†MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA   作:てゐと

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†MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA episodeⅢ 第六章

アベリア「うっふふふ…。怖い顔…。女の子みたい…」

アデア「くっ!」

なんとか体勢を立て直したアデアは一瞬後ろをみる。気絶したゆきのとエフィル。全身麻痺で眼を見開いて痙攣してるわかなの三人。特にわかなは早いところ安静にさせないと危険だと嫌でもわかる

アデア「アベリア…!どうしても下がってくれないの…?」

アベリア「下がってあげてもいいわよ…?すぐに殺すから関係ないもの」

アデア「(ダメだ…。やっぱり根本的に話が通じない…!どうすれば…)」

アベリア「さようなら。私の……な人…」

アデア「え…。いま…なんて…」

ピタッと動きを止めるアベリア。よくみると腕が抵抗するかのように後ろに引っ張られてる

アベリア「…。誰かしら…?」

ギロリとバイザー越しに背後を睨むと足の刺から後ろに向けて毒の弾を何発も打ち込む!すると何かが動いてアベリアの腕が自由になった

アベリア「みぃつけた…。デビローズね…?」

すぐに狙いを定めるとアデアそっちのけでデビローズを殺しにかかるアベリア。しかしその目の前にラピスが現れ、アベリアを蹴り飛ばした!

ラピス「アデア…守る…!」

アベリア「ラピスもいるのね…?面白いわ…!」

マチェットを爪のように複数持ったラピスとデビローズを相手にアベリアは心踊るように狂気に満ちた笑顔で襲いかかる!2対1にも関わらず圧倒し、ものの数秒でラピスとデビローズ。その両方を同時に倒してしまった。

アベリア「この程度なのね…?さて…。どっちから殺そうかしら…。くすくす…」

ラピス「うぐっ…!」

デビローズ「つ…強いですね…!」

アベリア「片方からと思ったけど…。二人一緒に殺す感覚を味わいたいから…死んでね…!」

翼の先端で二人を同時に貫くアベリア。高らかに狂気した笑いが響く。しかし…

アベリア「…?」

ブワッと霧が晴れるように二人の姿が消える。そして振り向くとアデアたちの姿も消えていた

アベリア「つまらないわね…。ライラの幻影かしら?」

 

 

 

 

 

アデア「ありがとう…。助かったよ…」

ライラ「今回は…ぜぇ…。ヤバかった…。幻影つっても本物と同じ強さなのに2対1で瞬殺とかマジで洒落にならねぇって…!なんなんだよあのバケモンみたいな強さ…」

アンペルト「話には聞いたことあったが…あれがアベリアのスイッチを切り替えた状態じゃな?」

アデア「…うん。いつかは話さなきゃだし話しておくね。あれがアベリアの特異体質。本来はビークインなのにスイッチを完全に切り替えると姿が変わる。いままでは該当するポケモンがいなかったんだけど最近になってそれは発見された。それが…アーゴヨン…」

アンペルト「アーゴヨン…?聞いたことが無いのぅ…」

アデア「最近になって発見されたUBと呼ばれるポケモンたちの一種なんだ。アベリアがスイッチを切り替えた時の特徴がアーゴヨンと酷似している。恐らくアベリアはこれまで例を見ない「変身」するのではなく根本的に別の種族に変化する特異体質なんだと思う…」

アンペルト「なるほどの…。それで性格までも変わり果ててしまっとるのか」

アデア「そこはわからない…。どちらが本当のアベリアなのかもわからないしどうすれば元のアベリアに戻ってくれるのかすら…」

ライラ「そうなりゃやべぇな…。たぶん俺がやったってバレてんだろうから易々とこの手は使えねぇ…」

アンペルト「…」

ライラ「なんだよ、能力に頼んなっつったの親父だろーが」

アンペルト「なんも言っとらんじゃろ。それより…。わかなじゃが…」

アデア「…。うん。次、アベリアの毒を受けたら確実に死に至るかもしれない」

わかな「…!?(う…そ…!?)」

麻痺しながらも心中で驚愕する。体が口さえも動かないのが絶望感にひとしおかける

アデア「アナフィラキシーショックが起きる可能性が極めて高いと思う…。あくまでも可能性だけど…」

ライラ「親父と仲直り早々こんなことになるたぁ…。やべぇな…」

アンペルト「アデア。アベリアがあの状態から元に戻るにはどうすりゃいいんじゃ?」

アデア「わからない…。わかってるのはアベリアの気分しだいであの状態はいままで出したとしてもほんの一瞬だった。今はそれが永遠になっている…」

ライラ「…。これはカケなんだがよ、アデア。このかに聞いてみるってのはどうだ?」

アデア「このか…。そうか、このかならアベリアについてわかることがあるかもしれない…でも…」

アンペルト「敵かもしれん。そう思っとるじゃろ。安心せぇ。このかは味方じゃ。わしが保証する」

アデア「アンペルト…。……わかった。行ってくる。二人はここで待ってて、ライラなら隠れきれるよ」

ライラ「おうよ。気をつけてな」

 

 

 

 

 

 

 

アデア「…。お願い…、鏡月、力を貸して…」

鏡月を手にアデアが祈ると彼の、いや…。彼女の髪が伸び、その姿を透明にしていく…

アデア「月の羽衣…。纏うのはいつぶりかな…」

そう囁くと目の前からアベリアが歩いてきた。しかしアデアは構えること無く静かに立つ

アベリア「…?気のせいかしら…」

すれ違い様にアベリアはこちらを向いた。だがそこには誰もいない。この月の羽衣は纏った者を他人から不可視させることができる。攻撃するとバレる…ということはなく本当に気がつかない。せいぜい今のアベリアのように気のせいで終わらせる

アデア「(よし…。大丈夫みたいね…)」

 

 

 

アデアは男だ、だが彼の持つ鏡月は持ち主の性別を逆転させるという能力がある。そしてその度合いは鏡月に依存すればするほど進行し、近い未来。アデアは二度と男には戻れなくなる

 

 

 

 

 

だが手放せない。例え性別を失おうとも護りたいものがあるからだ。アデアはただ、それだけを思い、あるいみではベノやまおをも凌ぐ自己犠牲をしているとも言える

 

 

 

現に髪が伸びているのが予兆で、いままではウィッグで隠せる長さだったが今は難しくなっている。また鏡月は強い光によって力を増す特徴もあり、以前わかなとの戦いで髪が伸びたのも依存、つまり鏡月を使ったときに鏡月がフラッシュグレネードの光により力を増していただけなのだ

 

 

 

 

アデア「…。誰もいないね…」

辺りを見回すと月の羽衣を脱ぎ捨てると髪の長さは元に戻り、いつものアデアに戻るとこのかの部屋のドアをノックする。数秒して返事が帰ってきた

 

このか「誰やろか…?」

アデア「僕だよ。このか」

このか「アデア…!?どないしたん…?」

アデアの返事とともに開けられるドア。アベリアのことも考えて「とにかく中で話す」とドアを静かに閉める

 

このか「ゆきのはどないしたん…?」

アデア「大丈夫。それも含めて事情を説明するね」

 

 

 

 

このか「アベリアが…。そら危ないなぁ…」

アデア「何かわからないかな?元に戻す方法とか」

このか「あるにはあるで。アベリアから聞いたことあるし」

アデア「ほんと?方法って?」

このか「ただごつう危ないで?危険すぎや…」

アデア「そんなに…危険なの?」

このか「危ないところやない。そもそもあの状態のアベリアと対峙すること事態、無謀すぎや。アデアも少しでも戦いおったんやったらわかるやろ?」

アデア「…。うん。だけど、止められるなら止めたい。止めなきゃいけないんだ、僕が」

このか「しゃあないなぁ…。ほな教えたるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アデア「アベリア!」

アベリア「あら、アデアのほうから来てくれるなんて。嬉しいわ」

アデア「(このかが教えてくれた通りにすれば…!)」

構えを取ると飛んでくるアベリアをアデアは冷静に対処する。最小限の動きで攻撃をかわし、腕を取るとその勢いを利用して投げ飛ばす!これにはアベリアも驚いたのか一瞬だけ怯んでしまった。その瞬間をアデアは逃さない!

アデア「ごめんっ!」

口の中に何かをこじ入れるとすばやく手を抜いて口を塞ぐ。アベリアは瞳孔をカッと開き、吐き出そうとしているのか暴れまわる。だが殺意無く暴れるだけのアベリアを押さえ込むことはアデアにとっては容易だった。ほどなくして羽が消え、アベリアはいつもの姿に戻った

 

アデア「…。アベリア?」

アベリア「どうして…」

アデア「このかが教えてくれたんだ。君が蜂蜜を愛用してる理由を。あの姿は蜂蜜に含まれてる成分で抑制できるって、だから…」

アベリア「違うわよぉ…。どうしてわかなを…、裏切ってゆきのを殺そうとした奴を助けたの…?」

アデア「…。仲間だから。例え裏切ったとしても理由があるはずなんだ。だから…。僕に仲間は切れない…」

アベリア「…。やっぱりアデアは優しいのねぇ…。だからこそ、仲間にさえ非情になれる私たちが配属されたのかしら…」

アデア「うん。ベノさんから聞いてはいるよ。アベリアやあるまの配属された理由は。でもそれがやりすぎだと判断したときに止めるのが僕の責任だよ」

アベリア「…。釣り合いよね…」

以前エフィルに言ったことがそのまま帰ってきたアベリアは複雑な顔で立ち上がった。それにアデアはそっと手を貸す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

震えて着信を告げる電話。それを取るとその人物は窓から外にある月を見上げる

???「はい」

紅袖「あっ、お久しぶりです。紅袖さんですよ」

???「なんの用でしょうか…」

紅袖「またまたぁ~。わかっているでしょう?完殺さんがあんまりに使えなかったんですよ。ご存知の通り明日しか有余はありません。あなたにはハルサキ・ゆきの・テレジアの殺害と完殺さんの始末をお願いします。あんなに役に立たないのではもう戻ってきても掃除係にすらなりませんから」

???「承知しました…」

紅袖「いやぁ、助かります。ちょっとそっちに行けなくてですね、本当なら私のお仕事なんですけれど」

???「いえ、その時のための私です」

紅袖「さすが、私直々に育てた子です。お願いしますね滅砕刃(めっさいじん)さん」

???「はい。お任せください」

 

 

 

 

 

 

紅袖「これで第十期生も最後ですか…。少し物悲しいですねぇ…。やはり人間味があると任務に支障が出ちゃいますよねぇー…。まぁ、使えないなら…殺せばいい話ですね…くっふふふ…」

 

 

 

 

 

 

次回 †MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA episodeⅢ 第七章

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リスティス「…さて、ここまできたら奴等も動くでしょ。後は…、リヴェータやルヴィロームの代わりにやるだけかな…。アタシらから仕事奪ったらどうなるか…、教えてやるよ…、地獄でな…!」




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