生まれたらミリムの親友になれた件   作:骨人

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どうやらもう一仕事しなければなりません

「う、ううん…」

 

意識を無くした私が次に目を覚ましたのは石で作られた人工物の中でした。

 

「ここは…」

 

「起きたのか!」

 

「うわっ!?」

 

すると私のちょうど真上からミリムさんが顔を覗かせました。私はびっくりして顔を上げてしまい、ミリムさんの額と私の額がぶつかってしまいました。

 

「い、痛いのだぁ…」

 

額を抑え、涙を流しながら蹲るミリムさん。

 

「すいません」

 

私は謝罪しました。元々は私が起き上がったからですし。

 

「うむ、特別に許してやるのだ!」

 

「ありがとうございます」

 

すると奥から紅い髪の青年と小さな少女が出てきました。

 

「お、治ってるんだな」

 

「良かったぁぁ…あの薬草が効いたのね」

 

そう言う二人に疑問を持ち、私は自分を改めて観察しました。

至る所に布が巻かれており、私は身動きが取りづらい理由はこれか、と気づき外そうとしましたが

 

「ダメダメ!?今取ったら傷口が開くわ…よ?」

 

「……お前、何者だ?だった一晩で傷が治りやがった」

 

彼らが言う通り、私の体には傷が一切無く、元のままでした。折れた腕や足も問題無く動いており、私は治りの遅さ(・・・・・)に驚きました。それほど私は重症のようでした。

 

「お前が助けてくれたとギィから聞いたぞ!ありがとうなのだ!」

 

「あ、いえ、私も友達である動物達の死を目の当たりにしてますから…怒る気持ちも分かります」

 

「そうなのか?」

 

「ええ、……そう言えばお二人の名前を聞いてませんでしたね」

 

「ギィだ。ギィ・クリムゾン」

 

「ラミリスよ!」

 

「ギィさんにラミリスさんですね。私の怪我を治してくれてありがとうございます」

 

そう言って私はギィさんとラミリスさんに頭を下げました。

 

「礼はいい、それよりお前に興味がある」

 

「そうね」

 

「私に……ですか?」

 

二人はどうやら私に興味があるようです。

 

「まず…お前、名はあるか?」

 

「名前ですか…?ありませんけど」

 

「えぇ!?名前無いのにあの強さ!?」

 

名前が無い事に驚くラミリスさん。そんなに驚くことでしょうか?

 

「お前、『たかだか名前だろ?』って思ってるな?じゃあ聞くがお前が居たという森に名前を持った者は居たか?」

 

「ええっと、私が名付けたキラーラビットのキュイとブラックベアのグランなら居ますが…?」

そう言うと呆れたような表情をするギィさん

 

「お前、名前付けた時に何か無かったか?」

 

「……そう言えば、少し体が重かったですね」

 

「……」

 

「……」

 

「ん?どうかしたのか?」

 

黙る二人とそんな二人を見て首をかしげるミリムさん。そんなに重要なの事でしょうか?

 

「…名付けはな、いわば自分の力の一部を譲渡する事だ。お前はそれを平然とやったんだぞ?」

 

「はぁ…?それと私の名前が無いことに関係があるんですか?」

 

「それじゃあ聞くけど、そのキュイとグランに何か変化はなかった?」

 

ラミリスさんが私にそう問いかけます。

 

「確かにキュイは毛並みが綺麗になってスピードも増しましたね。グランは毛並みが黒から灰色に変わって重い岩の山をたった一回で運ぶようになりましたし」

 

「……逆にその不自然さに気付かないの?」

 

「ええ、『少し成長したんだな』程度に考えてました」

 

すると二人はため息をつきました。しかし聞かれた通りなら……

 

「あれ…?つまりミリムさんもギィさんもラミリスさんも強いって事ですね」

 

そう言う私に『やっと話が飲み込めたか』とホッとするギィさんとラミリスさん

 

「つまり、お前は名前が無い状態でミリムの攻撃に耐え、宥めたんだぞ?そんな異質なヤツなんだ。俺たちが興味を持つのは普通だろ?」

 

「そうよ、それに名前が無いのにその強さ…普通じゃないわ」

 

「そうなのだ!あの時の私を止めたお前は凄いのだ!」

 

「そうなんでしょうか?」

 

「そうだろ、俺ですら止まらなかったんだぞ?」

 

「そうよ、私達が苦戦したのにあんなにあっさり止めてくれちゃって……まぁ、被害が増えなくて良かったけど」

 

「ええっと、もう怪我も治ってますし、いつまでもここに居ても邪魔になりますからそろそろここを出たいのですが」

 

と三人に申し出ると

 

「それはダメなのだ!」

 

なぜかミリムさんに止められました。

 

「何故ですか?」

 

「今出てはダメなのだ!私のペットのガイアが暴れているのだ!」

 

「ペットって亡くなってしまったミリムさんの?」

 

「そうなのだ!死んだと思ったら蘇ったのだ!でも私以外に攻撃するのだ!だから今外に出たら危険なのだ!」

 

そうまくし立てるミリムさん、必死そうにそう言う姿に私は

 

「分かりました、ミリムさんのペットを宥めてき……」

 

「「「ダメに決まってる(だろ!・でしょ!?・のだ!)」」」

 

三人が息ぴったりでそう言いました。

 

「ですが止めないといけないのでしょう?」

 

「そうなのだ……ワタシはガイアを傷付けたくないのだ…」

 

「なら傷付けずに正気に戻す方法があります」

 

そう言う私にギィさんが言いました

 

「本当か?いくらお前でもアレは止められないぞ?」

 

「大丈夫です。少し外に出ます。必要な物がありますから」

 

「え、ちょっと!?」

 

私は外に出て木を探しました。

 

「良かった、ここに生えてましたか…」

私はその木の葉っぱを二、三枚千切りました。

 

「……そんな葉っぱで宥めるって言うのか?」

 

「無理よ、そんなのじゃ…」

 

「大丈夫です、ガイアさんの所へ連れてって下さい」

 

 

 

 

 

 

 

「ガァァァ!」

 

そのドラゴン腐敗しており、空を飛びながら無作為に炎を吐き、森を燃やし、急降下して地面を砕いたりと暴れていました。そしてその衝撃で腐敗した肉や皮が落ち、辺りに腐った匂いが漂っています。

 

「それでは、鎮めます」

 

私は口に木の葉を当て、息を吹き込みました。

 

すると静かな……それでいて聞いてて心が晴れるような、そんな音色が辺りへ響く。

 

「これは…」

 

「いい音色ね…」

 

「癒されるのだ…」

 

すると暴れていたガイアさんは私を見つけると急降下して来ました。

 

「っ、ガイア!止まるのだ!」

 

ミリムさんの声も聞こえてないのかそのまま降りてくるガイアさん。すると私の目の前で地面に降り立つと静かに音色に耳を傾けていました。

 

「グルル…」

 

「……これは」

 

ガイアの足元から徐々に淡い光が出ていました。そこから徐々にガイアは消えて行く

 

「何故なのだ!?正気に戻すのでは無かったのか!?」

 

私に泣きながら摑みかかるミリムさん。しかしそれでも私は演奏を辞めずに吹き続けました。

 

そしてガイアさんは淡い光となって天へと登って行きました。

 

「どういう事なのだ……?」

 

ミリムさんは地の底から響くような声で私を睨みます。

 

「お前は、ワタシのペットのガイアを正気に戻すと言っていたのだ、なのにガイアは消えたのだ……嘘をついたな?」

 

「いえ、嘘ではありません」

 

「……巫山戯るな!」

 

そうキッパリと言う私に起こったのかミリムさんが殴って来ました。スレスレで避ける事も可能ですが、私は受ける事にしました。またゴロゴロと地面を転がります。

 

「お前には感謝してるのだ。……でも、それでも約束を破るやつは許さないのだ」

 

そう言ってミリムさんが脚を上げ、私の顔面を砕かんとする寸前。

 

「キュイ!」

 

パタパタと小さな白いドラゴンがこちらへと飛んできました。

 

「キュイキュイ!」

 

ミリムさんへ抗議するように鳴く白いドラゴン。

 

「……まさか、ガイアなのか?」

 

「キュア!」

 

「ガイア、ガイア…良かったのだぁぁ!」

 

そう言うとガイアを抱きしめるミリムさん。私もホッとしました。

 

「…暴走したミリムを助けて、ガイアを新しく生まれ変わらせるなんて…」

 

「へぇ…コイツは面白えじゃねぇか」

 

私とミリムさんがガイアの復活を喜んでいる中、ラミリスとギィはますます彼に対して興味を持つのでした。

 

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