IS 男子校出身者の非日常   作:あめん

10 / 14
第8話 男子最強決定戦

劇的な大勝利(大嘘)の後、ピットに戻ると一夏、箒ちゃん、織斑先生が待っていた。

 

「すごいな。進、お疲れ様」

「ありがとう、次はお前の番だ。ボッコボコにしてこい」

「その件なんだが、オルコットの機体の損傷が激しい、次は織斑、外道、お前らでやれ」

「え、休憩は?」

「ない」

 

ファッ!?

 

「進とか。お手柔らかに頼むぜ」

「ギッタギタにしてやる」

 

そう言葉を交わし、急いで逆のピットに移動する。

そして、再び酒呑童子を起動して出撃する。

向こうのピットから灰色のISが出てくる。

 

「おう一夏、調子はどうだよ?」

「悪くないぜ!」

「そいつは良かった、それがお前のISか」

「そうだ。白式って言うんだ」

「白式ぃ?名前ほど白くねぇな!!」

「それな、俺も思ってたんだよ」

「「がっはっは!」」

 

2人でひとしきり笑った後臨戦体制に入る。

俺は大鋏「首斬り」を展開、対する一夏は剣を展開する。

ピンと張り詰めた空気。

 

「改めて自己紹介をしよう、俺の名前は外道進。お前のような圧政者(リア充)に正義の鉄槌を与えるために生まれてきた、叛逆者(非リア)である」

「リア充?この俺が?どういう事だ?」

「幼馴染の女の子と毎日毎日イチャつきやがって、テメェら夫婦か、羨ま…けしからんッ!!」

「そう言うのじゃねえよ!」

「じゃかましい!!リア充死すべき!慈悲は無し!!」

 

直後、本日2度目の開始のブザーがなる。

俺は突貫し、鋏で殴る。

一夏は上手く剣でガードする。

「待て待て待て!話せば分かる!」

「問答無用!!」

と軽口を叩きながらも俺の鋏を捌いてみせる一夏。流石は箒ちゃんが鍛え直しただけはある。

仕切り直しも兼ねて腕部機関砲を連射し後退。

 

 

「ほう、なかなかやるじゃねぇか」

「これぐらいはやらないと箒に怒られる」

 

 

と言いつつ突っ込んで来る一夏。

そりゃ引いたら押してくるわな。

ちゅーか、IS乗ったのほぼほぼ初めてなのにこんだけ動けんのは凄いな...流石、姉貴がブリュンヒルデなだけあるな。いや、違うな。これがリア充の適応力ってヤツか...よっしゃ、ぶっ殺したる

俺は更に後退しつつ地面から幽鬼を召喚、突っ込んできた一夏にダメージを与える。しかし一夏は怯まず進み続ける。

速いな…追いつかれた。

 

「クソが」

 

慌てて俺は方向転換し鋏で剣を受ける。ギャリギャリと金属の削れる嫌な音。

 

「どらァ!!」

 

蹴りを入れて強制的に距離を取る。

流石に剣道経験者に剣道じゃ勝てるわけねぇ。

しかし生憎コレはISバトル、なんでもありのデスマッチだ。喧嘩殺法なら負けねぇ。

そう言えば何であいつは遠距離武器を使わない?

慣れてない武器だからか?

しかし、使わないのなら好都合。

むしろ向こうから突っ込んできてくれてるのならありがたい。

お前がそう来るなら俺は徹底的に近寄らせない。

地面から怨鎖を展開し、再び突貫してくる一夏の足に絡める。

 

「何だこれ?」

「非リアの恨み辛みだよ!」

「だからなんなんだよそれ!?う、動けねえ!」

 

一夏は逃れようと必死にもがくが俺は地面、空中から第2、第3の鎖を展開し完全に動きを止めさせる。

 

「じゃあな一夏(リア充)!我々(非リア)Ⅰの怒りの鉄槌を喰らうがいい!!」

 

本日2度目の登場、大型の窮鬼(グー)を展開。

前より圧倒的に展開が早くなってるな。

良き良き。

 

 「くたばれや‼︎ 鉄☆拳☆制☆裁ッ!!

 

渾身の一撃!!大腕は狙い通り一夏の腹に当たる。そして爆発。

辺り一面を爆煙が覆う。

 

「フハハ!!正義は必ず勝つんだよぉ!!」

 

しかし突然のアラート、砂煙の中から純白の機体に乗った一夏が飛び出して来る。手にはビームサーベルらしき物が握られている。

なんだありゃ?

俺は突然のアラートに一瞬の気を取られ接近を許す。

 

「おおおおっ!」

「あ、ヤベ」

 

回避行動をとるが切っ先が掠る。

は?なんで掠っただけでこんな削られるんだ?

大技撃ったとは言え残り70だと...?まだもう少しは遊べるぐらいにはシールドエネルギーを残してたのに…てかアイツ、途中で機体乗り換えやがった?そんなんアリかよ!?

 

「おい、さっきの灰色の機体、どうしたんだよ!?」

「一次移行したんだよ!」

「機体乗り換えとか主人公みたいなことしやがって!ここの主人公は俺だぞ!!」

「は?何言ってっかわかんねぇよ!ってか話聞け!!」

「うるせぇ!!〇ねやァ!!」

 

SEが無い今、遠距離攻撃が乏しい俺には突っ込むことしかできない。

しかもあのビームサーベルもどきにかすった瞬間敗北、もしかして無理ゲー?

いや、まだだ、まだ終わらんよ。

首斬童子を分解し、右手に遠呂智、左手に伊吹を握る。

そして全スラスターを解放しての全力突撃。

必勝は突撃にこそ有り。

一夏も再びビームサーベルを展開し突っ込んでくる。

右手の遠呂智でそれを受ける。

鍔迫り合う両機。

コレを待っていた!

鍔迫り合う遠呂智に左手の伊吹を再合体。

そして梃子の原理でガッツリ挟んだビームサーベルもどきを引っこ抜き首斬童子ごと遠くに投げ捨てる。

無防備になった一夏に踵落とし。

ん?まだシールドエネルギーがミリ残りしている。

地面に墜落した一夏の上に着陸し右手に鬼童丸を展開。

 

「ハイ、お疲れさん」

 

ズドンと1射。

試合終了のブザーが鳴る。

1手ミスったら殺られていたのは俺だったな…

 

「おい、一夏?生きてるか?」

「…」

 

あーコレは気絶してますね。踵落としか?鬼童丸か?

酒呑童子を解除し、一夏の頬をペチペチしていると織斑先生から通信が入る。

 

「織斑を連れてピットに戻ってこい」

 

明らかに怒ってたよ...

しかしピットに戻っても怒られることは無かった。

直後、一夏も復活する。大事をとって明日試合すると言う話も出たが本人の希望で30分後に試合することに決定した。明日に回した方がいいと思うな...

出番終了なので後は観戦だけ。

楽チン楽チン。

休憩がてら自販機でも行くかな?

早速最寄りの自販機に行き、緑茶とスポーツドリンクを購入し戻る。

んだよ全然冷えてねぇな。

 

「おうおう、お疲れー」

 

休憩している一夏とさっきからずっと近くで応援している箒ちゃんに購入物を投げ渡す。

 

「おお、ありがとう、幾らだった?」

「…感謝する。」

「いいや、奢りだ。次の試合も頑張ってくれ」

 

俺も虚空から福音を展開し缶を開ける。コッチは冷え冷えの冷えだ。

「お、このスポドリ冷たくないな」

「それな。なんか自販機に入れたばっかっぽくてさ」

「いや、俺は冷たいのよりぬるい方が好きなんだよ」

「冷たい方が良くないか?」

「ぬるい方が体に良いらしいからな」

「そうなんか」

「進のソレ、美味いのか?」

「飲んだ事ないのか…飲んでみるか?」

「今は良いかな、今度飲ませてくれ」

「いいぜ、楽しみにしとけ〜」

 

にしても箒ちゃん喋らんなぁ。

俺も正直何話して良いか分からんし。

 

そうこうしてるうちに30分が経ちいよいよ最後の戦いの時間となった。

白式を展開する一夏。

やはり白い機体もかっこいい。

 

「やっぱ、さっきのより白いのの方がカッコいいな」

「俺は進の青もカッコいいと思うぜ」

「そりゃ、お前、藍色って俺の一番好きな色だしなぁ。カッコいいに決まってんだろ?でも白も良かったな。主人公カラーだしなぁ」

「は?主人公カラーは赤だろ?」

「戦隊ものの見すぎかよ。でも赤か...スペック3倍になりそう」

「色で性能が変わるわけないだろ」

「マジレスすんなよ...それはそうと、お前さっきの試合なんで遠距離武器を使わなかった?」

「…んだよ」

「は?」

「無いんだよ、この機体、遠距離武器が」

「えぇ…」

「どうすればいいと思う?」

「いや、知るかよ。自分で考えろ」

 

コレばっかりは本当に知らない。

どっちとも戦った感じオルコットの機体(ブルーティアーズ)は遠距離にこそ強いが近距離は苦手、その一方、一夏の機体(白式)は遠距離武器こそ無いが近距離は強く、機動力も一夏の方が高い。

パイロットの技量と期待への慣れは圧倒的にオルコットの方が上。

オルコットの正確な遠距離攻撃を前に如何に上手く間合いを詰めることが出来るかが勝利への鍵である。

 

オルコット側の準備が出来たようだ。

こちら側でも発進シークエンスが開始される。

一夏がカタパルトに足を乗せる。

 

「それじゃ、行ってくる!」

「おう、ボッコボコにして来い」

「この程度の障害、男子たるもの簡単に乗り越えて見せろ」

「ああ!」

 

白が飛び立った。

 

ちょうどいい機会だし話しかけてみよう。

 

「所で、箒ちゃん、この1週間、なにしてたの?」

「剣道だ」

「それ以外は?」

「剣道だ」

「…な、なるほど」

 

だからさっきの試合で微妙に形にハマったような動きしてたのか…

近づければ一気に勝ち可能性は上がるが、オルコットも遠距離をメインにしてるだけある。一夏を間合いに入れないように動いているし既にビットが展開されている。俺の時のような舐めプが一切無い。

先程から一夏はオルコットのライフルとビットを織り交ぜた戦法ににまず対応出来てない。そして、疲れからか先程の試合のキレもない。

 

『俺は世界で最高の姉さんをもったよ』

ん?

『俺も、俺の家族を守る』

はぁ?

『とりあえずは、千冬姉の名前を守るさ!』

なんか恥ずかしい台詞が聞こえますねぇ。これは負けたら恥ずかしいぞ~。

 

おっ、瞬時加速。オルコットも驚いている様だ。ビームサーベルを展開切り込む直前に試合終了のブザーが鳴る。なんでや?

一夏が戻ってくる。一夏もなんで負けたか分かってないようだ。

 

「千冬姉、なんで俺は負けたんだ?」

「織斑先生だ。何度言ったら分かるんだ。あの剣は私が現役時代使っていた雪片の後継、雪片二型だ。SEを攻撃に転用する一撃必殺技だ。使いすぎると自分のSEが切れる。要は諸刃の刃だ」

 

あれって鬼火みたいな物なのね。

 

「私はまだやることが有るので帰る。早く着替えにいけ」

 

「応援してくれたのにすまない。負けちまった」

「相性が悪かったってのも有るな。まあ負けたから死ぬって訳じゃないんだから次勝てば良いんだよ。とりあえず練習するのみだな」

「あークソ悔しいな。負けるの」

「俺は世界で最高の姉さんを持ったよ」キリッ。

「恥ずかし過ぎる…やめてくれ」

「箒ちゃんもなんとか言ってやれよ」

「負け犬」

「すまん…」

「そんじゃあ、疲れたし俺帰るわ。慰めてやんな、チャンスだぜじゃあの!」

小声で箒ちゃんにのみきこえるように小声を混じえて別れを告げら一夏と顔真っ赤の箒ちゃんを置いてピットを去る。

にしても今日は本当に疲れた。

ちょっとはしゃぎ過ぎたな。帰ったらシャワー浴びて一眠りしよう。

 

部屋に到着。

ん?鍵が空いておる。

本音ちゃんが先帰ってきてるのか。

 

「たでーま」

 

ドアを開けるとそこにはエプロンを着た会長が。

嫌、違う。正確にはエプロンしか着ていない会長の姿が...

意味が分からな過ぎる

疲れからの幻覚は洒落にならん。

 

「お風呂にする?ご飯にする?それとも わ、た、し、?」

 

キヤァァァァァァァ シヤベッタァァァァァ

 

俺はそっとドアを閉める。

バススロットに入れてあるエナドリを開け、飲む。

ふー...落ち着いた。

とりあえず直ぐに寝よう。

俺はもう一度ドアを開ける。この間約5分。

そこには先ほどと変わらない笑顔の会長。服装も変わらず裸エプロン。

 

「私にする?私にする?それとも、わ、た、し?」

俺はそっと意識を手放した。

 

約1時間後、俺は意識を取り戻した。少し寝たので大分楽になった。

目を覚まして最初に見たのは会長の顔...

ん?どういう状況?

 

「あら、進君、おはよう」

「あ、おはようございます」

「おねーさん、足痺れちゃった」

 

もしかして〜、もしかしてだけど膝枕されてる感じ?

 

「あ、すんません」

 

俺は慌てて起き上がる。

 

「どうだった?おねーさんの膝枕?」

「最&高でした」

「突然倒れるからビックリしちゃったわよ」

「ビックリしたのはこっちですよ。年頃の女の子が人前で肌をさらすもんじゃ有りません」

「はーい」

「もし他の吉津生だったら何されたか分かりませんよ。俺だったから良かったものの」

「あなた、友達を何だと思ってるの..?」

「頭のネジが一本もない野蛮な獣」

「ええ…どういうことよ…本音ちゃん帰ってきたら虚も誘ってご飯食べに行きましょ。折角だから中学の時の話を聞かせて」

「食べに行くんですか?なら移動すんのめんどくさいんで俺が作りますよ」

「あら、料理出来るのね?」

「婆さんから学んだ料理術なめないでくださいよ」

「分かったわ。私も虚呼んだら手伝うわ」

「料理出来るんですか?」

「私だって出来るわよ」

「えぇー…ほんとにござるかー?」

「何よ!私だって料理ぐらい出来るわよ!」

 

そういう事にしとこうね。

さて、冷蔵庫の中は…人参、馬鈴薯、玉ねぎ、…よっしゃカレーや

 

人参切って〜、玉ねぎ切って〜、馬鈴薯切って〜、肉切って〜

米炊いて〜

 

そんなこんなで、はい、完成。結局、会長なんもしねーし戻って来もしねぇ

 

「「ただいま~」」「お邪魔します」

 

ちょうど3人も来たし配膳も終わっている。早速食べますかね。

 

「さあさ、皆さんお手を会わせて」

「「「「「頂きます」」」」」

 

わいわいと皆で食べるメシはやっぱり最高だぜ。

今まで家で食う時は基本的に1人だったからなぁ。

 

するとインターフォンが鳴った。

 

「チッ。メシ食ってる時に誰だよ、空気読めねえな」

 

カメラを見るとそこにはオルコットの姿が

 

「はい、何でしょう!?」

 

あくまで低姿勢で受け答えをする。

 

「オルコットですわ。少しお話が有るのですが」

見りゃ分かるっての。俺は外に出る。

 

「で、お話とは?」

「この前のことで謝罪をしに来ました。大変失礼な事を言って申し訳ありませんでした!!」

 

フツーに謝罪に来たのか。てっきりいちゃもんつけにきたのかと思ったわ。それなら俺の言うことは一つ。

 

「此方こそすまなかった。まあ俺もお宅の国の悪口言ったんだ。お互い様ってことにしようぜ」

「ええ、それではそうしましょう。それと、今度から進さんとお呼びしても良いですか?」

「いいぞ。ならこっちもセシリアって呼ぶけど、いいかい?」

「ええ、勿論。仲良くしてください」

「もちのろん」

 

 …会話が続かん。

 

「お、俺はもういいから一夏にも謝っときなよ?」

「ええ、これから一夏さんの所に行くつもりですわ」

 

心なしかセシリアの頰がうっすらピンク色になっているような気がする。それに一夏さんって…

 

「ん?今...」

「何か?」

「いや、何でもない。ごゆっくりどうぞ〜」

「はい!進さん、おやすみなさい」

「アイツ朴念仁だと思うけど頑張ってな。そんじゃ。おやすみセシリアちゃん」

 

俺は部屋に入りカレーの続きを食べ始める。

 

「セシリアちゃん、なんだって?」

「今までの行いについて、謝罪されました。同級生が女権団の手先じゃなくてよかったです」

「あら、謝りに来たのね」

 

俺はカレーを瞬殺し、洗い物をする。

とある事を考えながら…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりあそこで一夏(リア充)は殺っとくべきだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。