†MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA 作:てゐと
この物語は
ポケモン
ポケモン擬人化
申し訳程度のサクラ大戦要素
を含みます。これがダメという闇の力の僕たちはとっととおうちに帰りなさい
※これはepisode Ⅱの前編です。他のepisodeとお間違えないようにご注意ください
まお「さて…、一度落ち着いて作戦会議と行こう。まず全員であの城に突入。内部構造は不明だが我らを五人に分けようと思う」
走りながらそう言うとメンバー全員の気が引き締まる。空は暗雲。地上には逃げまどう人々、その中を突っ切り敵地に向かう。その姿はとても勇ましい。
まお「突入後に編成だ。決して手を抜くな、本気で当たれ。そして…」
一度立ち止まるとまおが振り向く
まお「加えていつも通りだが…死ぬな。必ず我ら全員で帰還する。無論…MEXさん含めてだ」
黙って全員がうなずき、改めて城を見る。禍々しいその外見はこの世の終焉を思わせるようだ
まお「てゐ国歌劇団、地組!出撃!!」
その一言と共に弾丸のように全員が飛びだした!飛べるところまで飛ぶとくぃーんとシュトラが念力で運ぶ。その間しらみつとレジーナが前に出て迎撃に備えた。だが…迎撃は無くすんなり城に入ることができた
ドラゴ「…おいおい、不気味だな」
くぃーん「まるで招き入れられたとでも言うのか。あっけないな」
???『今更貴様らに止められるとでも?』
城の広間に響く声。それはあのリーダー格の男のものだ
まお「姿も見せぬとは余裕がないのか?止めに来たわけではない。ただMEXさんを返してもらうだけの事」
???『生憎それはできないな。力づくでも断ろう』
まお「ほぉーお?やはりここにいるのか、我はてっきり別の場所に隠しているとばかり…」
???『白々しいな、確信があるからこそここに来たのだろう』
まお「もちろんだ、仲間であるからな。ところでここの城はせっかくの来訪者に飲み物もでないのか、サービスが悪いぞ」
???『なにがいいたい…?』
まお「我らがおとなしい内にとっととMEXさんを返せと言っている。土産はそれで十分だ、この城ごと破壊されたくなければ素直に言う事聞いたほうが良いぞ。我は魔王なのだからな。この程度の居城など即座に荒廃させられる」
???『ほう…魔王か、大きく出たな。ならば…取りに来るがいい、魔王と豪語するならば余裕だろう』
まお「その前に、貴様の名を聞いておこう。モブAでもいいならそう呼んでやるぞ」
リン(ダイケンキ♂)『我が名はリン。この城の主の刃、クティス・オス・サングィスを統率する騎士だ』
そういい終わるとガシャンと四つの扉が開門される。だがまおたちは目もくれず目の前にある大きな扉に向かう
まお「…。これは…」
しらみつ「…強力な魔法による結界ですね。まずこれを突破するには…結界を弱めなければいけません」
手元の機械でしらみつが扉を調べると全員が目を合わせる。つまりまおが言ったようにここからが五つにチーム分けをする場面だ
まお「おそらく四つの扉の先の何かをどうにかせねばこれは我らの技を打ち込んでも無駄だろう。我はこの扉が開くのを待つ。全員自分がタッグを組みやすい奴を選べ、コンディションでもじゃんけんでも構わん」
くぃーん「…ぼたん。力を貸せ」
ぼたん「…あぁ、大丈夫だ」
ニーナ「ドラゴ。後ろお願い」
ドラゴ「おうよ」
シュトラ「…あやはる」
あやはる「はい。お願いします」
しらみつ「いっこんぞめさん」
いっこんぞめ(表)「この組み合わせ、入隊試験の時以来だね」
しらみつ「…今度は真横で噴煙はやめてくださいね…?」
いっこんぞめ(表)「大丈夫だって、任せな」
まお「決まりだな、残りはここで待機。できる限り早めに片づけて来い」
あやはる「まおさんたちもお気をつけて」
バッと飛び出してそれぞれの扉に入る八人。まお達はただ無事を祈るだけだ
まお「…?なんだ?あのモニターのようなものは…」
リン『それは城のとある場所を映し出すもの。城が襲撃されたり見せしめの時に使われるものだ』
まお「丁寧に説明ご苦労。ところで座るところもないのか?なんとも寂しい城だな」
皮肉を言うが帰ってこない。みみっちいがすこしまおは勝ち誇った
ニーナ「っと…ここは…」
通路を出た先は広間、いや…まるでスタジアムのように観客席のような段差がある
ドラゴ「それにしても臭うな…血なまぐさい嫌な臭いだ…」
???「それはここが過去に処刑場だったからだ」
青白い炎が集まり、一つの形となる。紅蓮のパーカーを着たアウトローのような見た目をした男だった
ルフ(ウィンディ:♂)「俺の名前はルフ。この場所…月の闘技場を守りしもの…」
けだるそうにそういうとくいくいと指でニーナたちをさそう
ルフ「来な…二人まとめてだ」
???「遥か過去より、この闘技場は我ら四人が守りし場所…。この場所をすべて制した時、敵は我が王に会える…。そしてこの騎士の闘技場は…」
くぃーん「御託は良い。さっさとかかってこい」
デューラ(ドラピオン:♀)「…加減はしない。この城の騎士たる我が名はデューラ!この名を墓標に刻め!」
ルーク(ルカリオ:♂)「私はルーク。不死の闘技場を任される者。敵である以上容赦はしない」
しらみつ「あなたは話がわかりそうですね。ですが…こちらも同じです。敵である以上、全力で排除します」
マリー(ジバコイル)「そこのあなた、緊張しているの?でも何も心配ないわ…あなたたちはこの悟りの闘技場でわたし、マリーに倒される運命だから」
あやはる「っ…!怖くなんか!」
シュトラ「…あいつ、心を読めるようだね。油断しないで」
ルフ「さぁ…!おっぱじめようぜ!もう何百年も過ぎた!てめぇらが今日の食事だ!!」
ニーナ「なにそれ、失笑レベルの冗談?」
ドラゴ「油断はしちゃいけねぇな。あぁいうやつが意外と面倒だったりするしな」
ルフ「いくぜおらぁ!!」
ニーナ「早い!」
素早く構えると二人はルフを迎え撃つ!ニーナの回し蹴りを低位でかわすとドラゴの正拳突きもかわして背中を取るとなんとルフはドラゴの右肩に噛みついた!
ドラゴ「ぐああああっつつ……!!なっ…!?てめぇ!!」
ニーナ「ドラゴ!」
ドラゴ「離れろっ!!こいつっ!!」
どくどくと血が流れながらドラゴは必死にルフを引っぺがそうとする。だがルフは巧みにドラゴの行動を受け流し、ついでにニーナにも攻撃を加えて距離を離す
ルフ「っ!」
地面に足をつけて踏ん張ると顎の力だけでドラゴを地面に叩き伏せ、壁に向かって噛み捨てるとルフは真っ赤な口元のまま今度はニーナに襲い掛かる!
ニーナ「くっ…!」
接近戦を挑もうにもドラゴの前科を見たためニーナは慎重に立ち回る。それをわかっているのかルフはわざと歯をカチカチ鳴らして挑発的にけん制する
ニーナ「(あそばれてる…!こいつそれだけ人やポケモンを…)「殺してきたよ」っ…!?」
タックルで吹っ飛ばされると素早く立ち上がるニーナにルフは余裕の表情で口を開く
ルフ「お前が思っている通りだ、俺はここで何度も、いくつもの命を食い散らかしてきた、噛み千切った肉で腹を、滴る血で喉の渇きを潤してきた…!」
天窓に映る月がルフの邪悪な笑顔を照らし出す。狂気を感じるその顔は食物連鎖の頂点にいるようにも見える
ルフ「だが空腹が満たされようとも手ごたえが無くてな…戦いという意味ではずっと満たされないままだった…。簡単に終わってくれるなよ…?たあんと楽しませてくれよぉ…!!エサ共!!」
ニーナ「…聞いた?ドラゴ」
背後で立ち上がるドラゴを振り向き見るルフ、右肩を抑えながらドラゴはニーナの言葉にこたえる
ドラゴ「あぁ、どうやらこいつはちょっと優位に立っただけで自分が世界の支配者様と思うくらいかわいそうな奴だってことだろ」
ニーナ「ルフ…だっけ?心配しなくてもいいよ。ふぅーーっ…おいで、今度は私たちが遊んであげるから」
ルフ「あぁ…?おかしくなったか?どいつもこいつもそう言って俺に食いつぶされてきたんだぜ…?」
ドラゴ「俺たちもそうやって大口叩いたバカを何度も倒してきたんだ、悪いが痛みにも慣れた」
右腕を振るとドラゴは腰につけた帽子を深くかぶった。一方ニーナは飴玉を三つ取り出す
ニーナ「ドラゴ、九分で行ける?」
ドラゴ「五分だ、元々俺たちに残された時間はすくねぇ、短期決戦上等だぜ!」
ニーナ「オーケー!!」
帽子が光り輝くとニーナも飴玉を口に放り込んで光に包まれ、同じタイミングで違う姿へと変貌した!
ドラゴ(M(メガシンカ))「いくぜ…?しつけのなってねぇ犬ッコロ!」
ニーナ(EC)「格の違いって奴を明確に教えてあげるよ。忠告…。今から発言に気を付けたほうが良い」
ニーナは一見見ると前の空いたドレスだが手足が動きやすく、よく見ると攻守を兼ね備えたプロテクターが装着されている。一方のドラゴは頑強な青銅色の鎧が装着!そして身の丈はあろう巨大な剣が背中に出現した
ルフ「御託は良い、さっ」
言葉を出した瞬間、ニーナの飛び回し蹴りが顔の眼のあたりに直撃する!そのまま蹴りきってふらつかせると素早くニーナは離脱、ドラゴが左腕で遠慮なく後頭部へラリアットを当ててそのまま倒れ込みながら全体重をかけてルフを巻き込む!
ドラゴ「だから気をつけろって忠告したろ!ヘビーボンバー!!」
再び顔面を強く打ったルフはすばやく立ち上がる!だがそれよりもはやくニーナの蹴り上げが口内に炸裂!歯を砕きながらルフを蹴り飛ばす!
ルフ「こいつらっ…!」
ドラゴ「どこ見てやがる!」
自身の身の丈以上の大剣を片手で振り回し、ルフを追い詰めるドラゴ。だがただではルフも下がらない!
ルフ「なかなかやるじゃねぇか…!だがな…!一対一に持ち込んだらてめぇらは大したことねぇ!」
あえて突っ込んでくるルフ。ドラゴの左肩に狙いを定めたのか再び隙を伺う
ドラゴ「…!」
ルフ「まずはてめぇからだ!噛み砕いてやるぜ!てめぇの家族が見分け着かねぇほどにな!ガルガンチュアブレイク!!」
ドラゴ「やれるもんならやってみろ!リベレイトゥーラ!!」
ルフの獄炎を纏った噛みつきが直撃する直前!ドラゴはメガシンカで得た鎧をすべて弾き飛ばしてルフを迎撃!さしものルフもこれには予想外を超えて大きすぎる隙を相手に与える結果となった…!
ドラゴ「おんなじ手が通用する相手だとでも思ったのか!ニーナ!今だ!!」
ニーナ「最大…!」
吹き飛ぶルフの目の前にニーナが一瞬で現れ、右腕に毒々しいオーラを纏って一撃を放つ!
ニーナ「ベノムファング!!!」
闘技場の地表を砕き、亀裂に猛毒が血液のようにはじけ飛ぶ!その衝撃が止んだ時…ルフは…
ニーナ「…、ここはもう大丈夫だね。入口のほうで音がしたよ」
ドラゴ「ふぅ…やっぱりニーナとが一番アドリブ効くぜ」
ニーナ「こっちもだよ、多少毒飛ばしながら戦ってもドラゴ効かないし私もやりやすいよ」
ルフ「ふ…はは…」
ドラゴ「なっ…。あれ喰らって生きてんのか…こいつ…!?」
ルフ「はっ…!俺たちは元々死なねぇ…!だが…負けは負けだ、闘技場での負けは死と同然…。それが俺たちのルールでもある…扉の封印が解けたってことは…俺は負け犬だって城が…そしてあの方が言ってるのさ…」
ニーナ「あの方…?」
ルフ「答える義理はねぇなぁ…リンの言う通り…てめぇらはもうじき死ぬんだよぉ…!はは…ぐぁっ…」
血を口から噴き出すと…ルフの姿は青白い炎に燃えて無くなった…
ドラゴ「…戻ろうぜ」
ニーナ「う…うん…」
くぃーん「くっ…!」
デューラ「口ほどにもないな、貴様」
ぼたん「くぃーん…!」
ところ変わってこちらではくぃーんとぼたんがデューラと戦っていた、現状は劣勢。挟み撃ちの状態にもかかわらずデューラは悠々としている。そして苦戦するくぃーんを助けるべくぼたんが背後から攻撃をしようとしていた!
デューラ「貴様の相手は…!」
ぐるりと身体が180度回転すると楯で殴り飛ばされるぼたん。だがデューラの頭は…変わらずくぃーんの方向を向いていた…!
デューラ「私の身体だ!!」
なんとこのデューラ、頭と体を切り離してそれぞれ別の意思として行動ができるのだ。そのせいもあってか二人は苦戦、頭と体のコンビネーションが良すぎるあまり隙が無い。閲覧者にわかりやすく言えばつい先ほどのニーナ&ドラゴのように相性が極端に良いのだ。互いの長所を生かし、短所を補える。デューラはそれを一人で行うことができる
ぼたん「…(くぃーんと相談しようにもこの状況下…。目の前にいるのに分断されているのがつらいな…)」
ちらりとくぃーんに目を向ける。案の定頭に血が上っているようだった
ぼたん「……、!(この手なら…くぃーんも気づくだろう…!頼むぞ…!)」
気づかれないように右手を後ろに隠すぼたん。おそらくチャンスは一度、そしてそのチャンスは自身が作り、くぃーんにすべてを託す…。そんな思いのようだ
デューラ「どうした!口ほどにもない!!引き裂け多牙(たが)よ!そのまま呑まれろ!!ファングウェーブ!!」
頭の方が武器にしているのはなんと魔術。そして自身の髪の毛だ。その呪文を詠唱する間、身体が頭を守るコンビネーションに二人は翻弄される。そんな中、容赦なく放たれた必殺技をくぃーんは間一髪で避け続ける。しつこいことにテレポートしても追尾してくるため防戦一方だ
ぼたん「だぁっ…!!」
勢いよく蹴りに行くが楯に弾かれてよろめくぼたん、くぃーんは魔法を避けるが攻撃しようとしない。デューラの真後ろにぼたんがいるからだ。もし避けられた場合、くぃーんの並大抵ではない威力の攻撃がぼたんに誤爆してしまう。意地っ張りでプライドが高いことから勘違いされがちだが、くぃーんは地組でもかなりの仲間思いだ。冷たい態度の裏には常に心配が過っているほどに…
くぃーん「…くそっ!」
戦闘前、廊下にて
ぼたん「くぃーん、俺で良かったのか…?いっこんぞめやシュトラのほうが合わせやすいだろう…?」
くぃーん「ふん、お前を選んだのはもしも近接主体の奴が出てきた場合と気が利くからだ。…もし、私が窮地に立たされたなら…遠慮はするな。お前のやるべきことをやり通せ」
ぼたん「…援護というには近接すぎる。かえって邪魔になっても逆切れするなよ…」
くぃーん「わかっている!当然の事を言うな!」
パートナーと未知の相手との相性。結果はくぃーんの読み通りではあったがまさか相手がこんな奇抜な戦術をとるとは思わず苦虫を噛むような表情になる。仲間であるぼたんが傷つき、自分はそれを指を咥えてみることしかできない。その歯がゆさは彼女のプライドに傷をつける
くぃーん「…(どうする…この状況下…。ん…?)」
飛び回る中、何かに気が付いたくぃーんは目つきを変える。そしてぼたんの方を見ると案の定こちらを見てうなづいていた
くぃーん「よくやるな…!」
空を旋回し、後ろに下がるとぼたんが相手の身体を食い止める。そしてあろうことかくぃーんは背後にある出入口まで下がった!
デューラ「敵前逃亡か?軟弱ものが!」
くぃーん「後ろを見てからものを言うんだな!」
デューラ「後ろ…?わっぷ…!?」
なんとどこから来たのか怒涛の砂がデューラの顔面を襲う!勢い強く目や口に入ったのか頭部がもだえる。実はこの砂、ぼたんが出したもので、彼がデューラの身体と戦いながらも地面を足で擦り、手のひらからも放出し、自分の血を変化させた透明な砂。しかも実はデューラの身体は敵を視認できても色素の判別ができないという隠れた弱点があり、肝心の頭の方は空中を飛び回るくぃーんを相手取っていたため地面に撒かれた砂に気が付けなかったのだ!
ぼたん「今か…!」
頭が砂に包まれたからか身体の力が抜けた瞬間、ぼたんが身体を頭の近くへ渾身を込めて蹴り飛ばす!鎧がひび割れ、欠片を散らして頭の近くへ転がり込む。ちなみにぼたんの蹴りはてゐ劇メンバーの中でも最強の破壊力があり、本調子の時は回し蹴りの一撃で高層ビルをも真っ二つにできる。
くぃーん「今だな…!」
両手を振り下げて莫大なエネルギーを集中。普段は見えない念力の粒が両手に集約されていくのがわかる。デューラの身体は頭を気遣いながらも目の前の危険を感じ、くぃーんに切りかかる!
ぼたん「させるかっ…!剣脚乱舞(けんきゃくらんぶ)!!!」
剣を蹴り折り、楯を蹴り壊すとまた頭に向けて身体を蹴り飛ばし、頭は体に髪の毛を巻き込まれて身動きが取れなくなった
ぼたん「くぃーん…!」
くぃーん「部屋から出ろ!!ネオ・サイコノヴァ!!!」
溜めたとは思えないくらい小さな二つの粒がデューラに向かって放たれ、くぃーんとぼたんはすぐさま闘技場を離脱した!
デューラ「逃げるのか!こんな卑怯なことをしてただで済むと…!」
まお「っ!アシュリー!メアリー!」
モニターで様子を見ていたまおは即座にアシュリーたちに蜘蛛の糸を出させ、自分達を固定した一秒後。なんと城が何度か激しく高速回転して地面に墜落したのか大きな揺れが城に居る全員を襲った!
まお「くぃーんのバカめ!手加減したとはいえ味方が居る城内でネオ・サイコノヴァをぶっ飛ばす奴があるか!!」
くぃーんの必殺技、サイコノヴァはミクロ粒状の念力を集中させて放つ彼女のフェイバリット。「リミッターありで」巨大な都市が一瞬で消し飛ばされる威力を持つ。もちろん現状サイコノヴァを超える威力を持つ技を持つメンバーは限られており。ほとんど制約や他者との合体技であるが単体ではまだ誰も「リミッターありで普通威力の」サイコノヴァを超えられるものは居ない。今回放ったのは強化派生型のネオ・サイコノヴァ。その威力はなんと手加減しなければ「宇宙から爆発が見える規模で隣接した地方も消し飛ばされかねない」破壊力を持つ。もちろんだが今回の場合は威力を一点集中。当然の如く手加減ありである。だが…外から見た城の一角は…完全に跡形もなく消し飛ばされていた…。原形が残ってはいるが城はほとんど損壊。無論…直撃を受けたデューラは……
ルーク「ようやく収まったか…一体何事だ…?」
しらみつ「私たちの仲間ですよ…。よかったですね、MEXさんが居なかったらあなた達この地方ごと消し炭一つ残らず消滅していましたよ…」
どうにか無事だったしらみつといっこんぞめ、そしてルークは態勢を立て直し、戦闘を再開する。
ルーク「イレギュラーだな…。私たちにとって、その破壊力は…!」
颯爽と仕掛けるルークに対してしらみつは下がり、かわりにいっこんぞめが前に出る。そして腕を凍らせるとエネルギーの鉄球をはじき返し、柄の部分と殴り合う。そして押し返すといっこんぞめがすぐさましゃがみ込む!
ルーク「!」
棍を回転させていっこんぞめの後ろにいるしらみつの光線を無効化する!彼らのコンビネーションはただ良いだけではなく、お互いの立ち位置、役割をお互いに分かり合っている動きだ。互いが互いの邪魔にならず、互いの隙に攻撃を打ち込むことで相手からの反撃の糸目を完全に潰しにかかっている。ルークも万能戦士ではあるがこれには難色を示していた
しらみつ「(やはり一筋縄では行きませんね…。相手がルカリオでなければ私の動きがわかりにくく楽だったのですが…)」
そう、ルークにも有利な面がある。それがルカリオという種族の能力、相手の波動を感じることでいっこんぞめの後ろにいるしらみつの動きがわかり、後方射撃がよけやすいということだった。そして持久戦に持ち込み、消耗したところを叩く。だが…ただ待つだけでは非効率だとルークは後ろに下がって後ろを向いて腕を払うと右に向かって跳躍!二人がルークを目で追った瞬間、何かが二人めがけて飛んできた!
いっこんぞめ(裏)「しらみつっ…!」
間一髪氷のフィルターでしらみつを守るいっこんぞめ、しかし飛んできたもの…波動弾の直撃が彼女に襲い掛かった…!
しらみつ「いっこんぞめさん!」
倒れたいっこんぞめに駆け寄るってから背後のルークに向かってしらみつは男らしく立ちはだかる。ルークはその目を見て武器を構えなおす
しらみつ「…あなたはなぜ戦っているのですか…?」
ルーク「…?。言葉の意図が見えないが」
しらみつ「言い方を変えましょう。あなたはルカリオなのにどうして私たちの心を読まないのですか?あなたほど熟練された方なら何人相手であろうと波動を読み取って完封することも可能なのにどうしてそれをしないのか、教えてください」
ルーク「簡単なことだ、私は他人の行動は読むが心は読みたくなくてな、過去に精神攻撃を受けて以来心に関する波動は読まないように鍵をかけている」
しらみつ「嘘はいけませんね、あなたはまだ本気ではない。そもそもおかしいですよね?なぜわざわざ侵入者である私たちを先に進めるようなことをしたのか。私なら閉じこもりますね。あれほどの魔法結界はそうそうやぶれるものではない…。ならばあなた達はただ私たちが指を咥えるしかない状況下を笑って見下すこともできたはずです。なのにそれをしなかった、それはこの闘技場で、あなた達が戦わなければいけない理由があるということ…ですね?」
ルーク「…どういう言葉であれ、答える義理は無い。」
しらみつ「そうですか、どうも罠ですね…。戦わなければ先に行けないのはお互い様のようで」
そうつぶやきながらごそごそと白衣の内ポケットを漁る。そして取り出したものは…
しらみつ「今から、あなたを倒します。本気で来なければあなたが死ぬということだけは保証しておきます」
赤色のカートリッジ。それをしらみつは暗闇の箱姫(ヤミホタル)に装填した!
しらみつ「変身!!」
暗闇の箱姫(ヤミホタル)『change Luciole』
銃口を相手に向けて撃つと放たれた光が踵を返すようにしらみつを包み込み、その姿を変えていった
ルーク「ぬ…!その姿は…」
強い光が消え去った場所に居たのは…まったく違う姿をしたしらみつだった…
しらみつ「まだ試作段階ですが…充分です」
赤いアーマー、内部フレームは黒い色をし、全体的にバルビートというポケモンをスタイリッシュにしたような姿をしている。そう…しらみつの新しい発明品。強化外骨格、その名もブラストアーマー ファイアフライ
しらみつ「(私自身の身体能力の貧弱さと格闘戦の弱さから開発してみましたが…まだ慣れませんね…)出力…50%。行きます!!」
背中のブースターが点火!一気にルークと距離を詰めると格闘戦へ移行する!ルークはすぐさま武器を捨てると素早く格闘戦に対抗する!その力は互角。低空からの回し蹴りを受け止めるとルークはしらみつの腹部へはっけい!そして神速による高速打撃を織り交ぜてすぐに状況を覆す。どうやら性能ではしらみつが勝っているものの格闘の心得等はルークが圧倒的に上。とは言えインドアでも動ける方であり、アーマーに戦闘用AIを搭載しているしらみつもかなり強い部類に入る。ただルークの戦闘経験がそれらを大きく上回っているだけだ
しらみつ「くっ!さすがにそうそう圧倒できませんか…」
先ほどのニーナ達やくぃーん達は相手と相応の戦闘経験と戦闘能力があり、コンビであるため本気を出せばパッと終わった。一方しらみつは一対一。苦戦必須なのは目に見えていた
しらみつ「…(うかつに出力を上げれば相手の罠にハマってしまうような気がしますね…。ここは苦しいところですが…)」
ルーク「(来るか…)」
しらみつ「短期決戦をかけます!」
腰のホルスターに収納していたヤミホタルを手に、もう一つの空いている装填場所にカートリッジを差し込む!そしてハイエネルギーブラスターの構えに入る。
ルーク「(あれを撃ってしまえば切り札は無くなるだろう…ここは無力化してとどめを刺すか…)」
なんとルークもエネルギーの球を複数浮かべて気力を集中。真正面からハイエネルギーブラスターを消し去るつもりだ
しらみつ「ハイエネルギーブラスターああああああっ!!!」
発射された破壊光線がルークへ向かって放たれた!そして遅れてルークも必殺技を放つ!
ルーク「集え霊魂、眼前の敵を貫け!ガイストコーラス!」
今度はルーク側から複数の青白いエネルギーの球体から光線が放たれる!その光線はなんとハイエネルギーブラスターを貫き、しらみつの身体の各部位に直撃!アーマーが破壊されながら転がり、しらみつの変身は解除されてしまった…
ルーク「この程度か…大きく出た割にはあっけない」
しらみつ「えぇ…。正直完敗です…」
ルーク「すまないな、私は他の奴らと違ってあまり殺しは好まない。だが…今回だけは…!」
悔やむ顔をしながら不本意に武器を振りかざすルーク。かなり嫌そうだが引けない理由があるのか目をつぶりながら武器を振り下ろす!
しらみつ「言いませんでしたか?。”私は完敗ですよ”」
ルーク「っ!?しまっ…!」
振り下ろした瞬間!地面から氷のシェルターがしらみつを守り、ルークの足元を一瞬で凍り付かせた!
ルーク「くっ…!まさか…!?」
しらみつ「えぇ、あなたはいっこんぞめさんが気絶したと思ったのでしょう。だから私があなたをそこまで誘導して」
いっこんぞめ(裏)「私が動きを止める…そして…とどめを刺す!」
動けないルークの背後から一突き!その場所から燃え盛る氷と凍てつく炎がルークの身体を包み込む。そして徐々に全身を燃やし、凍らせていく。いっこんぞめの必殺技であるブレイズ・ゼロだ
ルーク「なるほど…勝つために手段を択ばないのは…お互い様のようだな…」
しらみつ「…強かったですよ。本心から思います…あなたは本当に強かった…私一人ではきっと負けていたでしょう…」
ルーク「ふ…ふはは…!褒められたのは何百年ぶりだろうか…いつしか褒められることは常識となり…誰からも賞賛を受けることはなかった…。私も甘いな…」
まだ動く顔でくいッと出口をさす。その顔は戦い抜いた男の笑顔
ルーク「進め、生き人よ。自爆でもして道連れにしてやろうかと思ったが…気が変わった…。生きてくれ。”死んだ私たちの分まで…”」
しらみつ「それは…どういう…」
ルーク「これ以上話すと裏切りとなる…はやく行ってくれ…」
しらみつ「…わかりました。本当に残念です…あなたとは…良き関係になれそうだったのに…」
振り向いてそういうとしらみつといっこんぞめは出口に向かう。その後ろ姿をルークは微笑みながら見ていた…
ルーク「私もだ…。いつか君が死した時…。冥府にて友として話そう…、待っている…」
しらみつたちが出て行って数十秒後。完全に氷と炎に包まれたルークは体内の波動を高め、自ら自爆し、命を絶った…。最後まで…笑顔のままで…
まお「これで三つめ…残るは…あやはるとシュトラか…」
アシュリー「あっ、あやはる!」
あやはる「くっ!スラッシュスイング!!」
強烈な鉄糸によるたたきつけをかわすとマリーはあやはるから距離を取りながら電撃による追撃を挟む。まるで隙がわかっているようだ
あやはる「どうしてっ…!」
糸で捕まえようとしたりトラップをしかけたりするが全てかわされ、マリーは背後から迫るシュトラの攻撃を誘導してあやはるに当てたりと徹底的に戦闘慣れしていないあやはるを執拗に追い詰める
マリー「ルフとルーク相手には有利に立ち回ったみたいだけど…あなたこういうの苦手なんでしょう?ふふふ…」
そう。実はこのマリーは先ほどシュトラが言ったように相手の心が読める。しかもルークと違って心に容赦なくズケズケと入り込んだように煽ってくるため戦闘経験の少ないあやはるは焦りと不安がよぎって冷静さを欠いていた
マリー「怖いでしょう?悔しいでしょう?たとえ強さを手に入れようとも…心の弱さは護れないのよ…!!」
飛び回る砲台からの光線があやはるを襲う!それを避け損ね、躓くとすかさずシュトラが楯となってあやはるを守る。
あやはる「シュトラさ…」
マリー「楽になりたいでしょ?とどめを刺してあげる!」
再び飛び回る砲台からの射撃。不規則に飛び回り、どこからくるかもわからない攻撃にシュトラは冷静に対応していく
シュトラ「あやはる…!後ろっ!」
すぐさま後ろに対応するあやはる。だが相手はまたしてもそれを読んで少しタイミングをずらしてから射撃。そして動揺したあやはるに電撃を放つ!
マリー「外さない。そこなら! シューティングレールガン!!」
あやはる「ああああっ!!!」
必殺技の超電磁砲が直撃してぐったりと倒れ込むあやはる。マリーの狙い通りまずはあやはるが倒れた
マリー「次はっ…!」
シュトラ「…ごめん、あやはる…!」
一言添えるとマリーががくんと一気に脱力する。周囲を飛び回っていた砲台も一気に地に落ちた
マリー「は…へ…?」
シュトラ「理解できない。そういう顔だね。じゃあ説明してあげようか。僕も君と同じように他人の心が読めて、尚且つ他人の意識に自分の意識を入れ込む事ができる」
眼だけを動かしてシュトラをみるマリー。シュトラは静かにこっちを見ている
シュトラ「君の能力がわかった瞬間。僕はあやはるの意識に介入したんだ、君がきっと卑劣な方法であやはるに攻め立ててくるだろうって。だから…。…言い方は悪いけどあやはると君の能力を利用させてもらった。あやはるの意思がなくなった瞬間に君へ直接ジャミングをして体の自由を奪えば無駄に戦闘する手間が省ける…」
転がったあやはるのパルチザンを念力で浮かせるとマリーに向かって投げ飛ばす!あまりに突然だったためか理解が追い付かないマリーは目に涙を浮かべた
マリー「あ…だれ…か…」
あやはる「(助けて…!)っ!ダメっ!!」
謎の声が聞こえて即座に目を覚ましたあやはるは咄嗟に右手から糸を出すとパルチザンを引き留めてマリーからずらす。その瞬間、何かがあやはるの脳裏を走った
マリー「……」
リン「よくやったぞ、マリー」
マリー「リン…」
リン「今回の賊は無事お前が駆逐した。主もお喜びだ」
マリー「…」
本当は…。こんなこと嫌なのに…
あやはる「…っ!?今のは…」
シュトラ「あやはる。どいて」
殺意むき出しの眼でこちらを見るシュトラ、あやはるはマリーを見ると立ち上がってシュトラの前に立ちはだかる
あやはる「…ごめんなさい!」
シュトラ「…どうしたの…?何かやられたの…?」
あやはる「いいえ、ただ…この子は殺しちゃいけない…!この子は…戦う事なんか望んでないっ!」
シュトラ「…。甘いんだね、あやはるって…」
あやはる「シュトラさ…」
ピュン!一瞬一筋の光があやはるのパルチザンに当たる。なにかと目を向けると槍は徐々に凍り付いていき、手を離した先の地面で割れ果てた。
あやはる「冷凍ビーム…!?」
シュトラ「…あやはる。目的を忘れた?早くしないとMEXさんがどうなるかわかったものじゃない。だから…邪魔なら僕は殺すよ?たとえ相手がだれであれ…」
その眼は…白と黒のオッドアイという対照的な色にも関わらず…冷酷無比な冷たい瞳をしていた…その威圧感は凄まじく、あやはるは恐怖を感じたがパルチザンをぎゅうっと握りしめて勇気を振り絞る
あやはる「っ!シュトラさんだって!戦うのは嫌なんでしょう!?」
シュトラ「それを言い訳にして仲間が死んだら、あやはるは責任とれるのかい?」
あやはる「っ…!それは…」
シュトラ「君の事は気に入ってる。清らかで優しい心を持ってる。それは知ってるけど…。はき違えちゃいけないよ、あやはる…これは殺し合いなんだよ、互いに命が尽きるまで、もしくはその命を摘み取るかのね…」
あやはる「そんな…!極端すぎます!あんまりです!!」
シュトラ「…君がこれを聞けば傷つくかもしれないけどね、君がまだ人間だったころ。君を助けるために僕らは戦った。その時だって命のやり取りがあったんだよ。物事に犠牲はつきものだ、それが付かないようにするにはどうすればいいと思う?」
あやはる「それは…「根源を排除するのさ」」
一瞬で距離を詰めるとシュトラは動けないマリーを狙う!あやはるは糸を繰り出してシュトラの動きを必死に止めようとする!だが…
シュトラ「(糸に)頼りすぎだよ」
糸を念力で跳ね返してあやはるの腕を拘束する!これには予想外過ぎたのかあやはるも戸惑い、隙を晒す。そしてシュトラは軽く念力であやはるを弾き飛ばす!
シュトラ「…さて、それじゃあ…死んでもらうね」
サイコキネシスで首を絞めるとマリーは言葉にならない悲鳴で苦しむ。そしてまたしてもあやはるの脳裏に…
あやはる「うぅ…!」
マリー「…あとどれだけ戦うんだろうね…」
ルフ「あ?いきなりなんだ…?」
マリー「考えたこと…ない?どうして自分たちがこんなに戦っているのに主は一度もお目にかかれず労いの言葉も無いって…」
ルーク「…マリー。考えるな。きっと主も満足している」
マリー「だって…!」
デューラ「マリー!口を慎め…!貴様…。忠誠を忘れたのか…!?」
マリー「違うよ!私たちのやってることは本当に必要なのか!無駄じゃないのかって…!だって…!」
あれからもう600年だよ!?
なのに誰も主を見たことないじゃない!!
あやはる「やめてぇえええええ!!!」
手足の自由が効かない中、あやはるは最後の手段と口からの糸でシュトラの腕を引き寄せる!さすがに不意を突かれたのかシュトラは力が緩んだが冷静にあやはるをサイコキネシスで吹き飛ばす!
あやはる「ぐっ…!シュトラさん!」
シュトラ「…はぁ」
おおきくため息をつくとマリーの元へ歩み寄る。そして念力で再び首を掴む
シュトラ「気が変わったよ、今から10秒以内に負けを認めて扉の封印を解けれるなら生かしておいてあげるよ。どうする?」
ギリリと力を込めるとマリーは涙を流す…
これ以上生きたくない…でも…死にたくないよぉ…!
ガシャン!ギギギと重い音を立ててまおたちの眼前にある大扉が開く。まおは一瞬モニターに映るあやはるを見ると思うところがあったのか少しのためらいと共に大扉の先に消えていった…
あやはる「シュトラ…さん」
シュトラ「…」
音を聞いたシュトラはやや乱暴にマリーを投げ飛ばす。彼女の意識は朦朧ながらわずかにあり、多少身体もいう事をきくようになっていた
マリー「どう…して…」
シュトラ「…言ったはずだよ、扉が開いたから君を開放した。それだけだ」
それを聞くとマリーはわなわなと青ざめる。そしてぶつぶつと何かをつぶやいている…
マリー「負けた…?負けだと判断された…?」
シュトラ「…行くよ、あやはる」
あやはる「あ…」
パチンと指を鳴らして糸を解くと自由になったあやはるはマリーに駆け寄る
あやはる「ねぇ…聞かせて。あなたは…あなた達はいったい何者なの…?そしてあれはあなたの声なの…?」
マリー「……。そうよ」
絶望感漂う顔でマリーは答える。立ち上がるのをあやはるが手伝う
マリー「あの声は…私の本心…。この長い時の中で苦しんだ…思い…」
私たちクティス・オス・サングィスは代々この城…プルートパレスに仕えていた…。この周辺…マリアナの地に居城を構えてイッシュ地方に存在していた…だけど…今からたぶん千年ぐらい前…ちょうど私たちの代からおかしなことが起き始めた…それは城の従者たちが忽然と消え、私たちが年を取らなくなり、いくら刺されても撃たれても死ななくなった…そして私たちが仕えるはずの王は…いつまでたっても私たちに姿を見せることなく…
マリー「あれ…?」
あるとき、いつものように城に魔女狩りと称して攻め入った賊を退けた夜…。私は城の内装が変わっていることに気が付いた…、最初は少し…でもそれは確かに変化をして石畳だった床は禍々しい生物の内部のように…。気に入っていた階段の手すりは骨となり…シャンデリアの蝋燭はドクロに包まれ、神聖なる闘技場は死臭とこびりついた血肉にまみれ、窓から見える世界は朝日なぞ差し込むことなく暗雲が支配する暗闇…。気がつけばもう私の精神は限界だった…。そしてそのころから仲間たちの態度も一変した…あれだけ優しい好青年だったルフは口元を血まみれにして敵を噛み切ることに愉悦を覚え、姉のように慕っていたデューラは禁術に手を出してまで自身を異常にすることで環境に順応していくようになり…。紳士的で綺麗なこころを持つルークは心を閉ざし、みんなを率いていく頼れる存在だったリンはいつしか主である王の事を冥王と呼ぶようになって温かったその眼は冷たくなっていた…
マリー「私は…元々生まれついて相手の心を読むことができた…。心を閉ざしたルークと違って私はそうしないと敵を倒せないくらい弱い…だから地獄を見たわ…。数々の欲望、願い、憎しみと憎悪…見たくもないものを見続けて数えきれないほどの行年…もう…。もう…戦いたくない…普通になりたい…普通に生きて…生涯を終えたかった…」
ぼろぼろと泣き出すマリーを…あやはるは信じられないという感情で見ていた…。自分自身と重ねると価値観が全く違う。そしてこれが…ベノやジーパン、リタたち不老不死者の末路だと思えば思うほど言葉を失う
シュトラ「…生きるって辛いことなんだよ、あやはる。楽しいことばかりじゃない、生きてる人はみんな何かを背負う。そこに最後に残るのは…辛さだよ」
あやはる「……」
彼女は…あやはるは元々人間だ、今のポケモンの姿になれたのも命のやり取りがあったから、そして人間のままでは生きれなかったからだ。だからこそ…マリーに生きていることが幸せだと大きな声では言えない…傷つけてしまうからだ
マリー「どうすれば…いいの…」
あやはる「…マリー」
勇気を振り絞ってぎゅっとマリーの手を掴む。一瞬びくっとマリーは驚くがあやはるの顔は泣きそうになりながらもまっすぐこちらを見ていた
あやはる「私と友達になろう。マリー!そして一緒に…リンと冥王を止めよう!」
マリー「えっ…」
あやはる「止めて見せる。そうすれば…あなたは開放されると思うから…!だから…」
マリー「無理よ…リンにはかなわない…なのに主になんて…」
あやはる「やってみなきゃわからないじゃない!私たちは…!ここにいる仲間のために戦ってるの!だから必ず冥王とも会う!倒さなくても話が通じるかもしれないでしょ!?」
マリー「それができるなら…!」
あやはる「本当に話したの?ちゃんと向き合った?」
マリー「っ…!」
あやはる「ちゃんと向き合わないと…一生後悔する…!絶対っ!」
過去の自分の失敗を糧にあやはるはマリーに勇気を与える。その心を見たのかマリーも下唇を噛みながら勇気を振り絞る…!
あやはる「仲間なら…!ぜったいわかってくれるはずだから…!!」
マリー「…」
あやはる「マリー!大丈夫!私が一緒に居てあげるから!」
マリー「……わかった。話してみる…私の本心を…」
リン「…揃いも揃って負けたか。ここまで来るものは過去に一人も居なかったものを…侵攻を許すとは「ほう。なかなか見通しが良いではないか。バスケットでも持ってこればよかったか?」」
そう言いながらカツカツと階段から見えるティアラとその姿
まお「さて…墓の準備はできただろうな?埋葬は任せるがいい。丁重に弔ってやろう」
リン「…戯言は無用だ…」
まお「まぁ待て。とりあえずMEXさんを出してもらおうか。言われた通り取りに来たぞ」
リン「まだ私がいるが…?」
まお「…はあぁーーーっ……♯。おい、貴様何か勘違いしていないか?我はMEXさんさえ返してもらえれば貴様らが天空の城ごっこしようと何も手出しはせぬ。まぁラ〇ュタの雷などをやるなら即刻排除するがまずは遠渡遥々魔王が取りに来たのだ。出せと言ったらさっさと出せ」
ガチギレ寸前。ひとさし指とつま先をトントンしながらまおは言う。だがリンは臆さず剣を抜く。それはかなり大振りで自身にまで刃が触れそうなほど危険な刃。いわゆる諸刃の剣だ
まお「…チッ、もういい…」
交渉に応じる気無しとみなすとまおは目が追い付かない速さでリンの剣をメイスハンマーの柄で地面に杭のように封じると兜の角を掴んで顔面に拳を打ち付けて殴り飛ばす!その一撃でリンの仮面はゆがみ、ふらつくがまおは一向に手を休めず腕を組んだまま近づいてなんと今度は金的(股間)を容赦なく蹴り上げる!少し浮かんだリンの身体をまた掴んで引き寄せると次はリンの眼に自分の角を突き刺した!
まお「素直に言う事を聞けと何度も忠告してやったはずだ…!身の程を知れ愚物が!!」
そのまま使っていない右手からの衝撃波でまたしてもリンを弾き飛ばす。その姿はまさに魔王と呼ぶにふさわしい
まお「最後のチャンスだ、”手加減”してやっている間にとっととMEXさんを出して消え失せろクズ共。これ以上はもうないと思え」
本気でイラついているようで立ち上がるリンに有無を言わさず攻撃を加えて返事をさせない。
まお「どうした?武器も使っていない腕組みしている相手に手加減されてまだ実力の差が理解できんのか?」
リン「…ふん。なかなかやる…」
まお「強がる余裕があるのか。ずいぶんと余裕なのだな」
リン「…もう何をしようと貴様らは死から逃れなれない…。そう思えば思うほどに愚かしくてな…」
まお「ほう、なら教えてやる。魔王は死なぬ、肉体は朽ちようとも魂は輪廻。なんどでも蘇る」
右腕をかざすと魔方陣が出現!そこに手を入れるとまおは声を大きく張り上げる
まお「来い!サタナーズレグラ!!」
いつも使っているものとは違うハンマーがその魔方陣から取り出される。その形はニドキング頭部をそのまま切り出したかのような見た目をしている
まお「おしゃべりはここまでだ。だが今ならひき肉かミンチか好きな方を選ばせてやろう。どちらになりたい?」
リン「…貴様風に返すならば…。その前に貴様を主への供物にしてやろう」
まお「ほーお?ようやくやる気になったか。安心するがいい。口だけは聞けるようにしておいてやろう」
かなり大きなハンマーを片手で扱うまお。一方先ほどの剣を二刀流に持つリン。互いに戦闘態勢に入る。だが…
マリー「リンっ!!」
そこにマリーとあやはるが駆け付けた!
リン「…何をしている?マリー」
あやはる「まおさん!ちょっとだけ時間を…!」
マリー「リン…!もうやめようよ…。こんなの…私が…私たちが望んでいたものじゃない!もうルフも!デューラも!ルークもみんな死んだの!私は…ずっとここでみんなと暮らしたかった!幸せに!だからっ!」
リン「洗脳でも受けたのか。主の幸せこそ我らが幸せ。そのために…」
マリー「違う…、違う!こんなの幸せじゃない!!地獄だよ!!リンは…昔言ってたでしょ!?このマリアナの地こそが宝だって…!見てみなよ!!今!私たちの私利私欲のためにその地が地獄になろうとしているんだよ!?どうしてそれがわからないの!?」
リン「主がそれを望んでいるからだ」
マリー「主、主、主…!いつもそれ!!だったら言ってみなよ!!主の名を!!」
リン「その必要はない。どけ。裏切るというならお前でも容赦はしない」
マリー「どかない!絶対!!リンがわかるまで言い続ける!!」
リン「主が目覚めようというときに…!恥を知れ!!」
マリー「エゴだよそれは!」
リン「……」
その一言を受けて…リンは剣を鞘に納めた…
リン「…」
マリー「リン…?」
リン「根負けだ。主には私から伝えるとしよう…」
マリー「本当…?」
リン「あぁ…やはり甘いな…私も」
あやはる「マリー…!」
マリー「あやはる…!」
リン「この世の未練を断ち切らせてもらう。我が主の前にひれ伏せ、驢鳳仙斬(りょほうせんざん)!!」
あやはる「え…」
マリー「っ…?え…?」
一閃。マリーの身体は、上半身と下げていた左腕は…リンの斬撃によって二つに分かれた…
ボドボドッ!
あやはる「ま…りー…?」
まお「貴様ああああああああぁぁぁっ!!!!!」
あやはる「マリー!」
その行いに激怒し、リンをあやはるたちから急いで突き放すまお。あやはるは枯れた声でマリーに駆け寄る
あやはる「マリー!マリー!?」
マリー「あや…はる…私…死ぬのかな…?」
あやはる「死なせない!絶対に!!」
キッと強気の目に流れる涙、ガタガタと震える手でマリーの切断された腕と身体を糸で直そうとするあやはる。だが…現実は非情だ…
あやはる「どうしてっ…!?どうしてくっつかないの…!?アリアドスの糸って頑丈なはずなのにっ!!」
確かに…アリアドスの糸は医療にも建築にも使われるほど頑丈だ。だが…治癒能力は無い…。切断された断面などもってのほかである…
あやはる「あぁっ…!あ゛ああっ!!だめ!とまって!!」
ドクドクと流れる血。あやはるの足と手が血の水溜まりに触れ、赤黒い色に変色していく…
あやはる「いや…いやああああっ!!!私の力はっ!誰かを救うためのものなのにっ!!どうして目の前の友達を救えないの!?」
マリー「あや…はる…」
べっとりと血が付いたマリーの力ない右腕があやはるのほほに触れる。それをぎゅっと掴むとマリーは微笑む…
マリー「大丈夫…あやはるは…悪くないから…ありがとう…ともだち…に…なって…くれて…」
あやはる「やだ!やだああああっ!!死なないでマリー!!」
マリー「…」
あやはる「お願いっ…!生きて…!」
マリー「そうしたいけどね…だめみたい…。あはは…」
あやはる「あなたはっ!初めての友達なの!!私の初めての!!なのに…なのに…!」
マリー「あやはる…あやはる…!だめ…」
あやはる「なにがだめなの…!」
マリー「死ぬの怖い…すごく怖い…!いや…!死にたくない…!死にたくないぃぃ…!いやだぁぁっ…!!助けてっ…私は…わだじはぁ゛ぁあ゛っっ!!!」
あやはる「マリー…!」
マリー「私は…ただ…幸せになりたかっただけなのに……うああぁぁぁぁ………ぁ…」
あやはる「っーーー…!マリ…ー…」
べっとりと赤い血が付いた掌が、あやはるの頬から首、服を汚しながら…力なく地面に…墜ちていった……
あやはる「マリイイイイイイィィィィィっ!!!!!!」
次回 IPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA episode Ⅱ 後編
お疲れ様でした。こちらに移す予定は今のところ無いのですがあやはるが仲間になるきっかけとなったspecialⅡおよびIF THE REQUIEM CALLという作品であやはるは病弱で余命一週間の「人間」の少女でした。ですが今はアリアドスとして生きています。もし何方か一人でも見たいという声を頂けるのならば頑張ってこちらに投稿することも考えています。応援よろしくお願いいたします