煌めく星々の備忘録   作:星乃宮 未玖

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前話を書き終えた後ツイッターのとある診断メーカーで「かすあり」を打ち込んだ結果の後に何故か書き上がってたものです。欄外という事で、今回はアニメ時空での千文字程度の軽いお話をどうぞ。


欄外の余話、或いは遠い世界の備忘録
休日、ケーキ、星


「有咲〜! ケーキ買って来たよ〜!」

 

 休日の昼下がり。練習も無いのでゆっくりしようとしていたところに、玄関の方から響く声。

 

 もう今日はゆっくりは出来そうにない事を悟りつつ、玄関のドアを開けると、そこにいるのは、本人曰く星をモチーフにした髪型をした少女。

 

「どうしたんだよ。香澄……。ケーキってなんかの記念日なのか?」

 

 そう私が聞けば、香澄は勢いよく頭を振って、屈託のない笑顔を見せる。

 

「ううん! でもなんとなく買っちゃった! でも一人で食べるのにはちょっと大きかったから……」

 

「で、なんでウチに来るんだよ。家族と食えばいいじゃねーか……」

 

 この香澄の向こう見ずというか、勢いに任せて行動するのに慣れたとはいえ、こう毎度毎度来られるのも困る。いや、少し……ほんの少しだけだが嬉しくはあるのだが、絶対面倒なのでそんな事を口にするつもりもないが。

 

 それはともかく、そう言った私の言葉に、香澄は寂しげな表情を見せる。

 

「だって……。お父さんとお母さんは2人だけで旅行だし、あっちゃんもいらないって言うし……。皆も用事あるからもう有咲しか居ないの……」

 

 ……あぁ、もう。やっぱりこいつは狡い。そんな事を言われたら断れないだろう。

 

「……そーかよ。ならお茶でも淹れてやるから上がれよ」

 

 仕方なくそう言っても、香澄が上がる気配はなく、どうしたのかと振り向けばワナワナと震えら香澄の姿。

 

「いいの……有咲……?」

 

「はぁ? いいよ別に……。てか、上がらないなら閉めるぞー」

 

「わー! 待ってよ有咲〜!」

 

「ちょ……! 香澄! ケーキ崩れるから走るな、そんでくっ付くなー!」

 

 はぁ、だから嫌だったんだ。ちょっとでも隙を見せると、こいつはすぐに私の心の中に入り込む。……でも、それを無理に振り解かない自分がいるのも確かで、どうしてもモヤッとする。

 

 ──いや、こうして律義にお茶を用意する辺り、私も……ってイヤイヤ、そんな事は無い。無いったら無い……筈だ。

 

☆☆

 

 ──ジャーン!

 

 その香澄の言葉で開かれたケーキの箱から出て来たのは、小さめだがホールケーキ。確かにこれを一人は辛いなと思いつつ、私はケーキの飾りに目を向けた。

 

「香澄お前……。絶対飾りで選んだだろ」

 

「えへへ、バレた?」

 

「そりゃーな……。これ、いかにもお前が好きそうなデザインだし……」

 

 ──それは、星と音符をあしらったデザインのケーキだった。まぁ、わざわざ香澄が買ったというのだからそんな気はしていたのだが、私のその言葉に何を思ったのか、香澄は一瞬嬉しそうな顔をした後にニヤニヤとし始める。

 

「……なんだよ。そんなニヤニヤして」

 

「いや〜。やっぱり有咲は私の事よく見てるな〜って」

 

「バッ! ……いきなり何言うんだよオメーは!」

 

「あー、有咲、もしかして照れてる〜?」

 

「照れてねぇ! あーもう! 食わねぇなら私が全部食べるぞ!」

 

「あー! 狡いよ、有咲〜! 私も食べるー!」

 

 ──はぁ、狡いのはどっちだと言うのだ。こうして私の心に入り込む方がよっぽど狡い。

 

 でもしかし、こうして過ごす休日も悪くない。そんな口に出す事は決して無いであろう事を考えつつ、私はケーキを口にした。

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