二週目のホリ・トオル 作:ボブ
朝になっていた。
俺はシャワーを浴び、部屋着に着替え今後の事を考えていた。
今後の事とはもちろん、『あいつらに襲われない為にはどうするか』だ。
考えあぐねていると、来客を告げるチャイムが鳴った。
──そうだ、俺は部屋の鍵を掛けないんだった。
彼女にも散々言われていた。
何で俺はこんな事にも気づかなかったんだ。
『今度から鍵を掛けよう』という思いと共に、来客が待つ玄関へと向かった。
「はい」
「書留です」
来客は郵便配達員だった。
俺にとっては「郵便屋」というだけでも恐ろしい、記憶から消したい存在だがそうも言っていられない。俺はドアを開けた。
背筋が凍り付いた。
目の前にいるのは間違いなくあの変態郵便屋だ。
布団の上で枕を抱えていた郵便屋だ。
思わず掴み掛かりそうになったが、相手はまだ何もしていない。
ここで殺しでもすれば俺が襲われる未来も無いのだろうが、それでは俺が牢屋に入れられる。
牢屋に入るべきなのは目の前のこいつと、あとは加勢したあの二人だ。
「あの……どうかしましたか?」
うろたえる俺に、心配そうに声を掛けてきた。
「あ、すみません。サインですよね」
俺は必死に恐怖と怒りを抑え込み、冷静に振る舞った。
「ここでいいんですよね?」
「ええ」
震えを押さえながらペンを握っていると、郵便屋は口を開いた。
「ひとり暮らしなんですか?」
「はい、そうです」
俺は正直にそう答えた。
どうせうちが管轄の郵便屋だ、隠してもすぐバレる。
「彼女とか、いらっしゃらないんですか?」
その質問は覚えている。
「プライベートを聞く厚かましい郵便屋が来た」という漠然な記憶だったが、それはこいつだったのか。
俺は語気を強めて言った。
「ええ、居ます。一生かけて守ると決めた最愛の『女性』が」
そしてサインを渡し、荷物を受け取ると追い出すようにドアを閉めた。勿論鍵とチェーンも掛け。
────────
どうするか。
あの郵便屋、俺が取り押さえた時の反応からしてかなり気弱なようだ。
恐らく、俺に襲いかかって来た時はあの警察─あのホモコップと一緒で気が大きくなっていたのだろう。
しかし何故通報されて駆けつけた警察官まで襲ってきたんだ?一目惚れでもしたのか?
そしていつの間に増えていたもう一人。
一度に三人の同性に同時にレイプされる。信じられるか。笑いたければ笑えばいい。
さて、ここで悩んでいても仕方ない。俺は洗濯が貯まっていた事を思いだし、洗いに行く事にした。何かやられればその度に抵抗してればいい。
二度目だ、敵の手は読めている。
俺があんな奴等に負ける訳がない。
負ける訳にはいかねえんだよ。