走って遅刻する前に学園に着いた兼一と新島は風間ファミリーやクローン組と別れて鉄心の待つ学長室にやって来た、そこには鉄心の他にジャージを着た男が待っていた。
「失礼します」
「ちわーす」
「フムやって来たな」
「この子が百代を倒した兼一君ですカ」
「は、はい白浜兼一です(この人中々強そうだ)」
「私は川神院で師範代をしているルー・リーだヨ」
「ルー・・・あ!?馬師父の元お弟子さんが川神院で師範代をやってるって言ってたのは(師範代、道理で強そうな訳だ)」
「私の事だヨ、馬先生懐かしいネまさかこんな形で弟弟子に会えるとは思わなかったけどネ」
ルーは兼一と会えた事をとても嬉しそうだった、それを鉄心の咳払いが割り込んだ。
「ルーよ今はホームルームまで時間がない、話を進めるぞい」
「すいません学長」
「兼一君と新島君、君たちには二年のクラスに編入してもらう、二人いるので二つのクラスに編入させようと思うが良いかの?」
「はい」
「ああ」
「さて二人をどのクラスに編入するかじゃが」
「あの~ひとつだけお願いが」
「ん?なんじゃ」
「川神一子さんと同じクラスになれませんか?」
「ほう、一子と同じクラスというとFクラスか、じゃが何故じゃ?」
「ある人に言われたんです一子さんに目をかけてほしいと、この川神は学力によってクラス分けをしているのは知っています、ですが僕をFクラスに入れてもらえませんか?」
兼一は鉄心に向かって大きく頭を下げて頼んだ、釈迦堂との約束を守るために。
「兼一君頭をあげてくれ、梁山泊に手伝ってくれと依頼したのはワシじゃお主たちの希望には出来るだけ答えたいと思う、それはそうと誰じゃそれを言ったのは?」
「昨日川神院で勝負をした後僕は釈迦堂という人と戦いました、その人に一子さんを見てくれと言われたんです」
「「!?」」
ルーと鉄心は驚いた、釈迦堂は師範代の頃は自分と同じく才能の塊である百代を可愛がっていた、確かに一子にもそれなりに目をかけていたが、釈迦堂の性格からそんな事を人に頼むとは二人は思いもよらなかったからである。
「釈迦堂・・・変わろうとしているんだネ」
「ええ僕もそう思います、だから頼みを聞くことにしたんです」
「ならワシからもお願いする、あの子は武術の才能は無いがひたむきで芯の強い良い子じゃ、お主と関わればあの子も百代と同じように何かを掴めるかもしれん、一子をよろしくお願いします」
「今一子の修行を見ている私からもお願いするヨ」
鉄心とルーは兼一に一子を託すことを決め頭を下げて頼んだ。
「どこまで出来るか分かりませんが精一杯努力します」
鉄心とルーは確信していた兼一ならば一子に何かをもたらしてくれると。
「おーい、俺様を無視しないでもらいたいね」
「おお、すまんのうお主が九鬼が呼んだ新島君じゃな?」
「ああ、川神鉄心さん」
「ワシの事も調べはついておるか、抜け目ない男よ」
「では私は小島先生と宇佐美先生を呼んできまス」
「頼む」
「新島君お主は勉学は大丈夫かの?」
「ああ、高校時代は大したこと無かったが今はそれなりにやれると思うぜ」
「それはよかった、中間や期末で悪い点を取ればいかにワシでもお主をS組に残すことは出来んからのう」
「なら俺がS組で兼一がF組って事だな?」
「そうなるのう」
「それで大丈夫か新島?」
「まあひとつお前への貸しにしておくさ兼一」
「とんでもない奴に貸しを作ってしまった」
兼一が身震いしていると学長室のドアを叩く音が聞こえた。
「宇佐美です」
「小島です」
「二人とも入ってくれ」
「「失礼します」」
「新島君、兼一君、紹介しようまず男の方がS組担任の宇佐美巨人君そして残る女性がF組担任の小島梅子君じゃ、宇佐美先生、小島先生、この二人は新島春男君に白浜兼一君じゃ例の闇の件でこの二人には来てもらった」
教師の二人は闇の言葉を聞くと少し顔をしかめた。
「じゃあこの二人が例の達人という事ですか」
「俺様は違うけどな」
「確かに一人は凄い闘気だ、もう一人は闘気ではなく何かえたいの知れないものを感じる」
「お二人はもう闇の事はお聞きなんですね?」
「ああ、なんと言っても闇が狙ってるっていうのはおじさんが仕入れてきた情報だからね」
「教師の貴方がどうやって?」
「おじさんは宇佐美代行業って言う何でも屋をやっていてね、とある仕事で闇がうちを狙ってる事を聞いて学長に報告したって訳だ」
「なるほど」
「ところで学長私たちを呼んだ理由は、そろそろホームルームが始まるのですが」
「おおすまんな小島君、この二人を君たちのクラスに編入させる兼一君はFクラスに新島君はSクラスにな」
「潜伏してもらうんですね?」
「そうじゃ宇佐美先生、小島先生もそれで良いかの?」
「かまいません」
「よろしくお願いします小島先生」
「すまない・・・」
「え?」
突然の梅子の言葉に兼一は謝られた理由が分からなかった。
「生徒たちを狙う闇の武道家たち、本当は私たち教師が生徒たちを守らねばならないのに君たちに頼ってしまうなんて情けない」
「小島先生・・・闇の事は前に戦った僕たちが一番よく分かっています、安心してください生徒の皆は僕たちが必ず守ります、活人拳の誇りにかけて」
「白浜・・・ああよろしく頼むぞ、私もできる限りの協力はする」
兼一と梅子は固く握手をした、それを新島と巨人はただ見ていた。
「生徒を心配する小島先生良いなあ」
「アンタあの先生が好きなんだな」
「ああ、おじさんが猛アピールしても振り向いてはくれないがな」
「なら俺様が仲を取り持ってやろうか?」
「嬉しい提案だな、で俺は何をすれば良いんだ?」
「流石は代行業をやってるだけあって話が早い、アンタは川神の裏に顔が利きそうだからな俺様の情報収集の役に立ってもらうだけだよ」
「まあおじさんもできる限りの事はするけどね、それにしても抜け目ないね君は」
兼一とは違う形で新島も巨人となにか通じるものを感じていた、そして兼一と新島は二人の教師に連れられて自分の教室へと向かった。
先生達の初登場です、先生の中では作者は巨人がかなり好きですね、次回は少し生徒たちと兼一たちを絡ませたいと思います、それではまた十一話でお会いしましょう、感想、評価お待ちしています。