真剣で達人に恋しなさい   作:双龍

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どーも双龍です、お気に入りが凄い量で増えているのを見て凄い嬉しいです、私の小説を気に入って下さった皆様には感謝しております、それでは十四話をお楽しみ下さい。


14話

ジークとマルギッテが戦い始める少し前、兼一は授業を終えて帰る支度をしていた。

 

「兼一さん帰るなら一緒に帰りましょ」

「あれ風間君たちとは良いの?」

「今日は先に帰ってもらったわ、修行の件もあるし兼一さんと少し話したいの、それにキャップたちには夜に話をすることになってるし」

「分かった一緒に帰ろう」

 

兼一たちが話していると教室のドアが勢い良く開いた、そして兼一たちがドアの方を見ると額にバツ印の付いた少女が仁王立ちし後ろにはヒュームが控えていた。

 

「我降臨である!!」

「君は、紋白ちゃん!!」

「ひっさしぶりだな兼一♪」

 

彼女の名前は九鬼紋白、九鬼家の末っ子で兼一とは前の任務で知り合っていた、教室に入ってきた紋白は兼一に向かって飛び込み兼一もそれをしかり受け止めた。

 

「久しぶりだね紋白ちゃん」

「兼一さん九鬼の人とも知り合いなの?」

「うん昔ちょっとね」

「昼の決闘見ていたぞ、二人とも良い試合だった」

 

一子は誉められたことにまんざらでもなさそうに照れた、話をしていくうちに紋白も一緒に帰ることになり校舎の廊下を一子、兼一、紋白の三人が歩いていた、ヒュームは紋白の命令で少し離れた場所から警護していた。

 

「そう、じゃあお母さんとも仲良くやってるんだ」

「ああ、それにしてもまた背が伸びたな~兼一は」

「そうかな?自分ではわからないけど、それより新島たちの面倒みてもらって悪いね」

「いや構わないぞ、こっちこそ闇との戦いに兼一を巻き込んでしまった・・・」

「そんな事、紋白ちゃんが気にしなくて良いよ」

 

兼一はニッコリとした笑顔で紋白の頭を撫でた、紋白もその手を払うことなく兼一に任せていた。

 

「ねえ兼一さん闇って何?」

「いや!?何でもないよ」

「そう?」

 

話しているうちに兼一たちは下駄箱に着いた、そして靴をはきかえ外に出ると校庭ではジークが戦っていた。

 

「あ、ジークさんだ」

「兼一さんあの人知ってるの?」

「うん僕の仲間なんだ」

「ん、アイツは確か・・・」

 

そんな事を話しているうちに決闘はジークの勝利で幕が降り兼一は一子と紋白を連れジークに近づいた。

 

 

その日の夜兼一たちは酒を飲みながら話をしようと九鬼の本部近くにあるバーに来ていた。

 

「いらっしゃいませ」

「三名、テーブル席を頼む」

「こちらへどうぞ」

 

新島が案内を頼むとバーテンダーらしき男性がテーブル席へと案内した。

 

「ご注文は」

「えーと日本酒ありますか?」

「はい」

「ならそれを」

「私はワインをいただけますか」

「そちらの方は」

「俺様もワインで良い」

 

少しすると注文した酒が届きグラスが三人に行き渡ると乾杯をした。

 

「「「乾杯」」」

「あっ美味しい」

「ふむ、中々の物を出しますね」

「俺様を満足させるとは、バーテンさんよ中々やるな」

「いえいえ、どんなお客様にも楽しんでいただくのが基本戦術」

 

三人が酒に舌鼓を打っていると新島が話を切り出した。

 

「ところで兼一よ川神一子を弟子にしたんだろ?」

「何で知ってるんだ!?」

「俺様に知らないことはないぜ」

「ほう、兼一氏が弟子を取りましたか」

「やっぱりあれか才能がない彼女に昔のお前の姿を見たか?」

「それだけじゃないさ、僕自身も彼女を強くしたいと思ってる、それに人を教えることで見えてくるものもあると思うんだ」

「一理ありますね」

「まあな、それとジークよお前は明日から川神学園に通ってもらう、住まいは九鬼が面倒見てくれるそうだ」

「分かりました総督の意のままに」

 

三人は酒を飲み進めるとジークは旅の疲れからか眠ってしまい新島は兼一と話を進めた。

 

「兼一よお前の腹は俺様は何となくだが読めたぜ」

「へぇ~宇宙人に分かるとは僕もいよいよ毒されてきたかな」

「お前はこの川神の武術家たちを強化しようとしてるだろ」

「川神には数多くの武術家たちがいる、恐らく闇も相当な数がこの川神に押し寄せて来るはずだ、師匠や僕たち新白のメンバーを合わせても恐らくカバーしきれない、だから川神の武術家たちを闇と戦えるぐらいにする必要があると思うんだ」

「簡単な話じゃねぇぞ」

「ああでもやるしかない、それに闇も気になるが他にも闇に近しい人たちの動きも気になる」

「例えば?」

「中国の内陸にあると言われている傭兵集団梁山泊とか、それと双璧をなす曹一族かな今のところは」

「ああ中国の奴等かアイツ等は俺様の情報網をもってしても中々掴めない奴等だからな、だがアイツ等が動いても困るな俺様の諜報員を向かわせるとするか」

「彼等は危ない集団だあまり深追いはするなよ」

「ふっ、分かってるって俺様はそんなヘマしねぇよ、さてそろそろ明日も学校だし帰るか」

「そうだな」

 

兼一たちは店を出た、起きなかったジークは後で九鬼の人間が迎えに来る手はずを新島が整え店にも了解を得て置いていった、そして兼一が寮に戻ると皆はもう寝ているのだろうか電気はみんな消えていた、兼一は水を飲もうと食堂の電気をつけるとそこには忠勝が一人座っていた。

 

「やあ源君こんな遅くにどうしたの?」

「いや貴方を待ってたんですよ」

「僕を?」

「ええ、今日の夜一子が俺たち風間ファミリーのメンバーを集めたんですよ」

「風間ファミリー?」

「風間から聞いてませんか?、アイツは自分の気に入った奴を集めて風間ファミリーっていう集団を組んでるんですよ」

「へえ~(昔僕たちが作った新白連合みたいなもんか)」

「まあ、俺は最近入れてもらったんですけどね、それで何時もは金曜にメンバー全員が集まるんですけど、今回は一子がみんなを集めたんです、大事な話があるって」

 

兼一たちが飲んでいる頃風間ファミリーの集会所でもある廃ビルでは、風間ファミリーのメンバーが一子に呼ばれて集まっていた。

 

「みんな揃ったぞワン子、で俺たちを集めた理由は何だ?」

「うん、実はねアタシ兼一さんの弟子になることにしたの」

 

一子の言葉に進行を勤めていた大和だけじゃなくファミリー全員が驚いた。

 

「弟子になるって川神院はどうすんだよ」

「辞めはしないわここに来る前にじいちゃんに言ったら、少し別の風にあたるのも良いだろうって言われたし」

「それで大丈夫なのか姉さん」

「じじいがそう言うんなら大丈夫だろ、それにしても兼一さんに稽古つけてもらえるなんて羨ましいぞワン子」

「えへへ、それとお姉さまアタシ夢を変えるわ」

「師範代の夢を諦めるってことか?」

「おい、ちょっと待て一子!!」

 

一子の突然の言葉に今まで黙っていた忠勝が百代との話に割り込んだ。

 

「何、たっちゃん?」

「お前はそれで良いのか?、お前が長年師範代になるために頑張ってきた苦労が水の泡になるんだぞ!!」

 

忠勝と一子は同じ弧児院の出で忠勝は弧児院にいた頃から一子の事が好きだった、そして一子は川神院に引き取られ、忠勝は宇佐美に引き取られていった、忠勝は引き取られてからも同じ川神にいた一子の事を気にかけていた、だから誰よりも一子の努力を知る人物でもあった。

 

「水の泡にはさせないわ」

「え?」

 

一子は忠勝にそう言うと百代の方を向き百代の眼を見て言葉を続けた。

 

「お姉さま、アタシの新しい夢は川神院総代になることよ」

 

一子のその言葉に全員が驚いた、あの百代を慕っていた一子が百代を倒すと言っているからだ。

 

「ワン子マジで言ってるのか?」

「真剣よ大和」

「でも一子さんそれはモモ先輩を倒すことになるんですよ」

「分かってるわまゆっち」

「犬、ちゃんと考えて決めたんだな?」

 

クリスは一子の眼をじっと見つめ一子に聞いた。

 

「この眼が冗談を言ってる眼に見える?クリ」

「いや、試すようなことを言ってすまない、頑張れよ犬!!」

「本気なんだね・・・僕はワン子の決めたことなら尊重するよ頑張って」

「モモ先輩を越えるってことは並大抵の事じゃないぜ、覚悟決めろよワン子」

「ワン子の覚悟は本気だな頑張れよ!!、くぅ~燃えてきたぜ!!」

「モロ、ガクト、キャップありがとう」

 

一子は皆から思い思いの言葉をもらうと最後に百代が一子の前に立った。

 

「お、お姉さま・・・」

「私が怒るとでも思ってるのか?」

「え?」

「私は嬉しいんだ、それほど遠くない未来に強くなったお前が私の前に立ちはだかる、強者と戦えるんだこれほど燃えることはないだろ?」

「お姉さま・・・」

「ただし」

 

百代は闘気を剥き出しにして一子に不適な笑みを浮かべ言葉を続けた。

 

「簡単に負けるつもりはないがな!」

「アタシも簡単に勝てるとは思ってないわ、でも必ずお姉さまの隣に立ってみせる」

「楽しみだ」

 

百代と一子はファミリー全員の見ている中で固い握手を交わした。

 

所変わり夜の寮で忠勝と兼一はお茶を飲んで話していた。

 

「そう、一子さんがそんな事を」

「ええ、兼一さんほんとに一子を強く出来るんですか?」

「それは一子さんにも言ったけど彼女次第だよ」

「そうですか、兼一さん一子の事をよろしくお願いします」

 

忠勝は兼一の眼を見て兼一の言葉を信じ一子を任せることに決めた、そして二人は夜も遅くなったので眠ることにし、兼一は自分の部屋に入るとケータイを取りだし電話をかけた。

 

「はい、もしもし」

「あ、岬越寺師匠ですか?、兼一です」

「兼一君か、今日は登校初日だったんじゃないのかい?、どうだい川神は」

「一言で言うと色々な武術家がいます、闇に狙われそうな子も多いですね」

「なるほど、でそれを報告するために連絡したのかね?」

「いえ、師匠たちは全員居ますか?」

「長老以外は居るよ」

「すみませんが皆さんを呼んでください」

「分かった少し待っていなさい」

 

秋雨は梁山泊に居る師匠たちを集めに電話口を離れた、程なくして全師匠が集まった。

 

「何なんだ兼一の奴」

「おいちゃん夜のお楽しみ中だったのにね」

「アパ~眠いよ」

「・・・ふあ~」

「兼一君全員集まったよ」

「師匠たち全員に聞こえるように受話器を耳から離してください」

 

秋雨が受話器を離すと師匠たちは兼一の言葉に耳を傾けた。

 

「僕、ある事情で弟子をとることになりました」

「「「「「!?」」」」」

 

突然の兼一の言葉に秋雨たちは一瞬言葉を飲んでしまった。

 

「おい、兼一経緯を話せ」

「はい」

 

逆鬼の一言を聞いた兼一は一子の事を話した、そして話終わると逆鬼が言葉を発した。

 

「とうとう、お前も弟子を持つまでになったって事か・・・」

「至緒ちゃん感慨に耽ってるね」

「そ、そんなんじゃねぇよ!!」

「アパパ、弟子の成長よ」

「・・・めでたい」

「・・・・」

 

師匠たちが兼一に弟子ができた事を喜んでいる中で秋雨だけは黙っていた、そして受話器をまた自分の耳に当て兼一と話した。

 

「兼一君、君が弟子を持ったことは私も他の皆と一緒でとても嬉しい、だが分かっているかね?弟子をとるということは一子君の成長を君が握る事でもあることを」

「・・・・」

「君の導き一つで彼女の夢を近づかせる事も出来るが、逆に遠退かせる事もできる、弟子をとるということは簡単ではないよ」

「僕はなりたいんです」

「?」

 

秋雨はこの言葉は皆に聞かせるべきだと思い、受話器をまた離し皆に聞こえるようにした。

 

「師匠たちは僕に生きる道標を示してくれた、師匠たちは僕を信じ、そして僕は師匠たちを信じてその道をしっかり歩むことが出来ました、僕はそんな師匠たちのような武術家になりたいんです!!」

 

その言葉を聞き逆鬼は涙を流すのを堪えようと上を向き、剣星は優しい笑顔で弟子の成長を喜んだ、アパチャイは号泣し、しぐれも少しだけ微笑んだ、そして秋雨はまた受話器を耳に戻した。

 

「そうか、それが分かっているなら大丈夫だろう、頑張りなさい」

「は、はい!!」

 

秋雨の顔からも剣星と同じく優しい笑みがこぼれていた。

 

「つきましては岬越寺師匠にトレーニングの機器を作ってほしいんですけど」

「構わないよ、君のトレーニング機器は全部残っているからそれを改良しよう」

(一子ちゃんにあんな地獄を・・・いやでも必要だな)

「それとしぐれさんにも二つ作ってほしい物が」

 

秋雨は受話器をしぐれに回し、兼一はしぐれに作って欲しいものを説明した。

 

「どうでしょう出来ますか?」

「・・・一つはすぐに渡せる、ボクの部屋にあるから・・・もう一つは一週間時間をもら・・・う」

「ならお願いします」

「なら明日着くようにアパチャイに届けてもら・・・う」

「アパ、前と同じところに届けるよ」

「お願いしますアパチャイさん、それでは明日も早いので僕はもう寝ます、皆さんありがとうございました!!」

 

兼一は電話を切るとしぐれとアパチャイは届け物の準備をするために自室に戻った、そして電話機の前には逆鬼、剣星、秋雨が残った。

 

「弟子の成長は嬉しいもんだよな」

「そうね、あのいじめられっ子がここまで成長するとはおいちゃんも驚きね」

「そうだな、我らはよい弟子を持った」

「ところでよ秋雨やっぱりあの計画進めた方がいいんじゃねぇか?」

「ふむ、そうだな」

 

師匠たちは眼を光らせて次の策を着実に準備していた、だがその事を兼一はまだ知らない。




こんな感じで終わらせてみました、感想で何人かの方には設定が甘いとお叱りを受けました、ですがそれを糧にしてこの小説は最後まで書きたいと思いますのでどうかお付き合いください、それではまた十五話でお会いしましょう、感想、評価お待ちしています。
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