両腕を振り子のように振り、心臓が破裂しそうに脈を打っても、肺が悲鳴をあげようとも兎に角走る。
遮るものは全て薙ぎ倒して進み、本能のままに行動する。
今の自分は本当の化け物だ。
抑えられない攻撃的な感情は、アイツがいった場所へと向けられる。
これが目的だったのかと一瞬だけ考えたが、誰が自分に命じたのかも、そいつの顔も名前も思い出せなくなってきている。
けれど嫌な事も面倒な事も考えずにすむ。
ただ動いて壊し、走って壊すだけを考えていられる。
前頭部左側から大きく角が生えた事には気づいた、それ以外は後から考える。
と言うか考える時間が勿体無い。
数日も走り続けてようやくジュラの大森林が遠くに見えてきた、息もあがらなければ疲労感も無い。
開拓されてる部分が遠くから視認できる、あれが誰かが言っていた魔物の国なのだろう。
幾つもの強い個体の存在を認識できる。
その中でも一番桁違いな存在がこの魔物の国の王なのだろう。
口元を釣り上げ、抑えられない高揚感を身体全体に力を込めて、
(
ジュラの森大同盟が結成され、魔物の町に活気が溢れ文化が進化していくある日の事。
スライムこと、リムル=テンペストは突然現れた来訪者に驚いていた。
(……何だ、こいつ?)
数分前に
リムルは最初オーガの里の生き残りと考えたが、それならばソウエイが急に報告をしてくる程の重要性が高いものとは考えられない。
それこそソウエイがそのオーガと対面して、その後に報告するのが確実だ。
「……い、た」
オーガは辺りを見回しリムルを視認して言葉を漏らす。。
リムルは目の前に現れたというか、降ってきたオーガを見て理解した。
ソウエイが言ったオーガは明らかに普通ではない状態だ。
禍々しく生えた一本の角。
血まみれの服に血まみれの身体、皮膚も所々裂けていて地面に血の跡を残している。
しかしオーガの表情はそんな事をまるで気にしていないように、
普通の状態ではないのは一目瞭然。
「うおっ!?」
予備動作も無しに飛び出したオーガはリムルに対して拳を放つがリムルは回避して距離をとる。
拳は地面を抉り、砂埃を撒き散らしながらオーガは地面から拳を抜いてリムルを見る。
殴った拳は血みどろになりながら再生を繰り返す、不完全なのか傷は完全に癒えていない。
《告。オーガの魔素反応の異常、続いて生体反応の異常、このまま過度な戦闘を行うと対象の生命維持に危険を及ぼします。》
リムルのユニークスキル、大賢者がオーガの生命に対する警告を進言してくる。
このまま暴れさせたら周りにも被害が及ぶ、唐突に現れて唐突に死んだら夢見が悪くもなる。
「いきなり現れて、いきなり暴れて、今は忙しいんだから大人しくしてもらうぞ!」
大きく息を吐き、リムルは目の前のオーガを
「殺、して……やるッ!」
₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾ これもうわかんねぇな…?
(ง˘ω˘)ว 早急にしあわせを頼む!
₍₍ (ง ´◔ ω◔` )ว ⁾⁾ 助けてリムル様!