簪と別れ、反対のピットに着いた朔月。
「はぁ…はぁ…はぁ…。よかった、まだここに居た。」
「な、なんでずの?いっだい…。」
負けた事への悔しさなのか、涙ぐむオルコット。
「……オルコットさんは、仮面ライダーが憎い、そうでしょ?」
「ッ!……やっぱり、表に出してしまいましたのね。」
「どうして?どうして仮面ライダーを憎むの?」
「……私の父は母に常にペコペコするような人でした。それを見ていると、男は情けない生き物だと、子供ながらに思っておりました。でも、そんな2人でも、1つ共通の趣味がありましたわ。それが…「仮面ライダー……でも、だったらなんで?」両親は、ライダーに殺されたも同然!」
「ライダーに殺された?」
「10年ほど前でしょうか?Foreverを観に行くとかなんとか言って、そのまま飛行機事故で……。」
「………。」
「もし、仮面ライダーなんてものがなければ!お父様やお母様は死なずに済んだ!だから私は、女権の男尊女卑特撮撲滅運動?に署名しました。」
「そ、そっか。でもそれって、ご両親の好きなものを、次世代に繋げずに消したって事でしょ?」
と、口ではマイルドに言ったが、朔月の内心(お前も元凶の1人かぁぁぁっ!)と叫んで居た……叫ばざる得なかった、心の中で。
「……っていうか、それってライダーじゃなくて、飛行機扱ってる会社の方を恨むんじゃないの?」
「………確かに、そう……ですわね。」
どうやら、オルコットの頭には“仮面ライダーを観に行って亡くなった”そう固定されて居て、亡くなったの前に来るはずの【飛行機事故で】が消えて居たようだ。
「……今、冷静に考えてみれば、仮面ライダーに当たるのはお門違い……と、言うことなんでしょうか?」
「……そう、ではないのでしょうか?」
雰囲気が
「………申し訳ありませんでしたわぁ!!!」
突如大声で謝罪された朔月は、割と驚いた。
「勝手な思い込みで、アニメや特撮を低俗なものと……、見てすらないものをイメージで批判してしまいましたわ。」
素直に謝られ、これも割と驚いた。もっと高飛車で自分の非を認めないと思って居たからだ。
「いや、こっちこそ。オルコットさんに勝手なイメージを持って居たみたいだ。申し訳ない。」
「……許していただけますの?」
「あぁ、もちろん。改めて、相崎 朔月だ。よろしく。」
「セシリア・オルコットですわ。こちらこそ、よろしくお願いします。」
オルコットと無事に和解できましたとさ。めでたし、めでたし。
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