†MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA   作:てゐと

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こんにちは。いよいよラストスパートです。本当に長かった。このスペシャルが他のお話しの塞き止めになっていたので気が楽になりそうです


†MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA episodeⅣ 第六話

 

 

シャーヴァル「開けるぞ」

カードキーを通して扉が開くと同時に中へ手榴弾を投げ込むシャーヴァル。そしてすぐさまリヴェータとソフィアが素早く中で暴れまわり、何人かの断末魔が聞こえてソフィアが「クリア」と言うと全員が入って行った。起動させずに投げた手榴弾を拾い上げてシャーヴァルは周囲を警戒するように命令する

シャーヴァル「れんが。右か左。選べ」

れんが「え?えっと…左!」

右の通路へグレネードランチャーを数発放つと左の通路へ走る。やがて道なりに行くとドアを見つけた

シャーヴァル「エレッサ。溶かしてくれ」

胃液を吐き出してドアを溶かすとその中へと入る。ある程度物色してから部屋中を切り刻むとまた別の部屋へ同じことを繰り返していた

クラッパ「なにやってるだす?」

トットッパ「おそらくれんがの運に任せて道選び。その後敵の研究資料を撲滅じゃないか?」

クラッパ「まるで夜叉とか無双って感じだすね…」

トットッパ「何はともあれ俺達に出来ることはシャーヴァル様の邪魔をする輩を撃退することだけだ。そら来たぞ!」

後ろの通路から武装した集団が次々と集まり銃撃戦が始まる。お互いに隠れながら撃ち合うターンバトルが行われる

 

リヴェータ「あんたたち。撃たなくていいわよ」

立てこもった部屋の中。四隅にリヴェータは立つと刺突剣を手甲から出すと壁に勢いよく突き刺し走り出した

リヴェータ「手応えあり。終わりよ」

壁から剣を引き抜くと真っ赤になった刀身が露になり壁の向こうからはボトボトと丸い何かが落ちた音がいくつか聞こえる

リヴェータ「壁の向こうにいるなら壁越しに首を掻っ切るまでよ」

リヴィリーナ(ホワイトボード)【まだいるかも。音がする】

リヴェータ「あんたがそういうならいるわね。どうする?」

リヴィリーナ【任せて、その代わり耳塞いでてね】

通路へ走るリヴィリーナ。全員が耳を塞ぐと一瞬心臓を鷲掴みにされたような感覚に襲われる。そしてとててとリヴィリーナが戻ってきた

リヴィリーナ【死んでない?】

リヴェータ「ほんのちょっと聞こえたかもしれない。もっと小声でやりなさいよ」

リヴィリーナ【死んでないなら大丈夫だね。いくよ】

 

ステイル「リーダー!ご無事ですか!」

シャーヴァル「それはこっちのセリフだ。だいぶ先行してしまっていたな。すまない」

通路の奥にあった一つの扉の先には大きな研究室に繋がっていた。ここに何かを感じたシャーヴァルは刀を納めて物色を始める

シャーヴァル「!。お前たち、下がれ」

部屋の奥で何かを見たシャーヴァルは刀に手を掛ける。その視線の先には人が入れるくらい大きな試験管。その中に…

シャーヴァル「ベルゼブブ…!?」

七つの大罪の一体。ベルゼブブが眠っていた

シャーヴァル「なぜこんなところに…」

ベルゼブブ、および七つの大罪の戦闘力は一人でてゐ劇を殲滅できるほどの強さを持つ。それが今、この状態になっている。サンプルのように扱われている異形な存在が不気味さを感じさせる

シャーヴァル「(どうする…。奴はオリジン…、ランクの関係上殺せない…。しかしこのまま放っておけばジンティアに利用され続ける。…危険過ぎるが…)」

意を決して端末を操作。試験管の中からベルゼブブが解き放たれる。意識が徐々に戻っているのか立ち上がろうとする

ステイル「リーダー…!なにを…」

シャーヴァル「離れていろ」

刀を突き付けて朦朧と立ち上がるベルゼブブを睨み付ける。肩で息をしながら睨み返すベルゼブブ。一触即発の状況だ

ベルゼブブ「…」

そっと手を伸ばす。その先にあったのは機械のコードやUSB。それを握るとベルゼブブは口の中へ突っ込んだ。ガリゴリと普通は聞くはずのない咀嚼音。喉の形歪にを変えるほど飲み込むとベルゼブブは口を開いた

ベルゼブブ「今、この世界の言葉を食べた。これでこの世界の言葉を理解できる」

すこしふらつきながら立ち上がるベルゼブブ。その言葉は流暢だ

ベルゼブブ「改めて名乗ろう。私の名はベルゼブブ。七つの大罪が六女、暴食を司る悪魔。私を解放してくれたのだな、礼を言おう」

シャーヴァル「お前を解放したのはお前を助けるためじゃない。この世界のためだ」

ベルゼブブ「お前たちの事情など知らん。だが…。私は自分で言うのもおかしな話だが姉妹の中では比較的温情だ。恩義を返さないのは悪魔として利に反する。故に、今しばらくお前と共に道を進むことにする」

シャーヴァル「お前一人で何処とでも行けるはずだろう。それに悪魔の言葉など信用できない」

ベルゼブブ「ならばそう思え。私は好きにお前に力添えさせてもらう」

シャーヴァル「…。一つだけ知りたい。お前のような奴がなぜ捕まっていた?」

ベルゼブブ「どれほど前かは知らない。我々は冥王に倒され、姉妹が散り散りになった所をこの施設の者達に突かれてしまった」

シャーヴァル「ジンティアが…?」

ベルゼブブ「なるほど、ジンティアというのか」

シャーヴァル「もう一つ。過去になぜ俺達の仲間を襲った?」

ベルゼブブ「襲ったつもりはない。全ては迎撃だ、それに私とベルフェ姉様以外、特にサタン姉様は邪魔者を徹底的に排除しようとする。今この場で捕まっていたのが私でなければこの施設ごと消されていただろう。運が良かったとでも言えばいいか」

シャーヴァル「信用できないな。お前たちは悪魔だ」

ベルゼブブ「無理もないか。私も無理にとは言わないが信じてほしい思いはある。少なくとも常に飢餓が付きまとう運命に生まれた悪魔である私だ。100億の悪意があれど1の感謝を無下にはできない生き方をしてきた」

シャーヴァル「飢餓の概念があるのだな、不死の体で」

ベルゼブブ「不死にとっての一番の苦痛は欲望でも嫉妬でも怒りでも、ましてや恋煩いでもない。それは他の姉妹も同じだが私は特別空腹に敏感だ。話が逸れてきたがそうだな…。ではこうしよう。今からこの世界で1ヶ月。お前の命令を聞き、お前たちの前に他の姉妹が敵として立ちはだかろうと私がお前たちを必ず護ると誓おう。五人の姉と一人の妹を場合によっては殺そうと言うのだ。どうだ?」

シャーヴァル「ただし。少しでも敵対行動をすれば俺は貴様をどんなことをしてでも殺す」

ベルゼブブ「契約成立だな」

シャーヴァル「なんだこの手は」

ベルゼブブ「この世界では握手をしないのか?」

シャーヴァル「約束は覚えておけ」

ベルゼブブ「もちろん」

 

 

シャーヴァル「と言うことでしばらくベルゼブブが同行する」

ベルゼブブ「よろしく」

シャーヴァル「こいつが少しでも敵対行動を起こした場合。殺せ、例え殺せなくても許すな」

ベルゼブブ「姉様達がやったことは知っている。信頼など無理強いしない。だがこの時だけでも共に歩ませてもらう」

ルヴィローム「へぇ…。裏切りの時にゃバラバラにして桂剥きの練習でもさせてくれるのか?そりゃ楽しみだな」

ベルゼブブ「好きにしてくれて構わない。それとだが…」

れんが「?」

ベルゼブブ「この世界の言葉を食べはしたがもしおかしい言葉使いをしていた時は教えてほしい」

少し照れるながらそっぽを向き、そう言うと部屋から出ようとするベルゼブブ。シャーヴァルはその背中に続く

シャーヴァル「先行はするな。危険だ」

ベルゼブブ「心配してくれるのか?優しいな」

開いた自動ドアの向こうでは敵の影、気が付いた時には銃弾が一斉に放たれた!

ベルゼブブ「ふん」

ぐるりと腕を回すと闇の渦が銃弾を吸い込む。そのままそれを放つと通路の壁や天井をえぐり、敵の断末魔ごと闇の渦を掌に飲み込んだ

ベルゼブブ「ごちそうさまでした」

エル「すげぇ…」

れんが「一瞬で跡形もなく…」

ベルゼブブ「さぁ行こう」

 

 

 

 

 

 

 

ベノ「お前ら。覚悟はできたか?」

まお「今更か」

アデア「本当に作戦通りに行けますか?」

リスティス「余裕だよ。私達と連中は同じだ。周囲に味方がいない方がやりやすい」

リタ「やれやれ。偶然にも六人で攻めてくるとはな。五人であればパスさせてもらったんだが」

せいさい「いけません。マスター。その場合、実力序列の関係上私が外れることになってしまいます」

ベノ「そういうことだ。キリキリ働けロリババア」

リタが軽く舌打ちすると同時に六人の人物が現れた。ただならぬ雰囲気と明確な殺意を感じる

???「先に死にたい奴らか」

ベノ「ちげぇな。てめぇらを殺すために同じ頭数で待っててやったんだよ。感謝しやがれ」

???「大きく出たものですね。流石は紫の鏖魔《ヴァイオレットフレスベルグ》」

ベノ「(かつての通り名を知ってやがる…。知った上で来るってことはやっぱりただもんじゃねぇな)」

???「どうするの?」

???「もちろん相手が誰であれ殺します。各自、仮面を外してください」

その一言でローブとともに取り払われる仮面。その素顔を全員があらわにした

ベノ「!!。お前…、俺の里出身だな…?」

???「やはりベノの一族か。同胞といえど加減はしない」

ベノ「上等だ。ぶっ殺して死んだ奴らの墓標に刻んでやる。名前は」

ネルケー(ニドキング)「ネルケー。もっともお前がそうなるだろうが」

???「ダメじゃないですか本名で名乗っては。まぁあなたはコードネームもそうなので仕方ありませんか」

ネルケー「あいつは俺がやろう。他は勝手にやってくれ」

???「ではそうしましょう」

各々が自分の相手を視認すると違う方向へ散っていく。その場には誰もいなくなった

 

ベノ「どうだ、広いから好きにやれるぜ?本気で来いよ」

ネルケー「それはこちらのセリフだ。族長の血族であろうがもはや関係ない」

 

 

まお「ほう。魔王の贄となるのは貴様か」

ミーリャ(キュウコン♀️)「あぁ、私はミーリャ。おそらく他も名乗っているだろうね。どうせお前たちは死ぬ」

まお「そういうセリフを言ってきた奴は貴様が初めてではない。貴様らにも合わせてやろう」

 

 

タンポポ(デンリュウ♀️)「へぇ、それじゃあちょっと本気でいかないとね。黒焦げになるくらい…」

リタ「ほざけ、雷の力などが月と太陽に歯向かおうなど思いあがるな」

 

 

アデア「今なら引いてくだされば見逃せます」

クロユリ(ブラッキー♀️)「驚いた。この期に及んでまだそんな甘い言葉を使う奴がいるとは。夢を見るのは勝手だがちっぽけな正義感をこの世界に押し付けるのはやめてもらおうか」

 

 

リスティス「だったら、あんたたちの思想ってのも押し付けるのはやめてもらおうか。こっちはそれで食えなくなってここにいるんだ。裏世界に生きるものどうし、潰しあえばどうなるか…。わからないわけじゃないだろよ」

ユキツバキ(メガニウム♀️)「潰しあう?ふふっ…。弾丸がぶつかり合ったらどうなるかご存知ではないようですね」

 

 

ペロッラ(パルシェン♀️)「弱いものが淘汰される。私達は今や世界のハイエンド、もうあなた方の世界はどこにもない…」

せいさい「否定します。この場で戦った場合、あなた方の生存確率は0に近い数字です」

ペロッラ「壊れた人形ごときが戯れ言を」

 

 

ネルケー「お前たちが何を言おうと、どうしようと。我等ジンティアにたてついた時点でその命運は終わっている。せいぜい見苦しく足掻いて殺されろ」

ベノ「陰険な奴はいけねぇな。この世界に生きてるなら正々堂々ぶっ殺してやるぐらい言えよ」

ネルケー「おしゃべりは終わりだ」

 

 

 

シャーヴァル「ベルゼブブ。他の姉妹は捕まっていないのか?」

ベルゼブブ「捕まっていない。私だけがへまをした」

シャーヴァル「そうか」

ベルゼブブ「質問がとにかく多いな。この際聞きたいことはなんでも言ってみると良い」

シャーヴァル「山ほどあるがまずは冥王とは一体なんだ?聞くところお前たち七人を倒したなどにわかには信じられないのだが」

ベルゼブブ「…。教える前に教えておこう。アイツには関わるな」

目付きが少しつり上がり真剣な表情と声でベルゼブブは冥王について話し始めた

ベルゼブブ「冥王フランチェスカ。元はフランケンシュタインと呼ばれる怪物の一人だった。本来ならば人間によって作り出される改造人間がフランケンシュタインと呼ばれるが…。フランチェスカは違う。自らの手で自らを改造して怪物となった元人間だ」

シャーヴァル「自分で自分を改造…なぜだ?」

ベルゼブブ「奴は人間の体には様々な限界があるとし、ならば自らを不死身にしてどんなことでも記憶できる最強の生物にと考えた。誰の力も借りること無くたった一人でそれをした、所謂天才だ。だが奴は更に上を望んだ。そう、神の領域を。奴には恐ろしい能力がある。それは他人の細胞や血液自分の遺伝子に組み入れるというものだ。これにより他者の特技や魔法、特性までも自在に扱えてしまう。私達も血液を取られ、奴はたった一人で私達姉妹の全てを併せ持つ存在となった。だがそれだけではない。私達をこの世界に飛ばし、封じ込めた者達の力までも自分の物にしている。私達が元居た世界の死者の力までも。だから奴は自らを冥王と呼んでいる。お前たちも細胞や血を奴に取られないようにしておけ。全てにおいて不利になる」

シャーヴァル「肝に免じておこう」

ベルゼブブ「まだあるだろう?」

シャーヴァル「なぜ復活した時に虐殺を犯した。それだけじゃない。なぜホウエンで大地と海の巫女を殺した」

復活した時。それはシャーヴァルがてゐ劇と敵対したお話だ。一方の大地と海の巫女というのはラグナが過去にホウエンを巡った物語での出来事を指していた

ベルゼブブ「私達悪魔の主食は人間の恐怖心だからだ。人は死ぬとわかった瞬間、とてつもない恐怖心を生み出す…。どんなに潔白な人間も死の間際に時間を置いてやれば死にたくない死にたくないと無駄に足掻こうとする。それが我等の力になる。ホウエンの大地と海の巫女というのは知らん」

シャーヴァル「姉妹の誰かか?」

ベルゼブブ「私達は基本的に姉妹のやることには無関心だ。利害が一致しなければ集まることも少ないほどにな」

シャーヴァル「ずいぶんとドライなんだな」

ベルゼブブ「心は繋がってる。それに会おうと思えばすぐに会えるからな。私達は七人で一つなのだよ」

シャーヴァル「七人で一つ…」

ベルゼブブ「大方私達を倒す方法等を考えているのだろうが諦めろ。私達は今でこそ力が完全では無いが完全だった場合。この世界を今すぐにでも消せる。それに奴がこのままこの世界に居座るというのなら私達との決戦の余波でどれほどの犠牲で済むかと言うところだ」

シャーヴァル「ならば俺達のやることは決まった。お前たちにそんなことをさせない。冥王にも、お前たち七つの大罪にもこの世界は渡さない」

ベルゼブブ「その時は敵として容赦はしない。ん…?」

シャーヴァル「どうした」

ベルゼブブ「悪魔の勘だ」

そう言って開かない自動ドアを片手で掴み、強引に引きちぎる。力が本調子ではないにしろとても生物として必要な力ではない。どう見てもオーバーパワーだ

ベルゼブブ「感じる。命の鼓動だ」

この施設はかなり広いようで今いる位置はシャーヴァル達が通らなかった通路だった。今回の目的が目的なためどのみち全部の部屋を回るつもりではあったが他の部屋が未施錠だったのに不自然にそこだけロックがかけてあった

ベルゼブブ「死への恐怖心を感じる…。それもとびきり極上な…」

口元をにやけさせ、悪魔としての本性を露にした笑顔。壁に手を叩きつけて大きな音を出すと爪を立てて壁を引っ掻きながら歩き始める

ベルゼブブ「さぁ…。どれほど腹を満たしてくれるのか楽しみだな…」

シャーヴァル「待て。数はわかるか?」

ベルゼブブ「一人だ」

シャーヴァル「喰う前に時間をもらう」

制止すると通路の奥へと歩みを進めるシャーヴァル。そこには初老の男が血まみれで壁を背に座っていた

シャーヴァル「息はある。返事はできるか?」

「うぅ…。誰だ…」

シャーヴァル「ここの者ではないが危害は加えない」

「それならちょうどいい…。私の名はワシド…、このジンティアで研究者をしていた…」

シャーヴァル「研究者か、それならメインシステムにアクセスするためのパスワードを教えてもらえないか?」

ワシド「パスワードは諦めろ…。奴等はもう書き換えおった…、そういう組織なのだ…」

シャーヴァル「そうか」

ワシド「その代わりと言うわけではないが頼みがある…。あそこにあるボールを取ってくれ…」

シャーヴァルがくいっと目配せをしてステイルとたらこに取らせたボール。それはウルトラボールとスピードボールだった

ワシド「奴等はダークネスポケモンというものを自在にコントロールすべく七匹のポケモンをそれぞれ改造した…。それは私が奴等に気づかれないように改造したボール…。それに納めれば奴等の支配から逃れられる…」

シャーヴァル「普通に戻すようにすればいいのか?」

ワシド「あぁ…。ウルトラボールには深紅の戦士、ゼアラ…、もう一つは…ごほっ!」

シャーヴァル「それ以上喋ると傷が開くぞ」

ワシド「どのみちもう助からん…。お前も気付いているのだろう…?それよりもだ…。そのスピードボールには全てを超越する風、エルミス・アンジュが納められる…。この二人だけしか洗脳を解けなかった…。他はもう完全にジンティアの操り人形となっている…。お前に…お前たちに私は賭ける…。頼んだ…」

それを最後にワシドは息絶えた。ベルゼブブがそれを見て腹を鳴らす

ベルゼブブ「未練が残っていたが故の恐怖心だったのか…。喰いそびれた」

するとシャーヴァルの懐にあるボールからエレッサが飛び出した。じーっとベルゼブブを見つめるとりんごを差し出す

ベルゼブブ「くれるのか?」

エレッサ「あー」

ベルゼブブ「ありがとう。お前は言葉が苦手なようだな。おそらくこいつ達にはあーとしか聞こえないのだろう」

りんごを受け取り、エレッサへ黒い光を纏わせたベルゼブブ、シャーヴァルが抜刀体制に入るもベルゼブブが「見ていろ」とそれを止める

ベルゼブブ「ガリャエネ…ハヅナジラ…ゴヨイアナユゼヌ…」

何かの呪文を唱え終わるベルゼブブ。エレッサに喋ってみろと言い放つ

エレッサ「リーダー…?」

シャーヴァル「!!エレッサが喋っている…!?」

ベルゼブブ「知力増強魔法で喋れるようにした。このりんごの礼だ」

エレッサ「え…あ…ありが…とう…」

れんが「すごい違和感…。でもかわいい…!」

戸惑うエレッサを撫でて愛でるれんが。それを見てシャーヴァルはベルゼブブにまたしても問う

シャーヴァル「なぜだ…?」

ベルゼブブ「?」

シャーヴァル「なぜこんな力を持ちながらお前たちは…」

ベルゼブブ「元の世界でもさんざんっぱら聞かれたことだな。答えはただひとつ。私達は人の罪が具現して生を持った存在。七つの大罪だからだ」

シャーヴァル「そういう運命に生まれたとでも言いたいのか」

ベルゼブブ「そうじゃなければなんだというのだ?アイドルにでもなってユニットを組めとでも言うのか?」

シャーヴァル「違う。なぜ運命だけで決めつける。お前たちは何がしたい」

ベルゼブブ「人の恐怖心を糧にし、罪を重ねてそれを行う。人がいなければ生きていけないのに人を皆殺しにしてあの世とこの世をひっくり返したい。自壊願望にも近い」

シャーヴァル「ロジックが違いすぎるな」

ベルゼブブ「だから私達はこの世界に封印された。人間達の力によって」

シャーヴァル「願わくば…、お前とは殺しあいをしたくない。人を幸せにできる力を持ちながら破滅の道を選ぶのは止めない。だが…」

ベルゼブブ「こればかりは私一人ではどうにもならない。どうしても止めたいなら姉様達を説得してみるんだな」

ソフィア「シャーヴァル。お喋りはその辺にしておきなさいな。それよりもこの部屋の資料をいただいたらそろそろ出た方がいいかもしれないわ」

リヴェータ「私達がここに奇襲してから追手が全くいない。こんな場所なのにね。おそらく…」

シャーヴァル「時間を浪費しすぎたか。すまない」

ステイル「リーダー。この部屋にあるすべての書類やデータを押収完了しました」

シャーヴァル「時間は…もう明け方か」

思っていた以上に時間がたっていたことに少し驚くが昔はこんなものだったなと思い返す。入り口までの道のりにはただ死体だけが転がってる

シャーヴァル「お前たち。ここが正念場だ」

その一言で改めて全員の気が引き締まる。少し考えればそれはわかることではあった。そうなるだろうとも予想していた。そしてその予想は見事に的中した

紅袖「あらあら、お帰りですか?」

施設から出ると…。数名が待ち伏せていた

紅袖「どうせならもっとゆっくりしていってください。歓迎しますよ?サンプルとして…」

仮面の奥、紅袖は不敵に笑う

 

 

 

 

 

七話に続く…

 

 

 

 




お疲れ様でした。次回かその次が最終回の予定です
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