お漢(かん)転生   作:ガイル01

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後書きにも書きますが、設定に変更が出ました。原作キャラと絡ませるためガキさんを2年生にしていたんですがあまりの違和感のため3年生にしました。それにより、前話の最初の年齢の部分と支取との会話に変更が出ました。
ご意見をくださった方、あがとうございます。
皆さんのご意見がありましたらよろしくお願いします、ただ設定と作者の構想の都合上変更が出来ない場合もあります。その点はご了承ください。

では、本編をお楽しみください。

この作品はネタばれと独自解釈があります、お気をつけください。


第2話

 昼休みが終わるぎりぎりに俺は教室に着いた。窓際の自分の席に座って次の授業の準備をする。

 

「午後の従業は…英語か。」

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

「ねみぃ。」

 

 そこそこ寝たってのにどうして午後一の授業はこんなに眠くなるんだか、やべぇ…

 

 

 

 

 

>春の陽射しが柔らかく降り注いでくる…

>遠くから聞こえる歓声、

 まだ少し冷たい風

>少し眠気が差してきた…

 

我慢だ…

 

 

>うららかな陽射し

>だんだん眠くなってきた…

 

 

 

 

>…目を閉じますか?

 

→目を閉じる

……。

 

………………

 

…………

 

……

 

 

「エクセレントッ!!」

 

ビクッ!!

 

 いきなり聞こえた、美鶴の口癖に思い切り顔を上げる。

 

「どうしたんだい、荒垣君?」

「いえ、なんでもありません。」

 

 なんだ、クラスのやつが問題を答えただけか。ふと黒板を見ると一人の学生が立っていた。

 紅い―ストロベリーブロンドよりもさらに鮮やかな紅の髪をもつ女子。

 リアス・グレモリー

 頭脳明晰・運動神経抜群・スタイルもよく・性格も悪くない。うちの学校の二大お姉さまとか呼ばれている。

 

 しかし、なんか違和感を感じる。なにが?と聞かれれば答えられねぇ、しいて言うなら何となくとしか言いようがねぇ。支取にも感じているが、害はなさそうなんで保留だ。

 

 

 なんやかんやで5・6・7限と授業が終わり、放課後となった。帰りの準備をしていると、声をかけられた。

 

「あらあら、荒垣君お帰りですか?さきほどの英語の授業では何かあったようですが大丈夫ですか?」

「問題ねぇ。」

 

 そういうと相手、姫島朱乃は安心したように微笑む。

 

 こいつ、姫島朱乃も二大お姉さまと呼ばれている。社交性が高いため男女問わず一定の対応をする、そのため勘違いして玉砕した男子は数知れねえ、意識していねぇ分余計に性質がわりぃ。

 

「じゃあな。」

「ええ、さようなら。」

 

 そして、こいつからもあの違和感を感じている。

 

「さてと、帰るか。」

 

 

 

 

次の日

 

ジリリリリリリリリリ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

バンッ!!

 

「くそ、目覚まし切り忘れた。」

 

 せっかくの休みだってのに。

 

「寝直すか…」

 

 ……………ん、なんか変な匂いが。

 

「ッツ、まさか!」

 

 俺は飛び起き、階段を駆け下りてキッチンに向かう。

 

「お袋、なにしてやがる!!」

「シンちゃん、大変!!鍋が!!」

「まず火ぃ、消せ!てか何で朝っぱらから油鍋なんか使ってんだ!っておい水かけようとしてんじゃねえ、やめろ!!」

「きゃああああああああああ!??」

 

 

 

30分後

 

「ぜーはーぜーはー、お袋。」

「はい。」

「マニュアル第31条3項 油鍋の扱い方」

「はい、高温の油鍋に水を入れると火柱が上がり大変危険なのでやめましょう。」

「そうだ。で、あんたはなにをやった。」

「水を入れました。」

「わかってるならやんな。」

「はい、以後気をつけます。」

 

 なんとか火事にはならなかったが、キッチンは油がはねてベタベタ、天井には煤…

 

「はぁ、まあいい機会だ。これを機に今日は大掃除をすんぞ。」

「そうよね!いい機会よね!!」

「調子にノンな。」

 

 俺が諌めるとお袋は部屋の隅でいじけ始める。

 

「シンちゃんったら昔はかわいかったのに…」

「ぶつくさ言ってんじゃねえ、親父起こしてこい。こうなりゃ、親父も手伝わせる。」

「はーい、あなたぁ。シンちゃんが手伝ってってぇ!!」

「チッ、どこから手をつけるか」

 

 汚れてもいいよう、頭には三角巾。そして前掛けをつけながら片付けの準備を始める。

 

「よしっ、やるか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わりだ。」

 

 夕方になってようやく終わりやがった。てかお袋を手伝わすんじゃなかった。一人でやったほうがぜってぇ早かった。

 

「シンちゃん、お腹すいたぁ。」

「そうだな、真次郎腹が減ったな。」

「朝お袋が使っちまったから冷蔵庫には何もねぇぞ。」

「「え~!!」」

「うるせぇ、てめぇらはガキか!!買いもんいってくるからちょっと待ってろ。」

「「は~い。」」

「チッ」

 

 俺が外に出ると。

 

「ワンッワンッ」

 

 犬、我が家の番犬コロがほえる。

 

「悪いなコロちゃん、今は散歩できねぇんだ。また今度な。」

 

 そういって頭をなでる。

 

「フキュ~ン」

 

 不満そうだが納得してくれたらしい。

 

「じゃあ行って来る。」

 

 

 さて、スーパーに向かうか。しかし、お袋も親父も俺が生まれるまで料理がまったく出来ないで、どうやって生きてきやがったのか。初めて食ったお袋の料理も紫色のわけのわからん物体Xだったし、なんだって幼稚園のころからキッチンに立って、スーパーで主婦とタイムセール品の取り合いをしなきゃならねぇんだか。

 

ドンッ

 

「っと、わりぃ。考え事して前を見てなかった。」

「いえ、こっちもよそ見してたんで、すみません。」

 

 そう言ってぶつかった男は頭を下げてくる。連れの女もそれに続く。

 

「なら、お互い様だ。」

「はい。じゃあ、失礼します。」

 

「夕麻ちゃん次どこ行こうか!」

「そうね…」

 

 あれは…2年の兵藤とかいったか。連れの女は見たことがないが。

 

「あの女の目…」

 

 あれはただ見るだけではなく、なにかをあの探る様な目つきだった。

 

「気にくわねぇ。」

 

 っと、そんなんより今の時間は。5時5分前。

 

「チッ、出遅れた。」

 

 今からじゃ良いポジションが取れない、ならどうする。

 誰かと手を組むしかないか。

 しかし、誰とだ?

 クソッ、時間が…

 

「あら、荒垣君。奇遇ね。」

 

 振り返った先にいたのは、支取であった。

 

「会長、急で悪いが質問がある。」

「なにかしら?」

「今暇か?」

「ええ、スーパーに買い物に来たところなんだけど…」

「!!」

 

 マジか。この時間、このスーパーに買い物。こいつもこちら側の人間か。そういやぁ、味覚が相当鋭かったし、料理をするんだろう。なら好都合だ。

 

「会長。」

「はい。」

「手を貸してくれ。」

 

 そういって頭を下げる。

 

「構わないですよ。何をすればよいですか。」

「恩に着る。」

 

 そして、俺たちはタイムセール会場《戦場》に向かった。

 

 

 

 

 

 買い物の後、俺たちは公園で一休みをしていた。

 

「手伝ってもらって悪かったな。ほらよ。」

 

 そういって買ってきたジュースを渡す。

 

「あれは、いったいなんなのですか!?」

「すまねぇ、てっきりこちら側の人間かと思ってたが初めてだったとは。」

「いえ、すみません。取り乱しました。」

「しかし、なんだってあの時間にあそこで買い物しようとしたんだ?初めてなら無謀すぎんぞ。」

 

 あそこは歴戦の猛者が集う場所だ、特にこの時間に初めてのやつが行ってもまず何も買えない。なのにしっかりと目当てのものを手に入れたこいつはある意味才能があるのかもな。

 

「とても安く、良い品がそろってると友人に聞いたもので。」

「そうか、いつもはどこで買ってるんだ。」

「あまり買い物はしないのですが、この間荒垣君に頂いたお弁当があまりに美味しかったので料理に 興味がわいて私もやってみようと思ったんです。」

「…そうか。」

「…もしかして照れてますか?」

「照れてねぇ。」

「顔が赤いですよ。」

「うるせえ。帰る。」

「では、私も、ッ!」

「どうした?」

「いえ、なんでもありません。こちらから帰りましょう。」

 

 そういうと支取は公園を出ようとする。

 

「俺は公園を抜けた方がちけぇんだが。」

「あら、荒垣君はこんな時間に女性を一人で帰すのですか?」

「まだ夕方だろうが。チッ、わかったよ。とっとといくぞ、うちには腹減らしたガキが二人待ってるんだから。」

「あら、ご兄弟かしら?」

「ならまだマシだったんだがな…」

 

 俺は知らなかった、この時同じ公園で一人の後輩が命を落としていたことを。

 




まさかの連投です!一回やってみたかったんですが今後は無理ですね。
あと感想をくださった方どうもありがとうございます。感想を受け、自分の分を見直した所、やっぱり自分でも違和感を感じたため、ガキさんは最上級生にしたいと思います。そのため前話を一部修正しました。といっても年齢のところと支取との出会いの部分ですが。
 今後も気づいた点がありましたら是非ご指摘ください。ただこちらにも考えがある場合は変更できない場合もあります。その際はご了承ください。
 
 そして、ついにメインメンバーの登場。といってもほんの少しな上にイッセー死んでるし。どうしてry。
 次回は初戦闘です、がんばって書きたいと思います!!

[補足]
・目を閉じますか?
みんなのトラウマEDですね。

・目覚まし
ガキさんは低血圧で目覚ましがすさまじいとドラマCDで言っていたのでこうしてみました。

・ガキさんの両親
荒垣の両親だからガキ…なんちゃって。
ハッ、イッタイオレハナニヲシテタンダ、リジチョウノシワザニチガイナイ。
本当はガキさんのおかんスキルを目立たせようとしたらこうなりました。
母親はお袋、父親は親父と呼んでいます。母親は家事スキル0です。父親が中の下くらいなのでガキさんが生まれるまではなんとかなりました。でも今はガキさんにまかせっきりなので父親の家事スキルは下がり、ガキさんがほとんど全部やっています。

・マニュアル
ガキさん特製家事マニュアル。とても綺麗にまとめられており、娘の嫁入り道具の一つとしてうちに是非!!と近所のおば様方に大人気の一品です。これとは別に門外不出のレシピ本もあるとか。

・コロ
虎狼丸とは別犬で、カタカナでコロとなります。具体的な年齢は知らず、ガキさんが子どもの頃に父親が拾ってきた。見た目は柴犬に近い。

・支取
ガキさんのお弁当以来料理が趣味となる。その腕前は!?
あと、雰囲気が大分柔らかくなっていますが、基本予想外のことの後で(説教・タイムセール)生徒会長の仮面が外れているからですね。ガキさんに対しては今のところは恩人であり、良い友人といった感じ。原作を見ても支取は鈍感そうで、惚れたとしても自分の気持ちになかなか気づかなそうですね。

以上です。
また次回お会いしましょう。

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