お漢(かん)転生   作:ガイル01

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大変お待たせしました!
おそくなってすみません。

そして、UA30000、感想50、お気に入り500超え、どうもありがとうございます!!

この作品は、独自解釈、ネタばれ、原作改変、ブレイクなどがあります。
注意してください。




第15話

 

 

「ひーひー…」

「ほら、イッセー。早くなさい、昨日のやる気はどこにいったの」

「は、は~い」

 

 グレモリーの叱咤激励を受けながら、大量の荷物を背にふらつきつつ兵藤は歩く。

 

 ライザーとの会談の翌日、グレモリー一行はとある山に来ていた。

 

 

 

 前日

 

「合宿だと?」

「ええ、大変不本意ではあるけどライザーの実力は本物。このままでは私たちに勝ち目は薄いわ」

 

 グレモリーは悔しそうにしながら言う。

 そして、それを否定できない眷属たちもそれぞれ表情を暗くする。

 

「でも」

 

 続いた言葉にグレモリー眷属は顔を上げる。

 

「私は私の僕たちの素質がライザーの眷属の素質に劣っているとは思わないわ。それに能力だけで勝てるほど戦いが甘いものではない事を私は知っているわ」

 

 グレモリーは苦笑いしながら彼らのことを思い出す。

 実力だけなら私たちの方が圧倒的に上なのに私たちを追い詰めかけた堕天使のことを。

 

「10日間。ソーナが作り出してくれたこの時間を一瞬たりとも無駄にするわけにはいかないわ。だから合宿を行います、勝つための合宿を」

 

 グレモリーは改めて自分の眷属に宣言する。

 それに一番初めに反応したのは

 

「よっしゃあ!やってやる、部長!俺、強くなります!」

「ふふ、その意気よ。イッセー」

 

 兵藤が立ち上がって叫ぶ。

 それにつられて、他の眷属たちもやる気を口にしだす。

 

「で、いつから行くんだ?」

「「「「「「えっ?」」」」」」

 

 荒垣がグレモリーに問いかけると全員が驚きの表情を見せる。

 

「なんだ、俺が行っちゃあワリィのかよ」

「い、いえ。荒垣君にも参加をお願いしようとは思っていたけど「何で俺が…」って断られると思ってたし、まさか貴方の方から提案してくるとは思っていなかったから…」

 

 グレモリーの言葉に周りも頷く。

 

「今回はテメェから首を突っ込んだようなモンだ。ソイツが戦いで迷惑かけるわけにはいかねぇ。連携やらなんやらを確認する必要がアンだろ」

 

(グレモリーも言ってたが前の戦いもこいつらと連携が取れてりゃあもっと楽だったはずだ。なら、行くしかねぇだろう)

 

「そうね、ありがとう。荒垣君。歓迎するわ。」

「俺のために行くんだ、礼はいらねぇ」

「おおおおおお!!荒垣先輩も来てくれるんですね!!よろしくお願いします!!それにさっきはありがとうございました!!」

 

 兵藤は荒垣のところに駆け寄る。

 

「うるせぇ、ちょっと落ち着け。俺が行った所で別段モノを教えられるわけじゃねぇぞ」

「僕も楽しみです、堕天使を倒してみせた先輩と是非手合わせをしてみたかったんです」

 

 兵藤の後ろから木場も楽しそうに言う。

 

「はぁ、もういい。そういやぁなんで兵藤はやられたんだ」

「え~とですね」

 

 兵藤は急に焦りだし、目を逸らす。

 

 その後、グレモリーのためだけでなく、理由の一部にライザーのハーレムに嫉妬してとういう事実が明らかになり、荒垣から頭突きを喰らい、兵藤は気絶することとなった。

 結局合宿は即日となり、翌日の集合を決め、その日は解散となった。

 

 

 

 そして、現在

 

 

「し、死ぬ~」

 

 グレモリー家の別荘に到着すると、荷物をリビングに置き、兵藤は床へと倒れこむ。

 修行の一環として他のオカルト研究部の部員の荷物も持たされていたため既に疲れきっていた。

 

「あはは、お疲れ様。イッセー君、はい水」

「くあ~サンキュ」

 

 兵藤は木場から水を受け取り飲み始める。

 そこへリビングの扉が開く。

 

「あ、荒垣先輩。お疲れ様です。遅かったですがどうしたんですか?」

「ああ、たまたま見つけたからこれを採ってただけだ」

「うお~すげぇ」

「すごいですね」

 

 二人は荒垣の持っていた袋を見ると山菜やキノコが大量に入っていた。

 

「ここがグレモリーのモンだって聞いたから少し採らせてもらった」

「僕も採ってたんでまとめておきましょうか」

「ああ、どこにある」

「こっちです」

 

 そう言って木場と荒垣はキッチンに向う。

 

「晩飯が楽しみだ、でも誰が飯を作ってくれるんだ?まさか、部長や朱乃さんの手作りご飯が食べられる!?ぐふふ、よっしゃ!やる気でてきたぁ!!」

 

 兵藤はジャージへと着替えだす。

 

 その直後、再びリビングのドアが開く。

 

「へ?」

「あらあら~」

「きゃあっ!」

「最低です…」

 

 そこにはジャージに着替えた女性陣がいた。

 

「イッセー、ここはリビングなんだから浴室とかで着替えなさい」

 

 頭に手を置いたグレモリーが兵藤に言う。

 

「す、すいませんでした~!!」

 

 着替えを持って半裸のまま浴室へと駆けて行った。

 

「なんかあったのか?」

 

 キッチンから戻ってきた荒垣が尋ねる。

 

「ちょっとした事故よ、さぁ二人も着替えて修行開始よ!」

 

 

 

 まず始めに行われたのは兵藤への特訓を中心としたメンバーの能力の確認だった。

 

「イッセー、今日一日でまずは貴方の適正を確かめさせてもらうわ、そのために私の『騎士』である祐斗・『戦車』である小猫・『僧侶』…は今はいないから代わりに『女王』である朱乃のそれぞれと戦闘もしくは講義を受けてもらうわ」

「はい!!」

「貴方の駒は『兵士』、でも全ての駒に成り得る可能性も持っているわ。他の者達の動きを学びなさい、わかった?」

「はい、部長!!」

「じゃあ、まず祐斗が相手ね」

「わかりました、部長」

「アーシアは先に朱乃に魔力の扱い方の基礎を学びなさい、貴方がどれくらい神器を操れるようになるかで私たちの勝率も大分変わるはずよ」

「はい、わかりました!朱乃さんよろしくお願いします!」

 

 グレモリーの言葉を聴くと、アルジェントは姫島の方を向き大きく頭を下げる。

 

「うふふ、よろしくね。アーシアちゃん」

「そして、荒垣君だけど…」

「おう」

「小猫と模擬戦かしら?」

「どうして俺だけ疑問形なんだ」

「いや、正直貴方のカテゴライズが難しいのよ」

「おい!」

「だって、普通の人間は巨木を叩き折ったり、堕天使の武器を破壊したりなんてできないのよ」

「出来ちまうもんは出来ちまうんだ、しょうがねぇだろ」

「なので、貴方がパワータイプなのはわかっているから、小猫と模擬戦をしてどの程度の力があり、どの程度の耐久力があるのかを確認してほしいの」

「はぁ、わかった」

「じゃあ、小猫よろしくね」

「はい、わかりました。では荒垣先輩行きましょう」

「あと、祐斗」

「はい、荒垣先輩どうぞ」

 

 木場はそう言いながら一本の木刀を渡してくる。

 

「荒垣君の武器は鈍器みたいだけど、さすがに危険すぎるから木刀を渡しておくわ」

「ああ」

 

 荒垣が木刀を受け取ると塔城は歩き始める。

 

「どこに行くんだ?」

「あの後、教会の裏を見ました。アレを考えると別荘の近くで戦うのはあまり得策じゃない気がします」

「あ~」

 

(あの時は場所が場所だけに周りの木を圧し折りまくったからな)

 

「わかった、場所変えるか」

「はい、そうしましょう……………………二人きりです」

(ん、塔城のヤツ、もう拳を握ってやがる。やる気があるのはかまわねぇがアキみたいに戦闘狂じみたことにはなってねぇだろうな…)

 

 塔城が先に歩き、それに荒垣が続く。

 二人は10分程歩くと視界が開け、川に突き当たる。

 

「ここならいいでしょう」

「そうだな」

「はい、はじめましょう」

「ああ」

 

 そう言うと塔城は構える。

 荒垣は肩に背負っていた木刀を降ろし、半身に構える。

 

「いきます」

 

 掛け声とともに塔城が先手を取る。

 塔城の突撃に合わせて荒垣は木刀を振り上げ、踏み込みとともに振り下ろす。普段の獲物とは異なり軽いため、その速度はかなりのものであった。

 だが、塔城は小柄な身体を生かし、荒垣の懐に潜り込み、左右のコンビネーションを叩き込む。

 

「ぐぅッ」

 

 荒垣はその小柄な身体から繰り出されたとは思えない重い攻撃に後ろに後ずさる。

 だが、攻撃を受けながらも木刀の柄の部分で塔城を殴りつける。

 そのまま塔城は地面に叩きつけられるかと思いきや、両手を地面に着き、その反動を使って荒垣を蹴り飛ばす。

 荒垣は咄嗟に胸の前で両手を交差し、防御の構えを取るが勢いの乗った蹴りを抑えきれず後ろに吹き飛ばされる。

 

(足を引きずった状態でもこれだけ吹き飛ばされるか…まともにくらったらやべぇな)

 

 塔城のほうは荒垣を蹴り飛ばした反動を使って空中で一回転し、地上に降り立つ。

 

「お前の戦っているところはバイサーの時しか見てねぇが、『戦車』ってのはどいつもこいつもこんな馬鹿力してんのか?」

「私も他の『戦車』のことはあまり知りませんがそれ相応の力はあると思います」

「マジか…」

 

(ちっ、あの野郎は駒が全て揃ってた…相当厄介な戦いになりそうだな)

 

「それより」

「あ?」

「荒垣先輩の方が…すごいと思う」

「んだよ、急に」

「最初のコンビネーションは少し力を抜きましたけど、直後に反撃が来たから驚いて私も思いっきり反撃しました。なのに骨が折れるどころか傷一つありません。ショックです、人間業ではありません」

 

 そう言って落ち込む塔城。

 

「そりゃ、喜んでいいのか、人外扱いされて怒りゃいいのかどっちだ」

「とりあえず」

 

 塔城が顔を上げる、その表情は落ち込んだそれではなく、口の端は軽く上がり、目には闘志が宿っているのが分かる。

 

「遠慮が要らないことがわかりましたッ!」

 

 塔城は自分の言葉を言い切ると同時に再び突撃する。

 

「ッ!」

 

 再び荒垣は塔城の突撃に合わせて木刀を振り下ろす。

 先ほどと同じように塔城が避け、懐に入ろうとする。

 

 先ほどと全く同じやり取り、同じ展開になると思いきや、

 

「オラァ!」

 

 懐へと入り込んできた塔城へと膝を叩き込む。

 

「アウッ!!」

 

 腹を思い切り蹴られ、思わず悶絶する塔城。

 そこへ容赦なく木刀が叩き付けられる。

 塔城は咄嗟に転がって避けるが、木刀が地面に叩きつけられた時に生まれた衝撃と弾き飛ばされた石が塔城を襲う。

 

「ウウッ!!」

 

 石の弾幕と衝撃によって塔城は吹き飛ばされる。

 『戦車』の防御力故か小柄な体格故か石が身体に突き刺さることはなかったが、この一瞬で既にジャージはボロボロとなり、擦り傷だらけとなる。

 少しよろめきながら塔城は立ち上がる。

 

「堕天使を倒したとは聞いていましたが一撃があそこまで重いとは思いませんでした」

「同じ手を続けて使うから痛い目を見るんだ」

「はい、身を持って体験しました」

 

 塔城は腹の辺りを押さえ、顔を歪める。

 

「私もはぐれ悪魔相手にある程度の経験を積んでいますが荒垣先輩はどうやってこんなに強くなったんですか?」

「昔な…」

 

 少し懐かしそうに、それ以上に複雑そうな表情をしながら荒垣は答える。

 

「…昔何があったのか知りませんが、私以上に実践慣れしているように思います。なので」

 

 塔城は腹を押さえていた手を離し、三度構えなおす。

 

「部長からは荒垣先輩を頼まれましたが、私が教わる気で行きたいと思います。」

 

 荒垣を見据える。

 

「…俺は他人様にモノを教えるなんてガラじゃねぇ」

「でも」

「だから」

「?」

 

 荒垣は木刀を肩に担ぐ。

 

「お前の身体に叩き込む、それでいいな」

「はい!!」

 

 塔城は三度突撃を仕掛ける。

 その顔に笑顔を浮かべながら。

 

 

 

 その後、塔城が気絶するまで戦闘は続けられた。

 

 





 こんにちは、ガイル01です。遅れてしまい大変申し訳ありません。前話から2週間空きとか…これからはもうちょっと頻繁に更新していきたいと思います。
 本当ならこの後のも書いてから挙げようかと思ったんですが、そうするとまた時間が…今回は短い上にほとんど話が進んでいませんがお許しください。
 今回は合宿でキャッキャウフフな感じかと思っていた方…すみません、まさかのバトル回です。しかも、次回ある人がえらいことになるのが確定しているという…
 模擬戦だの女性だのガキさんの前では無意味でした…実践で強くなっていったガキさんたちなら普通ですよね(汗)
 小猫ちゃんファンの方もうしわけありませんでしたァ!!

 最初にも書きましたが、UA30000、感想50、お気に入り500超えと本当に吃驚しました!!皆様どうもありがとうございます。これからもがんばっていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

では、また次回お会いしましょう。


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