†MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA 作:てゐと
???「珍しいですね。皆さんが立て続けに失敗するとは」
紅袖「…」
ネルケー「今回ばかりは相手が悪すぎた。我々が死ねばジンティアは危うくなる。それを回避しただけだ」
???「確かに。皆さんは大切な戦力であり替えが効きませんからね」
紅袖「言い訳はしたくありません。片腕を奪われ、愚妹に愚弄されてナンバーズまで半壊させられたのです。正直私としては殺されても文句はありませんよ」
???「殺す?そんなことしませんよ。紅袖さんは常に前で活動してくれていますからね。そこら辺の傭兵ならともかく信頼を置いてる者を殺すなんてジンティアとしては失うリスクが大きすぎますから」
紅袖「ありがとうございます」
???「ここ最近大きく動きすぎましたね。しばらくは静かに活動しましょう。また嗅ぎ付けれても厄介ですから」
カテドラ「次に彼らと相対するその時は私も出向きましょう。必ず仕留めるためにも…」
ベノ「なるほど。コピーとはいえ証拠を掴めたのは大きいな。それにしても奴等のバイオ兵器にゃ驚きだな。過去の俺やらバボーチカやら…」
シャーヴァル「バボーチカや紅袖はナンバーズと呼んでいた。そしてこいつらもそうらしい」
ゼラア(マッシブーン)「ワシド博士は洗脳手術の寸前で俺とエルミス。二人の洗脳をリセットするボールを作り出した。他は洗脳が解けないとも聞いていた」
シャーヴァル「お前の意識はハッキリとしているようだが…」
一方のエルミス・アンジュの姿は面影が無く、全身が鎧に包まれていたその姿は白いワンピースになっていた。胸元に緑色の三角形がプリントされ明るいオレンジ色と黄色の中間色のようなリボンが彩りを付けていた
エルミス「えっと…」
ゼラア「おそらくエルミスは産み出されてすぐに洗脳手術を受けたためその洗脳が解けた今、初めて自我が芽生えたのではないかと思う…」
シャーヴァル「お前たちナンバーズはダークネスポケモンの管理が目的で開発されたのだな?お前はリヴェータから聞いたとしてこのエルミスは何ができる?」
ゼラア「戦闘しなかったのか。エルミス・アンジュは超高起動方殲滅兵器として生み出された。その脳にはBELIAL SYSTEMと呼ばれる戦闘OSが組み込まれている」
ベノ「ベリアルシステム…?」
ゼラア「battle killing darkness fall systemの略称でダークネスポケモンを抹殺することに特化した戦闘OSだ。だが敵味方の区別は付くようにされている」
シャーヴァル「洗脳されていたと思えないほど詳しいな」
ゼラア「ワシド博士がインプットしたデータを引き出しているだけだ」
エルミス「…」
シャーヴァル「どうした?」
エルミス「その…。名前…」
シャーヴァル「エルミス・アンジュじゃないのか?」
ゼラア「…なるほど。エルミス・アンジュは戦闘時の名前。普段の名前が欲しいと言うことではないか?」
シャーヴァル「名前か…」
不意にエルミスの肩にある07という文字が目に入った。そして自然と口が開く
シャーヴァル「楓(かえで)…レナ…」
ベノ「?」
シャーヴァル「楓レナと言った」
レナ「私の…名前…?」
シャーヴァル「その通りだ。もしお前がエルミス・アンジュになる時はそっちを名乗ればいい。普段のお前は今から楓レナだ。そしてベノ。レナを新生鍼組に入隊させたいと考えている」
ベノ「監視も兼ねてか」
シャーヴァル「あぁ。何より任されたものを他の誰かに押し付けたくはない」
ベノ「まぁいいだろ。他でもないお前がそう言うなら間違いねぇ」
シャーヴァル「変わらず俺の推薦だけで組ができあがってしまっているな…」
ベノ「全員それだもんなお前の組。まぁ許可出してるの俺だが」
シャーヴァル「そういえば診断結果は…」
しらみつ「お待たせしました」
ちょうど狙ったようにしらみつとデビローズ。それにまおとアデアが入室してきた
デビローズ「診断結果出ました。ゼラアさんはマッシブーン。エルミスさんが…」
レナ「エルミスじゃないよ…。私の新しい名前は…」
レナ(ラティアス★)「楓レナ。それが私の名前」
デビローズ「シャーヴァルさん?」
シャーヴァル「…新しい仲間だ」
レナ「よろしくね!」
デビローズ「えぇ。よろしくお願いしますね。それで結果なのですが…」
しらみつ「お二人ともすでにご存じでしょうがあなたたちお二人は人造ポケモンです。ゼラアさんは身体能力や脳を改造されていました。一方のレナさんですが…遺伝子情報がグチャグチャでした」
ベノ「どういうことだ?」
しらみつ「確信があるわけではありませんがおそらく様々なラティアスの遺伝子を組み込んで作られたと思われます。これだけのDNAが共存できているのがおかしいですが…」
ゼラア「それもBELIAL SYSTEMで強引に統率させている…。らしい」
しらみつ「一度そのワシド博士という方とお会いしたかったですよ。どうやったら心臓だけが機械で動けるのか。脳に刻まれたBELIAL SYSTEMも場所が場所ですから解析もへったくれもありません」
デビローズ「さらに不思議なのは鎧を纏った姿です。恐らくメガシンカの原理を利用したこの鎧はラティアスの見えない羽毛で構成されているのですがその羽毛に金属反応が出ているんです。恐ろしいことにせいさいさんと同じ【オリハルコンブレイズ】です。弊害や差別に聞こえるかもしれませんが彼女には命があります。心もあります。ですが生き物として作られていないのです。これではまるで戦闘機です」
レナ「…」
シャーヴァル「安心しろ。あぁは言ってるのはお前を作り出したものへの怒りだ。俺たちはお前をそう作った奴らとは違う。お前のことをポケモンとして、生きるものとして歓迎する」
レナ「えっと…」
シャーヴァル「好きに呼べ、他はリーダーなどと呼んでいる」
レナ「リーダー…」
デビローズ「いずれにせよ私としらみつさんの所へ定期的に通ってもらえますか?BELIAL SYSTEMのブラックボックスを解明すればジンティアのバイオ兵器にされてしまった人たちを救い出せるかもしれません。協力…してもらえませんか…?」
レナ「私にできることなら手伝います」
シャーヴァル「あまり無理はさせないでほしい。まだ自分を見つけたばかりだ、性格の生成もこれからだろう」
デビローズ「それもそうですね。それじゃあ…」
しらみつ「レナさん。ちょっと来てください。ベノさんたちも」
れんが「えっ!?名前変わっちゃったの!?どうすんのさ!!」
エル「急いで変えるぞ!みんな手伝ってくれ!」
わちゃわちゃしている部屋へのドアが開く。主に鍼組がドキッとなり、急いでクラッカーを引いた
パァン!!パパァン!!
レナ「うひゃっ!?」
れんが「えっと、レナ!!」
全「「「入隊!おめでとう!!」」」
キサラギ「あ…」
クラッカーの中身はレナを護るために前に出たシャーヴァルに直撃していた。それを見てキサラギが「一抜け」と言うとトットッパとクラッパが急いで紙吹雪等をシャーヴァルから取った
シャーヴァル「…お前たち。いつの間にこんなことを…?」
そこには全員が見事勢ぞろいしていた。いくつものテーブルには手作り上手なメンバーが作った手料理の数々が並べられていた
れんが「えっとぉ…サプライズのつもり…」
恐らく協力したのだろうエクレール、MEXさん、わかなの三人がそっぽを向いた。それを見て隊長四人がやれやれ顔になる
ベノ「こいつら…。ご丁寧なことだな?」
まお「シャーヴァルと愉快な仲間たちに改名したらどうだ?」
アデア「まおさん。それは僕ら四人誰が言ってもブーメランですよ」
シャーヴァル「…」
ステイル「リーダー!お許しください!私はせめてリーダーに確認をと…!」
シャーヴァル「高所の飾りつけのためにエレッサを肩車していると説得力が違うな」
ステイル「こっ!これは!」
シャーヴァル「一つ言っておくぞ。騒ぎすぎて乱痴気騒ぎにはするな。余興のバトル禁止だ。特にルヴィローム、お前は武器全部部屋に置いてから戻ってこい」
ルヴィローム「ざぁ~んねん。もう置いてきてるんだよなぁこれが!」
シャーヴァル「ふぅ…。それなら後は節度を護って楽しくやれ」
大騒ぎを始める部屋を他所にベノとシャーヴァルとゼラアだけが外へ出る。夕暮れ時、少し肌寒い風がゼラアのマフラーをたなびかせる
ゼラア「シャーヴァル。あんたには感謝している。殺戮マシンとして罪を犯す前にワシド博士の意思をくみ取り、俺とエルミ…レナを助けてくれた」
シャーヴァル「行ってしまうのか?」
ゼラア「あぁ。俺はこの力でこの世界の自由にために旅をする。侵略や破壊の力も正しく使えればワシド博士も喜ぶだろう」
ベノ「おい。カッコつけるのはいいがよ。ジンティアには気を付けろよ」
ゼラア「そのつもりだ。ではな」
ベノ「話終わってねぇよ。こいつ使え」
そこにあったのは真っ赤なバイク。ゼラアは「おぉ…」と声を漏らす
ゼラア「いいのか?」
ベノ「一応お前はてゐ劇所属だ。群れるのが嫌でも一人で背負い込むなよ。こいつみたいになっちまうぞ」
シャーヴァル「余計だ」
ゼラア「あぁ。定期的に連絡する」
ベノ「連絡端末はバイクの中だ。無くすなよ」
ゼラア「感謝する。ところでこのバイクの名前はあるのか?」
ベノ「バルクジェッターって名前だ」
ゼラア「いい名前だ」
バルクジェッターを走らせてゼラアは去っていった。長く遠くつらい道へと…
シャーヴァル「にぎやかな奴らだ」
パーティー会場に戻り。一人隅で座っているとソフィアが隣に座った
ソフィア「思い出したわ。あの子のこと」
シャーヴァル「そうか」
ソフィア「一度、戦ったことがあったの。凄まじい気迫だったわ、あなたが来ると安心した顔で気を失ったのを思い出したのよ」
シャーヴァル「あいつも今頃飲み明かしている。昔の仲間たちと」
ソフィア「そうだと良いわね」
シャーヴァル「あいつを縛るものは無くなった。自由に…」
ソフィア「湿っぽい顔してると気が付かないうちに目から水出ちゃうわよ」
ハンカチを受け取って見えないように流れた涙をふくシャーヴァル。黙ってハンカチを返すとステイルとたらこがやってきた
ステイル「リーダー。幾度ものご無礼お許しください!」
たらこ「ごめんね!じゃんけん負けちゃった!」
シャーヴァル「何を言って…」
二人に手を引かれてパーティー会場の一番やかましいところへ連れ去られるシャーヴァル。それをソフィア、リヴェータ、リヴィリーナ、ルヴィロームが笑顔で見ていた
ソフィア「まんざらでもないのね。いつも肩っ苦しいからこうなるのよ」
リヴィリーナ【もっと素直になればいいのにね】
リヴェータ「私たち人の事言えるのかしら?」
ルヴィローム「言えねぇなぁ。だが見ろよ。微笑みでも笑ってるあいつなんざ指で数えるほどだぜ?」
ソフィア「あら。私たちも笑顔ね」
リヴェータ「いつか…また全員で笑える日が来ると良いわね」
リヴィリーナ【うん!約束だよ!】
ルヴィローム「その時はわたしらが居なくなる時だぜ?」
れんが「四人ともー!早くしないとエレッサがケーキ食べちゃうよー!」
リヴェータ「過去は変えられなくても未来なんていくらでも変えられる。私たちが居なくならない未来に行けばいいだけよ。食べそびれちゃうから行くわよ」
そのパーティーは結果として夜通し行われたのであった…
数時間後…
ベノ「ふがっ…!いつつ…飲みすぎたか…今何時だ…?…」
ベノ「…」
指示された時間は昼の三時。ベノはなにも見なかったと開き直って二度寝を始める。全員が爆睡している
その様子は上から見ると【おわり】の文字になっていた
お疲れ様でした。本当に終わってしまいましたが塞き止めていた他の作品の更新も頑張って行きます