四宮の料理人兼白銀の親友は近侍さんに告りたい   作:トネッピー

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崇宮誠は行かせたい

人を好きになり、告白し、結ばれる。

 

 それはとても素晴らしい事だと誰もが言う。

 

 

 

 だが、それは間違いである。

 

 恋人たちにも明確な力関係が存在する。搾取する側とされる側。尽くす側、尽くされる側。

 

 そして、勝者と敗者。

 

 

 

 もし、貴殿が気高く生きようと云うのなら決して敗者になってはならない。

 

 恋愛は戦。

 

 好きになった方が負けなのである

 

 

私立秀知院学園。

 

 嘗て貴族や士族を教育する機関として創立された由緒正しい名門校である。

 

 

 

「みなさん……! ご覧になって!」

 

 

 

「生徒会のお二人よ!」

 

 

 

 貴族制が廃止された今で尚、富豪名家に生まれ将来国を背負うであろう人材が多く就学している。当然そんな彼らを率いまとめ上げる者が凡人であるなど許される筈も無く、

 

 

 

 キャーキャー五月蠅いギャラリー達の間を天才と呼ばれる二名が涼しい顔で通り過ぎていた。

 

 

 

 秀知院学園副会長 四宮かぐや。

 

 総資産二千兆円。鉄道、銀行、自動車。優に千を超える子会社を抱え、四大財閥の一つに数えられる『四宮グループ』。その本家本流四宮総帥の長女として生を受けた正真正銘の令嬢である。

 

 その血筋の優秀さを語るがごとく、芸事音楽武芸いずれの分野でも華々しい功績を残した正真正銘の『天才』。

 

 それが四宮かぐやである。

 

 

 

 そんな彼女が支える男こそ、両家の御曹司やご令嬢が集まる秀知院の中でも極めて珍しい一般からの進学者でありながら、学園模試において不動の一位を死守し、多才なかぐやとは対照的に勉学一本で畏怖と敬意を集め、その模範的な態度で生徒会長に抜擢された秀才―――秀知院学園生徒会長 白銀御行である。

 

 

 

 秀知院生の頂点を位置するこの二人が同時に歩けば自然と人々の視線は彼らに集まる。そんな人々に気圧された様子も無く、普段と同じように雑談しながら歩く二人には最早脱帽するしかない。

 

 

 

「いつ見てもお似合いな二人ですわ」

 

 

 

「ええ、神聖さすら感じてしまいます」

 

 

 

 趣味や経歴は違えど、どこからどう見てもお似合いの二人。生徒達の間で噂が広まるのは無理からぬ話である。

 

《~~生徒会室にて~~》

 

「お二人が付き合っていると言う噂が流れてますけど本当なんですか?」

 

もちろん嘘なの知ってるけどな

これを題材に色々話が進んでくれればいいんだけど……

無理だろうなぁ

 

「あらあら、崇宮君?そんな根も葉もない噂話を真に受けてはいけませんよ?」

「そうだぞ、誠この秀知院学園の生徒の代表たる生徒会役員がそんな根も葉もない噂を信じてどうする?」

 

この嘘つき共、半年以上お互い意識し続けてるじゃねぇかよ

お互いプライドが邪魔して告白出来ねぇだけだろ?

って、俺が言えた義理でもないけどさ……

まぁ?一応全国トップクラスの頭脳を持つ二人ですけど

いろんなすれ違いとその高すぎるプライドから互いが互いに告白してくるのを待つっていう泥沼の頭脳戦をこの半年間続けてるのを見ると普通の高校生なんだなって

 

ただ、二人とも俺に相談してくるのは許せん

のろけられるこっちにもなって欲しい

今日も優の奴は帰っちまっていねぇし藤原書記は使えるときと使えんときがあるから要注意なんだよな

あっ、そう言えば

 

「先日、親の知り合いから映画のペアチケットもらったんですけど知ってます?会長も副会長も」

 

まぁ?これ言ってもお互い牽制しあって誘わせようとするでしょうけどね!!

今まで通り!!

 

「崇宮君は見に行かないんですか?」

 

もうこの二人にどちらかを誘わせようとするのはあきらめた

だからこっちも全力で二人を見に行かせてみせる!!

 

「自分はこの手の映画あまり好みじゃないので結構です。どうせだったら二人で流行りものの調査もかねて見に行ってみたらどうです?」

 

こういえば行くって言うだろ!!

ってか頼む!!

言ってくれ、そしてそのまま付き合ってくれ!!

 

「そうだな、生徒の流行を調査も必要だな?四宮」

「そうですね、ついでに意見交換もいたしましょう?会長」

 

よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!

これでなんとかなるだろ………たぶん

 

 

《こうしてかぐやと白銀の生徒の流行調査と言う名のデートが決定した》

 

《~~その夜~~》

 

 

「お嬢様、本日は新鮮な金目鯛がとれたそうなので煮付けにしてその他の料理も腕をふるったのでお口に合えば幸いです」

 

昔、かぐや嬢に俺の料理を食わした時に、私はこの方の料理を食べたいです、って宣言されてから週3、4日程度かぐや嬢の夕食を作らせてもらってるんだよな

 

「さぁ、かぐや様週末のことは一旦忘れてご飯をいただきましょう?それとも………」

「ま、待って!早坂わかったからその話は止めてぇぇぇ!!///」

 

相変わらず早坂はお嬢様に容赦ねぇなぁ

 

「そう言えば、誠」

「はっ、はい!!」

 

うわっ、変な声出ちゃった

いきなりなんだよ、かぐや嬢?

 

「今日はあなたも食べていってください。あなたのご両親は今日は遅くなると連絡があったので」

「え?よろしいので?」

「構いませんよ。誠もうちにかえって作るのは面倒でしょう?食べていくといいわ」

 

そっか、じゃあ食べさせてもらおうかな

っと、折角だし

 

「ではいただかせていただきます。ですが、早坂も一緒にいただかせて欲しいのです」

「どうしてかしら?」

「他の人の意見もいただきたいのです」

 

嘘だけどな

ホントは早坂と一緒に食べたいのと好みを知りたいからこういうこと言ってるんだけどな

かぐや嬢、気づかないでくれよ?

 

「いいのですか?私の意見なんかで」

「いいんですよ。あなたの意見も欲しいですから」

 

俺がもうちょっと男らしかったら早坂の意見()欲しいって言うんだけど

俺はそこまでできないヘタレだな

 

「わかりました。では、いただかせていただきます」

 

やったね~♪

これで早坂の意見ゲットできるぜ~!!

でも、顔にでないようにしよ

早坂にバレると怖いし

 

《~~四宮かぐや&従者s、食事中~~》

 

「ご馳走さまでした」

「相変わらず美味しいわね。誠」

「お褒めに預かり光栄です。早坂さんはどうでしたか?」

 

めっちゃ気になってあんまり飯の味わかんなかった……

どうだったんだろうか、心配だな

 

「美味しかったですよ?ですが、私はもう少し濃い方が好みですかね?」

 

ふむふむなるほどなるほど

 

「では、今度作るときはもう少し濃い味にさせてもらいますね?また、食べていただけますか?早坂さん?」

「っ!!ええ、またいただきます」

 

ん?なんでビックリしてたんだ?

でもまぁ、また食ってくれるらしいしいいか

 

「誠?この後少しいいかしら?早坂も」

「「ええ、別に構いませんが」」

 

《~~かぐや様の部屋に移動中~~》

 

「で、今週末のことで一体なんですか?かぐや嬢?」

「あなた、会長と仲がとってもいいわよね?」

「ええ、まぁ人並み以上には」

「では、会長の好みの服を教えてちょうだい」

 

あんたの服だったらきっと御行はなんでも喜ぶと思うけど

それ言うと御行に不利になるもんなぁ

ここは、何か御行が好きそうな服装を勧めてみるか

 

「これや、これなどはいかがですか?」

「なるほど、これでいいのね?」

「お待ちください。その服にはこちらの方が合っていますよ?」

 

確かにそっちの方が似合ってるな

やっぱ俺よりかぐや嬢の事よくわかってるなぁ、早坂は

 

「そちらの方が確かによろしいでしょう。」

「わかりました。ではこれで今週末は行かせていただきます。」

「それがよろしいかと」

「それがよろしいと思いますよ?あわよくばそのまま付き合ってはいかがでしょう?」

「そそそそんな事までなるわけないでしょう?これはあくまで調査なんですから///」

 

へー

《その時、早坂と崇宮は思った》

そんな事望んでるお顔ですけどね

 

「まぁ、そー言うことで自分は帰らせていただきますね?」

「そ、そうね、今日はありがとう。誠、助かったわ。」

「いえいえ、おきになさらず。これも自分の役目のひとつなので、ではこれで」

 

 

そう言って俺は四宮邸を出て我が家に帰りかわいい猫たちとじゃれあってから寝た

 

 

 

 

 




服装は、皆さんのご想像にお任せします

次は白銀との会話を書いてみようと思いますではこれで

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