ここまでプロローグみたいなもんやな!!!
自分は一番強い奴の前に降り立った。
そいつは青みがかった銀色の髪に金色の瞳の人間の様な姿をしている。
誰かが言っていた形とは違うが、本能は告げている
「……い、た」
間髪いれずに飛びかかり手加減なしの一発を打ち込むが簡単に回避されてしまう。
止める事も出来ない拳は地面を抉って止まる。
腕全体に鋭い痛みが走るが
感情が止まらない、止められない。
このまま蝋燭の様に身体が燃え尽きようとも、灯った炎で誰かを焼かないと収まらない。
『ーーーーーーーー!!』
銀色の人間が何か言っているが、何を言っていっているか分からなくなっていた。
自分は堕ちる所まで堕ちた、既に人間でもなければ鬼でも無い。
「
手のひらサイズの瓦礫の破片を握りしめ、力の加減なく飛び出して拳を振るう。
スキルや戦術や色々なできた事が出来ずに、ただ殴りかかるしか自分にはする術がない。
『ーー!』
自分が突き出した右腕は簡単に掴まれ、そのまま力任せに地面に倒される。
本能的に抜け出そうと手を振り払おうと藻掻くが、華奢な見掛けとは裏腹に手を振り払う事が出来ない。
ならばと空いている左腕で、右腕を千切ろうと掴もうとしたが飛んできたクナイが手の甲に刺さり地面に突き刺さる。
両腕が使い物にならない、しかし止められない衝動が暴れる事を駆り立てる。
「あ、ゔぁ!!」
藻掻く、藻掻く。
傷だらけの身体で藻掻くたびに、傷口から滲み出る血。
何をやっているんだ、力を得たのに自分を売ったのに結果は何も得ずに終わってしまうのか。
ならば、誰でもいいから殺め、誰でもいいから私のように絶望してくれ。
「ここまでだよ、ちょっと休みな」
銀色の人間、もといスライムはそう言ってくれた。
既に周りには力を持つ魔物達が集まり、事の顛末を見届けている。
なんと圧倒的か、何と自分が惨めなのか。
そう思うと、スライムの言葉にこう返してしまった。
「いや、だ」
睨みつけながら舌を噛み切ろうと口を開く。
少しだけスライムの表情が歪んだが、自分が舌を噛み切るよりも前に意識を一発で落とすような拳骨によって意識を失った。
スライム
リムル=テンペストside
「シー!オー!ンっー!!」
「すみませんー!ついーー!!」
舌を噛み切ろうとしたオーガにとっておきの一発をお見舞いしたシオンを呼ぶ。
当の本人はてへぺろって舌を少しだしてウインクのごまかし。
いや、誤魔化せれてないからな!
シオンの拳骨を受けたオーガは意識を失って大の字で倒れている。
辺りの修繕はオークに任せるとして、とりあえず傷らだけなので回復させないといけないな。
《告。このオーガにフルポーションの使用は推奨しません》
え、なんでぇ?
大賢者の突然の言葉に驚き、使用しようとしたフルポーションの手を止める。
《解。このオーガの血液を解析鑑定した結果、人間とオーガが混ざり合っている状態と判明しました。この状態でフルポーションを使用すると、身体の完治が出来たとしても
人間とオーガが混ざり合っている。
つまりはこの角っ子ちゃんはもともとオーガではなく、何かの原因によってこの姿になってしまった訳なのだろう。
そうなると治すとしても、どうやって治るのかが確証がない状態なのか。
《告。現時点では回復を推奨しません、但しどちらかに主導権が移り、人間に戻るかオーガに戻るかすれば完全な治癒が見込めます。》
不安定な状態から人間か魔物かのどちらかに安定すれば治癒ができる。
なら、どうやって安定させればいい?
《解。早急な治癒が必要な状態ならば、名付けをして
人間として安定させる場合は?
《解。現時点での人間として治癒の見込みは時間の不足、対象の生命に危機をもたらす可能性が大きいです。》
大賢者さん、それってもう一択しかないって事じゃないですか。
助けると言った手前、危険な橋を渡るのは避けたい。
こっちの一方的な善意で、この角っ子のこの後の運命を左右する。
しかし、俺はこいつを死なせる事は出来ない。
あんな悲しそうに笑う姿を見て放っておくなんて出来ないし、シオンに謝らせる機会を与えるために
「お前の名前は、ーー」
( ´∀ ` )<ぬるぽ