†MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA   作:てゐと

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†MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA episodeⅢ  第三章

ゆきの暗殺まで、後…3日…

 

 

 

 

 

アデア「…。頃合いだね」

ゆきの「えっ…」

アデアの自室でゆきのは落ち着きを取り戻しかけていた。もっとも根本的にはまだ辛さがあるものの受け入れないかとで、否定することで、あふれでる不安を拭っていた

 

 

 

アデア「一人だけ、絶対にゆきのを狙う暗殺者じゃない、そう確信してるメンバーが一人いるんだ」

ゆきの「ほんとなの…?」

アデア「うん。連れてくるから待っててね」

 

ガチャリとドアが閉まる。普通のドアのように見えるそのドアは戦車による砲撃でも破壊できない。

 

隊長室の壁や窓はとてつもなく頑強で、いざというときのシェルターにもなる。さらに外からは生体認証によるロックまでかかっており、まずハッキングは不可能だ。物理的にも壊せる手段は限られている。例えば…

 

 

ゆきの「鏡月…」

 

 

そう。てゐ劇トップの隊長四人。ベノホーンの破滅の十字架。まおうKのサタナーズレグラによる打撃や魔蒼炎(まそうえん)。シャーヴァルの怪獣形態。もしくは無幻 影角による攻撃。そして…。アデアットの鏡月による斬撃だ。

 

 

以前説明したように鏡月は傷つけたものを修復できなくなる禁忌の刀。凶悪性ならば他のメンバーや武器など比較にならないだろう。それを仲間に向けたアデアをゆきのは…信じられないという気持ちでいっぱいだった。普段のアデアならあんなことしない…。考えれば考えるほど辛さが心にささる。

 

 

 

ゆきの「…」

 

 

覚悟してなかったと言えば嘘になる。最初から殺される覚悟はしていた。だが…一度の襲撃の後に音沙汰がなかったことや仲間との日々が知らない間に慢心を生み出していた。もう来るはず無い。終わったんだと勝手に思い込んでいた油断が…牙を剥いてきた。それだけなのだ

 

今のゆきのには…わからない。仲間だと思っていたものが偶像で、本当は演じられたものだったなど…。

 

 

 

しばらくしてドアが開かれる。アデアはゆきのの不安を拭うように笑顔で微笑むと背後にいる人物をあらわにする

 

ゆきの「ライフ…!」

ライフ「ゆきのっ!」

 

涙を滲ませゆきのを強く抱き締めるライフ。ゆきのはその瞬間にライフは敵ではないことを実感した

ライフ「話はアデアから聞いたわ。大丈夫、私はゆきのの味方だから…」

アデア「ライフには僕がここを離れる間にゆきのを守ってもらう」

ライフ「えぇ、任せて!エフィルと一緒に護るわ!」

 

ゆきの「でもどうして?本人の前で言うのもなんだけど…どうして敵じゃないって…?」

 

アデア「これだよ」

 

そう言って見せてもらったのは…

 

ゆきの「ブローチ…?」

 

アデア「うん。以前、ライフが死ぬ寸前にもらったものなんだ」

ライフ「あの時はゴタゴタしてたけど…。ちゃんと受け取って貰ったの。しらみつさんに作ってもらった特注で色んな機能があるのよ」

 

アデア「それとエフィルだね、ライフと記憶を共にしたエフィルはゆきのの事を知らなかった。ということはライフとエフィル。この二人はゆきのを狙う敵から外れるんだ」

 

ライフ「状況が状況だものね、信じてもらった以上、期待には答えるわ」

 

 

アデア「それじゃあ…。今度は違う心当たりを当たってくるよ。二人とも、ここから出ないようにね」

 

 

アデアはとてもさっきまで慟哭していたとは思えないくらいまっすぐな眼をしている。その先程とは比べ物にならないくらいの冷静さが返って不気味にも思える。そう、例えるならゲームの起動からオープニング。タイトルまでの流れだ。今からやろうとしてることがさも当然かのように…

 

アデア「待っててね。もうわかってる。誰かなんて…」

ゆきのはぞわぞわっと悪寒を感じた。その護るという行動から凶行とも取れる殺気をも感じる。そんな気配が頑丈なドアの先に出ていく…

 

 

 

 

 

アデア「ミッション開始…!」

何かのボタンを押すと同時に監視カメラが項垂れる。そして元々巨大な拠点を囲む塀が二倍の高さになり、バリアフィールドを生成した

 

 

 

完殺「なっ…?!監視カメラが…!」

突如砂嵐になる液晶。その時、完殺は素早く隠しカメラをオンにする。が…これも砂嵐だ

完殺「バカな…!ジャミング…!?どこから…」

原因を探すが探知できない。あまりの突然に焦り始める完殺は次第に冷静さと詰みに近い悟りを開く

完殺「ま…まだだっ!私にはこれが…!」

取り出すは薬瓶。それを隠し持つとこっそり部屋から離脱。慎重にアデアの部屋を目指す

完殺「(逃げられる前に殺す…!殺しさえすれば…!!)」

アデア「随分と忍び足なんだね、まるでここのメンバーじゃないみたい」

ゾオッという重く気持ち悪い気分と共に曲がり角にいたアデアと目があった。嫌な汗が噴き出して体が鉛でもくくりつけたかのように自然と動かなくなる。軽率だったか。しかし言い訳をすれば…!

 

完殺「アデアさん…!驚かさないでください」

アデア「驚かせてないよ?僕は命令したよ?部屋から出るなって。ねぇ?」

 

 

 

 

アデア「わかな」

 

わかな「た…たしかにそうですが…の…喉が渇いてしまって…!」

アデア「それじゃあ食堂までエスコートしよっか、ところでわかな。聞きたいんだけど」

わかな「は…はい!なんでしょうか…」

アデア「君が常に肌身離さず持ってるパソコン。どうしたの?」

わかな「っあ…」

言葉がでなくなるわかな。そう。彼女は焦るあまりに常に持ち歩いていたノートパソコンを部屋に置いてきたのだ。今までいついかなる時も持ち歩いていたそれを…

わかな「へ…部屋に置いてきてしまったようです。ありがとうございます…」

アデア「それじゃあついでに聞きたいんだけどさ、今…。パソコンの画面…どうなってるのかな…?」

その問いを聞いたわかなは心臓を握られたように動きが止まった。もちろんそんなこと、気がついているはずだ、使い物にならないから置いてきた。邪魔になるから置いてきた。それに…

アデア「それと…どうしてわかなの部屋から探知電波が出たのかも教えてほしいかな」

そう。ジャミングと知って、それを逆探知したときに。それを探知されてバレるという可能性を考え付かなかった。

アデア「もう抵抗はやめろ。完殺、お前の負けだ」

チャッっと構えられるソーコム。それを見たわかなは咄嗟に身構えてしまった

アデア「アタリだね、銃を見たときの反応速度が速すぎるよ」

わかな「…。ゆきのさんさえ…ゆきのさんさえ殺せば私は…!!」

アデア「させないよ。どんな理由があっても。ゆきのだけは殺させない」

わかな「同じなんですよ…!私と!あなたは!」

アデア「他人の命を代価に得る安息は偽善だよ」

わかな「アデアさん…。引いてください…!私にも…引けない理由があるんです…!」

アデア「僕もだよ、悪いけどゆきのは殺らせない」

わかな「…」

パァン!!

アデア「っく…!」

わかな「それなら…。私も本気で行きます…!」

第一撃は完殺…わかなからだった。いつ抜いたかわからない速度でカスタムしたベレッタを抜き撃ち!そして距離を離してアデアの撃つ弾を避けていく。

アデア「早い…!」

わかな「アデアさんが銃を使うなんて…」

意外だと思いながら素早くマガジンを変えていく

 

アデア「リロードも早い…。間違いない…!」

様子を見ながら打ち返すアデア。廊下には銃弾の跳ねる音が鳴り響く

わかな「どこか…足でも撃ち抜ければ…!」

慎重に狙い済ますわかなはメガネを外す。その目付きはかなりつり目だ

 

アデア「ここだと場所が悪い…。どうする…?」

考えたのは一瞬!素早く弾の雨をすり抜けると階段をかけ上がる!

わかな「逃げた…?違う!」

リロードを挟んでの様子見だったためか判断が遅れる。真上を見て転がったその場を離れる!すると上から弾が数発放たれた!

わかな「場所がわからない…!追いかけるしか…!」

階段をかけ上がるわかな、だがただでは上にいかない。ポケットから何かを取り出すとピンを抜いて上に放り投げる!そして眼を隠すとそれは光輝く!

アデア「フラッシュグレネード…!」

発動前に気がついたためなんとか防げたがわかなが上に上がるには充分な隙ではあった

わかな「アデアさんは…!?」

トリガーを引きっぱなしにすることで連射を可能にしたカスタムで前方や左右に乱れ撃つ!このときはマガジンもそれ相応の拡張タイプで威嚇を強める!

アデア「そこっ!」

一瞬の隙を狙って鏡月を振るうアデア。斜めにベレッタを切り裂いて使い物にならなくさせるとそのまま鏡月を捨ててわかなを押さえ込む!

アデア「あなたの負けよ!わかな!」

シュルリ…

わかな「え…アデア…さん…?」

アデア「えっ…あっ!」

パサッ。激しい動きでアデアの頭から何かが落ちた。それは…

わかな「嘘…」

藤色の美しく長い髪が、二人の顔を隔離した空間を作り出す。

アデア「…」

わかな「アデアさん…?その…」

下唇を噛んで放心するわかなを立たせて突き放すアデア。そそくさとウィッグを拾うとかぐや姫のような長い髪をはらりとさせて悲しい眼でわかなを見つめる

 

アデア「忘れて…ください」

振り向くアデア。わかなは手を差し伸べるが…掴めなかった。

アデア「もうゆきのは狙わないで、お願い…」

たしかに男性にしては声も低くなく。小柄で言葉遣いもちょっと可愛らしかった。それでも信じられない。アデアが…女であったことなんて…

 

わかな「聞かせてください…」

アデア「なりません。お引き取りを」

そう言って出現させた鏡月が向けられる。わかなはそれを見て動きを止めた

 

アデア「バレないようしていたのはあなただけじゃないのですよ…」

なんと…鏡月の刃は…。両方に付いていた…。両刃刀と呼べば良いのだろうか、形は日本刀のそれなのに西洋の剣のようだった

 

アデア「一つだけ、今の私はアデアットではありません。アーティファクト、全絶の月刀(デッドマーカー)。強い光を受けると髪が伸びて…。こんなに長くなるの。…まるで漫画でしょ?」

 

言葉を失うわかな。思い人が同姓である真実を簡単に受け入れられないでいた

 

アデア「これも…鏡月を持つものの定め…」

 

鏡月を輝かせて、それを乱反射するとわかなは眼をつぶる。そして光が消えて眼を開いたとき…。アデアの姿は…消えていた…

 

 

わかな「アデア…さん…」

 

 

 

 

 

 

次回 †MULTIPLE AIGIS†SPECIAL Ξ THE HAPPINESS DIZAIA episodeⅢ  第四章

 

 

 

 




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