お漢(かん)転生   作:ガイル01

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お待たせしました!

今回は試しに今までと大分書き方を変更したので雰囲気が変わって見えるかと思いますが、内容はいつもと同じ感じです。
 
この作品は、独自解釈、ネタばれ、原作改変、ブレイクなどがあります。
注意してください。



第13話

 

 

「おふくろ行って来る。」

「行ってらっしゃ~い。」

 

 母親からのいつもと変わらぬ返事を受けながら荒垣は家を出て学校に向う。

 

「おはようございます、荒垣君。」

「荒垣君おはよう、昨日の件は朱乃から聞いたわ、手伝ってくれてありがとう。」

 

 荒垣がクラスに着くとグレモリーと姫島が話しかけてくる。

 

「礼はいらねぇ、無償ってワケじゃねぇんだ。」

「その件も聞いているわ。報酬もこちらで用意してあるから放課後部室に寄ってくれるかしら。」

 

 グレモリーは声を落としながら言う。

 

「おう。」

「それじゃあ、また後でね。」

「失礼しますわ。」

 

 二人はそう言うと荒垣の元を離れ、自分の席に着く。

 

 それと同時にチャイムがなり、一日の始まりを告げる。

 

 

 

 昼

 

 荒垣はいつものように屋上に来ていた。

 

 

 屋上の端の建物の影

 屋上で最も目立たないそこが荒垣の特等席であり、今日もまたそこに座る。

 

 その時、屋上の扉が開く音が聞こえる。

 

 昼休みということもあり、他にも人はおり、友達と食事や読書など皆思い思いに好きな時間を過ごしている。

 だから、人が屋上に来ること自体は変なことではない。

 

 足音がこちらに近寄ってくる。

 

 荒垣がいるところは屋上の端でそれほど良い場所ではない。

 それ故に人があまり来ず、そこを荒垣は気に入っている。

 

 そんなところにわざわざ来る者を荒垣は『数人』しか知らない。

 

(面倒ごとじゃあねぇといいがな。)

 

 彼の横で足音が止まる。

 

「隣いいでしょうか?」

「好きにしろ。」

「では。」

 

 声の主が隣りに座る。

 

「で、今日はなんだ。」

 

 そこで初めて荒垣は彼女の方を振り向く。

 

「用事がなければ会いにきてはいけませんか?」

 

 荒垣の問いに微笑みながら支取は答える。

 

「質問に質問で返してんじゃねぇよ、まぁいい。とりあえず飯だ。」

「はい、そうしましょう。」

 

 二人は持ってきた弁当の包みを開く。

 

 特に荒垣の方はとてもよく考えられており、肉や野菜が主菜、副菜バランスよく入っており、栄養バランスも考えてあることが一目でわかる。

 

「あいかわらず、おいしそうなお弁当ですね。」

「普通だろ。」

「それが普通でしたら、日本中の主婦が泣く羽目になりますよ。」

「そういやぁ、お前も料理を始めたんだろ。その弁当はお前が作ったのか?」

 

 (スーパーで会ってから約一月は経ってんだ、そんだけありゃそこそこ作れるようになってんだろ。)

 

 荒垣は支取の弁当を覗く。

 その弁当も見た目と栄養バランスがしっかり考えられているものであった。

 

(へぇ、一月でここまで出来るようになったか。普段料理をしねぇって言ってた割にはいい出来じゃねぇか。)

 

「ん?」

 

 話しかけても返事がないことを疑問に思い、顔を上げる。

 そこには顔を若干赤らめ、なんとも言いにくそうに口をもごつかせる支取がいた。

 

「おいどうした。」

「え~とですね。これは私が作ったものではないんです。」

「あ?」

「練習をしてはいるんですが、なかなかうまくいかず…今日のもメイドに作ってもらったものなんです。」

 

 支取が俯きながら言う。

 

(美鶴のトコもそうだったが、この手の連中にはメイドってのは普通なのか…)

 

「あ~最初はんなモンだろ。何回かやってりゃ身体が覚える。」

「そういうものでしょうか。」

「そういうモンだ。」

「ふふ、じゃあがんばってみますね。」

 

 そういいながら支取は再び荒垣の弁当に目を向ける。

 

「ところで…」

「あん?」

「そのからあげって普通のものと違いますよね?」

 

 指摘されたからあげは確かに普通のものと異なっており、ソースのようなものがかかっている。

 

「もしよろしければ作り方を教えてくれませんか?」

 

 支取はどこから出したのかメモ帳を取り出す。

 

「まぁいいが…基本的にからあげ自体は作り方は同じだ。肉につける下味を少し薄くするくらいか。使う肉は胸でもももでもかまわねぇ。胸の方が揚げると若干パサつくがソースが水分が多いモンだから問題ねぇ。ももはもとから脂肪分が多くてから揚げにはあってる。」

「下味と胸肉ともも肉のちがいですね…」

「で、今かかってるソースだが、チャモロソースってヤツだ。」

「チャモロソースですか?」

「ああ、グアムとかサイパンに住んでるチャモロ人が作ったモンらしく正式名称もあるらしいが…忘れた。まぁそこはいい。作り方は難しくねぇ。用意スンのはレモン汁と醤油とたまねぎと唐辛子だ。作る量にもよるだろうが、醤油50CCならレモン汁20~30CCってトコだ、まずそれを混ぜ合わせる。その後、唐辛子はすりつぶして入れるのがいいが面倒だったら粉のヤツでもいい。自分にあった量入れろ。たまねぎは荒くていいからみじん切りにして作ったタレに漬け込め。それで一晩寝かせりゃ完成だ。あと、好みでレモン汁以外に酢を入れてもいい。」

「なるほど、そこまで難しいものではないんですね。」

「まぁな、ほれ。」

 

 荒垣は弁当の蓋にから揚げを一つ乗せる。

 

「良いのですか?」

「食ってみなきゃ味がわかんねぇだろうが。」

「では頂きます。」

 

 支取はから揚げを蓋から取、食べる。

 

「うん、おいしいです!酸味がから揚げの脂っこさを消してくれて、辛味が食欲を増進させますね。醤油ベースなのも日本人にあってると思います。私は悪魔ですが。あとなによりこのたまねぎがとても良いアクセントになっていて歯ごたえも味もとても良いです!」

「BBQや魚料理でも使える。シンプルだから他の味の邪魔をしねぇかんな。」

「ご馳走様です、とても美味しかったです。私も試してみます。」

「おう。」

 

 二人は料理の話をしながら食事を進める。

 

 

 

「で、なんか話があんだろ。」

 

 二人が食事を終えたタイミングで荒垣が口を開く。

 

「本当は純粋に昼食だけ取れれば良かったんですが…」

 

 一瞬苦笑いした後、支取は真面目な顔をする。

 

「最近リアスの様子がおかしいのには気づいてますか?」

「ああ。」

「なら話が早いです。今彼女は縁談を迫られています。」

「縁談だと。」

「ええ、本来なら大学卒業後、という話だったのですが家のほうで色々あったようです。」

 

 支取は淡々と言っているようだがその表情には陰りが見える。

 

(貴族だって話だからな、色々あるってワケか。)

 

「それで、どうしてそれを俺に話した。グレモリーの縁談なら決めるのはアイツ自身だ。俺にできる事なんてねぇぞ。」

「ええ、分かっています。交渉は彼女自身が行うものです。しかし、それにあたって相手である上級悪魔が近々ここを訪れる可能性があります。そのことに関する忠告です。」

「…」

「まだリアスからそういう話は聞いていませんし、ここは私とリアスの治める地ですから事前にアポイントメントは取ってくるとは思います。しかし、リアスの性格からして自宅には絶対上げないでしょうから交渉の場は必然とオカルト研究部の部室になるでしょう。」

「どんなヤツが来るんだ?」

 

(グレモリーはソロモン72柱に数えられる悪魔だ、それと縁談って事は相当なヤツなはずだ。)

 

「相手はフェニックス家三男のライザー・フェニックスです。」

「マジか、同じソロモンの72柱の不死鳥か…どうした?」

 

 支取は少し驚いた様子で荒垣を見る。

 

「いえ、荒垣君は悪魔について詳しいのですね。私やリアスについても知っていましたよね。」

「ああ、昔調べる機会があってな。」

 

 前は学校なんざ行かず、時間があったからな。

 自分のペルソナ、アイツラのペルソナ、そしてなにより湊のペルソナを調べてりゃあ詳しくもなる。

 なんだ、ペルソナ12体に変更可能って…

 

「しかし、フェニックスは鳥だろう?大丈夫なのか?」

「…本人には絶対言わないようにしてください。火と風を操る悪魔ですが人の身体をしています。もちろんフェニックスなので不死性を持っていますが。」

「ほぅ。」

「彼がフェニックスというより、彼本人に問題があるのです。常に浮いた噂が絶えず、ブラブラと…なのにプライドの高い人物です。取り扱いには注意してください。」

「お前…」

 

(取り扱いってどんだけ嫌いなんだよ。)

 

「悪魔なら特に問題ないのですが、彼は大の人間嫌いなのです。炎と風が汚れているとかいう理由でめったにこちらに来ません。そちらの方がこちらも嬉しいですが。」

 

(おい、若干愚痴になってんぞ。)

 

「そのため、荒垣君が彼と出会うと彼は貴方に害をもたらすかもしれません。」

「なんだと。」

「ええ、彼は人間を特に下に見ています。転生悪魔もです。以前契約の際に態度が気に食わないという理由で相手を殺しかけています。」

「ッ、そこまでなのか。」

「ええ、なので彼が来ることになったら、知らせますので彼が来ている間はオカルト研究部の部室に近寄らないでください。危険です。」

「ああ、わかった。」

「そうしてください、どちらにせよ会う必要もない者ですから。」

「お前、ソイツとなにかあったのか。」

「…私もシトリー家のものですからパーティなどにも参加します。その際に我々はだいたい『女王』を連れて行くのですが彼と初めに出会い、自己紹介で私の『女王』の真羅椿姫が人間の転生悪魔だと分かった瞬間、一瞬ですが確かに彼女を見下すような視線を感じました。それ以来、彼は嫌いです。」

 

(仲間を見下されたか、ならそうなるか…)

 

「それに、彼はリアスのグレモリーという面もしくは外見しか見ていない。家のこととかを考えるのはもちろん必要ですがあれはひどすぎます。リアスの内面などまったく見ていません。」

 

 支鳥は拳を握り、唇をかみ締める。

 

「あっ、すみません。見苦しかったですね。」

「アイツのこと思ってのことなんだ、気にすんな。」

「あ、ありがとうございます。」

 

 支取は少し照れながら荒垣に返事をする。

 

 支取はコホンと咳払いをして、空気を戻す。

 

「とりあえず、気をつけてください。不本意ですが実力はありますし、あと彼は非常識な面がありますから、何をするかわからりません。」

「わかった。」

 

(とりあえず、触らぬ神に祟りなし、だな。)

 

「さて、そろそろ時間ですし、戻りましょう。」

「そうだな。」

 

 荒垣と支取は立ち上がる。

 

「先に行け。」

「え?」

「俺と行くと面倒なことになんだろうが。」

「?」

 

 支取は荒垣の言っている事の意味が分からず、首をかしげる。

 

(コイツは自分の容姿と他のヤツからの視線を理解してねぇのかよ…)

 

「はぁ、いいから先行け。授業までには俺も戻る。」

「腑に落ちませんがわかりました。生徒会室も覗いておきたいですし、先に行きます。」

 

 支取は校舎へと戻っていく。

 

「ふぅ、面倒なことにならなきゃいいが…」

 

 

 

 そんな彼のささやかな願いは…

 

 

 




 こんにちは、ガイル01です。今回もお読みいただき、どうもありがとうございます。

 前書きにもお書きしましたが、今回は今までと大分書き方を変えてみました。いかがでしたか?
 感想で一人称の文を三人称にしたり、説明は本文内でなるべくし、擬音を具体的に地の文ですると分かりやすくなると聞き、やってみました。お試しということで少し短めになりましたが今までとどっちの方が皆さん的には良かったですか?
 ギャグパートや特定の誰かの視点といった場合は一人称の文も書くとは思いますが、三人称の方が見やすいなら今後このスタイルで行こうかと思います。
 読者の皆さんが楽しめる形が良いので皆さんのご意見はなるべく参考にさせていただきます。

 年は明けれど年度は終わりで大変なことになっており、投稿が不定期になりますがコンゴトモヨロシクお願いします。

 では、また次回お会いしましょう。

[設定や裏話やら]
・ライザー関連
 もともと人間嫌いだったのがグレードアップしてます、具体的には次回以降分かるかと思います。
 独自設定では支取とライザーとの出会いです。原作ではないですが、本作ではライザーは転生悪魔の必要性は認めてますが下に見るので転生悪魔の真羅を一瞬見下しました。シトリー家との付き合いもあるので直ぐにその視線は隠しましたが見事にバレて支取に嫌われてしまっています。

・支取関連
 料理の腕は…最初の犠牲者はだれになることやら。
 以前も言ったかもしれませんが個人的にガキさんと支取の会話が一番書きやすいです、理由も無しにガキさんに絡めるのって今のところ支取だけだったり。
 まぁ、まだ2巻ですから、今後他のキャラもどんどん絡ませたいです。
 支取関連では出来るか分からないですが、相当無謀なことを一個計画しています。まだまだ先の話ですが出来たらやってみたいです。


 以上です。
 ご質問や感想、意見等ございましたら遠慮なくよろしくお願いします。
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