四宮の料理人兼白銀の親友は近侍さんに告りたい 作:トネッピー
お気に入りしてもらった190名様、感想や指摘してもらった皆さん、ありがとうございます。
これからもこの作品を見ていただけると幸いです。
今回は、フランス交流の回です。
《~フランス交流会当日~》
「「「間に合った~~」」」
ふぃー。疲れた~。
ホントマジであり得ねぇだろ。あの野郎。
普通3日前に急に決めるかよ。
「皆サマ、お疲れ様デス。」
「いやはや、急ナお願いでしたが、よくぞ形にしてくださいまシタ。」
なんか、会長とあいつが言い合ってるな。
そんなことより、俺はもっと心配するべき事があったな、そういえば。
かぐや嬢と藤原は絶対に大丈夫だ。
御行はー‥‥。どうなんだろ?
とりあえず、俺はヤベェーーイ!!からな。
「ホント、どーしよ‥‥。」
「どーしたんですか?崇宮君?」
うわっ、藤原の奴聞いてたのかよ。出来れば聞かれたくなかったのによー。
「いえ、自分、フランス語を話す事が出来なくて。参加されてる皆さんがフランス語なのでどうしようかなと。」
「そんなことですか。それなら、英語で話せばいいんですよ。気にしないで。ね?」
「なるほど、藤原ありがとう。それでは、あなたもどうぞ、楽しんでください?」
「はいー。それでは、また後でですね?崇宮君~」
そうだよな、そうすれば良かったんだな。
ところで、御行はなんで絶望してる顔をしてるんだ?
あ、こっちに来た。
「おい、誠。お前もフランス語喋れるのか?」小声
「いんや。喋れねーよ。」小声
「良かった~。俺以外にも話せない奴がいて。」小声
「まぁ、俺達もそろそろ参加するか。」小声
「え?誠?それってどういう‥‥。」小声
「お前も何か対策を講じろよ?お前も来いよ。」小声
「おい、待てって‥‥。」小声
こういう場では極力頑張って話すようにと、父さんと母さんに言われてるんだ。
付いてきてもらうぜ?御行。
お、あそこにいい感じに溢れてる子達がいるな話そーっと。
《ここからは、相手はフランス語で話しています。》
「はじめまして。お嬢さん、少し自分とお話しませんか?」
「はじめまして御嬢さん、私は白銀御行。この学校で生徒会長をしています。」
「生徒会長の隣のあなたは、どうして英語でお話されるんですか?」
やっぱり、そう来るよなぁ~。
出来れば言いたくないんだけど‥‥。
そんなことより。
「御行?」小声
「どうした?誠、日本語で。」小声
「右の子頼むわ。」小声
「え?」小声
悪いな、御行
俺、右の子元カノにちょっと似てるから無理!!
トラウマが今にも這い出て来そうだもん。
「自分は、フランス語を聞き取れますが、話せないんです。だから、英語で話させてもらっています。もしかして、不快になられましたか?」
「そうなんですか。ですが、私も含めフランスから来た者も日本語が話せない者がほとんどです。ですから、気にせず英語で話してください。」
良かった。この人、いい人っぽくて良かった~。
御行は~。あ、ダメだわ。
絶対何言ってるかわかってねぇわ、あれ。
「ところで、あなたは生徒会の方なんですか?」
「はい。自分は総務という役職を任されています。」
「そうだったんですか。私、日本の食文化に興味があって‥‥。」
そうなのか。だったら、俺はアタリを引いたな食文化なら俺でも話せる。
「自分はある程度、料理が出来るので良ければレシピをいくつか差し上げましょうか?」
「いいんですか!!ありがとうございます。あなたはいい人ですね。これで、家族へのおみやげができました。」
んじゃ、とりあえず英語で書こ。
そういえば、御行の方はどうなったんだ?
「(ベツィー、白銀御行をボロカスに侮辱中)」
ほーう、あの女いい度胸してんな。
御行はわかってねぇみたいだけど。俺はわかるんだぜ?
こんなにキレたのは久しぶりだ。
あ、シャーペン折っちゃった。
「どうかしましたか?シャーペンが折れたようですけど。大丈夫ですか?」
「気にしないでください。それよりも、これをどうぞ。英語ですが、一応のレシピです。良ければお家で家族に振る舞ってあげてください。」
「ありがとうございます!!お優しい方ですね。」
「そうでもないですよ。こんな人はこの国には結構いますよ。それでは、このパーティーをお楽しみください。御嬢さん。では、自分はこれで。」
それじゃ、あのアマの所行くか。
どーこだぁ?お、いたいた。
あれ?なんか、めっちゃ怖がってね?
どーしてだ?それに、かぐや嬢はなんであんなアワアワしてんだ?
あ、そういう事ね。かぐや嬢がキレてボロカスに言ったのね。
流石にあれを更に責めるのは俺にはできねぇな。
「どうかしましたか?気分が優れないのですか?」
「ッヒィ!!いえ、大丈夫です。」
「先に言っておきますけど、自分はフランス語は喋れません。ですが、聞くことは出来ます。そして、あなたの今回の行いを許す気は全くありません。」
「やっぱり‥‥。」
「ですが、俺達はあんたになにも干渉しねぇ。だが、俺達全員を敵にまわすような真似をしたのだけは覚えとけ。それと、その特技をもっと有効活用しろよ?フランスの剃刀さん。」
「あなたは一体誰なの?」
「おれは只の生徒会の一員だ。」
さぁ~て、みんなに合流しよーっと。
ど~こだ~?っといたいた。
「副会長?どうしたんですか?」
「いえ、なにもありませんよ?崇宮君。気にしないでください。」
「会長?あの子は何処へ?」
「あぁ、彼女なら他の子と話に行ったよ。」
《そんなこんなで、フランス交流会が終了して‥‥。》
あ~あ~、あ~あ~。
かぐや嬢、すんごい落ち込んでんなぁ。
多分、自分を昔の自分と重ねたんだろうな。
でも、多分だけど御行はわかってねぇし、そんな事であんたを嫌ったりしないよ絶対に。
「崇宮さん。どうかしましたか?」
「ん?藤原か‥‥。いや、なんでもないよ。ほれ、ちゃっちゃと片付けを終わらせるぞ~」
「そうですね~。さっさと終わらせましょ~」
あの二人は~。まぁ、大丈夫だろ。
放っておいてもあの二人はどうにかするさ、きっと。
それにしても、今日は疲れたな~。
俺もあの二人みたいに恋の駆け引きとか、早坂とやってみたいもんだな。
俺も、いい加減トラウマ克服してこの想いを伝えられるようにならねぇとな。