一夏は病みに病んでる千冬の元へ行ったので、ラボに主の束と連れてこられた簪が残った。
「さてさて、色々説明しないとね〜。改めて、篠ノ之束さんだよ〜。」
「さ、更識簪……です。」
「更識簪かぁ〜。なら、かんちゃんだね。」
「それ……。」
「ん?」
「私の、……友達と同じ、呼び方。」
「そっか〜。なら、カッちゃん。」
「野球漫画っぽいけど、まぁ。」
「よし、じゃあカッちゃん!」
「は、はい!」
「とりあえず、そこ座って。」
束が指差した椅子に簪はチョコンと座る。
「とりあえず剣付けるね〜。」
モニターには仮面ライダー剣 第1話が流れ始めた。
簪の目がキラキラと輝く。
(この娘……。)
「ねぇ、カッちゃん。……ヒーローになってみたくない?」
「え?」
束はバックルとカードを見せた。
「これって……。」
「御察しの通り、ギャレンバックルとダイヤスートのカテゴリーA。」
「アンデッドってTVの中の…。」
「うん。実際に封印されてるわけじゃないよ。まぁ、ギャレンバックルを使うための鍵……みたいなものだよ。」
「それ、本当に変身できるんですか?」
「うん、いっくんみたいにね。」
「………でも、どうして?」
「いっくんには口止めって言われてたんだけどね〜、ブレイドは超近接型だからサポート……中・遠距離があった方がいいって束さんは思うんだ〜。だから…ね?」
「そんな大事なこと、なんで、初対面の私、なんかに?」
「束さんがブレイドかけ始めた瞬間、カッちゃんの目がキラキラした。……女尊男卑になって、女性差別って言って特撮が潰されたこの世の中で、そんな反応を示してくれる娘が悪い娘とは思えないからね〜。」
「わ、私は、ただ、好きな事は好きって、ちゃんと、……理解してほしいわけじゃ、なくて……。」
「うん。わからくてもいい。でも、バカにはされたくないよね?」
「……はい!」
「いっくんにはね、もう一つお願いしてることがあるんだ。ISのコアを回収してほしいってね。あの子たちを、
「ISを宇宙に、元に戻す。
………わ、私も……元に戻してあげたい。ISもこの世界も……と、特撮も。」
「なら、決まりだね。今からカッちゃんが、仮面ライダーギャレンだ。」
束はギャレンバックルとダイヤスートAのカードを差し出す。
「はい!」
自身に差し出されたものを受け取る。
「よーし、じゃあ早速特訓と行こうか〜。精密射撃に動体視力、格闘訓練とやる事はいっぱいあるからね〜。」
メニューを聞いて若干後悔した簪だった。
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