お漢(かん)転生   作:ガイル01

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お待たせしました、出来ましたのでどうぞ!
今年中に出来てよかった!

この作品は、独自解釈、ネタばれ、原作改変、ブレイクなどがあります。
注意してください。




第11話

 

「荒垣君、大丈夫ですか?」

「荒垣君、言いたいことがあるけど後にするわ。お望み通り連れてきたわよ。」

 

 姫島はともかく、グレモリーは明らかに機嫌が悪そうだな。

 まぁ…そっとしておくか。

 

「俺は問題ねえ。ほらよ。」

 

 俺はカラワーナを他の堕天使のところに持っていく。

 

「「カラワーナ!!」」

「死んじゃあいねぇよ。」

 

 ミッテルトはカラワーナの様子を確かめに行く。

 

「…なぜ助けた。普通ならあの場で消滅させられているはずだが。」

 

 ドーナシークがいぶかしげに尋ねてくる。

 

「助けたわけじゃねぇ。目的を聞かせろ。」

「誰があんたたちなんかに!!」

 

 カラワーナを抱きしめながら、ミッテルトが叫ぶ。

 

「やめろ、ミッテルト。」

「でも!!」

「やめるんだ。」

「う…。」

 

 ドーナシークに言われ、ミッテルトは黙り込む。

 

「我らの目的を知ってどうする。」

「それ次第だ。」

「ちょっと荒垣君何を言っているの。私の領地で好き勝手やった彼らを許すわけにはいかないわ。」

「時間がねぇんだ、ちょっと黙ってろ。」

「なっ!!貴方…」

 

 ガッシャアアアアアン!!

 

 チッ、教会の壁が吹き飛びやがった。

 

 どっちだ?

 

「グレモリー。話は後だ。そいつら連れて向こうと合流すんぞ。姫島、そいつら運ぶぞ。」

「はい。」

 

 俺は近くにいたドーナシークを持ち上げる。

 姫島はカラワーナとミッテルトを水のロープで縛る。

 

「いくぞ。」

 

 俺と姫島は走り始める。

 

「う~、後で色々話しをさせてもらうからね!」

 

 グレモリーのやつもついてくるが、なんか、ガキっぽくなってねえかグレモリーのやつ。

 

 あと

 

「痛い、痛い。ちょっと引きずらないでよ!!」

「あらあら。」

 

 姫島のやつ、ミッテルトとカラワーナのことを引きずってやがる。

 実際はカラワーナを庇ってるミッテルトだけが地面と擦れてるわけだがハメられたのが悔しかったのか、純粋に姫島の趣味か…涙目になってやがるな。

 

 

 

 俺たちは教会の裏手に着く。

 

「こいつは…」

 

 教会の内側から吹き飛ばされてやがるな。

 ってことはやっぱり戦闘の余波か。

 

 中を覗くと、兵藤たちがいた。

 

 無事そうだな。

 

「無事に勝ったようね。」

 

 まず、グレモリーが声をかける。

 兵藤がそれに気づく。

 

「ぶ、部長…。なんとか勝ちました。」

 

 兵藤のヤツがやったのか。

 この間まで人間だったヤツがこの何日かでこれだけの力を得るか…

 

 ん、瓦礫で何かが動いたか?

 

 武器を構え、瓦礫に近づく。

 

「う…。」

 

 瓦礫の中には堕天使が埋まっていた。

 

「フッ!」

 

 ガラガラッ

 

 俺は瓦礫の中からそいつを引きずり出す。

 

「「「レイナーレ様!!」」」

 

 こいつが親玉で間違いなさそうだな。

 グレモリーたちのところまで持っていく。

 

「あら、荒垣君ありがとう。じゃあ起きてもらおうかしら、朱乃。」

「はい。」

 

 バシャッ!

 

 姫島が返事をすると宙に水が集まり、そのまま堕天使―レイナーレの上に落とす。

 

「ゲホッゲホッ!!」

「目が覚めたかしら、堕天使レイナーレ」

「グレモリー…」

「はじめまして、リアス・グレモリー。グレモリー家の時期当主よ。短い間でしょうけどお見知りおきを。」

 

 笑顔のグレモリーとそれを睨み付けるレイナーレ。

 

「他の者達はどうした。(彼女がここにいるてことは皆は…)」

「そこにいるわ。」

「…殺していない?(えっ、皆生きてる!?)」

「私はその場で殺すつもりだったけど、私と契約した者が用があるからと言うから仕方なくね。」

 

 俺は前に出る。

 

「お前らの目的はなんだ。」

「なぜそれを聞く?(この人は…兵藤君とのデ、デートの時に会った人、魔力があるとは思ったけどやっぱりグレモリー関係者なんだ。)」

「質問してんのは俺だ。カラワーナのヤツとは戦闘の際に少し話したが、わざわざ悪魔の治める地で理由なしに暴れるほど馬鹿じゃねぇ。」

「…(どうしよう。悪魔に私たちの理由を言ったところで理解されないと思うし、かといってこのままじゃあ…うう、胃が痛い。)」

「答えねぇってんなら容赦はしねえ。」

 

 俺は武器を構える。

 

「力のためよ。(私は皆のリーダー。今回の事だって私に責任がある。)」

「なに?」

「彼女の力が欲しかったのよ。(でも責任を取るのは私だけでいい。他の同胞のためにも皆は絶対に助ける。その為に私が出来るのは…)」

 

 レイナーレは教会の椅子に横たわるアルジェントを指す。

 

「彼女の持つ癒しの力は貴重だわ。その神器があれば、アザゼル様とシェムハザ様の寵愛を得ることが出来るわ!!(カラワーナと目が合ったけどこっちの意図は理解してくれたかな?皆ボロボロだ、ごめんね。)」

「愛のためって言うのは嫌いじゃないけど、今の貴方は美しくないわ。」

 

 今まで静観していたグレモリーが隣りに並ぶ。

 

「荒垣君、もう良いでしょう。所詮この程度のものなのよ。堕天使というのは。消えてもらうわ。」

「くっ。(まだ足りない。二人の目はこちらに引き付けられたけど、他の眷属の注意を退き付けきれていない。このままじゃ!!)」

 

 グレモリーは手をかざし、魔力を集める。

 これでいいのか?

 アイツラの目的はそんなんなのか?

 でもどうやって聞きだしゃあいい。

 どうする?

 

「俺様華麗に参上ッ!!」

 

 この状況で伏兵か!?

 

「フリード!!私を助けなさい!!(いまさらなぜここにフリードが?いや、この男の性格なら…)」

 

 俺だけでなく、木場や小猫、姫島もヤツに対して警戒する。

 

「おっと~大・大・大・大ピンチってヤツですね。上司のピンチに颯爽と駆けつける俺様かっくい~あ、大が4つで4大(よんだ)かい?なんて意図せず発した言葉が洒落になるなんてすごくない?」

「ふざけたことを言ってないで私を助けなさい!!褒美は何でもあげるわ!!(やはり、戦意が全くない。この場で戦う気はなさそうね。だとするならば利用させてもらうわ。)」

「じゃあじゃあ、ハイヒールを履いて踏んずけてもらうとかピ~なこともありですか!?てか、助けるのは貴方だけでいいんですかい?」

「その手の交渉は後よ、いいから私を助けなさい。他のものはもう手遅れだわ。(かかった。と言うより何よ、ハイヒールって~この格好だってマニュアルにあるからやってるのに~思い出したら恥ずかしくなってきた!う~恥ずかしいし胃が痛いよ。)」

「お~う、流石堕天使様。俺様に出来ない事をあっさりやってのけるッ!!そこに痺れる踏んでほしいッ!!でも~却下です。」

「何を言っているの貴方!貴方は神父、私に仕えるべき存在でしょう!?(やはりか、でもこれでいい。他の人たちの目は引き付けられた。)」

「う~ん、クソ悪魔君に負ける上司はお断りですぅ。というわけで、俺は貴方より強い堕天使に会いに行く!!ってね。バイチャ!」

 

 ヤツはそれだけ言うとレイナーレから視線をはずし、こちらを見る。

 

「おっとっと、忘れるトコでしたぁ。イッセーくん、キミってばとっても面白い力を持ってるんだね、ぜひとも俺様が殺したいのでそれまで死なないでねッ☆あと、ニット帽の彼も同じく~二人とも俺様特製『くさったミカン帳』に名前を載せとくからさ!!」

 

 ブンッ

 

 俺は近くに合った岩を投げつける。

 

「おぉ、怖い怖い。でもそんな問答無用ってとこは好きよ!じゃっあね~。」

 

 ヒュン

 

 ヤツは姿を消す。

 ちっ、面倒なのに目ぇ付けられた。

ヤツとはどっかでケリをつけねぇといけねぇな。

 

「さて、下僕にも捨てられた哀れなレイナーレ。さようならの時間ね。」

「クッ。(フリードが消えたことで、彼と私に向いていた注意が私だけに向き、皆からはほぼ外れている。後一押し。先に謝っておくね。ごめんなさい、兵藤くん。でも許してとは言わない、思いっきり恨んでくれていい。今度は良い恋してね、女の子を嫌いにならないでね。)」

 

 フリードに捨てられたレイナーレは兵藤の方を向く。

 

「イッセーくん!私を助けて!(あぁ、この胃の痛みもこれで最後か。)」

 

 いまさら、兵藤に命乞いだと?

 逆効果に決まってんじゃねえか、なに考えてやがる。

 

「悪魔が私を殺そうとしてるの!貴方のことが大好きよ、愛してるわ!だから、一緒に悪魔を倒しましょう!(天使から堕ちちゃったけど楽しい生涯だったかな。あ、アーシアさんもごめんなさい。あんなに私たちに尽くしてくれたのに。来世では幸せになって。皆も逃げられるといいなぁ。真剣に恋っていうのもしてみたかったかな。ああ、もう時間だ。)」

 

 レイナーレは兵藤の方へ擦り寄る。

 

 地雷どころじゃねぇぞ、このままだと兵藤に殺られんぞ。

 あんなんで助かると思ってんのか。

 いや、本当に助かりてえのか?

 なら俺との交渉に乗った方がまだ助かる目はあったはずだ、それにあんな真似しなくても他に方法だってあるはずだ。

 

 なのになぜ?

 フリードのような伏兵もいねえ、なのに自分に意識や殺意を集めてどうする?

 

 自分?

 

 ッ、そうか!

 

「じゃあな。」

 

 木場や塔城、姫島は!?

 

 だめか!!

 

「部長、もう限界っス……。頼みます……。」

 

 アンッ!?

 ちょっと待て、あいつ今なに言いやがった!!

 

「…私のかわいい下僕に言い寄るな。消し飛べ。」

 

 クソッ!!

 一か八かだ!!

 

 ドンッ!

 

「死んでねぇぞッ!!」

「「「なっ!?」」」

「木場ァ!!」

 

 俺はグレモリーの手を掴みながら叫ぶ。

 

「はいっ!!」

「きゃあああああ!」

 

 木場が飛び立とうとした堕天使を叩き落す。

 あぶねえ、こいつの行動は仲間を逃がすためか。

 グレモリーの行動を止めて一瞬迷わせることで木場にやらせる隙を作れたからなんとかなったが…それより。

 

「荒垣君なにをするのかしらって…なるほど、敵が逃げようとしていたのね。浅ましいわね、でもこれでおしまい。」

「!!(あれだけやっても、ダメだったの!?皆ごめんなさいッ!!)」

 

 ドンッ

 

「ッ!(あれ?私生きてる?)」

「荒垣君!?ッ…痛いじゃない!!」

 

 俺は再びグレモリーの手を掴むが振りほどかれる。

 

「今度はなに!?」

 

 手を押さえながらグレモリーはこちらを睨んでくる。

 力加減を間違えたか…そんなんは今はどうでもいい。

 

 俺は兵藤の元へと行く。

 

「おい。」

「は、はい。なんでしょう、荒垣先輩?」

「歯ァ食いしばれ。」

「え?」

 

 ドンッ!!

 

「ガハァッ!!」

「「「「イッセー・イッセー君・兵藤先輩!?」」」」

 

 俺は兵藤に頭突きをかました。

 

「な、なにをするの!?」

「黙ってろ!!」

「ッ!」

 

 詰め寄ってくるグレモリーを黙らせる。

 

「立て。」

 

 倒れている兵藤に言う。

 

「グッ。」

 

 兵藤が何とか立ち上がる。

 

「テメェは今何しやがった。」

「え?」

「今何をしたかと聞いてんだ。」

「れ、レイナーレを倒そうかと…」

「倒すじゃねえだろ、殺すだろ。」

「ッ…はい。」

「テメェには殺るだけの理由はあるだろう。嵌められて、一度は殺され、ダチも奪われて…殺された。」

 

 一瞬さっきから全く動かないアルジェントを見る。

 

「それだけで復讐したくなるのはわかるしそれを止める気はねぇ。」

「なら…」

「覚悟があんならな。」

「覚悟…」

「この間お前と契約に行ったとき話したこと覚えてっか?」

「はい、力を管理することと責任を持つことですよね。」

「あともう一つはなんだ。」

「えっと、周りに流されないことです。」

「そうだ。お前は今何をした。お前は悪魔になった。悪魔の敵だから、憎いから殺すのか?人間だったとき、コイツがお前を殺そうとしたり、ダチを殺してたらお前はコイツを殺てたか?」

「ッ!」

「周りが皆悪魔で敵を殺すのが当然って考えてようが、お前はお前だ。周りに流されてんじゃねえ!!」

 

 兵藤が俯く。

 

「荒垣君。あれは私がやろうとしたことで…」

「それだ。」

「「え?」」

「兵藤、テメェが周りに流されてどうにか何ならそれはテメェの責任だ。テメェでどうにかしろ。でもな、俺が頭にキテんのはそれだけじゃねえ。テメェの尻拭いをグレモリーにさせたことだ。」

「あ…」

「もし、ここでコイツを殺したらコイツの仲間が復讐にくるかも知れねぇ。その危険性もお前はグレモリーに押し付けようとした。お前の代わりに殺したせいでグレモリーが死んだらその責任がお前に取れんのか。あの行動にそこまでの覚悟があったのか。」

「あ、あ…」

 

 兵藤の顔が青ざめる。

 

「で、でも、そもそもいるかもわからないし、いたとしてもそれぐらいどうにかしてみせるわ!」

 

 グレモリーが兵藤を庇う。

 

「お前ならどうにかなるだろうな。」

 

 グレモリーの力は認める。

 

「なら!!」

 

 でもな

 

「直接お前が狙われなかったらどうする?」

「え?」

「グレモリー、お前を苦しめるだけだったらお前を狙う必要はない。眷属を傷つければいい。」

「守って見せるわ、私の眷属だもの。」

「ほう、じゃあ俺らの家族が傷つけられたらどうする。お前の近くにいる眷属ならともかくそうじゃないヤツはどうする。」

「ッ!」

「お前に直接勝てるヤツや後ろ盾に歯向かうヤツはそんないねぇだろう。なら搦め手で来るしかねぇだろ。なら、精神的にクンのは親族や大切なモンを殺ることだ。兵藤なら直接殺りにくるだろうがな。」

「でも、悪魔に手を出せば戦争になるわ。」

「堕天使が仲間やコミュニティを重視するって言ったのはお前だ。戦争なんか関係なく、暴走するヤツだっているかもしんねえ。」

「でも全部可能性の話しだわ!!」

 

 阿呆が。

 

「この際だから言っておく。俺はお前を信用していない。」

「なっ!?」

「勘違いすんな、個人としては嫌いじゃねえ。だがな、上に立つモンとしては全く信用していねぇ。」

「どういうことかしら。」

 

(支取も聞いとけ。)

(…はい。)

 

俺は念話で話しかける。

 

「上に立つモンならテメェの行動に責任がある。お前はこの堕天使どもを殺した後のことを考えたか?その対応はどうした?お前は自分の領地で暴れる堕天使を討伐としか考えてなかった。」

「…」

「支取でさえ殺した後の被害や状況への影響などは考えてたが肝心なモン抜けてやがる。」

「肝心なものって?」

(肝心なものとは?)

 

 俺は一呼吸置く。

 

「背負う事だ。」

「背負う?」

「殺すことで決して逃れらんねぇモンを背負う事になる。お前らはそれを理解せずに殺してやがる。種族や考えが違うとはいえ異常だ。お前らには覚悟がない。」

「覚悟くらいあるわ。」

「その覚悟は何の覚悟だ?殺すことか、殺されることか、恨まれることか、家族が狙われることか?」

「うっ…」

「覚悟はひとつじゃねえし、なんの覚悟も無しに戦ってりゃ、いつか痛ぇ目に会うんだよ。気づいたときにはもう遅ぇ。」

 

 あの時だってそうだ。

 

「戦いで傷つける可能性がアンのは敵だけじゃねぇ。味方や全く関係ねぇモンを傷つけることだってある。そういった覚悟もお前らにあったか?」

 

「…」

(…)

 

「上に立つんなら責任やあらゆる事への想定と覚悟をしとけ。お前らは俺を守るとかいっときながら俺の家族は完全にシカトだ。傷つけることが出来んのは身体だけじゃねぇことも覚えとけ。」

 

 俺は他のヤツラも見る。

 

「他のヤツラも覚悟ってのは同じだ。どいつも殺す前や殺した後に簡単に笑ってんじゃねえ。」

 

 俺ははぐれ悪魔のことを思い出す。

 

「殺すってのはそんな軽いモンじゃねぇだろ。実力云々じゃねぇ、そういったヤツラに背中を預けんのは不安だ。そもそも、共に戦うことも苛立ちを覚える。」

 

 周りのヤツが俯く。

 

「俺を仲間だと思ってんなら考えとけ。」

 

 俺はレイナーレの方を向く。

 

「最後だ、お前たちの目的はなんだ。」

「…安寧な日々のためよ。」

「「「「レイナーレ様!?」」」

 

 他の堕天使が叫ぶ。

 

「続けろ。」

「貴方達が堕天使をどう思っているかは知らない。でも三勢力の中では一番ひどいわ。アザゼル様の下に治められているといえば格好がつくが、実際はほぼ放任。そして、堕天使はそれぞれが独自の欲を持っている。その欲次第では堕天使同士で戦うこともよくあるわ。私たちを無理やりものにしようとしたりね。」

 

 レイナーレは苦笑いをする。

 

「私たちのコミュニティはそこまで力があるわけではない。まともに戦えるのは私たちだけ、残りは戦う力などほとんどない。だからこそ、私たちは力が欲しかった。仲間を守れる力、仲間を保護してもらえる力を。あのシスターから抜き取った力はそれを叶え得る力だったのよ。」

「なぜ私の領地で儀式を行ったの?」

「堕天使の領地でやってみなさい。上が神器を集めている分、他の堕天使がこぞって襲い掛かってくるわよ。」

「兵藤をやったのも神器(セイクリッド・ギア)持ちだからか。」

「ええ、あの力は危険だと思った。何回も儀式をやっている余裕はなかったし、排除の方法を取らせてもらったわ。やり方は申し訳ないと思ったけど後悔はしていないわ。」

「ッ!!」

 

 兵藤の顔が引きつる。

 

「他に何かあるかしら?」

 

 俺は兵藤に向き直る。

 

「兵藤、後はお前次第だ。さっきの話だって俺のエゴみたいなモンだ。どうするかはテメェで決めろ。ただ、あの話がお前に影響を与えてんのは間違いねぇだろう。だから何を選択しようと手は貸してやる。」

 

 兵藤はレイナーレの前に立ち、を展開する。

 俺は他の堕天使を睨む。

 

「お前ら動くな。」

「ウッ…」

 

 これでコイツラはいいだろう。

 

『BOOST!!』

 

 兵藤の籠手から声が響く。

 

『BOOST!!』

 

 2回目

 兵藤が震え、汗をかき始める。

 

『BOOST!!』

 

 3回目

 手を振り上げる。

 

『Explosion!!』

 

 宝玉が光を放つ。

 

「はぁ、はぁ。」

 

 それでも兵藤は手を振り下ろせない。

 震えが大きくなる。

汗も大量にかき、地面に零れ落ちる。

 表情は苦しく、今にも泣きそうになってやがる。

 

 それでも誰も声をかけねぇ。

 決めるのはヤツだ。

 

 兵藤は一度拳を開く。

 

 すぅっ。

 

 一度深呼吸する。

 

 ギュッ

 

 拳を握りなおす。

 

「うわあああああああああああ!!!!」

 

ドンッ!!

 

 拳を振り下ろした。

 

「グッバイ、俺の初恋。」

 

 そう言うと兵藤は体勢を崩す。

 

 トンッ

 

「荒垣…先輩。」

「よく決めた。少し休んでろ。」

「はい、お願いします。」

 

 兵藤が倒れこむ。

 

「グレモリー。」

「ええ。」

 

 俺はグレモリーに兵藤を渡す。

 

「イッセー、よくがんばったわね。」

 

 俺はその様子を見た後、振り返る。

 

「これがコイツの決断だ。俺はそれに従うし、他のヤツに邪魔はさせねぇ。」

 

 そう、『レイナーレ』に言う。

 

「…わかったわ。」

「ただし、アルジェントの力は返してもらう。」

「ええ、その前に彼女たちの回復をしてもいいかしら?」

「…カラワーナはこのままだと死ぬ。あいつの応急処置だけだ。」

「それで十分よ。」

 

 レイナーレは他の堕天使に近寄る。

 

「レイナーレ様。」

「黙って、今治すわ。」

 

 手から緑色の光が現れ、カラワーナの傷が癒える。

 レイナーレはそれを見届けるとこちらに戻ってくる。

 

「これがシスターから取り上げたものよ。」

 

 俺はそれを受け取り、兵藤のところに持っていく。

 

「あいつと一緒に送ってやれ。」

「うう…アーシア。」

 

 兵藤は緑色の光を抱きしめながら泣く。

 

「まだ可能性はあるわよ、イッセー。」

「本当ですか!!」

 

 兵藤は思い切り顔を上げ、グレモリーに問う。

 

「ええ、これよ。」

 

 そういって悪魔の駒を取り出す。

 

「俺と同じように転生させるんですか?」

「ええ、でもシスターを転生させるのなんて前代未聞。よみがえった瞬間絶望して命を絶つ可能性だってあるわ。」

「…身勝手なのは分かってます。それでも…それでも!!あのまま終わってしまうなんてアーシアが可哀想すぎる。」

「わかったわ。」

 

 グレモリーの身体を紅い魔力が覆う。

 

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。何時、アーシア・アルジェントよ。いま再び我の下僕となるため、この地へ魂を帰還させ、悪魔と成れ。何時、我が『僧侶』として、新たな生を歓喜せよ!」

 

 アルジェントの身体に駒と緑の光が入っていく。

 

 数秒後

 

「あれ?」

 

 アルジェントが身体を起こす。

 

「アーシア!!」

「ふぇ!?イッセーさん、どうしたんですか?」

「イッセー、あとは貴方が説明し、貴方が守ってあげなさい。」

「はい!!」

 

 兵藤がアルジェントに説明を始める、こっちはもういいだろう。

 あとは。

 

「貴方たちの処罰に関してね。」

 

 グレモリーと他のヤツラも堕天使の周りに集まる。

 

「イッセーの決断もあるから殺しはしないわ。でも、このまま返すわけにも行かない。さてどうしましょうか…」

「今回のことは私が決めたこと、全ての責任は私が取る。」

「「「レイナーレ様!?」」」

「いい心構えね。」

「レイナーレ様、それは!」

「カラワーナ、異論は認めないわ。」

「そうね…」

 

 グレモリーは腕を組み、悩む。

 一同が息を呑み、グレモリーの言葉を待つ。

 グレモリーはどうするか…

 

「決めたわ。」

 

 顔を上げる。

 堕天使らはグレモリーの前に座り、見据える。

 

「レイナーレ、貴方鳥に変化出来るかしら?」

「ええ、古来から天使は姿を変え、人々に託宣を与えに行くことがあるから。」

「なら、荒垣君の使い魔になりなさい。」

「え?」

 

 ほう、使い魔か…

 堕天使ってのは使い魔って名称であってんのか?

 

 

 あん?

 

 

 今だれのって…

 

 

「聞こえなかったかしら?荒垣君の使い魔になりなさい。」

 

「おいいいいいいいいいい!!!!!!」

「えええええええええええ!!!!!!」

 

 俺とレイナーレは同時に叫ぶ。

 

「おい、グレモリー!!なに考えてやがる!!」

「なにって彼女らの処分よ。この場で丸く収まっても復讐があるかもしれないものをこのまま返すわけには行かない。殺すわけにも行かない。なら、人質として一人残ってもらうわ。合意の上でね。取り返しにこられても困るから。いいわね。」

「私に拒否権はないわ。(悪魔と契約した人間の使い魔なんて胃が痛いわ。)」

「俺抜きに話を進めんな。だいたいなんで俺の使い魔なんだよ!!」

「私たちでは悪魔だからばれると色々と面倒なのよ。荒垣君は人間だし、鳥に化けさせるからばれないとは思うけど、ばれても私たちが監視するという名目で何とかなると思うし。」

 

 地味に間違ってねぇところがめんどくせぇ!!

 

「大丈夫、私たちがフォローするわ。それにさっきイッセーに手をかすっていってたじゃない。」

 

クッ、こいつスゲーいい顔しやがって。

今夜色々やったことの仕返しってか、おい。

 

「ああっ!!わーったよ。クソッ。好きにしろ。」

「ありがとう、荒垣君。さてそれじゃあ朱乃。」

「はい。」

 

 姫島歯はレイナーレの前に立ち、魔法陣を展開する。

 その後、何かメモを書き、俺に渡す。

 

「何だこりゃあ?」

 

「使い魔の儀式の詠唱ですわ。荒垣君にはこの魔法陣の中でこれを読んでもらいます」

「はぁ!?」

 

おいおい、マジかよ。

これを読むのか?

この年になってこれはキツイだろ。

 

「さっ、荒垣君はやく。」

 

 クソッ、覚えてやがれ。

 

「…あ、荒垣真次郎の名において命ず。な、汝、我が使い魔として、契約に応じよ。」

 

 死にてぇ。

 

 そんなことを考えていると魔法陣の光が消え、レイナーレは鳥の姿になる。

 

「契約完了ね。さてじゃあどうしましょうか。」

「部長。」

「あら小猫?どうしたのかし…」

 

 ゴゴゴゴゴゴゴッ

 

 グレモリーが塔城のほうを向いて固まる。

 気持ちは分かる、なんかやべぇ。

 近づきたくねぇ、兵藤とアルジェントなんか端で震えてんぞ。

 

「部長。」

「な、なにかしら。」

 

 おい、引きつってんぞ。

 

「その堕天使は使い魔としての役割を知らないはずです。まずそのしつ…教育が必要かと。」

 

 しつけって言わなかったか、今。

 

「そうね。」

「私に伝手があります。」

「あらそうなの、じゃあお願いするわ。」

「はい。」

 

 そう言うと、塔城は携帯を取り出す。

 

「もしもし。依頼です。はい、コースは『モト劇場めぐりDEAD or DEADコース』でお願いします。」

 

 なんかやべえのが聞こえた気がするが…

 

 パァッ

 

目の前に魔法陣が現れる。

 

「なんだ?」

「大丈夫です、今私が呼んだ『育て屋』です。」

「育て屋だと?」

「はい、使い魔の育成を仕事にしている人たちのことです。」

 

 へぇ、そんなのもいんのか。

 

「あら、小猫意外ね。貴方にそう言った知り合いがいるなんて。」

「本当なら私が…」

「あ?」

「いえなんでもありません。」

「私は無視なのね…」

 

 いじけるグレモリーを兵藤たちが慰める。

 そんなことをしていると魔法陣が津よう光を放つ。

 

 パァッ

 

「呼んで頂きまことにありがとうございます!!『育て屋』のタケジィです!!」

 

 そう言いながら、つんつんとした髪型に長身で糸目、色黒の男が出てくる。

 

「依頼人はどなた…ウッヒョ~綺麗なお姉さまが沢山これはご挨拶せねば!!」

 

 男はグレモリーや姫島たちのところを回り始める。

 

 塔城はスルーされた。

 

 ゴンッ

 

「ガッ。」

「依頼人はこっちです。」

「すみません。」

 

 自業自得だな。

 

「改めてご挨拶させてもらう。『育て屋』にしてトップ使い魔ブリーダーを目指すタケジィだ。よろしくな。」

「あ、ああ。ブリーダーってのはなんだ?」

「ああ、近年使い魔は主人の手伝いをするだけじゃなく、美しさ・技なんかを競い合うコンテストもあるんだよ。そういったものの優勝を目指したり、純粋に使い魔の生態を調べ、その使い魔に合った育成なんかもしている。」

「そうか。」

「ああ、奥が深いんだぜ。今度色々見せてやるよ。」

「おう、頼む。」

 

 魔界の生きモンか…気になるな。

 

「さて、今回俺に預ける使い魔はどの子だい?」

「これです。」

 

 塔城が掴んで持ってくる。

 

「痛いわ!もう少し優しく。」

「おおおお!!人語を理解し、話すタイプか!また、レアなヤツだな!」

「ひいいいいいいい!!!」

 

 急に鼻息を荒くし、観察を始めるタケジィ。

 

「小猫も容赦ないわね。」

「なんか知ってんのか?」

「あのタケジィって育て屋は腕が良いんだけど、両極端なのよ。」

「は?」

「コンテストや実践でとても役に立ち、有名になった使い魔も沢山いるんだど、精神的に病んだ使い魔もそこそこいてね、特に雌に。」

「大丈夫なのかそれ。」

「まぁ、元々は堕天使だし大丈夫でしょう。」

「助けてぇえええええ!!!」

「…」

「…」

「おっとこうしてはいられない、すぐさまトレーニングに入らないとな。」

「契約はいつまでにする?」

「そこらへんは任せるが、途中こっちが呼び出したときには来れるようにはしといてくれ。」

「分かった!じゃあ、さっそく行こうか!!」

「いやああああああああああああああ!!!」

 

 タケジィとレイナーレは光の中へと消えていった。

 今度弁当でも作ってってやるか。

 

「あれは大丈夫なのか?」

 

 ドーナシークが俺に問いかけてくる。

 

「しらねぇが命の危険はねぇだろう。」

「そ、そうか。」

「テメェラはどうするんだ。」

「先ほどグレモリーとの契約でこの土地への進入禁止と堕天使の持つ道具の一部を差し出すことで話がついた。もう行くつもりだ。」

「そうか。」

「世話になった。」

「俺がやりてぇことをやっただけだ。」

「そうか。」

「ドーナシーク。」

 

 そこへカラワーナとミッテルトがやってくる。

 

「もう行きましょう、いつまでもホームを空けておくわけには行かないわ。」

「早く行くわよ!」

 

 ドーナシークを呼びに来たのか。

 

「あと、そこの人間。」

「あ?」

「正直、助かったわ。ありがとう。」

「一応礼は言うわ、ありがと。」

「おう。」

「じゃあ、さようなら。縁があったら会いましょう。今度は敵ではない形で。」

 

 バサッ

 

 やっとこれで終わりか。

 なげぇ一日だったな。

 

「終わりましたわね。」

 

姫島とグレモリーが話しかけてくる。

 

「とりあえずはな。」

「…色々考えさせられる一日でしたわ。」

「そうか。」

「荒垣君には謝罪させてもらうわ。ごめんなさい、貴方を守っているつもりだったけど全てが中途半端で配慮と思慮に欠けていたわ。」

(私からも謝罪させていただきます。ごめんなさい。)

「わかったんならもういい。」

「もう一度考え直してみますわ。今後のためにも。」

「私もよ。」

(ええ、そうですね。)

 

 そこまで話すと支取との念話は切れ、グレモリーは眷族を見渡して言う。

 

「さぁ、皆帰りましょう!」

 

 グレモリーの声で皆が帰路に着く。

 

 今後どうなるか…

 少なくともはぐれ悪魔ん時よりはまともになりそうだな。

 

 はぁ、とりあえず、もうねみぃ。

 

 明日ってか今日はもう学校じゃねえか、クソ…

 

 

 あ、海老と卵忘れてた…

 

 

 

 prrrrrrrrrrr

 

 バンッ

 

「あ~寝た気がしねぇ。」

 

 prrrrrrrr

 

「なんだこの朝っぱらから。」

 

 液晶にはグレモリーの文字

 

 シカトだな。

 

 prrrrrr

 

 …

 

 prrrrrr

 

 …

 

 prrr

 

 あ~、ったく!!

 

「なんだ。」

「おはよう、荒垣君。今朝アーシアの歓迎会をするから部室まで来てね!今ケーキを焼いてて忙しいの、それじゃあね。」

 

 ブツッ

 

 ツーツー

 

「はぁ、こっちの予定はまるで無視か…」

 

 ため息をつきながら着替え始める。

 

 飯を食って家を出る。

 

 部室に着き、扉を開けると既に全員揃ってた。

 

「おはようございますわ、荒垣君。」

「おはようございます、先輩。」

「おう。」

 

 姫島、塔城と続き、他のやつも挨拶をしてくる。

 その一番奥にアルジェントがいた。

 

「あの!あ、荒垣さん昨日はどうもありがとうございました!!」

「あ~気にすんな。」

「でも…」

「礼を言いてぇんなら他のやつにしとけ、俺はもう十分だ。」

 

 そう言いながらアルジェントの服装を見る。

 

「その服は…」

「はい、この学校に転入させていただきました。これからよろしくお願いします。」

 

 再び大きく頭を下げる。

 

「とりあえず、よろしくたのむ。」

「さて、これで全員揃ったわね。ささやかながらパーティをはじめるとしましょう!」

 

 グレモリーが指を鳴らすとケーキをが現れる。

 

「た、たまにはこういうのもいいでしょう。せっかくの歓迎会だしね。」

 

 少し、テレながら言うグレモリー

 

 茶の準備をする姫島

 

 ケーキを切り分ける木場

 

 皿とフォークを持つ塔城

 

 ケーキの前で騒ぐ兵藤とアルジェント

 

 

 まぁ、確かにたまにはこういうのもありか。

 

 そう思いながら俺も一歩前にでた。

 

 




 ガイル01です。
 とりあえずできました!!
 長くてすみません。年内に1巻を仕上げようとしたらこんなコトに、でもなんとかできました。
 そういえば、前話から今日までに急にお気に入りなどが増えて驚きました!なにかあったんですかね?
 しかも日間ランキングに11位とか吃驚して思わず声を上げてしまいました。慢心せずこれからもがんばっていきたいと思います。
 内容に関しましては、前半と後半のノリの差がえらいことに…でも書きたかったんです。そして、原作ブレイクと独自解釈の嵐で大変なことになってますがコンゴトモヨロシクお願いします。

 では皆さん良いお年を。
また来年お会いしましょう。

[補足]
・覚悟について
 覚悟云々は前話までにたまったことが爆発した感じです。グレモリーたちも覚悟について考えてくれるでしょう。

・イッセーお説教について
 殺すことを他者に任せるとか絶対にガキさんは許さないと思い、あのようなことになりました。しっかしと学び取るイッセーのことを手がかかると思いつつも好感度は高めです。

・レイナーレ
 実は相当殺すか悩んでました。あそこまでキャラが立った時点で生存は確定しましたが、書き始める前は悩み、殺すパターンと殺さないパターンの両方を考えてました。今では殺さない方がしっくりきたかなと思います。

・タケジィ
 どうしてもやりたかったんです。ザットゥージがいるならだしたっていいじゃないか!と思い、出しました。アニメ版です。

 今回は賛否両論あるかと思いますがご意見・ご感想ありましたら遠慮なくどうぞ。


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