真剣で達人に恋しなさい   作:双龍

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こんにちは双龍でございます、今回はバトルパートへの導入となりますので少し短いです、それでは二十一話をお楽しみください。


21話

兼一が学校を休んでいる中、川上学園では武田とフレイヤの二人が転入手続きをするため新島と一緒に鉄心の元を訪れていた。

 

「新島よ何人も転入手続きしなければならないワシの苦労を考えてくれ」

「仕方ないだろ、闇が来るから応援を寄越せって言ったのは他の誰でない、アンタなんだからな」

「まあ唯一の救いは要ちゃんが美人というところかの」

「止めとけよじいさん、奴は人妻なんだからな」

「ますます燃えてくるのう」

(駄目だこのジジイ)

 

鉄心の言動に新島が呆れていると誰かが学園長室の扉を叩いた、そして鉄心が入室を許可すると入ってきたのは二人の外人であった、一人は眼鏡をかけた細い男とその男の二回りはデカいと思われる筋肉ムキムキの男であった。

 

「紹介しよう、三年のAクラスの担任をしておるカラカルゲイルとFクラスの担任のカラカルゲイツ兄弟じゃ、そしてゲイルゲイツこの二人がお主らのクラスに今日から転入する、Aクラスの久賀館要ちゃんとFクラスの武田一基君じゃ」

(カラカルゲイツ、名前はアメリカにいた時に聞いたことがあるな、確か若くしてアメリカでトップクラスの経営能力を持っていて、格闘家の兄のプロデュースもしている)

(カラカルゲイル、表の世界の全米格闘家チャンピオン本物じゃな~い、一度話してみたかったから川神に来て良かったじゃな~い)

「ヨロシクオネガイシマース、クガタチサン」

「ヨロシクネ、タケダクーン」

 

一基と要は二人と握手をし自分を紹介すると予鈴がなり、一基たちはカラカル兄弟に連れられて教室に向かった、そして学長室には新島と鉄心が残っていた。

 

「やっと駒が揃ってきたと言うところか?新島よ」

「いやまだ人手は足りねぇ、闇相手だからなフルメンバーを揃えておきたいところだ」

「やれやれ、またワシの仕事が増えそうじゃのう」

「まあ、孫のためせいぜい頑張れよ」

 

新島はそう言い残すとケラケラと笑いながら部屋を出ていった。

 

そしてところ代わりフレイヤはS組の教室に案内され自己紹介をしていた。

 

「久賀館要です、皆さんより年が上でなおかつ卒業するまでの短い間ではありますがどうぞよろしく」

 

S組の生徒たちは要の礼儀正しい挨拶と美しい容姿を気に入りすぐにクラスに溶け込むことができた、そして一限の授業が終わり一人の女子が後ろから要に声をかけてきた。

 

「要ちゃん」

「ん?」

 

要が振りかえるとそこには清楚と扇子を片手に持った和服の男が立っていた。

 

「清楚か、何か用かな?」

 

要は九鬼本部に住んでいるため、すでに清楚とは面識があり友達にまでなっていた。

 

「用ってほどのことはないけど、転校したてで何か困ってることはないかなって」

「いや大丈夫だありがとう、ん?隣にいるのは?」

「京極彦一と言います」

(不思議な子だな)

「京極君は私が転校したての時によく面倒を見てくれたんです、それと言霊って言う言葉の力を使えて」

「言霊使いか珍しいな(この子からは感じた不思議な力の正体はそれか)」

「ええ、今言葉の力は失われつつありますからね、それにしても貴女の気はとても清んでいる」

「ふふ、そうかいありがとう」

「要さん何か困った事があったら私か京極君に相談してくださいね?」

「ああ、遠慮なくそうさせてもらおう」

 

要は清楚彦一と友となった、そして場所はF組に変わって一基の方も自己紹介を終えていた、最初は一基がプロボクサーとして活躍していたこともあり、生徒たちがかなり湧いていたが一基が軽くあしらい放課後にサインと握手をすることで落ち着かせた、そして最初の授業休みに入いり、百代と眼鏡をかけた女子が一基に近づいてきた。

 

「お早うございます武田さん」

(うわ~本物のプロボクサー武田一基さんだ)

「やあ百代ちゃん今日もかわいいね~」

「ええ分かっています」

「おやもう一人可愛い子がいるね、ハ~イ」

「こ、こんにちは矢場弓子って言います」

「弓子ちゃんか、よろしくね~」

「武田さ~ん♪」

 

一基が二人と話をしていると後ろから声が聞こえ一基は振り返った、そこには燕がニコニコしながら立っていた。

 

(この子は確か新島が気を付けろって言ってた、名前は確か・・・そう松永燕ちゃんだったね)

「武田さん?」

「いやー何でもないよ、ところで何か用かな燕ちゃん」

「あたしのことは知ってるみたいですねそれなら話は早い、武田さん私と戦ってもらえませんか?」

「おい燕ズルいぞ武田さんは最初私と戦う約束を」

「えー、でもモモちゃんはもう兼一さんともやったじゃん?、今度は私にやらせてよ」

 

一基は燕は何を言っても引かないと感じ、二人の会話に割って入った。

 

「百代ちゃんここは燕ちゃんに譲ってあげなよ、僕とは何時でも戦えるからさ」

「分かりました(確かに武田さんとは川神院でもやれるからな)」

「ところで燕ちゃんこれはこの学園で言うところの決闘だろう?」

「ええ、受けてもらえますか?」

「女子の誘いを断る僕じゃないじゃな~い」

 

二人は昼休み決闘をすることとなった、そして時は足早に過ぎていき昼休み二人は校庭に立っていた、そして周りには二人の対決を見ようと同じクラスの百代や弓子S組からは要や清楚、二年のS組からは義経たちや新島やジーク、そして風間ファミリーなども見物していた。

 

「うわ~凄いギャラリー」

「臆したかい?このぐらいの方が僕は燃えてくるけどね~」

「いえ、私もアイドルとかやってますからこの方が燃えますよ」

 

そして二人の真ん中にこの決闘の見届け人でもある鉄心が立ち武器を収納してある布を広げた。

 

「武器はこの中から使うように、それと武田君には学園で用意したグローブをはめてもらうぞい」

 

鉄心が渡したグローブには普通のグローブより相手に与える衝撃を緩和するような作りがされていた。

 

(まあ、これぐらいのハンデ当然だね)

 

「私は状況に応じて武器を使うんでそこに置いといてもらっていいですか?」

 

「へーえ、そんなに武器を使うのか~い?」

「ダメですか?」

「構わないよ、僕も存分に楽しませてもらおうじゃな~い」

 

そう言うと一基はボクシングのステップを踏み、燕は鋭い目と不適な笑みを浮かべながら一基を見つめた。




次回は武田対燕の勝負を書きます、燕の本当の武器をこんなところで出すわけにはいかないので書くのにはかなり苦労しそうだと思っています、それではまた二十二話でお会いしましょう、感想評価お待ちしています。

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