そう言えばこのままいくと原作四巻はバッサリカットになりますね…間違いない。
用意された部屋で服を着替え、シュナさんに怒られないように、服を絞ってから洗濯カゴに服を置いて家を出る。
シュナさんを怒らせると怖いのだ、この前も服を脱いで置いたままにしてたら笑顔で怒られた。
あの
「あ、イブキさん。大広場に集まるようにってリムル様から言伝が回ってますよ」
「大広場? 分かったよ、ありがとうね」
「いえいえ」
外に出て直ぐ、
大広場に向かう魔物達が増えてきたので、人混みならず魔物混みに巻き込まれないように向かう。
言伝を伝えたって事は、無事にリムルさんが戻ってきたわけだ。
まあ、あの
ふふんと謎の優越感に浸っていると、大広場にたどり着いた。
真ん中に用意されているステージには、リムルさんと桃色髪をした少女が座り込んで話しいた。
(あの娘が、襲来した奴なのか……?)
見た目だけなら、普通かもしれない。
けれど改めて感じた、あの時感じた強大すぎる力はあの娘から発せられたものだと理解できる。
大広場に次第に集まってくる魔物達で、彼女の姿を見た事がある者が小さな声で呟く声が聞こえた。
「あれって、魔王じゃないか……?」
「え、魔王ってあの……?」
魔王、うーん……言葉だけを聞くと嫌な予感しかしない。
『ええと、今日からこの町に、新しい仲間が滞在する事になった。』
ドルドさん作の魔鋼で作った音響魔道具、通称"魔イク"を手にリムルさんが喋り始めた。
『扱いは客人という形になるので、丁寧に対応してほしい。』
『ただし、この町のルールは守ってもらう約束になっているので、違反してるようなら俺に知らせるように!』
この町のルール。
自分もリムルさんから教えてもらったが、この町にはリムルさんが決めた3つのルールが存在している。
①仲間内で争わない。
②進化して強くなったからと言って他種族を見下さない。
③人間を襲わない。
無益な争いを避けるのは理にかなっている。
魔物と言うだけで、討伐の対象にだってなりかねない。
火種は作らない方が吉と言うわけだ。
『ミリ厶・ナーヴァだ。』
『今日からここに住むことになった、宜しくな!』
ミリ厶・ナーヴァ、魔王……ってことは。
「なんと!? 魔王ミリ厶様ではないか!」
「おお、ご尊顔を初めて拝見しましたぞ……」
「それにしても、流石はリムル様だな。 あの暴君と、ああも親しげにーー」
「これで、この
周りから聞こえてくる言葉で確信した。
あの桃色髪の娘は
リムルさんが魔王ミリ厶に何か言っているけれど、それも徒労に終わるだろう。
何しろ、ああ言うタイプは自分の言ったことを簡単に変えないからだ。
取り敢えず、向こうから呼ばれるまでは暫く身を隠しておこう。
暫く山ごもりでもしていようかな、うんそれがいい。
(イーブーキークーン……どこ行くつもり?)
(げぇっ!? リムルさん、ナニカヨウデスカ?)
(後で、こっち、来てね!)
一方的に思念伝達をしてきて、盛大に釘を刺された。
ため息を大きく吐き、もっと早くに逃げ出しておけばと後悔をしている。
別に自分がいなくてもいいんじゃないのか、只の鬼人族なのですから。
(ねっ!)
(駄目!!)