勝敗が付いたことを告げるアナウンスが流れ、ブレイドはバックルのレバーを引き、カードを抜く。オリハルコンエレメントがブレイドを通過して、朔月に戻るとブルースペイダーに跨り、退場用に作ってもらった出口から出て行く。
ピットに戻ると、駆け寄って来た簪にGeminiのカードを返した。
「ありがとう、助かったよ。」
「ううん。よかった、勝てて。」
そう言って、そっと体を預ける簪に対して朔月は……
(なぁ〜んですかぁ〜、この小動物みたいな可愛らしさと癒し成分を兼ね備えた生き物はぁ〜。)
と、やや北の都のカシラのような思考に陥って居たのは、本人と皆さんだけの秘密という事で。
「んっん!……一夏、1ついいか?」
「あわわ、な、何?千冬姉。」
慌てて離れる2人に対して姉は……
(別にそのままでもよかったんだがな、驚かせてしまったか。)
「何故、飛行しなかった?」
「……これ、PIC付いてないから、飛ぶのにAP消費したら不利になるから。」
「その割には分身はするのだな。」
「アレはラウザーも増えるからね。二刀流で手数を多くできる。」
「……そうか。まぁ、今後とも精進しろ。」
おめでとう。この一言を言わないのはこの結果に満足させないためか、単に弟の勝利に賛辞を送ることが照れ臭いのはわからないが、朔月は姉らしいと考えるのだった。
「さて、行くか。」
「どこに行くの?」
「オルコットのところだ。彼女、俺……変身した後の俺を見た途端に顔色が変わったからな。」
「気になるんだ。」
「まぁな。仮面ライダーに対しての恨みの可能性も高い。好きなものが恨まれるのは好ましくないからさ。」
「なら、私も行く。」
「あぁ、頼むよ。」
2人はオルコットの元へ向かうのだった。
その道中………
「一夏ぁぁぁ!さっきの戦いはなんだ!」
「なんだってなんだよ。」
篠ノ之箒が突如現れ、先ほどの戦いを良く思ってないようだ。
「あんな邪道な戦いをしおって!篠ノ之流はどうした?」
「ブレイドは……剣崎さんは篠ノ之流なんてやってないからな。」
「な、なんだと。け、剣崎さん?だ、誰だそいつは!」
「そいつとは失礼な!」「うんうん。」
剣崎への失礼な態度に少し苛立ち覚えた。そして、失礼と言った朔月の意見に賛成するように相槌を入れる簪。
「で、誰なのだ!」
「椿隆〇さん演じる仮面ライダーブレイド/剣崎一真!職業仮面ライダーの彼は、安月給・振り込まれない給料・封印を解かれた不死の生命体『アンデッド』と命をかけて戦う!」
「それは番組ではないか!そんな子供騙しにうつつを抜かしおって!その曲った根性叩きなおしてくれるわ!」
「………朔月、先に行って。」
「簪?」
「この人の相手は私がする。」
「あ、あぁ。頼んだ。」
こうして、2人は別行動を取ることとなった。しかし、その思いは同じであるのだった。
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