説明会になります、ここが終わればあいつの登場だ…
この作品は、ネタばれ、独自解釈、オリジナル設定、原作ブレイクがあります。
ご注意ください。
「荒垣君よろしいですか?」
「ああ。」
俺はそう言うと荷物を持って姫島とともに教室を出る。
クラスの連中がぎゃあぎゃあと騒いでやがったがまた面倒なことになりそうだ。
「はぁ。」
「どうしましたか?」
首を少し傾けながら姫島が聞いてくる。
その様子に廊下にいる男子が悶絶している。
「あいつはどこにいる?とっとと向うぞ。」
俺はそう言って歩き出す。
これ以上いて面倒事になんのは勘弁だ。
「じゃあこちらに。」
そう言って姫島は案内を始める。
「ここは…」
着いた先は旧校舎だった。
「ここに私たち『オカルト研究部』の部室がありますの。」
中に入ると見た目とは裏腹にきちんと掃除がされているようだった。
「ここですわ。」
そう言ってある教室の前に立つ。
コンコン
「部長、失礼します。」
「ええ、入ってちょうだい。」
その声に従い、俺と姫島は中に入る。
内装は魔方陣や奇妙な文字やらが部屋を埋め尽くしており、お世辞にも落ち着く空間とはいえない。
奥を見るとこの部屋の主であるリアス・グレモリーが立っていた。
「朱乃、ちょうど良かったわ。これからシャワーを浴びようと思っていたの。タオルの準備をお願いできるかしら?それと、彼にお茶を。」
「かしこまりました。」
姫島にそう言うと、グレモリーはこちらに近づいてきた。
「荒垣君、急な呼び出しでごめんなさい。部員を代表して歓迎するわ、オカルト研究部へようこそ。今、他の部員がもう1人呼びに行っているからそこのソファに座って待っていてくれるかしら?」
「ああ。」
その返答を聞くとグレモリーは奥の方に歩いていく。カーテンの奥へと消えたかと思えばシャワーの音が聞こえる。
「突っ込みどころがありすぎだろ、おい。」
そんなことをぼやいていると、姫島がお茶を持ってきた。
「こちらへどうぞ。」
俺は促されるまま、ソファの方にやってくると先客がいた。とりあえず腰を掛ける。
「うおっ。」
座ったとたん沈み込む。それでいてこちらに負担を掛けないようある程度の反発もある。
「相当いいヤツだな。」
「部長が発注した特注品です。」
「うおっ!?」
独り言のつもりが返答があり、驚く。反対側の女子、たしか塔城とかいったか?が話しかけてきた。
「あらあら、小猫ちゃんの方から話しかけるなんて珍しいですわ。」
「なんとなくです。」
そう言うと自分のカバンに手を伸ばし、お菓子を取り出して食べ始める。
目の前の女子は普段あまり話さねえんだろう、ぱっと見無表情に見える。が、こちらを意識している。
なんだ?嫌な感じはしねえが…とりあえず挨拶ぐらいしとくか。
「3年の荒垣だ。」
「1年の塔城小猫です。」
いつの間にか姫島もいなくなり、沈黙が流れる。
気まじぃ、昔はこんなん全く気にしなかったんだがな。
俺が変わったってことか、
「チッ。」
自分の変化に気づき、なんとも言えない感情に舌打ちを打つ。
「どうしましたか?」
「いや、なんでもねえ。」
「そうですか。」
また沈黙が流れる。
その時、塔城の手に持っている菓子が目に入る。そして、昔のことを思い出す。
「和菓子が好きなのか?」
「え?」
「前も大学芋食べてただろう。」
「ッ!!覚えてたんですね。」
「まぁな。」
こいつとは以前一度会っている。
焼き芋の屋台のおっさんが稀に持っている裏メニューがあるという話を聞き、買いに行った時会ったのがコイツだ。
結局、裏メニューは大学芋で、残り1人分しかねぇってことだったからコイツに譲ったんだが、引き止められ一緒に食べた。
会ったのはそれだけだったし、ほとんど何も話さなかっただろうが、なぜか忘れていなかった。
それに懐かしい気がした…
「どうぞ。」
そんなことを考えてると塔城が食べている羊羹を差しだしてくる。
「いいのか?」
「はい。」
「じゃあ、貰うぜ。」
一切れ皿から取って食べる。
「うめぇ。」
「良かったです。」
その時、少しだけ微笑んだ気がしたが直ぐに元の無表情に戻る。
「驚きですわ、小猫ちゃんが自分のお菓子を他の人にあげるなんて。」
「なんとなくです。」
「ふふ、そういうことにしておきますわ。」
そんなことを話してっと外から声が聞こえる。
「部長、連れてきました。」
「ええ、入ってちょうだい。」
そうグレモリーが答えると後ろのドアが開き、2人の男子が入ってくる。
片方は兵藤、もう片方は廊下で女子がキャーキャー騒いでんのは見たことあっが名前までは知らねぇ。
兵藤がきょろきょろしながらこっちにやってくる、俺と目が合う。
「あっ!荒垣先輩、昨日は危ないところどうもありがとうございました!!」
兵藤はそう言って頭を下げてくる。
「気にすんな、たまたま居合わせただけだ。」
「それでも助けていただいたのは事実ですから!!今ここにいられるのは先輩のおかげです!!」
「ああ、わかったわかった。とりあえず落ち着け。」
とりあえず、兵藤を落ち着かせる。
その後、兵藤は塔城と挨拶をし、シャワーの音を聞き、やべえ顔をしてるところを突っ込まれる。
わかっちゃいたが、コイツは…
そんなことに俺が呆れ、兵藤が姫島と話してるとグレモリーが出てくる。
「これで部員は全員揃ったわね。後は…」
コンコン
「失礼します。生徒会の仕事であり、遅れてしまい申し訳ありません。」
振り向くと、支取が入ってきた。
「支取か…」
「はい、こんにちは。荒垣君。」
こちらと視線を若干ずらしながら答える。
兵藤のヤツは「なんでここに生徒会長が!?」などと混乱している。
「さた、これで本当に全員集まったわね。」
グレモリーが空気を作り直す。
「兵藤一誠君。いえ、イッセー。そして、荒垣君」
「私たちはあなた方を歓迎するわ。」
「悪魔としてね。」
その後、俺たちは全員ソファにつき、グレモリーが口を開く。
「単刀直入に言うわ。私たちは悪魔なの。」
兵藤は驚いた顔をする。
まぁ、当たり前だ。俺だって前世であんなことが無ければありえねえと思ってただろうが、世の中見えてるモンが全てじゃねえって事を俺は知ってる。
話は悪魔の存在、敵対する堕天使と天使との三すくみの現状、お互いの戦い方などの俺たちに対する基本的な内容から昨日までの話に移る。
グレモリーがある女の名前を出すと隣にいた兵藤から怒気が滲み出す。
察するに、コイツは女堕天使に騙されていたらしい。
女がらみの罠にはまるとはまるで伊織のやつみてーだな。最後のを見る限り、あの時と比べっと相当しっかりしたみてぇだがな。
殺された理由は
その時兵藤と一緒に来た男子が口を開いた。
「
それに姫島が現在にも多くの
そして、実際に兵藤の
もし、力が暴走したらどうするとか考えてねぇのか、コイツらは。
あまりの無用心さに怒りを覚えつつ、周りに気づかれないように気をつけつつ、いつでも動けるよう準備する。
グレモリーは兵藤に言う。
「目を閉じて、あなたの中で一番強いと感じる何かを心の中で想像してみてちょうだい。」
「い、一番強い存在…。ドラグ・ソボールの空孫悟かな…」
おい…てめぇは高校生だろうが。何言ってやがる。
しかし、グレモリーは真剣な様子で言葉を続ける。
「では、それを想像して、その人物が一番強く見える姿を思い浮かべるのよ。」
なんだ、この茶番は…
「そして、その姿を真似るの。強くよ?軽くじゃダメ。」
グレモリー、お前は何をいってんのか理解してんのか?
高校生の男にアニメのポーズを全力で真似しろだと?
拷問意外なにものでもねえじゃねえか、なんで周りは誰も止めねえんだよ。
誰もが真面目な顔をして二人のやり取りを見ている。
俺か!?俺が悪いのか!??
悪魔と人間じゃ、そこまで考えが違うってのか?常識的にこれはアウトだろうがよ。
明らかに兵藤だって困ってんじゃねえか。
「ほら、早くしなさい。」
グレモリーお前は鬼か?実際悪魔なんだろうがひでえだろうが。
大体こんなんで神器とやら発動するわけ…
「ドラゴン波!」
やりやがった…俺は目を逸らしながら驚愕した。
俺にはぜってぇできねえ。
ある意味コイツを尊敬するわ。
アニメの技の真似で発動なんかするわけ…
ガラじゃねえが、コイツには優しくしてやろう。
そんな決意をしながら顔上げて兵藤を見る。
「おいっ!!」
俺は叫ぶ。
「な、なんじゃ、こりゃぁぁぁぁ!」
兵藤も叫ぶ。
しかし、俺たちの驚きの意味合いが全く違げえ。
アイツは手にあるものを見て驚いてやがる。
だが、俺は発動したこと自体に驚きをかくせねぇ。
「おいっ、そんなんでいいのかよ!!」
ついに我慢できずに立ち上がり、叫ぶ。
「どうしたの?急に叫びだして。」
「いや、仮にも
「形は関係ないわ、
「だからといってこれはよぉ。」
そう言いながら周りを見る。
誰もが「俺」を不思議そうな顔で見る、最後の望みを賭けて支取の方を見る。
目を逸らされた。
「はぁ、もうどうでもいい。」
ソファに座りなおし、肩を下げる。
その後、なんか話していたが、まともに聞く気力は残っておらず聞き流した。
バサッ
聞きなれない音が聞こえ顔を上げると皆がコウモリのような翼を生やしていた。
「これが、悪魔の翼か。」
立ち上がり、支取の方へ向う。
「さわんぞ。」
「え?」
困惑する支取を無視して触り始める。
「え、ちょ。ちょっと待って。んっ…」
「ほう、そこそこ堅いが滑らかだな。弾力もある。やっぱコウモリの羽を大きくしたような感じだな。」
さわさわ
「だから、んっ…あらがふぁっ!!そこダメ、待っぁん…」
「これは…」
ん、兵藤がなんか言ってるようだが、まぁいいか。
しかし、手触りがいいな。
「~~~!!いい加減にしてください!!」
「うおっ。」
羽から顔を上げると顔を真っ赤にして怒る支取がいた。
やべえ、普段見れねえモンだからついやり過ぎた。
「あ~わりぃ。」
頭をかきながら謝罪する。
「全く、貴方という人は。もういいです。」
「ホント悪かったな。」
「はぁ、しかし貴方はなんとも思わないのですか?」
「なにがだ?」
「私は悪魔です、それを言わずに貴方と接していました。それは友人として接してくれた貴方への裏切りだったのでは…」
「はぁ。」
今度はこっちがため息をつく。
「支取、お前が悪魔だろうがなんだろうが関係ねえ。お前は支取だろうが。俺はお前と直接話し、お前のことを知った。なら、そこに種族なんて関係ねえ。」
「荒垣君…ありがとうございます。」
「礼なんかいらねえ、今までとなんも変わっちゃいねえんだから。」
「それでも私が言いたいんです。どうもありがとうございます。」
「チッ。」
顔を背ける。
「てめぇらなんだその顔は…」
微笑みながらこっちを見てくるほかのヤツラを睨む。
「いえ、なんでもないわ。良かったわね、ソーナ。」
グレモリーが言う。そして、支取がこちらの不思議そうな顔に気づいてのか補足する。
「私の本当の名前はソーナ・シトリーといいます。この地域はグレモリー家が治める地域ですが、この学園は昼をシトリー家が、夜をグレモリー家が治めることになっているのです。」
「そうか、呼び方はそのままでいいのか?」
「はい、学園では支取なのでそちらでお願いします。」
「わかった。」
そう支取にうなずく。
「さて、次は貴方よ。荒垣君。」
「ああ?」
自分の話題となり、声を上げたグレモリーの方へ振り向く。
「貴方は自覚が無いのかもしれないけどとんでもないことをしたのよ。バス停で堕天使を撃退するって普通の人間では出来ないことなのよ。」
「できちまったんだからしょがねえだろう。」
コイツらが敵ではないのはわかったが、あれはなるべく他の奴らには晒したくねえ。
さてどうするか。
「そこで、荒垣君。ソーナから年代物の懐中時計を持っていると聞いたんだけど見せてもらえないかしら?」
「ああ。これのことか?昔から使ってるモンだ、手荒に扱うんじゃねえぞ。」
そう言って俺は懐から時計を取り出し、机の上に置く。
「わかったわ、失礼するわね。」
そう言うとグレモリーは時計を手に取る。支取も隣りに回り、時計を観察する。
「ッ!!ソーナ…」
「ええ。」
なんだ、急に二人で話し始めやがった。あれは昔貰った時計で古いモンだが、特にいわれがあるようなモンでもねえはずだが。
「荒垣君、これには相当な魔力が宿っているわ。」
「あぁ?」
はぁ、マジか…ッ!アイツらか。そういや壊れてたから修理したとか言ってやがったな。
「何か心当たりでも?」
支取が聞いてくるが、前世でなんて言っても信用されないだろうから誤魔化すしかねえな。
「いや、昔に人から貰ったモンだから驚いただけだ。」
「ちなみに渡してくれた人は?」
「もう会えねえ。」
「!!ごめんなさい、無神経だったわ。」
グレモリーは頭を下げ、申し訳なさそうにする。
「気にすんな、もうずいぶん前の話だ。」
「しかし、これは魔力が宿っているのはわかりますが使い方がわかりませんね。荒垣君はこの事をご存じなかったんですよね?」
「ああ、今日初めて知った。」
「あら?」
グレモリーの隣にいた姫島が声を上げる。
「どうしたの、朱乃。」
「いえ、荒垣君なのですが、その時計が無くても魔力を持っているようでしたので。」
「ッツ!!」
ばれたか?
「本当ね、珍しいわね。」
「あの~。」
「どうしたの、イッセー?」
「いえ、悪魔にならなくても魔力ってあるんですか?」
「ええ、数は少ないけど魔力を持つ人間や扱う人間はいるわ。魔法使いと呼ばれる者たちね。」
「魔法使い!!そんなのもいるんですか?」
「ええ、そうよ。悪魔になるとそのうち彼らとも契約することになると思うわ。」
グレモリーがそんなことを言うと、兵藤は鼻の下を伸ばしながらブツブツといい始める。
「巨乳、エッチな衣装で…ふふっ、貴方が召喚に応じてくれた悪魔君とか…ぐふふ。」
…見なかったことにしよう。
「荒垣君、時計を手にしてみてくれるかしら?」
「ああ。」
支取に言われ、時計を手に取る。
「ソーナ。」
「ええ気づいています。荒垣君、今貴方がその時計を持った瞬間、時計とパスがつながりました。貴方は無意識にその魔力を使って身体や武器を強化したのでしょう。それによって堕天使と戦うことが出来たのでしょう。」
そうか、そういう風に解釈したか。こっちのことを真剣に考えてくれてるヤツに悪いがまだあれについては隠させてもらうぜ。
「そうか。」
「とりあえず、彼が堕天使と戦えた理由がわかったのは良いけど…不味いわね。」
「ええ。」
「なんでだ?」
「貴方が堕天使を撃退したことで、ヤツラに貴方も敵としてみなされてしまったのよ。堕天使は欲により堕ちたことから理性より感情が強い傾向があるわ。また、父である神を信仰する天使が堕ちる事でなるから家族という概念もあるけど、父への裏切りから家族より仲間というコミュニティを特に重要視するのよ。」
「堕天使のうちの1人を撃退してしまった貴方は、撃退した者の仲間にまで狙われる立場となってしまったのよ。」
「マジか、でもヤツラはそこまで数が多いわけじゃあなさそうだぞ。」
「どうしてかしら?」
「倒した堕天使を助けに来てた奴らが「これ以上戦力を減らせない」と言っていた。ってことはそこまで余裕があるわけじゃねえんだろ。」
「なるほど。」
グレモリーが立ち上がり、窓際に行く。そして手元から何かを放す。
「今、使い魔を放ったわ。これで少し調べさせてみるわ。」
「私の方でも調べてみます。」
眼鏡を上げながら支取が答える。
「それで、荒垣君。提案なんだけど、私の眷属にならない?」
「ッ!!リアス、それは抜け駆けじゃないかしら?」
「あら、こういうものは先手必勝よ、ソーナ。」
「荒垣君、私の眷属になりませんか。私も駒が余っていますので。」
二人は言い争いながら提案してくる。
「はぁ、ちょっと落ち着け。まず、駒ってのはなんだ?」
「それは…」
二人は悪魔の駒について説明をする。
「なるほどな。」
「それで、どうかしら?」
「断る、今は誰かの下につくつもりはねえ。」
「でも貴方は狙われているのですよ?」
支取が心配してくる。
「テメェのケツ位テメェで拭く。」
「はぁ、それでも私は眷族を救って貰った恩が、ソーナも恩があるようだから危険なのがわかってるのにそのまま放置する訳にはいかないわ。」
「だが、眷属にはならねえぞ。」
「では…契約はいかがですか?」
「契約だと?」
支取が異なった提案をしてきた。
「そうね、妥協点としてはそんなところかしらね。これを見てちょうだい。」
そう言ってチラシを見せてくる。
「『貴方の望みをかなえます』なんだこの胡散臭いチラシは。」
「それは悪魔を召喚するためのチラシよ、悪魔は人間と契約して力を蓄えるの。契約の内容は人それぞれで、知識や名誉、そして自分の身を守るために契約する人間もいるわ。」
「それで俺にも契約しろと。」
「ええ。」
俺は考える。確かに、契約を交わした方が安全だろう。
しかし、その際のデメリットもある。ひとつの勢力に組するってことはこれからずっと対立戦力が生まれるわけでもある。
今回はあの堕天使たちをどうにかすればなんとかなるかもしれねえ。だが、堕天使のコミュニティ的にそれだけじゃあ、すまねえかもしれねえ…
俺が考えていると、支取が声をかけてきた。
「私たちは貴方のことが心配なのです。1人の友人として。そして貴方を守る力もある。お願いです、私たちと契約してください。」
まっすぐな視線でこちらをみつめてくる。
クソッ。
「わかったよ、契約してやる。ただし、一方的に守られるつもりはねえ。なんかあった時は俺もヤル。いいな。」
「ええ。」
「しょうがないですね。」
そういうと、地面に魔法陣を書き始める。
「出来上がったわ、じゃあ荒垣君中に入ってくれる?」
「おう。」
俺が陣の中心に立つと、まずグレモリーが入ってくる。
「片手を前に伸ばして。」
グレモリーの言葉に従い、手を伸ばす。
グレモリーはその手に自分の手を重ね、何かを唱え始める。終わった瞬間、手の甲に一瞬痛みが走る。
「ッゥ。」
手の甲を見ると紋章が刻まれていたが直ぐに消える。
「次は私ですね。」
支取がグレモリーの掴んだ手とは反対の手を掴み、呪文を唱え始める。
終わると、同じ痛みが掴まれている手に走る。
見てみるとグレモリーのときとは異なる紋章が刻まれ、消える。
「これで契約は終了よ、紋章は消えたように見えるけどきちんと効果は現れているから大丈夫よ。」
「結局どうなんだ。」
「いくつか効果はあるけど大きいのは召喚と念話かしらね。」
「ええ、これで魔力を使うことで我たちを召喚したり、逆に貴方を召喚することが出来ます。また、同じく魔力を使って言葉を発せず、会話が出来ます。こんな風に。」
(聞こえますか?)
(おう。)
「なるほどな。」
「他のものは適宜教えていきます。」
「わかった。」
「荒垣君。」
名前を呼ばれ、二人の顔を見る。
「「今後ともよろしく。」」
「おう。」
俺は、そう言った二人の笑顔に、決意を込めてうなずいた。
ガイル01です、ここまで読んでいただきありがとうございます。
文章量は増えているのに全く先に進みません。このままだと読んでいるほうがだれてしまうのではと思うので、少しテンポアップを考えていたりもします。
後、今回独自解釈、オリジナル設定が多かったですね。いい加減タグに原作ブレイクを入れたいと思います。
こんな作品でも感想や応援をくださる方がいてくださり、感謝の極みです。これからもがんばっていきたいと思います。
では、また次回お会いしましょう。
[補足]
・ガキさんの性格
原作を見返してきましたが、うちのガキさんは相当マイルドになっています。女主人公のコミュ(キャラと仲良くなることで主人公が強くなるのでアルカナに対応したコミュニティが存在する。ガキさんのはギャル○―と有名。)でも相当優しいところやオカンなところを見せていましたが、PS2版のコミュが無かったときと比べるとかなり差があります。一応男主人公とコミュを築き、友情を深めたと言うことで少し柔らかくなったとしてください。
・堕天使の設定
実は悪魔と同等以上に欲が深く、執着が激しいと考えており、感情的になる傾向があるのでは?と原作を読んでかんがえた独自解釈です。
・翼への反応
ガキさんにムツゴロウさんがインストールされました。今まで見たことが無いものに普段抑えてる何かが溢れてしまったようです。ガキさんマジテクニシャン。
・能力の勘違い
ベルベッドルームで直した時計になにも細工がされていないわけがないじゃないですか(キリッ)
先入観として時計の存在があったので真実にはたどり着かず、勘違いしたまんまです。いつか真実を話すときがくるでしょう。
・契約
グレモリーもシトリーも両方出していくために、どちらかの眷属ではなく、人間のまま契約という形にしました。アトラス的に最後のセリフを言わせたかったりというのもあったのですが(笑)カタカナの方が良かったかな?
他にも何か質問や感想がございましたらよろしくお願いします。