真剣で達人に恋しなさい   作:双龍

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どーも双龍です、他の小説にかかりきりになってこちらを疎かにしてしまい申し訳ありません、これからは両立出きるように頑張りたいと思います、それでは二十話をお楽しみ下さい。


20話

兼一と一子の修行が終わった次の日の朝、兼一は親不孝通りにある板垣家を訪れていた。

 

「すいませーん・・・あれ?居ないのかな?、すいませーん!!」

「うるせぇな、誰だよこんなに朝早くから!」

 

兼一が声をかけると引き戸の奥から言葉遣いの悪い女の子の声が聞こえてきた。そしてビシャっと勢いよく扉が開き中からツインテールの赤い髪をした女の子が出てきた。

 

「うるせぇんだよ、眠れねぇだろうが!!」

「あ、あの~、ここ板垣さんのお家で良いんですよね?」

「あ、お前は確か武神を倒した奴じゃん」

「は、はい白浜兼一です、今日は亜巳さんに用があって」

「亜巳姉に?」

「ど~したの~天ちゃ~ん?」

「あ、辰姉」

 

赤髪の女の子と押し問答していると、さらに家の中から背の高い青い髪をした女の子がゆらりと出てきた。

 

「あ、どうも(この子凄い気だ、実力を隠してるみたいだけど、完全には隠せてないな)

「だ~れ?」

「辰姉忘れたのかよ、ほら武神を倒した奴だよ」

「そうだっけ?」

「白浜兼一です板垣亜巳さんを訪ねてきました」

「あ、そうなんだ~、私は次女の板垣辰子。亜巳ちゃんなら中だからどうぞ入って~」

「簡単に入れて良いのかよ辰姉!」

「この人は信じても大丈夫だと思うな~」

 

辰子はそう言い残すと家の中に入っていった。そして少しの沈黙の後ツインテールの女の子が呟いた。

 

「まあ辰姉が良いなら良いか。亜巳姉の知り合いみたいだし。アタシは三女の板垣天使だ」

「お邪魔します。それにしても天使か良い名前だね」

「///うるせぇ早く入れ!!」

 

兼一に名前を誉められ、顔を真っ赤にした天使は照れるのを隠すために兼一を怒鳴り付けた。中に入ると居間では亜巳が部屋着で朝御飯を食べていた。

 

「ん?なんだいあんた、何か用かい?」

「あ、いやその」

 

兼一は亜巳に巻かれた包帯に目を向けた。すると亜巳は兼一が何で来たのか分かり、残りの朝御飯を急いで食べて立ち上がった。

 

「まあここじゃなんだね。あたしの部屋においで」

「は、はい」

「あの怪我の方はどうですか?」

「流石に武神の全力の攻撃だからね、まだかなり痛むよ。それと安心しなこの傷は天や辰には修行で怪我したことにしてるからさ」

「そうですか・・・あのこれから僕に付き合ってもらえませんか?」

「デートのお誘いかい?」

「ち、違いますよ」

「冗談だよ。で何処に行くんだい?」

「僕の師匠のところです」

「師匠から聞いたよ。確か六人も師匠がいるんだってね」

「ええ、その一人に針治療の名医が居るんです。師匠の治療を受けてみませんか?、多分普通に治すよりも早く治ると思いますよ」

 

亜巳は少し考えるとニヤリと不適な笑みを浮かべた。

 

「そうだね。アタシもこの怪我は早く治してあの人と戦いたいし、その為なら何でもするさ」

「じゃあ」

「ああ頼むとするよ。でもあんた学校は良いのかい?」

「今日は鉄心さんに事情を話して休ませてもらいましたから」

「そうかい、それは悪い事したね」

「いえ、じゃあ行きましょう」

 

兼一は亜巳をつれて松江市内の梁山泊の近くにある馬鍼灸院に連れてきた。

 

「ここです」

「随分とボロい所だねぇ、まあうちも人の事は言えないけどね」

「でも腕は一流ですから、すいません!馬師父いますか!」

「何ね、大きな声だして」

「どうも師父」

「おお兼ちゃん、どうしたね何か問題あったかね?」

「実は師父に治療してほしい人が居るんですけど」

 

兼一は外に待たせていた亜巳を中に招き入れると剣星の目の色が変わった。

 

「うひょょょ、お姉ちゃんどこのお店の人ね!美人だね!」

「ちょなんだいこいつは!?」

 

剣星は何処からかカメラを取りだし亜巳の周りを回りながら亜巳を撮りだした。

 

「ちょ、あんたも黙って見てないで止めたらどうなんだい!?」

「師父そろそろ止めてくださいよ」

 

兼一の一言でシュタッと撮ることを止めた剣星は今度はじっくり亜巳の身体を見始めた。そしてある程度見終わるとニヤリと笑いながら亜巳に問いかけた。

 

「お嬢ちゃん、いったい誰にこれだけの打撃を受けたね?」

「包帯の上からで打撃だとわかるのかい?」

「それはおいちゃんもプロだからね、で誰にやられたね?」

「川神で武神と呼ばれてる奴さ、まあ事故だけどね」

「事故?」

「それは僕から話します」

 

兼一は川神に闇の武器組のオルタル・シンが現れた事や亜巳が怪我をした経緯、そして亜巳が早く怪我を治して要と戦いたいという話した。

 

「なるほどね経緯は分かったね。なら早く針を打つとするかね。それにしてもこれだけなら兼ちゃんが学校休まなくてもよかったね」

「女性の事で師父は信用できませんから」

「ぐす、弟子が冷たいね」

 

その後も兼一は剣星がセクハラしないように針を打つ時も立ち会うため診療室にもついていった。そして針を打ちながら剣星は亜巳に話しかけた。

 

「お嬢ちゃん、夜の商売してるね?」

「分かるのかい?」

「身体の気がかなり乱れてるね、規則正しい生活をして無い証拠ね」

「ま、兄妹を食わせてかないといけないからね」

「なるほどね、でもこれは人生の先輩からの助言ね。身体は大切にすることね」

「ありがとう、肝に銘じておくとするよ」

 

剣星は淡々と針を打っていった、そのうち亜巳は気持ち良さそうに眠ってしまった。そして針が終わると兼一と剣星は病室の外で二人でお茶を飲み始めた。

 

「しかし兼ちゃんが弟子を持つようになるとはね」

「これで僕も一流の達人の仲間入りですかね?」

「何を言ってるねまだまだね!!それにしてもあの子は相当疲れてるようね」

「ええかなり、生活もギリギリみたいですし」

「それでも身体はちゃんと鍛えてあったところを見ると、良い師を彼女は持ったようね」

「彼女の身体の方はどうですか?」

「夜の生活で乱れた気の流れも戻しておいたね。これで怪我の回復のスピードが段違いになるね」

「そこまでしてくれてありがとう」

 

兼一と剣星が声をした方を見ると亜巳が診療室から起き出していた。

 

「お嬢ちゃん起きたかね、身体の具合はどうね?」

「ビックリするぐらい痛みがないね。それに力が湧き上がってくる感じもある」

「それは何よりね」

 

亜巳は肩を回したり足踏みしたりして身体の調子を確かめた。それを見ていた剣星は大丈夫だと確信し亜巳を見て見てニッコリ笑った。

 

「それとお代は?」

「お代は要らんね。久々に若い女の子の身体が見れたそれだけでおいちゃんは満足ね♪」

 

剣星はそそくさと何処かに行こうとしたがそれを兼一は止めた。

 

「待って下さい師父、そのカメラは何を撮影したんですか?」

「・・・・診療室の風景を」

「その手は引っ掛かりませんよ?」

 

兼一はすかさず剣星の手からカメラを捕った。そして剣星は泣きながら兼一に頼み込んだ

 

「・・・・兼ちゃん見逃してほしいね。おいちゃんの唯一の楽しみなんだから」

「だめです!!、蓮華さんからも頼まれてるんですから」

「そこをなんとか頼むね。そうだ美羽の写真を・・・」

 

剣星は懐から肌の写った写真を取りだし兼一に見せようとした。

 

「もう騙されません。色んな事で師父にはその手で騙されましたからね」

「いけず言うもんじゃないね」

「別に構わないよ」

「「え?」」

 

声を出したのは二人のやり取りを見て呆れた顔をして笑っていた亜巳だった。

 

「この診療がその写真でタダになるなら安いもんさ。それに」

 

亜巳は続きを話そうとすると表情をコロッと鋭く笑った目付きに変えた。

 

「アタシのあられもない姿を撮ったんだ。次の診療も勿論便宜を図ってくれるよね?先生」

 

その豚を見るような目で剣星を睨み付ける亜巳の様は正しく女王様であった。剣星が圧されていると入り口が勢いよく開き一迅の風が吹いた。

 

「剣星、若いお嬢さんをからかうのもそのくらいにせい」

 

亜巳が自分の後ろから聞こえた声の方を見るとそこには壁に寄りかかった長老が立っていた。

 

「このじいさん、い、いつのまに!?」

「今しがたじゃよ。世直しの旅から帰ってきたんじゃ」

「どうも長老」

「おお兼ちゃん、川神はどうじゃな?」

「色んな人がいて楽しいですね、それに新島達も来ましたから」

「そうか、兼ちゃん一人に荷を追わせまいとする九鬼と鉄心の計らいじゃろう」

「ええ感謝しています」

 

亜巳は恐怖していた。あのドアが開いた一瞬で自分に気づかれる事もなく、後ろに回り込んだ長老の事を、長老もそれに気づいたのか亜巳に目を向けた。

 

「紹介が遅れたの。ワシは兼ちゃんの師匠の一人で風林寺隼人。皆からは無敵超人等と呼ばれとるわい」

「その名前は師匠から聞いたことがあるよ(確かにこのじいさんは師匠と最強の弟子二人がかりでも勝てそうにないね)」

「まあお主の師匠の実力は分からんが、兼ちゃんではまだワシには勝てんな」

(!?、心が読まれてるのかい?)

「まあ、それぐらいはできるわい」

「敵わないね。それよりそろそろ川神に戻りたいんだけど」

「じゃあ着替えて帰りましょうか」

 

亜巳は着替えるために診察室に戻った。剣星はしれっとついていこうとしたが長老に止められてしまった、そして程なくして着替えた亜巳が診察室から出てきた。すると剣星が亜巳に話しかけた。

 

「じゃあねお嬢ちゃん。さっき言ったように自分の身体は大切にすることね」

「ああ、気に留めとくよ」

 

剣星は亜巳の答えにやれやれといった表情をすると次は兼一に話しかけた。

 

「兼ちゃんも向こうで弟子の育成頑張るね」

「はい、師父も長老もお元気で」

「兼ちゃんや頑張るのじゃぞ。弟子のためにも、己のためにもな」

「はい!!」

 

そして剣星と長老は兼一たちを送り出した。そして兼一たちが見えなくなったぐらいで長老は剣星に話しかけた。

 

「闇の行動が随分早かったの」

「一応逆鬼どんが例の作戦をしに行ったね」

「そうか・・・」

 

長老は闇との決戦が近づいて来るのを感じ、兼一や川神にいる若い武術家たちの事を心配しながら剣星の言葉に静かに答えた。




今回は板垣姉妹を少しですが出してみました、それとこれからは更新が暫く不定期になると思います、ですが最後まで完結に持っていきたいと思いますので暖かい目でお待ちいただけると嬉しいです、それではまた二十一話でお会いしましょう、感想、評価お待ちしています。
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