生まれたらミリムの親友になれた件 作:骨人
「それでは、お世話になりました」
私はギィさんとの戦いでの疲れを癒すと再び旅へ戻る事にしました。しかし、私は一度故郷である森に戻る事にしました。少し居なかっただけとは言え、やはり寂しく思ってしまいます。
「もう行くのか?送って行くのだ!ガイアもお礼をしたいのだ!」
「キキュイ!」
ガイアさんは私の下へと潜ると一生懸命に翼をバサバサと羽ばたかせて私を運ぼうとしましたが……ほんの少ししか進めませんでした。
「キュウ…」
「ガイアはまだ幼いのだ、大きくなってファルスを乗せればいいのだ!だから今は私が運ぶのだ!」
「キュア!」
ミリムはそう言うと私を抱っこしました。……これは少々恥ずかしいですね…
「それじゃあ行ってくるのだ!」
「おう、早く帰って来いよ」
「いってらっしゃい、ミリム」
「うむ、行ってくるのだ!」
そう言うとミリムは走り始めました。風圧で私は吹き飛びそうになりましたが、ミリムがその度に飛ばされぬようにフォローしてくれるので助かりました。
「む、そう言えば場所を聞いて居なかったのだ」
「私の森はミリムが暴れた場所を真っ直ぐに行った先ですよ」
私はそう説明しました。
「うむ、それなら分かりやすいのだ!それじゃあ、飛ばすのだ!」
「うみゃぁぁぁ!?」
さっきよりも風圧が強いです…思わず涙が出て来ますが、その涙はガイアが舌で舐めとります。
そしてしばらく風に晒されると
「あそこがファルスの住んでいた森なのか?」
「ええ、そうで……っ!?」
私の住んでいた森は、破壊されていました
「ミリム、すいません。下ろしてください。彼らが心配です」
「分かったのだ。でも、ワタシも行くのだ」
「……ありがとうございます」
私は急いで森へ入りました。至る所に動物達の死骸が転がっていました。焦げていたり、肉が抉られていたり、首を切り落とされたりと無残な姿でした。木々も戦闘によって折れていました
「まさか……そんな…」
私は急いでこの森の奥……私が目覚めた場所へ向かいました。
そこには
「キュイ……グラン……そんな…」
おそらく動物達を護ろうとしたのでしょう。キュイには至る所に斬られた後や火傷があり、傷口から内臓が見えており、そのまま力無く横たわっていました。グランは子供達を守ろうとしたのかその背中には深い傷があり、黒かった毛並みは赤黒くなっていました。
……二匹ともこと切れていました。しかし
「グワァゥ…』
「キュゥゥ…」
「ピー…」
「っ、良かった。生きていましたか…」
小さな子供達は無事でした。おそらく森のみんなが必死に守り抜いたのでしょう。
「ミリム、この子達を安全な場所に……」
「分かったのだ!ファルスはどうするのだ?」
「……私はしばらくここに居ます」
「……分かったのだ」
私はミリムとガイアに子供達の避難を任せると森のあちこちに横たわっている動物達を集めました。
「……っ、なんで……こんな事に……」
余りにも、余りにもひどい…誰が…誰がいったいこんな事を……
「あぁ?おい、珍しいのがいるぜ」
「マジか獣人じゃねぇか!?高く売れるぜ!これはよぉ!」
「……何ですか、貴方達は」
人間でした。彼らは各々武器を持ち、私ににじり寄って来ます。
「ヘッヘッヘッ、抵抗するなよ?」
まるで値踏みするかのような不快な顔を私に向ける男
「……貴方達はこの動物達について、何か知っていますか」
「あぁ?その獣か?近くの国の王様の命令でな、この森を平らにして畑を作る事になったんだよ。そしたらこの獣どもが邪魔するからよぉ?殺してやったぜ?」
その言葉を聞いた私は、奥底から沸々と湧き上がる感情が抑えきれませんでした。
「……お前らのせいで…」
「あ?なんだって?」
「お前らのせいで……!」
「ちっ、あくまでも抵抗するってか、お前ら!傷を付けるなよ!大事なしょ…」
しかし男の言葉はそこで途切れた。何故なら首を切られたのだから
ドチャリ…と肉が落ちる音がする。
「なっ!?」
「……せめて、この子達が安らかに眠れるように……貴方達を……殺します……!」
《