ドラゴンクエスト~邪神の眠るダンジョンと夢見る戦士~   作:モゾモゾ

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ハンターハンターを新しく書いて。
模様替えをして。
患畜の病気の治療する。
確定申告めんどくさい…
この数日間、忙しくて風呂場でついつい寝てしまった。
誤字とかもあるかもしれないので、気付いたら、直しときますね。



ダンジョン(素材)

階段を下りれば、そこには、見渡す限り敵はいなかった。

落ち着いて、周囲の壁を見る。

今まで色んなゲームをしてきて、様々なダンジョンを攻略してきた。

そんな、俺から言わせてもらうと今回のタイプは、オーソドックス。

ありきたりなダンジョンだった。

壁の素材は、石っぽいが思いっきり殴りつけて様子を見る。

辺りに音が響き隣にいたベロニカに「びっくりしたでしょ!」と怒られた。

謝りながら、一緒に壁を見ていると少しずつだが亀裂は直ってきている。

 

 

「あら、壁が直ってきている。不思議ね」

 

「ここの壁は、まるで生きているように修復していくな。これは勘なんだが邪神の魔力で、戻っているんじゃないんだろうか。それにほら、向こうの壁を見てみろ。一部分だけ魔力が集まっている。あそこ、魔物が出てくるんじゃないのか?」

 

「どこどこ?あぁ、あの隅っこのとこね」

 

二人で見ていると、魔力が徐々に固まってきてスライムが現れた。

スライム。

玉葱型の青いゼリーみたいなモンスター。大きさは中型犬程でドラクエでの定番の雑魚モンスターだ。

スライムは、キョロキョロと周りを見て俺たちの姿を発見したのか、

体ごとぶつかってこようとしている。

つぶれたように身を縮みこませ、バネのように跳ねて体当たりをしてきた。

 

 

これが、現実としての初戦闘。

ゲームではない生身での戦い。

スライムになんて楽に勝てる。正直そう思っていた。

ドラクエで楽に倒せていたため、はっきり言えば舐めていたのだ。スライム程度なら何とかなると。

だがそれが間違いである事に気が付いた。考えが甘かった。

姿形がどうあれスライムがモンスターである事に変わりはない。そして、自分は、勇者ではない。

覚悟を決めなくてはならない。他の生き物を殺す覚悟を。

思えばある程度の大きさになれば昆虫でさえ殺すのには躊躇してしまう。料理で生きた魚や海老を捌いたりするのでさえ、ギューなどと変なうめき声が聞こえて以前は嫌な感じを受けた。

それなのに中型犬ほどの大きさのスライムを殺すのだ。

出来るのか?

いや、やらなければいけないのだ。今日を生きぬくためにも。

後、覚悟を決めたからと言って勝てるわけでもない。これでやっとスタートラインに立ったに過ぎない。

 

 

「お、あぶね」

 

体が自然と動く。

タイミングを合わせ拳を振りかぶって、飛んできたスライムを殴り飛ばす。

ピギィィイ!っと叫びながら散っていった。

スライムは地面に潰れ、溶けきったと思うとそのまま消え去り、その後には2枚の金貨と素材が残された。そして自分の中に何かが入り込むような感覚が一瞬だけした。

多分魂の一部、これが、【経験】なのだろう。

初めてモンスターを殺した。それなのに俺の心は割りと落ち着いていた。

手にはその余韻もあるのだが、死体が魔素となって消えたため何だかおかしな気がした。

いや、死体がないから冷静でいられるのだろう。

それに、俺は、一人ではない。

隣にいるベロニカ。力を貸してくれたシドー。

改めて一人で戦っているんではないと思う。

まだ実感が沸いていないだけかもしれないが、それを確かめる時間はない。

 

 

素材の油が一瞬だけ地面に浮いていたが、あっという間に地面に溶けていった。無念…

 

 

…まじめに考えていたとこでなんだが、雑念、欲望が駄々洩れでスライムに申し訳ない気持ちになってしまった。

 

 

「お金だわ!ってどうしたの?」

「いや、油が欲しかったんだがな」

「お金まで油塗れになるわよ?それに、容器がないから持って帰れないし別にいいじゃない」

「うーん。もったいないなぁ。ちょっと待てよ。地面ぶっ壊せば油も手に入んじゃないのか?」

「体力の無駄でしょ。帰りにしなさい。ほら、いつまでも見てないで、さっさと行くわよ」

「へーい」

 

残念ながら素材は消えていったが、Gだけで我慢しよう。

そのあとも、スライムに会うたびに自分の非力さにうちひしがれた。

拳と棒で叩きのめすたびに消えていくスライムの顔がよぎる。

彼らの死を当たり前の様にしたくない。

せめて、素材として扱うのがビルダーとしての弔い方ではないんだろうか?

なかなか、集中できない環境の中新しいモンスターに出会った。

 

曲がり角でバッタリ魔物と遭遇。

魔物も、急に出てきた俺たちに驚いてホバリングしている。

野生のドラキーが現れた。

 

ドラキーとは、蝙蝠をモチーフにしたモンスターであり夜間に沸くモンスターだ。

ダンジョン内では、昼夜関係ないのだろうか?

まぁ、薄暗いダンジョン内で湧くのはそこまで、不思議ではないがな。

 

 

「今度は、私がやるわね。【メラ】」

 

彼女の過剰なまでの攻撃でドラキーを燃やし尽くしそして、力尽きる。

ドラキーが魔素となって素材とGに変わる。

だが、ドラキーの素材は木材。

彼女の、メラによる残り火が何の罪もない木材に火を灯す。

すぐに回収しようとしたが、ベロニカの近くにスライムが湧いたため、急いで殴りつぶす。

だが時既に遅し、素材として使い物にならないほど燃えてしまった。

俺が悔しさで下を向いていると、魔素となって消えるスライムの顔がこちらをあざけわらっているように見えた。

 

 

「あの、くそスライム!!」

「気にしすぎよ。それにしても不思議ね。私あまり覚えていないけどこんなに、素材って落ちてたかしら。しかもスライムから油はまだ分かるけど、ドラキーから木材が出るのは、謎すぎるわよ」

「それは、恐らく俺の職業による補正じゃないのか?」

「ビルダーって職業が恐ろしく見えそう…あまり燃えそうな魔法は使わない方がいいのかしら。今後も素材が出るとなると、色々気を利かさないといけなさそうね。」

「そうだな、余裕のある時だけでいい。今は、敵の強さが俺らより低いが今後はなりふり構わなくなるかもしれない。そんな時に自分達からハンデを出してまで、やる必要はない。あくまで、命を大事にで挑もう」

「わかったわ。回復担当もいないし出来るだけ安全に進めていきたいわね」

 

ベロニカの言った通り、僧侶や賢者みたいな回復担当のいないダンジョン探索は常に慎重に挑まないと、怪我が積み重なって動けなくなりましたでは遅いのだ。

ベロニカは、専門でもないのか好んで使えないし。

俺に至っては、呪文自体がさほど得意ではない。出来ることは、薬草栽培に俺自身で調合、製薬できるくらいだ。

早いとこ、回復担当が欲しいとこだ。

現在俺が万能職として、索敵。前衛での戦闘。治療薬での治療。

盗賊や戦士、俺達に足りない物を実感するダンジョン探索だ。

 

 

それから五時間ほど昼食や休憩を挟みながら魔物を倒す事が出来た。得た金額は135G。8Gが宿代として100Gが返済分とする。

素材も油は結局諦めたが、木材は少し集まった。

四次元収納の中の在庫を増やして、未来のクラフトへの投資とする。

 

できるだけ待ち伏せをして不意打ちで倒せたため、傷といえばベロニカを庇った時にできた左腕の擦り傷だけですんだ。

防御力の差があるためできるだけ後ろに行かないように対処していたが、戦っている最中に後ろから魔物が湧いて来たときの傷だ。

ゲームのように先制攻撃が一度だけで後は交互に攻撃を繰り返していたらこうはいかない。ゲームと現実の差というやつだろう。

ただしそれは反対にもいえる。一度こちらが体勢を崩せば、そのままボコボコにされるだろう。やはりまずはこちらの有利な状況で戦うようにしなければならない。

 

とりあえず今日無事に終えることが出来た事を俺は密かに感謝した。

初めてのダンジョン探索ということで、集中のし過ぎか頭が痛い。全身の疲労感も酷い。明日は筋肉痛になってもおかしくない。それを考えると憂鬱になるがしょうがないことだろう。

緊張も少しは解れた。明日はもう少し安定した冒険ができるだろうか。

 

ベロニカと二人で話し合いながら周りを警戒する。

階段近くになるにつれ、安心感が増し。無事階段を登り切った。

今日の冒険は、色んな経験ができた。

警戒や索敵の難しさ、回復担当のありがたさ、今後奥に進んでいくなら地図も大事になる。

借金の返済のことはもう大丈夫だろう。

今は、より強く。より高みに。ただ進んでいくだけだ。

 

帰り際に、今日は俺が晩飯を作ろうと思い酒場を抜けて材料を買いに、西側を目指していると人が倒れていた。

 

 

 

 

 

あの人、俺が気になっている酒場で飲んでいた人じゃないか?




今回は、結構少なめでした。

でも、これくらいの方が書きやすいんですよね。

文字数がなかなか安定しないんですが、そこは許してヒヤシンス。
次回は、あの人が参戦します。

皆さんは、誰だと思います?
正解は、次回見て確かめてください。

次回 「伝説の酔っぱらい」






名前を知っている人は、相当レアですね。

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