転生したら幸せになりたい件   作:こねこ

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第21話

 この場所はリムルさんのユニークスキル"捕食者"の中である。

もっと簡単に言うならば、リムルさんの腹の中と言う方が分かりやすいだろう。

 

 朧気な記憶が次第にはっきりとしていく。

代償者(ササゲルモノ)のバグが発生して、あいつはワタシを助ける為に食べてくれと言った。

必ずリムルさんは断ると分かっていたからこそ、断れない状況で現れて、脅した。

 そうしたらようやく終われると、自分だけ助かる為に相手の気持ちを考えずに行動をした。

 

 けれど、今の自分は確かな意識を持ってこの場所にいる。

食べてくれ、そう言ったら事を思い出したら頭が痛くなってきた。

 あー……うん、文字にしたらあれだね。

実際、食べられたわけだし。

 

(なぁ、イフリートよ)

(何ですか?)

 

(何故イブキは先程から表情をころころと変えて、考えこんでいるのだ?)

(……後から振り返ってみると、とんでもない事をしでかしてしまったのではないかと、自責の念に駆られているのではないでしょうか?)

 

 小声で喋っているお二方は気にしない事にして、心を強くもたなくてはなるまいと決心する。

ここにいるから生きているとは断言できないし。

 それに代償者(ササゲルモノ)は失われたと言う事は、あの時の言葉通りに死んだ筈だ。

 

《告、現在の貴方は星幽体(アストラル・ボディー)精神体(スピリチュアル・ボディー)のみの存在であり、肉体は既に滅んでいます。》

 

 丁寧に現状を説明をしてくれたのは、リムルさんの究極能力(アルティメットスキル)"智慧之王(ラファエル)"さん。

 いやはや、まさかスキルとも対話が出来る何て思いもしなかったから、説明されたときは笑うしかなかった。

 

 まぁ、いいや……良くはないけれど。

言うなれば魂だけの状態であるなら、ここに留まるだけの存在にすぎないだろう。

 思い出の場所、あの場所(テンペスト)には戻ることはないのは残念だけど、今までしてきた事に対する報いならば甘んじて受けよう。

 

(魂がこれだけしっかりしているならば、依代があれば動く事は出来るのではないのか?)

《解、実現は可能です。》

「えっ、」

 

 身体が無いはずなのに冷や汗が出たような気がする。

ヴェルドラさんと智慧之王(ラファエル)さんの言葉は何も聞こえなかった、表に戻れる何て知らない!

 

 そもそも、迷惑や心配だけをかけさせて。

名前をつけてくれた恩人を脅して食べてくれ(捕食)なんて言って。

あれだけの事をしておきながらあわす顔なんて無い、絶対に無い!

 

 だから、ワタシは、ここに、いますのでほっといてくださいね!

 

《告、それは許されません。》

 

 一刀両断、真っ二つに切られたワタシの言葉は消えていく。

智慧之王(ラファエル)さん、御慈悲は?

 

《解、無いです。》

「クアハハハッ!諦めが肝心だぞ、イブキよ!」

 

 がっくりと無い肩を落とし、不貞腐れて隅の方でいじける事にする。

 

「まあ、呼ばれるまでゆっくりと待つことだ、案外直ぐに会えるぞ」

「会いたくない……」

 

 ヴェルドラさんの励ましの言葉を受け取りながらも、必死に呼ばれない事を祈る。

祈る、とにかく祈る。

 

(諦め悪いって言っていたし……時間の問題かな……)

(クアハハハッ!その時は笑ってやり過ごすのだな!)

(そんな図太く生きれませんよ……)

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