松江市内某所とある道場から悲鳴が上がっていた。
「うぎゃああああああああ」
「ほらほら兼一くんペースが落ちてきているよ」
その道場ではハムスターの回転車を大きくしたものをすごい速度で回転させその中では一人の青年が走りながら悲鳴を上げていた、そして青年が走るスピードを落としたり転がったりしたら電流が流れる仕掛けが施されていた。
「こ、岬越寺師匠!!」
「なんだい?」
「僕は何時になったらこの基礎修行が終わるんでしょうか!!」
「バカなことを言ってはいけない、基礎修行に終わりなどない、むしろ君が強くなる度に修行が厳しくなるだろう」
「そ、そんな・・・あっ?ぎゃあああああ」
その青年は師匠の言葉を聞くと滑車の中で足を滑らせてしまい電流が彼を襲った。
「ほら、油断するからそうなるんだ」
青年は電流のシートに当たり気絶してしまった、そして隣にいた師匠は青年を滑車から出し地面に寝かせた。
「また、兼一の奴しくじったのか?」
「ああ、アパチャイの御百度参りも効かなかったよ」
「また、気絶・・・か」
「直ぐにおいちゃんが起こしてあげるね」
兼一と呼ばれている青年が倒れると道場の中から続々と人が出てきて兼一を囲んでいった。
ここは武術を極めた達人が住む場所梁山泊そこには八人の達人たちが住んでいた。
ケンカ百段の空手家 逆鬼至緒
哲学する柔術家 岬越寺秋雨
裏ムエタイ界の死神 アパチャイホパチャイ
あらゆる中国拳法の達人 馬剣星
剣と兵器の申し子 香坂しぐれ
そして地面に倒れているのは梁山泊全員の一番弟子で元いじめられっ子そして少し前に達人となった史上最強の弟子白浜兼一
「おお、ケンちゃん何を寝ておるんじゃ?」
最後に道場から筋骨粒々とした老人が出てきた、その人こそ梁山泊の長老で無敵超人 風林寺隼人である、この七人に所要で出掛けている、長老の孫娘で風を斬る羽 風林寺美羽を加えた八人が住んでいた。
五年前兼一たちは闇の武術家たちとの闘い九遠の落日で勝利を収め、その三年後に美羽がそして昨年は兼一が見事達人の領域に足を踏み入れていた。
その日の夜兼一の師匠たち六人は居間で梁山泊豪傑会議をしていた。
「なんだよじじい、いきなり豪傑会議って」
「うむ、美羽は去年から裏社会の仕事で梁山泊を離れておる」
「アパチャイ、美羽居ないと寂しいよ」
「長老まさか!?」
察しの良い秋雨は長老の話の運びである結論にいたった。
「うむ、ケンちゃんにも一人で仕事を頼もうと思っての」
「ぶっ!?」
長老の突然の提案に酒を飲んでいた逆鬼は噴いてしまい、他の達人たちも難色を示した。
「じじいバカ言うな、兼一が達人になったのはついこの間だ、裏社会の仕事は早すぎるだろ」
「おいちゃんも逆鬼どんと同じ意見ね」
「アパパ・・・」
「・・・・」
「秋雨、お前もそう思うだろ?」
「確かに」
「まあ待ちなさい、誰も裏社会とは言っとらん実はワシの知り合いで川神で学園をしとる男が居るんじゃが」
「川神というと長老のお知り合いというのは川神院の総代の川神鉄心殿ですか?」
「川神鉄心か聞いたことあるぜ、確かその孫娘が武神とか呼ばれてる筈だ」
「おいちゃんの知り合いにも川神院で師範代をしている男がいるね」
「アパ?」
「?」
アパチャイとしぐれ以外の師匠たちは川神院を知っていた、そして長老が話を続けた。
「その鉄心から学園の生徒が闇に狙われとるようなんじゃ」
「緒方ですか?」
「それはまだ分からん、じゃから先にケンちゃんを川神に向かわせ、闇が乗り込もうとしてきたらワシらも出る、川神自体は危険な土地ではないからの」
「なるほどしかし何故兼一君を行かせるのです?」
「うむ、鉄心の策では学園に通わせたいそうなんじゃ、適任はケンちゃんを置いて他になかろう?」
「だが兼一だってもう二十四だぜ?学園には通えねぇだろ」
「そこは鉄心が何とかすると言っておる、どう思う?秋雨君」
「まあ良いのではないでしょうか、兼一君も妙手から達人に足を踏み入れ修行も行き詰まっていましたし、良い刺激になるのではないかと、それに向こうにいるものたちは表の世界の達人たち、今の兼一君なら問題ないでしょう」
「まあ、川神なら闇が来ても俺たちがすぐに向かえるか、ならいいんじゃねぇか」
「そうね、おいちゃんの知り合いにも連絡しておくね」
「アパパ兼一何処か行くのかよ?」
「兼一居なくなる・・・のか?」
「少しの間の事じゃ、それでは皆ケンちゃんを川神に向かわせるということで良いかの?」
しぐれとアパチャイも兼一が居なくなることに気を落としたが兼一の為と思い全員が頷いた、その頃兼一は自分の部屋でスヤスヤと寝ていた、これから大変な目に合うとも知らずに。
とりあえず序盤はこんな感じで終わらせてみました、多分3話位で武士娘たちを出せると思います、それではまた2話でお会いしましょう