら末恐ろしいものを感じたよ・・・
そして現在、ここ由良川邸の敷地内に私たち用のIS研究施設を建築している。いや、いくらうちが広い敷地があるっていってもさすがにIS開発ができるほどじゃないよ!?しかもISって空を飛ぶものだからこんな都心じゃあそれは無理でしょ!
「なんかボク、常識って何だったのだろうって思うよ・・・」
そう、雪華はそういった諸々の問題を一度に解決できてしまうものがあるらしい。
【プロディキウム】
これは雪華の中にある神様の抜け殻、らしい。雪華が言うにはこのプロディキウムは神殿のようなもので、祭壇に黒い太陽という動力を設置することにより稼働する事象制御装置だそうだ。そして同じく雪華の中にある【黒の英知】というものは過去から未来全ての知を集めたもので、それに通常の人間が触れるだけで限りない英知を手に入れることができるんだって。で、実際にそれに触れた人たちが雪華たちの居た世界などに存在していたらしい。正直言って事象制御とか言われてもどんなことができるのかわかんないよぉ・・・
とりあえず建物のガワだけ作ればあとは中身はそのプロディキウムで賄えるらしいんだ。これがあればほんとに何でもできるらしい、いや、冗談抜きで何でも・・なんだって。そんな世界を変えちゃうようなものをホイホイと設置してもいいのかなぁ??
side 雪華
私はセツコお母さんと相談しつつ、この世界を崩壊させないように技術レベルを制限してISを制作するためにどのラインまでにするかを決めています。今のところ確定しているのは・・・
・量産ができる超エネルギー発生装置は建造しない(Iフィールドなどの装置)
・同じく永久機関などの動力の開発はしない(動力源がどうやっても入手できないものは可)
・ビーム系などの既存のテクノロジーで開発できていないものは不可(開発の目処が立てばよし)
・グランゾンやアストラナガンやジュデッカなどの究極兵器は開発しない
こんなところですね。こういった制限を設けないと戦争の種になってしまいますからね!そしてこうなると、今のこの世界で開発してもおかしくはない&絶対真似できないレベルのものは・・・
・完全なサイコミュなどではない疑似的なもの(インコムなどのAI制御型など)
・可変式の複合武器
・核を使用せず、かつ量産不可能な動力(レース・アルカーナやトロニウム、ディス・レヴなど)
・OSシステム(シュンパティアやサイトロン・コントロール・システム)
うーん・・・制限が多すぎてなかなか武装は厳しそうですけど本体のほうはなんとでもなりそう?とりあえず、ISコアもあることだし試験的に手を付けてみることにしましょう!
それと企業名を決めるときにセツコお母さんと協議した結果、【DEMコーポレーション】の名前を使うことにしたんです。理由は元々DEMコーポレーションという企業はAGが作ったダミー企業で実在していないこと、Z-BLUEに在籍していたメンバー全員が名前を知っているため新規に作るより覚えがいいこと、存在自体がスフィアな私にはぴったりな名前であることなどなど、セツコお母さんの思い出としてはなかなか苦いものがあったとは思いますが、元凶はもうこの世界から消滅しているので割り切ってもらいました。
ゲートトラベラーになったヒビキさんたちがこの世界にやってきたら驚くかもしれないですけどね・・・
とりあえず与えられた3つのコアを【知りたがる山羊】で解析してみましょう。これにかかればブラックボックスなんてないようなものですからね!
差し当たっては・・・元居た世界の連邦に接収されてるバルゴラを回収しとこうっと♪
side 千冬
私はモンド・グロッソで優勝して以来なぜか女難の相でも出ているのかというほどトラブルが多い。どういうことだ・・・アーリィのせいなのか?そうなのか!?【モンド・グロッソの中心で愛を叫ぶ】とか翌朝の新聞の見出しになってたんだぞ・・・!今日も私は女性の大軍に追いかけまわされているというのに!!
「千冬様!どこですか~!?お姿をお見せくださ~い!」
物陰に隠れてやり過ごす、どうしてこうなった?最初はサインをねだられる程度だった、そういうファンサービスは苦手なのだがそこは仕方がない。だが握手を求められてそれに応えてからが流れが変わった、変にボディタッチしてくるやつらが現れ、腕を組んだ姿で写真を撮りたいとせがまれ、挙句の果てにはお姫様抱っこだと・・・!?私をなんだと思っているんだやつらは!私は!これでも!女だ!
私はお姫様抱っこをする側ではなく、される側なんだ!(心の叫び)
ええい、これも全てアーリィが悪い!あいつがTVカメラの前で不意打ちでキスをしてきたせいだ!!!(頬に軽くだが)公開プロポーズなどという暴挙に混乱している隙をついての奇襲!あまりの出来事に放心状態だったせいで反応が遅れてしまうとは・・!
(くっ・・・織斑千冬一生の不覚・・・・!)
明らかにあの事件の後から同性からやたらと熱い視線を向けられるようになった。女尊男卑の母親が捻じ込んだ候補生たちからは「千冬様」などと呼ばれて追いかけまわされるし、後輩の山田真耶はやたらと潤んだ目で迫ってくるし・・ちょっとドキっとしたのは秘密だが。ほぼ毎晩、親友の束から「ちーちゃんの貞操は無事か」などと戯言の電話がかかってくるし、なんなのだ、私がなぜこんな仕打ちに合うのだ?
私は絶対にノンケなのだ!!!(魂の叫び)
心の中で叫びながら速やかに移動を開始する。建物の影から影へと縮地を使っての高速移動だ。束曰く、「変態機動」だそうだがこんなものは修行をすれば誰でも出来る、なぜ私は移動するだけでこれほど気を使わねばならんのだ。
しばらくしてようやく目的地にたどり着いた。今日はモンド・グロッソのメインスポンサーである由良川家のパーティーに招待されている、私は公の場での堅苦しい宴は苦手だということを知っているからか、由良川会長は「我が家のささやかなホームパーティーだよ、ゲストは織斑君だけだしドレスコードもない、普段通りのラフな姿で構わんよ。ジャージ姿でも全然大丈夫、うちの子供たちもきっと普段着だろうし」と言って気を使ってくださった。
何度か由良川会長とはお会いしているし、その息子さんや義娘である方とも面識がある。皆さんとても良くしてくださるし私としてもとても好感度は高い。しかし大きな屋敷だ、門だけで我が家くらいあるのでは?とりあえずインターホンを押し来訪を告げると「今お迎えに向かいますね~♪」という可愛らしい返事とともに門が開いた。
少しして門の先から小学生くらいの少女が三人現れた。二人は小柄で蜂蜜のような綺麗な金色の髪の、一人は二人より背が高く灰緑色のふわふわした髪の美少女たちだ。三人はこちらに手を振りながらタタタっと駆けてくる、その姿はまるで物語に出てくるお姫様のように可憐だ。私はその美少女たちの姿をどこか夢を見ているような気持ちでぼうっと眺めていた。
「いらっしゃいませ!ようこそ我が家へ♪」という挨拶があり私は少女たちに手を引かれて玄関に向かう。
この子たちは由良川会長のお孫さんらしい。正面から見ればショートヘアだが後ろで束ねて背中くらいまである金髪紫眼の子犬のような子がシャルロット。腰くらいまでの透き通るような金髪で毛先がロールしている碧眼の気品溢れる子がセシリア。灰緑のふわふわしたミディアムボブの髪のオッドアイの子猫のような子が雪華というらしい。三人とも私の弟の一夏と同じ年齢だが誕生日順に上からシャルロット、セシリア、雪華だそうな。
三人とも絶世の美少女と呼べるほどだ、、私は案内されているだけなのになぜか胸が高鳴る思いだった。お、おかしい・・・私はノンケだったはず・・・、はっ!!まさか私はロリコンだったとでもいうのか!?
そのまま手を引かれてパーティー会場であるリビングに通される。なるほど、確かに家族だけのささやかなものというのも頷ける、大人が8人と子供が3人、日常の一コマのように飾らない姿の由良川一家の姿に安堵し私もこのパーティーを楽しませてもらった。楽しい宴を満喫し、ほどよくお腹も満たされて友達の家に遊びに行っている一夏の分の土産物までもたされた。
特に質問攻めにされることもなく、時には少女たちからアーンをしてもらったり、天使たちの満面の笑顔に癒されてとても気分がいい、素晴らしいぞこれは!それにさっきから足元がふわふわと雲の上を歩いているかのようだ。膝はカクカクと震えるような、なんとも頼りない状態で脱力し、美少女たちに懐かれて最高にハイってヤツになっている私。それなのに表情は強張り、引き攣った笑みしか浮かべられない、ええい!なんなのだこれは!?
「どうしましたか?なんだか本調子ではなさそうですが・・・?」
灰緑髪の天使が心配そうに私の顔を覗き込む、ああ・・・なんて可憐なんだ・・・、年齢の割に背が高いこの子が私のおでこと自分のおでこに掌を当てる、ああひんやりして気持ちいい・・・
「・・・!すごく熱いですよ!もしかして風邪なのでは??」
すぐに私は天使たちにベッドのある部屋に連れていかれ、布団の中に体を押し込まれる。フフフ、なかなか積極的ではないか。とりあえず繋いだままの手を引っ張り天使たちを腕の中にすっぽりと入れる。少女特有の柔らかい体を抱きしめて髪に顔を埋める。ああ、いい匂いがする・・・
「ひゃあ!?だだだめですよ!織斑さん安静にしてないと~!」
じたばたと抵抗する天使たちにぎゅ~っと抱きしめて抵抗できなくさせる。すると「きゅぅ・・・////」と可愛い声が私の胸元から聞こえて抵抗が弱くなる。ああああ、なんて、なんて可愛いのだこの子たちは~~~!!!
私はだんだんと瞼が重くなり、暖かい布団と美少女の体温と髪のいい匂いに包まれて安らかな夢の世界へと旅立った・・・
夕方目が覚めた私は、蓄積していた疲労と精神的なものが重なって熱が出ていたことを聞かされた。なるほど、ではこれは恋ではなかったのか・・・?私はロリコンではなかったのか・・・?
私は訝しんだ。
Iフィールド:ガンダムに出てくる対ビーム用バリア、ミノフスキー粒子の配列を応用したもの
グランゾン:スパロボオリジナルのAM、パイロットのシュウ・シラカワと合わせて一日で世界の戦力を壊滅させることができると言われた
アストラナガン:スパロボオリジナルのロボ、イングラム・プリスケンがパイロットで上のグランゾンが真の力を開放した姿で戦えば世界が滅ぶと言われる
ジュデッカ:スパロボオリジナル、ダンテの「神曲」に登場する地獄の最深層の名前。ラスボスの名に恥じない鬼のような強さ
インコム:ガンダムに出てくる準サイコミュ兵器。ニュータイプでなくても使用できる便利なやつ
レース・アルカーナ:スパロボオリジナル、南極遺跡「ファブラ・フォレース」から得た技術で開発された動力源。無限のエネルギーを得られる
トロニウム:スパロボオリジナル。米粒ほどの大きさながら膨大なエネルギーを生み出せる鉱石、惑星トロンにて産出されたが現在は星そのものが存在しない。
シュンパティア:スパロボオリジナル。ラテン語で「共感」を意味する。ファースト・コンタクトしたものにしか反応しないシステムでビットなどを操作してくれる
サイトロン・コントロール・システム:スパロボオリジナル。フューリー人にしか扱えないシステム。機体の動かし方などを脳に直接学習させてくれる。
DEMコーポレーション:スパロボZに出てくる企業。「Dimension Extra Merchant」の略、またはその企業が開発するマシン「Dimension Energy Machinery」を指す。実は存在していないことが判明した
ヒビキ:ヒビキ・カミシロ。スパロボZの主人公の一人。高校生で【いがみ合う双子】のスフィア・リアクター。顔に傷があるムッツリさん、賛否両論ある主人公。パイロットスーツがとてもダサい。
知りたがる山羊:スフィアの一つ。知りたくもない情報まで無差別に公開してしまうのはヤメロォ!
モンド・グロッソの中心で愛を叫ぶ:その年の流行語大賞に輝いた
千冬様:やはり姉御はIS乗りにて最強
ちーちゃんの貞操:年がら年中狙われている
ジャージ姿:チフユ=サンの自宅での姿
セシリア:なんの脈絡もなく現れた従姉妹天使。想像してごらん、擦れてない幼いセシリアを・・・ほら、天使でしょう?