†MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA   作:てゐと

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こんにちは、あけましておめでとうございます。ということで新年初の物語です


†MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA episodeⅢ 第五章

ライフ「やあああっ!!」

メキッ!!っと壁がへこむ一撃をかわした完殺はライフから距離をとる。わかってはいたが近接が得意なライフ相手にそれをせざるおえないのは仲間と戦うことに加えて辛さがある。

わかな「(おそらく私の正体がバレてない…。アデアさんの温情か…それとも…。どちらにせよ、ライフさんのデータなら対策ができる…!)」

 

 

 

 

 

 

ライフ「ゆきの…聞こえる…?」

小声でゆきのとコンタクトを図る。相手から一切目を離さずに少しずつ、ちょっとだけ後ろに下がっていく

ゆきの「えぇ、どうしたの?」

ライフ「アデアの言うとおりならあなたを殺せば相手は死んでもいいぐらいの心構えだと思う。だからこそ、逃げましょう」

ゆきの「…。わかったわ」

逃げる。それはゆきのにとってもっとも不本意で取りたくない選択肢。それは過去の自分がずっとやらずに護ってきたこと。だがこの時にそれをするのはワガママだとゆきのは逃げることを承諾した

ライフ「ごめんなさいね…。大丈夫、絶対に逃げれるわ。お願いね」

瞬時にライフの色が変わる。それはもう一人の人格であるエフィルへのバトンタッチだった

ライフ(エフィル、お願いね)

エフィル「うん。がんばるわ…。」

真剣な眼差しで相手を見るエフィル。そして見切りをつけると必殺技の体勢に入った!

エフィル「スピリットハウリング!!」

黒い風が辺りを包み込んで視界を奪う。だがエフィルのフライゴンという種族は砂嵐の中でも視界が効くほど視力の良い種族。そもそも自身の技で自爆するようでは技と言えない。

エフィル「いくよっ」

ゆきのを連れて一瞬で部屋を出る。その速度はスピリットハウリングの黒い風のこともあってとても目測できるものではなかった

わかな「…。そっちですか」

だがわかなはこの事態が想定済みかのように落ち着いて部屋を出て迷うことなくエフィルたちが逃げたほうへ走り出した。

わかな「…(エフィルさんのデータは最低限しかありませんが基本はライフさんと正反対…。利き腕や癖…戦いかたまで…。そうなると似てるのは本能的なところ…。そう…、逃げる場所とかは二人で決めた場所だったりしますよね)」

 

 

 

 

 

エフィル「着いた!私たちの部屋!」

ゆきの「今だけはくぃーんたちに感謝ね、私たちの一般室まで頑丈に…」

その瞬間。脳裏に浮かんだのは

 

 

 

自分の部屋だった

 

 

 

ゆきの「ダメっ!!」

エフィル「なん…」

部屋のドアノブに手をかけた瞬間。部屋の中からけたたましい音とともに爆発が熱風を吹かせた。その衝撃で吹き飛ぶ二人。ゆきのはよかったのだがエフィルは当たり所が悪く、気を失ってしまった

ゆきの「エフィル!ライフ!あっ…」

コツコツとこちらに歩む完殺。その手の銃はゆきのに迷いなく向けられている

わかな「…長かった」

ゆきの「あなたは…誰なの…!」

わかな「…答える義務はない。ただ…。お前が死ねば、すべては丸く収まる」

ゆきの「…冥土の土産かしら…?」

わかな「そうしてもいい。だが旅立つのに手荷物はいらない。…せめてだが、お前が死ぬことで仲間さえ得をするのだよ」

ゆきの「は…?え…?そ…そんなことあるわけないじゃない!みんなは私を…私を両親以外で初めて受け入れてくれた大切な存在なの!!もう私は惨めなんかじゃないしバケモノなんて言われない!私は…私は…」

もっとも触れられたくなかった仲間への信頼。まさに逆鱗に触れたその一言でゆきのはトラウマを思いだし、気絶に陥った…

わかな「…苦しいだろう。そんな苦しみも痛みも…。もう…充分だろう…。解放してやる。最後に…仲間として…」

カチャリとハンマーを倒す完殺の手は震えていた

わかな「さよなら…ゆきのさん…」

???「その前に地獄で待っていてくださる?」

わかな「っ!?」

背後から聞こえる声、それに反応した頭だけが後ろをとっさに向いた

ザシュっ!!

わかな「あ゛あ゛っ!!」

何かに貫かれる寸前、後ろに下がったことで肩だけで負傷が済んだ。

その衝撃で転がる完殺。すぐさま立ち上がろうとするが眼前にいたのは…

わかな「あなたは…」

悪魔のようなその羽、みたことないシルエット。だが声で判別がついた。

 

 

 

 

 

アベリア?「こんばんは、部屋の外があまりにうるさくて聞き耳を立てれば仲間とは思えない言葉が聞こえたから…。今からあなたを…殺すわね」

わかな「な…なにを…」

アベリア?「聞こえなかったかしら?それとも冥土の土産が欲しいのかしら?」

 

今なら、わかる

 

 

このアベリアさんは、アベリアさんじゃない

 

 

話が通じない、根本的に…

 

 

 

アベリア?「これから殺されるのに?」

わかな「っっつ!!」

逃げろ!本能的に勝てない。いや、戦ってはいけないと考えるより先に足が動く、しかし無慈悲にもそれより早くアベリアがハイライトの無い目と無表情のまま早足で、足首を踏みにじる

わかな「いっつ…!!痛い…!」

アベリア「知らない。殺すから」

ミシミシと骨が軋む音。泣き出しそうになるのを完殺は耐える。だがそれを見てアベリアはなおのこと容赦なく攻撃を行う

わかな「げふっ…!がっ…」

アベリア「あなたも私のお母様とおなじなのね、他人の命を奪おうとしてるのに痛がる。自分が殺されることを前提に相手を殺そうとしない」

ギリギリと傷ついた肩を刺々しいヒールで抉るアベリア。完殺は本気で死を直感して仮面を外した

 

わかな「アベリアさんっ!!私です!わかなです!!理由はお話しします!!ゆきのさんも殺しません!!だからやめてくださいぃっ!!」

アベリア「許す許さないじゃないわ、殺すから」

わかな「アベリア…さん…?」

もはや痛みさえ遠ざくほど冷たい一言にわかなは絶望した。

 

いままで散々集めたデータの中に、こんな情報は無かった、顔や声は紛れもなくアベリアだ、だけど…性根が違いすぎる…。戦うことが嫌いで、相手を優しく労り、どんな時も笑顔で、時に厳しくみんなをまとめられる。そんなアベリアとこのアベリアは…あまりにも別人すぎたのだ…

 

わかな「し…死にたくない…死にたくない…わたし…ただ…みんなを護りたかっただけなのに…こんな…こんな…」

アベリア「泣き言が五月蝿いわね…」

わかな「げえっ!がほっ…!!」

強く腹を蹴り上げられて軽く宙に浮くわかなは血が混じった嘔吐を吐き出し、必死に逃げようと体を少しでも遠くへとねじって動かそうとする。後ろから鳴るヒールの音から逃れるように

わかな「いや…いやぁっ!!誰か…誰か…助け…あ…がぁぁぁっ…?!!?」

急に襲う強い痺れ、振り向くとアベリアの羽がキラキラと紫色のりんぷんを飛ばしていた。

アベリア「抹殺実行(デストロイオーダー)…、キラーエクスキューション…」

ふわっと羽ばたくことなく宙に浮き、両足とスカートが一つの巨大な毒針となり、高速で回転しながらわかな目掛けてむき出しの殺意を形にした技が放たれた

わかな「あ…あ…」

 

 

 

???「鏡月!!力を貸しなさい!!!」

ガリガリと歯医者で聞くような音が鳴り響く!!それは間一髪アデアがアベリアのキラーエクスキューションを鏡月で受け止めた音だった!

アベリア「…!ふっ!!」

即座に技を取り止めて距離を取るアベリア、アデアは抜刀した鏡月を構える

アベリア「あら…アデア…。ごめんなさいね、約束を破って」

アデア「悪いと思っているならいつものアベリアに戻って!!」

アベリア「それはできないわ。まだ殺してないもの」

アデア「(完全にスイッチが切り替えられてる…。このうえゆきのとエフィルとわかながこんな状態じゃ…逃げられない…)」

アベリア「逃げてもいいのよ?残ってるのを殺すから」

アデア「そんなこと、僕がすると思ってる?悪いけど…本気で鎮圧させるよ」

アベリア「楽しみだわ…アデアが本気だなんて…。赤い泡(あぶく)を私に見せて?」

アデア「…。行くよ!」

透き通るような音が火花を散らす。まずアデアは縦に一文字!アベリアが片手でガードした時に鏡月を光らせて目眩ましをした。だが一瞬怯んだもののすぐにアベリアは鏡月は弾いてアデアを追い詰める。

アデア「(強すぎる…!シャーヴァルさんと同等…いや…!殺意なら圧倒的にこちらが上だ…!)」

なまじ攻撃速度も速いため直前でギリギリかわせている。そしてアデアは壁に攻撃を誘発させ、手を攻撃の反動でめり込ませることに成功した

アデア「(後ろから拘束…!)」

アベリア「甘いわよ」

ギラリと向けられた眼、その直後拘束を試みるアデアの斜め真下から毒液が発射された!これを走りながらかわしたが体勢をくずしてつまづいてしまう

アベリア「あら、いいところね」

バキャァッ!!と物騒な音を立ててアベリアが足元にこけたアデアの頭を踏み潰そうとする。もちろんかわすことには成功したがその間にアベリアはめり込んだ手を引き抜いてアデアが起き上がるより先に攻撃を加えて逃がさない

アベリア「ねぇ、アデア。あなたって脚が速いわよねぇ?さぞかしあなたの足は美味しいんでしょうね?速く殺させて、そして味あわせて?」

そう。このスイッチを切り替えたアベリアは「殺した相手をそのままズタズタに引き裂いて食べる」というとんでもない趣味がある。

 

普段は肉を嫌い、争いを嫌悪し、平和にハチミツとティータイムを楽しむアベリア。それが全て逆転し、平和を壊し、同種族さえも皆殺しにし、その肉を調理もせず骨ごと噛み砕く。それが…アベリア・サンプレイズ・バイバルの隠された本性なのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回 †MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA episodeⅢ 第六章

 

 

 

 

 

 

 




お疲れ様でした。あえて次回予告はサブタイも無く、情報も一切出してません。
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