IS 男子校出身者の非日常   作:あめん

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第11話 パーティーナイト

 現在時刻は8時半ちょっと前、パーティーが9時終わりらしいから最後にちょっと顔出せるかなって感じだな、これじゃ……

 確か本校舎2階の食堂だよな

 

 

 ん? こんな時間に誰かいるな……敵か? (鳥目)

 ネズミにしちゃデカい様な気はする。

 向こうもこちらに気づいた様だ。こっちに向かって来る。あ、人か。ライトも持たずに徘徊って……幽霊か? (ファ○リーズを展開)

 

「ねえ、アンタ、もしかして2人目?」

「もしかしなくても2人目だよ、そう言うアンタは?」

「転入生で中国の代表候補生の凰鈴音よ。鈴でいいわ。よろしく」

「知ってると思うが一応自己紹介しとく? 2人目の外道進だ、ゲドちゃんでも進でも可。こちらこそよろしく」

「なら進って呼ばせてもらうわ」

 

 遠近法で小さいと思っていたが近くで見るとフツーに小さい。

 

「ねえ、進? 今失礼なこと考えてなかった?」

 

 コ、コイツ、ニュータイプか? 

 

「いやいや、何も。ほんで? 鈴ちゃんは何を? 伊達に酔狂でここにいる訳じゃねぇだろ?」

「えーっと、本校舎1階の事務室に行きたいんだけど場所分かる?」

「つまり迷子と」

「迷子じゃないわ、ちょっと迷ってるだけよ。大体、何よココ。こんなに広いのに表示も地図も無いじゃない」

「そういうのを迷子って言うんだよなあ。まあいいや、本校舎の事務室な。超絶優しい俺ちゃんが連れてってやろう」

「え、マジ? もう1時間ぐらい探してたのよね、人も来ないし、ありがたいわ。でも進は何してたの?」

「んー。なんつーかなぁ。説教受けてた」

「は? 何したのよアンタ」

「喧嘩吹っ掛けて来た先輩ボコったらやり過ぎて怒られちった。機体も制限されるしツイてねえ」

「アンタ強いんだ。なら今度アタシと一戦やんない? アタシ、割と中国じゃ強いほうよ」

「お、いいねえ、ISに関してはどんどん経験積みたいからその申し出はありがてぇ」

「決まりね。近いうちにアンタのトコ行くから。1組よね?」

「おう。そういや、なんで俺の事見た1発目で俺が2人目って分かったん? さては俺、中国だとめっちゃ有名人だったりする?」

「アタシ1人目(一夏)と知り合いだから」

 

 ん? やな予感がする。

 

「念の為で間違ってたら申し訳ないんだけどさ」

「何よ?」

「も、もしかしてー、もしかしてだけど、一夏の事好きだったりする?」

 

 鈴ちゃんの頭からボフンと湯気が立つ

 あ……(察し)

 

「そ、そんな訳無いじゃない!」

「そ、そっか〜」

 

 明日から強化された修羅場見れるわけか。

 見たくねぇけど一夏が地獄に落ちるさまだけは見てぇ。

 

「そんなこんなでハイ到着」

「ここね。助かったわ。ありがと」

「いやいや、困った時はお互い様じゃろう。

 俺の行き先もここの2階だからね。そんじゃあ、お疲れさん」

「ホントありがとうね、おやすみ」

「おう、おやす~。あ、そうそう。一夏の事、俺は応援してるから。なんかあったら呼んでくれな」

「だ、だから違うって言ってるでしょ」

「そういうことにしときましょうね」

 

 俺は階段を上がって食堂に行く。まだ中はざわざわしている。人は居るな。

 扉を開くとみんなが一カ所にまとまっていた瞬時に写真を撮ってると判断、写真に写ろうと加速する。

 写真を撮ってるのは新聞部の、えーとたっちゃん会長の友達の人。

 ヘッドスライディング準備OK。

「125×81÷25÷9はー?」

 発射!! 

「2?」

「45だよ!!」

「お、正解」

 パシャッ! ガツン! 

 写真には映ったが勢い余って机の足に頭をぶつけた。痛てぇ! 

 俺は立ち上がって言う。

「遅れてすまねぇ、お菓子追加で持って来たぞー‼︎」

 

 バススロットに詰め込んでいたお菓子を某英雄王みたいに大量展開する。

 

「「「いえーい!!」」」

 

 チカレタ……俺はエナドリを展開し飲み始める

 

「やあ外道君。写真に間に合ってみたいで良かったよ」

「あ、どもです」

「さっき他の2人にはやったんだけど、専用機持ちにインタビューしてるんだ。外道くんにもインタビューさせてくんない? すぐ終わるからさ」

「あ、良いですよ」

「ささ、こっちに座って」

「うす」

「じゃあまずは自己紹介から」

 

「1年1組の外道進です。気軽にゲドちゃんって呼んでね」

「OK。ゲドちゃん、先ずはなんで今日遅れたの?」

「3年の先輩6人組に喧嘩売られたので買ったらやり過ぎで怒られました」

「具体的には?」

「開幕と同時に仕込んどいた高火力叩き込んで4人を戦闘不能にしたあとに1人を壁と剣でサンドイッチに、主犯は武装を全て破壊したあと地面に叩きつけました」

「うわ、エグい」

「もっとスマートにやればよかったと思いました」

 

 実際時間をかけすぎた点は反省だ。

 

「じ、じゃあ2つ目、なんで全勝したのに織斑君に代表を譲ったの?」

 

 あーそれな。

 こういうの面倒臭いって言えないよな。

 

「一夏に可能性を感じたんですよ、IS搭乗2回目であの動きですよ? 凄くないですか?」

 

 周りで見てた一夏が口を挟む。

 

「進は2回目じゃないのか?」

「俺はIS適正あんの分かった直後から練習したからね、結構乗ってるよ」

「だからあんなに強かったのか」

「まぁ回数乗ればあれぐらいにはなるよ。後は環境だな」

「と言うと?」

「中学、高校とゴッサムシティだったからね」

「ゴッサムシティって……どういう……?」

「まあその話はまた後で」

 

 インタビューに戻ろう。

 

「自分が2回目の時は飛ぶのがやっとでしたし、あれぐらいの才能が欲しかったですね」

「ちなみに外道君、搭乗回数は?」

「少し待っててくださいね」

 

 俺は酒呑童子のログを出す。

 

「えーと179回ですね」

「えっ? 搭乗発覚っていつだっけ?」

「2月の末、26とかじゃなかったかな」

「は?」

「そりゃ朝起きてIS乗って朝飯食ってIS乗って昼飯食ってIS乗って晩飯食ってIS乗って風呂入って寝る生活でしたから……行くんじゃないですか?」

「凄いわね……」

「まぁ体力だけはありましたからね」

 

 今思うと頑張ったと思うよ……俺。

 

「それじゃあ最後、一言頂戴」

 

 一言ねー、難しいな

 

「『皆さんと共にISの訓練を受けられることを光栄に思います、知識差を埋められるよう努力するのでよろしくお願いします!』とかでいいですかね?」

「えぇーもっと面白いこと行ってよ」

「喧嘩ならいつでも買います。……とかどうですかね?」

「良いね、良いねぇ。そういうのだよ私の求めてたのは! わざわざありがとね!」

「いえ、こちらこそ楽しかったです。新聞楽しみにしてます」

「はいよー」

 先輩は去っていった。ほんであの先輩、名前なんつーんだっけ? 

 その後終了時間を過ぎても宴はつづき、織斑先生の雷が落ちたところで解散となった。

 

 部屋に帰りメールを確認すると束さんから連絡が来ていた。曰く今日の12時に寮の屋上に来いと。

 とりあえずは本音ちゃんが寝ないことにはどうしようもないな。まぁあの娘ならすぐ寝るだろう。

 

 本音ちゃんがシャワーから出た後にシャワーに入り出てくると既に本音ちゃんは寝ていた。

 これで夜中抜け出してもとりあえずは大丈夫だな。

 

 

 現在12時、寮の屋上

 思ったより寒い、なんか羽織ってくれば良かったと後悔していると空から人参が降ってきた。

 扉を開けて出てきたのはいつものうさ耳。

 

「やあやあ待たせたね、すーくん」

「何です? こんな時間に呼び出して」

「新しく作った武器を渡そうと思ってね」

「お、マジすか。遠距離かなりキツいと思ってたんすよね」

「それだけじゃ無いよ、他にもいくつか作ってきたんだ」

 

 展開される新たな武器の数々

 機体への調節が始まる。

 

 

「ギャハハ!! これ面白いなぁ」

「でしょでしょー?」

 

 馬鹿と兎の狂宴は明け方まで続くのであった。

 

 


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