真剣で達人に恋しなさい   作:双龍

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明日から十連休ですね、筆者は前話した通り十連勤なので地獄の始まりのような気分です、それでは十八話をお楽しみ下さい。


18話

次の日の朝、一子とタイヤ引きを終えると一子が昨日の夜遅くに百代が帰ってきたことを兼一に話していた。

 

「そう百代さん昨日は遅かったんだ・・・」

「ええ、少し遠くまでロードワークに行ったって言ってたわ」

「そう(良かった、百代さん約束を守ってくれてるみたいだ、まだ一子さんにほんとの事を言うのは早いからな)」

「アタシももっと頑張らないと!」

「そういえば昨日僕の仲間がまた二人来たんだよ」

「ほんとに今度はどんな人なの?」

「一人はボクサーでもう一人は杖術使いだよ」

「腕がなるわ、それと兼一さんアタシはいつから薙刀の修行をするの?」

「もう少し先だね、まずは自分自身を鍛えないと」

「そう・・・でもひたすら頑張って強くなってみせるわ」

(凄いガッツだ、これなら予定よりも早く武器の訓練に移れるかも)

 

兼一はそんな事を考えながら朝練を終えると、寮に帰りみんなと共に学園に登校した、そして兼一は昨日あった事と武田たちの事を鉄心に話すために学長室に新島共に立ち寄った。

 

「兼一です」

「入りなさい」

「失礼します」

 

学長室に入るとそこには先客が鉄心と座って話していた、そしてその人物は兼一を見ると立ち上がり兼一に近づいた、その人物は顔が渋く年をかなりくってはいるが、筋骨粒々とした体つきをしており服装も白い帽子に白いスーツと一昔前のギャングのような格好だった。

 

「よう、おめぇが梁山泊の弟子だろ?」

「は、はい」

「俺は鍋島正、九州で天神館て言う学園の学長をしてる」

「九州の方ですか」

「鍋島は元々ここの卒業生でワシの弟子でな、たまに川神に来るんじゃ」

「そうなんですか」

「最強の弟子が来たなら話が早いわ、実はうちには西方十勇士つう俺が武術の腕を見込んでスカウトした奴等がいるんだが」

「西方十勇士・・・」

「実はソイツ等の中に忍が居るんだがソイツが言うにはこの頃十勇士をつけ回してる奴等がいるらしいんだわ」

(鍋島さん自身もかなりの実力者だ、その人がスカウトするぐらいなら若く才能がある子達ばかりだろう、まさか!?)

「察しがついたろ?そう闇の連中よ」

「やっぱり・・・」

「まあ、師匠から闇が川神の武術家を狙ってるつうのは聞いてたからな、だが考えてみりゃ川神以外にも強者と呼べるガキどもは居る、例えばうちとかな」

(守りに行こうにも九州じゃ遠すぎる)

 

兼一は闇の戦力がはっきりしない以上、今戦力となる梁山泊の師匠たちや新白のメンバーを二手に分けるのは得策ではないと考えていた。

 

「おめぇが考えてること分かるぜ」

「え?」

「今川神守ってるみたいにうちも守ろうと考えてるだろ?」

「は、はい」

「ここで俺に闇を打ちのめす力がありゃその提案を突っぱねるところだが」

 

鍋島は突然上着を脱ぎ上半身を裸にするとその身体にはま新しい傷が複数ついていた。

 

「その傷はまさか!?」

「ああ、闇の一人と戦ったんだが追い返すだけでこの様よ、しかもソイツは本気を出しちゃいなかった、俺の命一つなら賭けるのに躊躇はねぇが今回は教え子の命がかかってる、俺は教え子たちを守ってやりてぇ」

「鍋島さん・・・」

「そこで俺に一つ策がある」

「なんじゃその策とは」

「奴等の狙いは十勇士たちだけだ、だがこのままじゃ一般の学生たちも危険に晒されちまう、そこで川神に期間限定体験学習という名目で十勇士たちを川神に連れてきてぇんだ」

「なるほどその方が僕たちも手が回しやすい」

「うむ、それはいっこうに構わん、うちの学生たちにも良い刺激となるじゃろうしの」

「それと俺もこっちに来る」

「鍋島さんも?」

「十勇士の手綱をとれるのは今のところ俺だけだ、それに俺としても闇にやられっぱなしって訳にはいかねぇ」

 

鍋島は闇にやられたことで弱気になるどころか内なる闘志を燃やしていた。

 

「それに闇との決戦の前に俺も昔の勘を取り戻しておきてぇ、今川神にはお前や他の達人たちも居る勘を取り戻すにはもってこいだ、悪いがおめぇ等には付き合ってもらうぜ」

「分かりました」

「じゃあ俺は早速天神館に帰って準備をしてくるぜ、準備が終わったら師匠に電話する、少し時間がかかるかもしれねぇがなるべく早く来るようにするぜ」

「分かった、それまでにはこちらも準備を整えておこう」

 

鍋島は学長室を出ていき部屋の中には兼一と鉄心のみとなった。

 

「さて兼一君ワシに何か用があったのではないのか?」

「そうでした、すみません百代さんに闇の事が」

「その事か、いずれは分かってしまうことじゃからなそれは良い」

「でもまだ一子さんや他の皆さんにはバレてません、ただ百代さんと一緒にいた釈迦堂さんと板垣さんにバレてしましたが」

「それに関しても釈迦堂は意外と口が固い、それに板垣の長女も黙ってくれるようにお主が頼んでくれたのじゃろう?」

「ええ」

「なら、お主が気にすることはない、それとお主の新しい仲間、武田くんは三年のFクラスに要ちゃんはSクラスに編入することにした、それにしても、要ちゃんはクールで綺麗な子じゃのう~」

(この人に女の子を任せるのは危ない気がするなぁ)

 

兼一は鉄心との話を終えると授業を受けだけ、そして昼休み兼一は考え事をするために一人屋上で昼飯を食べ、終わると思案するために寝っ転がった。

 

(さて、清楚ちゃんの事や闇の事もあるし参ったな、ん?)

「僕に何かご用ですか?」

「!?」

 

兼一が考え事をして居ると一人の人が近づく気配がしたのを兼一は逃さなかったすると給水塔の影から一人の女の子が兼一に近づいてきた。

 

「君は?」

「私は松永燕って言います」

「松永さんですか?(この子百代さんほどじゃないが強そうだ)」

「貴方は白浜兼一さんですよね」

「どうして僕の名前を?」

「私は九鬼家の紋ちゃんの依頼でモモちゃんを倒すために京都から来たんです」

「百代さんを?」

「でも依頼は取り消しになったんですけどね。貴方のおかげで」

「え、僕の?」

「そう、私は紋ちゃんのお姉さんの揚羽さんがモモちゃんに負けてその敵討ちの為に雇われたの、報酬は武神を倒して松永の家名を上げる事と、おとんが開発している武器のスポンサーに九鬼がなることが条件で」

(そうか、揚羽さん百代ちゃんに負けたのか)

「でも、兼一さんがモモちゃんに勝っちゃったから敵討ちの必要がなくなった、だから紋ちゃんはその依頼を取り下げたんです」

「僕のせいでごめんなさい!」

 

兼一は燕が自分のせいで九鬼が研究のスポンサーを解約したと思い責められるのを覚悟で燕に謝った、しかし燕の表情は怒っているようには見えなかった。

 

「あの~怒ってるんじゃないんですか?」

「全然怒ってませんよ、だって紋ちゃんからは新しい依頼を受けましたから」

「それは一体?」

「闇と戦う貴方の援護ですよ、即OKしました」

「そんな、貴女それがどんな危険なことか分かってるんですか」

「ええ、途中からだけどモモちゃんたちと闇の人の戦い見てましたから」

(あの現場にいたのか!?)

「私が出ていこうとしたら貴方のお仲間が来て、出るタイミング失いましたけど」

「じゃあ何故こんな危険なことに」

「さっきも言いましたけど私はどうしても松永の家名を上げたいんです、その為なら何でもする覚悟があります」

(凄い覚悟だ、この子にとっては家名を上げることがそこまで大事ということか・・・)

「分かりましたそこまで言うなら」

「ありがとうございます、それと今度少し稽古をつけてくれませんか?」

「ええ、良いですよ」

「ありがとうございます、ならお近づきの印にこれをどうぞ、それではナッ、トウ!!」

 

燕は屋上から飛び降りていった、そして兼一の手には燕がくれた松永納豆が握られていた。

「松永納豆?」

 

兼一はお近づきの記しが何故納豆なのか分からなかったが考える間もなくチャイムが鳴り昼休みが終わってしまった、放課後一子の修行が始まる前に兼一は新島のところに来ていた。

 

「何だ兼一俺様に用って」

「お前の事だもうこの学園の情報はあらかたとったんだろ?じゃあ松永燕っていう子の情報はあるか?」

「何だ?まだ会ってなかったのか、あんな有名人なのによ」

「そうなのか?」

「まあ、お前が興味無さそうなことだからな、松永燕名前のとおり松永久秀の子孫、川神武道四天王候補でもあり京都では納豆小町のアダ名でテレビやラジオにも出ている、しかも歌も出してるな曲名はI Love ネバーライフ、家族は父と母そして彼女の三人家族、だが現在母は別居中、理由は父が家名を上げるために金を株で儲けようとし逆に大損してしまい、夫に嫌気がさしたため、そして娘は父親の武器の発明で家名が上がれば母が帰ってくると信じている、とまあ今わかるのはこんな感じだな」

「相変わらずストーカーとも思える情報収集能力だな、怖くなってきたぞ」

「教えてもらってその言いぐさかよまあいい、で何で彼女の情報が欲しかったんだ?」

 

兼一は屋上で燕と会った時の事を新島に詳しく話した。

 

「なるほどな、まあいいじゃないか手伝ってくれるなら別に、それにお前の川神の武術家を強くしたいって目的にも繋がるし」

「うん、まあそうなんだけどさ、ところで松永さんのお父さんが開発してる武器ってのは?」

「それに関しては平蜘蛛という名前しか分かってない」

「平蜘蛛って確か」

「松永久秀が愛したとされる茶器だな、だがそれを武器の名前につけるとは洒落たネーミングセンスとも言える、ただ気を付けろよ」

「何が?」

「松永燕は家名を上げるためなら何でもするって噂だ、お前も利用するつもりだろうからな」

「別にそれは良いんだけどさ、慣れてるから」

「全くお人好しめ、川神百代が力で攻める動のタイプの武術家なら松永は知略で攻める静のタイプの武術家だ、経験から松永のような奴の方が手強い」

「ああ、分かってるよ、さてそろそろ一子ちゃんの修行の時間だ、じゃあありがとうな新島」

「フッ、ああ行ってこい」

 

兼一は教室に待たせている一子を迎えに行くために走って教室に向かった。




ついに燕を出せました難しいキャラですよね、それとゴールデンウィークの投稿ですが、なにぶん休む暇も無い状況なので、出来たら金曜にしたいと思っています、それではまた十九話でお会いしましょう、感想、評価お待ちしています。
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