やはり俺が暁の水平線に勝利を刻むのはまちがっている.....のか?   作:でっち提督

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プロローグ

「.....なーんかつまんないな」

 

私は今とある海上を船の上で過ごしている。

家の仕事で船上パーティーというやつに参加する為だ。うちは父が千葉ではそれなりに大きな建設会社を経営しているのだが、それに加えて県議も務めている。

そして次の知事選に父が満を持して出馬するという事で支持者集めを兼ねたこのパーティーというわけだ。

 

私.....雪ノ下陽乃は大学卒業後、雪ノ下建設に就職した。

数年後には父の跡を継いで会社の社長に収まるのだろう。そしていずれは私も市議か県議あたりを目指す事になるのだろうか。

 

悪い人生ではない。それは間違いない。

収入面でもステータスとしても文句などつけようがないはずだ。

 

でも。

 

それは果たして『雪ノ下陽乃』にとって満足のいく生き方なのだろうか。

親の期待に応え、会社を継ぎ、政治家を継ぎ、そしていずれ生まれるであろう自分の子供にも同じ道を歩ませる事になる。

 

一見何の問題もないように思える、親の跡を継ぐ孝行娘に見えるだろう。

 

だけど、私自身はどう思っているのか。

 

ただ親の敷いたレールの上を進むだけの人生。

贅沢を言っているのは理解している。こんなのは他の人から見れば我儘でしかない。

 

それでも私はーーー。

 

 

 

 

 

「皆さんお聞きください!」

 

 

会場内に突然響き渡る声。

声のする方向を見ると見知った顔。

 

「隼人。いったいどうしたのよ」

 

葉山隼人。

私と妹の幼馴染で、会社の顧問弁護士である葉山先生の息子。

今は新人弁護士として父親の元で修行中だ。

 

「陽乃さん。実は.....」

 

そして、隼人の言葉に会場内がざわめく。

 

深海棲艦の襲撃。

まだ私たちが生まれる前、それは現れた。

その身に兵器を纏い、人類に対して攻撃を仕掛けてきた謎の生物群。

こちらの兵器は効果的なダメージを与えられず、その圧倒的な力に人類は制海権の大半を失った。

 

人や資源を始めとした物流のルートを空に限られたことで人類社会は危機的な状況に陥った。

耐久力のある大国や、ヨーロッパや中東など隣国と地続きの国ならいざ知らず、資源のない国や島国などは輸入が途絶え、国家そのものの存続すら危ぶまれたのだ。

 

深海棲艦に対抗するべく様々な軍事作戦が敢行されたが尽く失敗し、このまま滅びるしかないと思われたその時ーーー『彼女たち』は現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督!哨戒部隊の旗艦・神通より入電です」

「…ん、どうした?」

「鎮守府正面海域領海線付近で航行中の客船『スノーホワイト』が深海棲艦の偵察部隊と思われる艦艇に捕捉されたとの事です」

「敵部隊の詳細を教えてくれ」

「軽巡1、駆逐艦2、雷巡1、以上です」

「問題ないか…よし、第三水雷戦隊は直ちにスノーホワイトの救出にあたれ。敵殲滅より救出を最優先に行う事……ん?スノーホワイトってまさか」

「はい。雪ノ下議員の所有ですが」

「……まじかー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海棲艦に対抗出来る唯一の存在。

 

 

『艦娘』

 

かつての軍艦の魂を持つ彼女たち。その艦娘を指揮する提督の一人が比企谷八幡少将。

 

これは、彼が人類……ではなく自らの日常を護るために戦う物語である。

 

 

 

 

 

 

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