あの後、ヴェルドラさんは突然呼ばれたから行ってくると一言告げてその場から消えた。
常に堂々としている立ち振舞とは裏腹、どこか
何時も大変ですねと言うと、イフリートさんは分かりますかと小さくため息を吐いていた。
強いからこそ、それ相応の態度を魅せるのも必要だと思うが。
ーーあれは、元々あの性格なんだろう。
《告、記憶の復元が完了しました。》
談話をしていると
自分としては望んで思い出す事はしたくないので、テンペストに来てからの最近の部分を優先にサルベージしてもらっていた。
しかし、とても早いですね。
《否、これぐらいは朝飯前です。》
「もう一つ聞きたいんですけど、いいですか?」
返答は無かったけれど、知りたい事があるので言葉を続ける。
知りたい事は2つ。
どうやってこの場所から出るのか、そして肉体が無い魂だけの自分が外に出ても霧散してしまうのではないかと。
《解、無限牢獄は既に保有されているスキルなので、出る事はスキルが使用されれば可能です。》
なる程、こんな恐ろしいスキルも既に保有しているなんで流石リムルさん……いや、リムル様と言う所。
補足で
あれ、
うん、気のせいだ。
《解、二つ目の回答は、現在ヴェルドラにやっている強化分身に
《
なる程、ヴェルドラさんは今そんな状況で外にいるのか。
姿形は自分の存在自体が不安定なのか、意思が希薄になったせいのどちらかの理由だろう。
表舞台に出るならば形は向こう側に引っ張られる。
まあ、自分の姿形に未練はないので困りはしないから悩む必要はない。
そもそも、間違えられる事が多かったので今なら
その方が気を使わなくて済むし、隠れやすそうだし。
《否、後ろ向きな事を考えていますね?》
「いや、そんなこと」