ジュラ・テンペスト連邦国、通称"
これがリムルさんの支配する領域の国名である。
そして町の名前はリムルさんの名前を使った、中央都市リムルと言うらしい。
町の名前に名前が使われるなんて流石ですね、そう言ったら頬をつねられた。
まあ、名前をつける時の流れがある程度読み取れるのでわざと言ったとこもある。
「そんなイブキ君にお仕事をあげようじゃないか、ね?」
「アッ、ハイ……」
ハクロウさんとの稽古が終わり、水浸しのまま町に戻ってきて早々にリムルさんに捕まった。
リムルさんを抱き上げているシオンさんの前には、ボロ雑巾になっている下位魔人の者達が横たわっている。
礼儀のなっていない者はたまに現れたりするが、大抵はゴブタさんやリグルさんの警備隊に追い返されるのだけど、たまに能力が高い者が入り込む事もある。
まあ、中に入り込んだとしても相手が悪すぎるので。
安易な考えで狡い事を企んでいれば、こうなるのは目に見える。
そして、今回の仕事はボロ雑巾になった外に叩き出してくる事。
手段は問わない、だけど死ぬ様な事はしないようにと。
一人だけなら簡単に掴みあげていけるが、今回の雑巾になった魔人は4人もいる。
往復するのが手間だし、濡れた服をさっさと変えたいので
「リムルさん、ゴブタさんって町の外にいますよね?」
「んっ、確かにちょっと前に出ていったけど……あー、分かった伝えとく」
「ありがとうございます」
準備体操をしている自分を見て、リムルさんはどうやって町の外に叩き出すのかを理解してくれた。
あくまでも殺さないようにすればいいなら、後は野となれ山となれ。
「よっ、こいっ、しょおーー!!」
「ぎゃあぁあああっ!?」
力こそパワー、パワーがあれば何でもできる!
リムルさんに教えてもらった方向に魔人を掴み上げ、勢いよく放り投げる。
勿論、落ちるときの事も考えて投げているので高さや速度も死なない程度にしてある。
まあ、死なないけれど大怪我は負うだろうね。
アフターケアにゴブタさんたちに見つけて貰えるのでまだ優しいとは思う。
「さいっ、ごぉっ!!」
「うわぁあぁああっ!?!?」
4人目を放り捨てて、大きく息を吐く。
スライム体のリムルさんが苦笑しているように見えるが、気のせいですね。
「イブキ!」
「シオンさん!」
「力こそ!」
「正義です!」
シオンさんと硬い握手をする。
シオンさんは力で語り合うのが好きなタイプなので、放り捨てる姿を褒めてもらえた。
いつもこんな人に抱き上げて貰っているリムルさん、何て恵まれた場所なのだろう……どことは言わないけど。
余談だが、この前シオンさんが淹れてくれたお茶を飲んだ時に気を失ったのは何でだろうか。
疲れていたのかな……?
今度、ベニマルさんやシュナさんに相談してみよう。
その後軽い雑談を交わしてから、着替えの為に別れた。
ここに来てからの生活は満ち足りた物だ、鼻歌交じりに戻っていると、急に悪寒を感じた。
圧倒的すぎる何かが、向かってくる。
全身に鳥肌が立つ程の脅威に立ち止まって空を仰ぐ。
「イブキぃー!!」
「り、リムルさん?」
「俺を投げろ!全力で!!」
「は、はいっ!!」
スライム体で全力で走ってくるリムルさんが突拍子もない事を言ってくる。
しかし、強大な何かを何とかする為にに言ってきているのは明確なので迷いもない。
手に乗ったリムルさんを全力で、躊躇も無く投げる。
投げられたリムルさんは弾丸の様に発射されて、狙った通りに門の外へと飛んでいくのを目で追う。
「リムルさん……お気をつけて」
自分が行った所で足手まといになる事はわかっている。
それよりも町の為に動く方が先決なので、急いで服を替えてリグルドさんに合流する。
(冷えて、ぷにぷにだったな……リムルさん)
イブキは置いてきた、修行はしたがハッキリいって魔王との戦いにはついていけない…。
※おふざけ
濡れ透けっていいな、濡れ透けっていいな。
容姿のせいで性別を間違えられるイブキくん。
濡れ透けを気にせずに自室に戻っていたので、ある層の性癖を少し歪めたらしい。
(……もう少し、貞操を大事にしないといけないぞと言っておくべきか)
噂を耳にしたリムルは闇を垣間見たと息を吐きながら言ったそうだ。
しかし、リムル様の方が性癖を歪めるのではないかと魔物の一人は心の中で思う。
それに、貞操は女性に使う言葉ですよ。