IS 男子校出身者の非日常   作:あめん

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今回からシールドエネルギーをSE表記にします
よろしくお願いします


第5話 鬼と淑女

いぃぃぃやっっほーーーーー!!

やっぱIS良いね!

飛ぶって素晴らしい!

っとと。テンション上がりすぎた。

ほんで、敵さんはと…?

 

アリーナ中央には青いISがいた。あれが試験官なのか...見たとこラファールでも打鉄でも無い。専用機、間違いない。コイツはエースだ!!

青いISのパイロットが俺にオープンチャンネルで声をかけてくる。

 

「貴方が外道進君?ホントに男性がISに乗ってるのね」

 

俺もオープンチャンネルを開く。

 

「貴女が俺の試験官ですかね?」

「ええそうよ。私の名前は更識楯無、IS学園の生徒会長よ。気軽に楯無って呼んでね。たっちゃんでも可。早速で悪いけどルールは山田先生から聞いてる?」

「はい、聞いてます。それではヨロシクお願いします、たっちゃん会長」

「ふふっ、たっちゃん会長は初めてだわ。それじゃ試験を始めます」

 

そう言ってたっちゃん会長は手を上げて管制室に居る山田先生に合図を送った。

すると俺のISのセンサーにカウントダウンが表示された。

初手で俺のやることは1つだけ。

 

3... 俺は両手に「鬼童丸」を展開。

2... 会長もランスを展開する。

1... 対策?ンなもん要らねぇ!

0!! 行くぜぇ!!

 

俺はスタートと同時に瞬時加速をかける。

会長が俺にランスを向けてくる。そこからガトリングが覗いているが関係ない。我、ただ突っ込むのみ!!

早速鬼火で全面に薄く「鬼薊」を展開。降り注ぐ弾雨から身を守りつつ突撃。

全速力で近づき両手で一射ずつカマし、再度加速しつつ付属の銃剣で一閃して離脱する。

いわゆるヒットアンドアウェイ戦法だ。

 

どんぐらい削れた?

再度会長の機体を見るとSEは50程しか減っていない。

確かに手応えはあったが…?

その考えが1テンポ遅れる原因となった。俺は横から来た攻撃によってふっ飛ばされた。

今の一連の動作でこちらのは100弱も削られた。挙句SEを使いまくるのでバリバリ減る。とりあえず紙装甲を選んだ以上足を止めたら負ける。なるたけ短期決戦で行こう。

 

「ふふん。君の奇襲はお見通しよ。私の水の前では無力!」

 

第三世代兵装か…厄介だな

どうやって水を操ってるんだ?

超能力?なわけないな。

俺は一度距離を取り考えを巡らせる。

 

まぁ正面からの攻撃が無理なら!

大拳「窮鬼」を6個展開し各手に鬼童丸を持たせる。

 

「行けやぁ!ファンネル(偽)!!」

 

と同時に6個の拳が各々攻撃を始める。

当然俺はニュータイプでは無いのでほとんどの操作は酒呑童子搭載のAI君(ちゃん?)が頑張っている。

その間に俺も攻撃に参加しようじゃないか!

俺も「首斬童子」を展開し撹乱がてら瞬時加速をかけ1発殴る。

よしよしダメージは入ってるみたいだな。

見ると会長のSEが750を切っている。

コレでミッションの半分をクリア!

そして再度のオールレンジ攻撃。ちなみに鬼童丸は弾切れになると窮鬼の自爆特攻タイムが始まる。

会長の下に回り込み、再び瞬時加速をかける。

 

成功するかは分からんがそのランス頂く!

金属と金属がぶつかる重い音と共に地面に突き刺さる会長のランス。

相手の武器に自分の武器をぶつけ衝撃で手から離させると言う対女権団ムーブだ。

IS相手でも効くもんなんだなぁこれ。

そして俺が離脱すると共に会長に襲い掛かる窮鬼たち。

 

「小癪ね!」

 

俺の後ろで大爆発が起こる。

窮鬼の自爆特攻にはまだ早いはず…?

慌てて後ろを見ると窮鬼が全滅している。

えぇ…マジかよ

どうすんだよ。ただでさえ手数ねぇのに…

しかもその手には蛇腹剣が握られている。

蛇腹剣とか初めて見たわ…対処法がさっぱりわからん。

苦し紛れに幽鬼を射出するが弾かれる。

 

「そっちから来ないならこっちから行くわよ」

 

突っ込んでくる会長、速い!

俺はSEを2使用して作ったIS用機雷を大量に撒きながら後退する。

会長はかわしきる事が無理だと分かると普通に突っ込んでくる…

思い切り良いなぁ。

 

「アビャッ!」

 

俺のすぐ後ろで何かが爆発。

危ねぇちっと遅かったら直撃だった。

掠っただけなのに結構痛てぇ!

 

今のアレなんだ?窮鬼が全滅したのも関係あるだろうし…水の爆発?水蒸気爆発か!

どうやって動かしてんだよ…ずるいわ

ナノマシンとかなら攻略もチョロいンだがなぁ。

選択肢を潰す時間もシールドエネルギーも無い。

と言うか手数少ないのが響くな…

束さんになんか作ってもらわなきゃな。

もしくは博打だが技研。

 

「追い詰めたわよ」

 

俺は壁際に追い詰められていた。

考え事をしすぎた。

俺の残りSEは1000中362、一方の会長は1000中698...

まだまだ、こんな所じゃ終われねぇ!

 

「さて、どうでしょうか?」

 

会長の後ろの空間からSE5で作った槍を5本展開し射出、会長に当たる前に爆破し一時的に会長の視界を封じる。

 

「くっ!」

その隙を逃さず離脱し地面に降りる。

そして般若面を装着する。

この面はド〇キで買ったパーティー用だが内部には技研製の特殊熱感知機が搭載されており煙幕の中でも敵が丸見えになる。

準備は万端。

 

「小癪な…どこにいるのかな?」

 

会長はまだ俺を探している。

シールドエネルギーは残り100を切った。

ラストチャンスだ。

鬼火戦法「大江山」

シールドエネルギーを消費し特殊な煙幕を撒き、相手のIS用センサーを使用不可にする。

コッチのセンサーもお釈迦になるのが問題だが…

そこで輝くのが般若面よ。

だが遠距離武器は使えて2回。後はほとんどどつき合いだ。

勝手は違うが一応は得意分野だ。負ける訳には行かない。

 

さァ!始めようか!

 

俺はPICだけで音を立てないように背後に周り、窮鬼を会長の正面に展開。煙が晴れたと同時に眼前に拳。センサーがイカれてるので誘導は切れているがまっすぐ飛ばすだけならチンパンジーでも出来る。

 

「ぐっ!」

 

流石に回避不可だったらしくバランスを崩す。

 

「背後から失礼!!」

 

鈍器と化した首斬童子を叩きつける。

コレは手応えあり!

まともに喰らった会長は真下へ落ちてゆき、俺もそれを追う。

態勢を立て直させないために追加で槍を5本展開し、ぶつけ再び爆破。と同時に左手の機関砲をばらまく。

態勢を立て直せずに会長は地面に叩きつけられた。

そして俺は会長の上に着地する。

左足で地面を右足を会長を踏む。

そして身動きの取れないであろう会長の首に鋏を通す。

 

「さぁて、胴体とバイバイしましょうねー!!」「しないわよ?」

 

と後ろから声がする。

 

「言葉のあやッスよ」

 

…ん?後ろから?

ギギギっと後ろを振り向くとそこには満面の笑みの会長。ヒェッ…

じゃあ俺が踏んでいるこれは…?

 

「引っかかったわね」

 

 

視線を踏んでるほうの会長に戻すと踏んでいる方の会長が物凄い勢いで膨らみ始めた。

 

「やべえ!逃げ…」

 

言い終わる前に会長が爆発しモロに食らった俺のシールドエネルギーは0に鳴った。

爆発オチなんてサイテー!

試験終了のベルが鳴り響く。

 

「なかなか面白い試合だったわ。特に最後のはヒヤッとしたわ」

「ソトミチって呼ばれるのあんま慣れてないんで進で良いですよ?あだ名付けてくれても構いませんし…それにしても流石はIS学園の生徒会長だ。ウチの生徒会長(ゴミ人間)にも見習って欲しい」

「これでもおねーさん、学園最強よ?私相手に最初でここまで耐えたのは凄いわ」

「お褒めに預り感謝の極み。と言うかどこでデコイに変わったんです?」

「鋏で殴ってくれたあと追撃に槍を出したじゃない?槍の爆発のスキでデコイを出したのよ」

 

ガチの一瞬じゃねぇか。

やべぇなこの人。手加減してたなコレ…

 

「試験的にはどうなんですか?」

「うん!それね。えーと残りが516よ」

 

足りんかったか…

 

「皆試験でコレ合格してくんですよね?」

「気にすることないわ!合格した人も半分ぐらいは削れてないわ」

「とは言っても残り半分は削るんでしょう?流石に凹みますよ」

「最初に言った通り結果は関係無いから。データ取りの側面が大きいわ。最初でそれだけ動けてれば上出来よ」

 

皆強すぎるやろ…

これでもそこそこバトルに自信あったんだけどなぁ

俺生きていけんのか?

 

「そうだ!もし進君さえ良かったらなんだけど今日の放課後生徒会室に来ない?男子校の話とか色々聞きたいなあ」

「いいんですか?ならお邪魔します。場所は何処に有るんですか?」

「進君のクラスに生徒会所属の布仏本音って子が居るからその子と一緒に来るといいわ。それじゃあまた。放課後楽しみにしてるわ」

 

俺は知らなかった。まさかこの約束が後で大変なことになるとは...

 

ピットに戻ると織斑先生がいた。

 

「早く着替えてこい。入学式は終わった。HRももう少しで始まる」

 

現在時刻は9時33分HRまでまだ12分もある。そんなに急がなくても大丈夫だろう...

 

とか思ってた俺がいました。現在9時47分、アリーナから教室まで遠すぎだろ…

どうなってんだよこの学校…

 


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